第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 事業を取り巻く経営環境は、国内においては、個人消費や設備投資による民需の下支えや輸出の持ち直しにより緩やかな回復が継続しております。個人消費は雇用環境が改善され、賃金の伸び悩みはあるものの持ち直しが見られ、企業部門では収益改善に伴う設備投資が緩やかに増加しております。海外においては、世界経済全体として緩やかな回復傾向にありながら、米国の対中貿易制裁や金利引き上げ前倒し実施などによる景気減速懸念が強まっております。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループが経営の基本とするのは住友の事業精神であります。住友の事業精神に掲げられている「信用を重んじ確実を旨とする」「浮利に趨り軽進すべからず」の二点は、時代・景況の如何を問わず、いかなる環境においても事業のあるべき姿を示しております。当社グループは、この精神に則り、着実に事業構造の改革を進め、強固な企業体質を築いてまいります。

当社グループは「顧客価値創造」に徹してお客様の長期的信頼を得ることが、当社グループの持続的な発展と企業価値向上につながり、株主の皆様及び従業員・地域社会の期待に応えることになると考えております。

世界を舞台としてレベルの高い安定的な成長を確実なものとするため、一流商品を継続的にお客様に提供する「組織的知識創造型企業」をめざします。マーケティング、開発、生産効率を強化して、究極の「ものづくり」に取り組んでまいります。

 

(2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題

①「中期経営計画2019」

「中期経営計画2019」では、平成31年度に売上高8,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標としております。なお、ROICを引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACCの達成を継続するとともに、ROIC7.5%以上の確保をめざします。

上記の目標達成のため、①「着実な成長」の実現、②「高収益企業体」への転換、③「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出、④積極的な「M&A及び事業提携」等の実施、⑤「CSRの積極推進」を計画の基本方針に掲げ、一流の商品とサービスをグローバルに提供し、ステークホルダーの評価、信頼を通じて社会に貢献してまいります。

注力する分野としては、当社グループの広範囲な事業領域の中でも、エネルギー環境分野及び搬送システム分野を注力領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。

計画遂行においては、引き続き財務規律を維持するとともに、強化された財務体質を活かして成長に向けた投資を積極的に行ってまいります。具体的には「中期経営計画2016」における投資計画を370億円上回る、1,320億円の設備投資、開発投資を3年間で実施する計画であります。

なお、中期経営計画期間3か年における配当性向は30%を目標に設定しております。

 

② 平成29年度の重点課題

「中期経営計画2019」の中間年度となる平成30年度は、その計画達成に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。

(a) 「着実な成長」の実現

事業拡大に向けた施策として、事業ごとの役割に応じて、投資を重点的かつタイムリーに実施することで競争力を維持強化し、グループ全体として着実な成長を図ってまいります。

また、機種ごとに培った固有技術に加え、材料、制御などの共通技術のブラッシュアップによる商品力強化を進めてまいります。そのために必要な設備投資、開発投資及び人材確保については、計画よりも前倒しで実施してまいります。

 

 

(b) 「高収益企業体への転換」

ポートフォリオ・マネジメントを継続し、グループ内での役割のもと、各事業の成長段階や外部環境を踏まえて目標利益と重点課題を明確にし、経営資源の再配分と事業構造改革を推進してまいります。機械コンポーネント事業や精密機械事業などの当社グループをリードする事業群においては、高い目標を設定して高成長高収益を牽引するとともに、全ての事業部門、機種、地域において達成すべき目標を設定し、その達成を通じて高収益体質への変革、事業の骨太化を図ります。

 

(c) 「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出
(ア) 製品品質の向上

本社と事業部門が協業し、総力を挙げて製品品質の向上に取り組むなど、引き続き品質第一の経営を実践してまいります。また事業部門間連携の施策として、アフターマーケット事業の強化をグループ共通課題と位置づけ、顧客ニーズをグループ内で共有し積極的に活用するための営業プロセス変革を推進してまいります。さらに技術開発部門、情報システム部門を中心に、ICT、IoTプロジェクトを進め、必要なインフラ整備にも取り組んでまいります。

(イ) コンプライアンスの徹底

当社グループは、コンプライアンスの徹底を引き続き最重要課題の一つとして捉え、当社及びグループ各社の役員及び社員に対してコンプライアンス教育を継続して行い、グループ全体にコンプライアンス意識の一層の周知徹底を図ってまいります。

(ウ) 安全への取組み

当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成29年度から平成31年度まで第三次実行計画として安全衛生諸活動に取り組んでおります。安全衛生活動基本方針に基づき目標達成に向けて、労働災害撲滅、心身ともに健康な職場づくりの推進に取り組んでまいります。

 

(d) 積極的な「M&A及び事業提携」等の実施

グループ内での事業間シナジーの効果を実現すべく、必要に応じて組織統合や組織間連携を図る一方で、各事業の成長のために積極的に機会を捉えて、M&A及び他社との事業提携、協業も実施してまいります。

 

(e) 「CSRの積極推進」

平成30年度は、CSR中期計画において定めた「商品・サービス」、「環境」、「社会」、「人材」の4つの重点取組分野について以下の施策に取り組んでまいります。

「商品・サービス」では、平成29年度から、当社の事業が社会課題の解決へどのように貢献しているかについて、事業部門ごとに社員と対話をし、持続可能な社会の実現に資する商品・サービスの企画、開発につなげていくための取組みを行っております。平成30年度も引き続き、この取組みを継続するとともに、社会課題解決の視点を加えた商品企画の検討を進めてまいります。

「環境」では、商品のライフサイクル全体での環境負荷の低減に取り組むとともに、その効果を積極的に社外発信することに注力してまいります。また、近年活発化しているESG投資の動きに対応するため、社外評価の向上にも注力してまいります。

「社会」では、社会からの信頼を獲得できるよう、取引先と連携し、CSR調達ガイドライン、各種法令及び社会規範を遵守し、取引先との持続可能な関係の構築に取り組んでおります。平成30年度は、この取組みをさらに浸透させるため、取引先向けのCSR調達ガイドラインの説明会を、規模を拡大して継続してまいります。

「人材」では、ダイバーシティ推進活動を軸とし、多様な人材を活かす職場づくりを進めてまいります。また、ワークライフバランスの向上に向けて、労働時間の短縮や在宅勤務の本格導入に取り組むほか、心身ともに健康な職場づくりを目指し、健康管理マネジメントシステムを導入してまいります。

今後もこれらの取組みを統合して社内外へ発信し、当社CSRの一層の浸透に努めてまいります。

 

 

(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

1  基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方については、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様のご意思に基づいて行われるべきものと考えております。

しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案(以下「大規模買付行為」といいます)の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。

 

2  基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指すとともに、誠実を旨とし、あらゆるステークホルダーから高い評価と信頼を得て、社会に貢献するという企業使命のもと、上記基本方針を実現するため、中期経営計画の策定及びその実践に加えて、以下のとおりコーポレートガバナンスの充実に取り組んでおります。

当社は、当社グループの企業価値の増大を図り、あらゆるステークホルダーからの評価と信頼をより高めていくため、効率的で透明性の高い経営体制を確立することを目的として、「住友重機械コーポレートガバナンス基本方針」を制定しております。また、平成11年の執行役員制の導入、平成14年以降の社外取締役の選任、平成19年の取締役任期の2年から1年への短縮、さらに平成27年からは社外取締役を複数名選任するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。

具体的には、社外取締役は、経営陣から独立した立場で経営を監督し、ステークホルダーの視点を適切に反映させる役割を担っております。また、執行役員制度の導入により、迅速・果断な業務執行を可能とする環境を整備する一方で、重要な経営課題及びリスクの高い経営課題については、取締役会において経営陣から適宜報告を行うものとすることにより、取締役会は、経営陣及び取締役に対する実効性の高い監督を行っております。さらに、取締役会は、会社法その他の関係法令に基づき、内部統制システム及びリスク管理体制を適切に整備するとともに、その年度計画及び運用状況について内部統制部門からの報告を受け、必要な指示を行うことにより、その運用を適切に監督しております。

社外監査役は、各分野における高い専門知識や豊富な経験を、常勤監査役は、当社の経営に関する専門知識や豊富な経験をそれぞれ活かし、実効性の高い監査を行うとともに、取締役会及び執行責任者会議等において経営陣に対して積極的に意見を述べております。また、監査役をサポートする部門として監査役室を設置し、専任の使用人を配置することにより、監査役業務の支援及び監査役に対する円滑な情報提供を行っております。さらに、当社及び関係会社の監査役による関係会社監査役会議を定期的に開催し、監査に関する情報交換、グループとしての監査機能の充実を図っております。また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。

さらに、当社は任意の委員会として、指名委員会、報酬委員会及び倫理委員会を設置しております。指名委員会は、取締役・監査役候補の指名、取締役・監査役の解任、役付取締役・代表取締役の選定・解職等について取締役会の諮問を受けて審査・答申するとともに、最高経営責任者等の後継者計画について毎年確認し、その進捗を取締役会に報告しております。報酬委員会は、取締役及び執行役員の報酬制度、報酬水準等について、取締役会の諮問を受けて審議・答申を行っております。また、倫理委員会は、グループ経営を倫理的観点から監視、指導し、取締役会の企業倫理に関する監督機能の強化・補完の役割を果たしております。

 

 

3  基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を頂き、その後、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行ったうえで、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することにつき、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認を頂きました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。

しかしながら、当社は、平成29年6月29日開催の第121期定時株主総会の終結の時をもって有効期間満了を迎える本プランの取扱いについて検討した結果、現在の経営環境下においては、中期経営計画に掲げる目標の達成に向けた施策を着実に実行することにより、持続的な成長を確保し、株主の皆様をはじめ、広く社会、市場、ステークホルダーの皆様からの社会的信頼に応えていくこと、及びコーポレートガバナンスの更なる整備・強化に取り組むことこそが、株主共同の利益の確保、向上につながるものであって、本プランを継続することが必要不可欠なものではないと判断し、平成29年5月26日開催の取締役会において、かかる有効期間満了をもって本プランを継続しないことを決議しました。

もっとも、当社は、本プランの有効期間満了後も引き続き、当社株式に対して大規模買付行為を行おうとする者に対しては、当社の企業価値、株主共同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の開示を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、適切な措置を講じてまいります。

 

4  基本方針の実現に資する取組みについての取締役会の判断

当社は、上記基本方針を実現するための取組みとして上記2及び3の取組みを進めることにより、当社の企業価値、株主共同の利益の確保、向上につなげられると考えていると同時に、当社の企業価値、株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行うことは困難になるものと考えています。また、大規模買付行為を行う者が現れた場合も、その是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報及び時間の確保に努めるなど、適切な措置を講じてまいります。したがって、上記2及び3の取組みは上記基本方針に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

当社グループの売上高のうち大半を占める資本財に対する需要は、当社グループが販売している国内、海外諸地域の経済状況の影響を受けます。したがって日本、アジア、北米及び欧州その他の当社製品の主要市場における景気後退とそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動

当社グループの事業には、世界各国での製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時のレートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、為替相場の変動は外貨建てで販売する製品及び調達する資材の価格に影響を与える可能性があります。これに対し当社グループはグローバルに生産拠点を配置して現地生産を行い、この変動リスクを軽減するよう努めております。さらに為替先物予約などを利用したリスクヘッジも行っておりますが、依然として当社グループの業績は為替変動により影響を受ける可能性があります。

 

(3) 海外事業

当社グループは特に機械コンポーネント部門、精密機械部門、建設機械部門及び環境・プラント部門において北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っております。しかしながら、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制の変更などにより当該製品の市場が影響を受けることがあり、その結果、当社グループの海外事業での業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 製品の品質

当社グループは、高い品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、これに起因する当社グループ負担の保証工事が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が全ての賠償額をカバーできるという保証はありません。品質問題から起こった当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任は、多額なコストの発生により当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 減損会計の影響

当社は、「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年3月31日公布法律19号)に基づき、平成14年3月31日に事業用の土地の再評価をしております。再評価を行った土地の当期末における時価と再評価後の帳簿価額との差額は181億円(下落率21%)でありますが、今後地価が一層下落した場合や、資産又は資産グループの帳簿価額が回収できない可能性を示す事象が発生した場合、固定資産の減損を認識する可能性があります。減損を認識した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個別受注契約

当社グループは、お客様と個別に受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件につきましては、受注契約締結前の多面的な受注検討を行っております。しかし、当初想定できなかった経済情勢の変動、設計や工程の混乱等による当初見積り以上のコストの発生、訴訟等の提起、製品の性能・納期上の問題によるペナルティーの支払い等の可能性があり、その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また、お客様都合による受注契約取り消しのケースでは、受注契約条件において違約金の設定などリスク回避の努力を最大限に行っておりますが、発生したコストの全額が回収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 環境保全

当社グループは「グループ環境方針」のもと、環境リスクの回避や廃棄物のミニマム化など環境負荷低減に取り組んでおります。環境汚染防止に対しては万全の体制をもって臨んでおりますが、不測の事態等により環境汚染が発生する可能性があります。環境汚染が発生した場合は多額なコストの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 災害

当社グループは火災、地震、台風及び風水害などの各種災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑えるために点検、訓練及び連絡体制の整備を行っております。しかしながら、これら災害による物的・人的被害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。また、これらによる損害額が損害保険等で十分にカバーされる保証はありません。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期における当社グループを取り巻く経営環境は、国内においては企業業績の改善に伴い設備投資が堅調に推移し、海外においては米国の製造業における生産回復が持続し、中国では工業生産が高めの伸びを持続したことなどから世界的に機械需要が増加基調の中にありました。その一方で、貿易摩擦の懸念や、朝鮮半島等での地政学上のリスクが継続するなど依然として不透明感が残る状態でありました。

このような経営環境のもと、当社グループは「中期経営計画2019」をスタートさせ、M&Aや設備投資など成長投資の積極的実施、業務品質の更なる改善への取組み、CSRの積極推進などの重点施策を推進してまいりました。

この結果、当社グループの当期の受注高は、前期比21.5%増の8,640億円、売上高につきましては、前期比17.3%増の7,910億円となりました。

損益面につきましては、営業利益は前期比44.4%増の699億円、経常利益は前期比39.8%増の675億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3.1%増の347億円となりました。また、税引後のROICは10.3%となりました。

 

各部門の経営成績は次のとおりであります。

(a) 機械コンポーネント部門

国内、欧米、中国の中小型の減・変速機及びロボット用精密減速機の市況が堅調に推移し、また大型の減・変速機の市況も回復基調であったことから、受注、売上ともに増加しました。この結果、受注高は前期比18%増の1,151億円、売上高は前期比11%増の1,094億円、営業利益は前期比30%増の118億円となりました。

 

(b) 精密機械部門

プラスチック加工機械につきましては、中国での電気電子関連の高い需要が持続したことから、受注、売上ともに増加しました。その他機種につきましては、半導体関連機種や極低温冷凍機の需要が好調であったことから、受注、売上ともに増加しました。この結果、受注高は前期比23%増の1,905億円、売上高は前期比16%増の1,694億円、営業利益は前期比33%増の195億円となりました。

 

(c) 建設機械部門

油圧ショベル事業につきましては、国内外で需要が伸長したことから、受注、売上ともに増加しました。建設用クレーン事業につきましては、北米市場が回復傾向にあることや、住友重機械建機クレーン株式会社を連結子会社化したことなどから、受注、売上ともに増加しました。この結果、受注高は前期比39%増の2,652億円、売上高は前期比43%増の2,605億円、営業利益は前期比11倍増の174億円となりました。

 

(d) 産業機械部門

受注につきましては、運搬機械事業は減少したものの産業機器事業の鍛造プレス他は増加しました。売上につきましては、産業機器事業の医療関連は増加したものの運搬機械事業及びタービン事業は減少しました。この結果、受注高は前期比4%減の877億円、売上高は前期比15%減の838億円、営業利益は前期比18%減の88億円となりました。

 

(e) 船舶部門

船舶事業につきましては、市況低迷が継続しましたが、前期より1隻多い4隻の新造船を受注しました。ま
た、売上も前期より2隻多い5隻の引渡しとなりました。この結果、受注高は前期比17%増の349億円、売上高
は前期比17%増の383億円、営業利益は前期比44%減の7億円となりました。

 

(f) 環境・プラント部門

エネルギープラント事業につきましては、国内の売上が減少したものの、バイオマス発電設備の受注の増加
や、Sumitomo SHI FW Energie B.V.を連結子会社化したことから、受注、売上ともに増加しました。水処理プ
ラント事業につきましては、長期包括運営管理事業案件の減少により、受注、売上ともに減少しました。この
結果、受注高は前期比17%増の1,627億円、売上高は前期比13%増の1,219億円、営業利益は前期比5%増の95
億円となりました。

 

(g) その他部門

受注高は前期比3%減の77億円、売上高は前期比6%減の78億円、営業利益は前期比1%減の21億円となり
ました。

 

 

 

② 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

機械コンポーネント

112,496

15.6

精密機械

182,330

23.1

建設機械

249,778

31.9

産業機械

85,417

△11.1

船舶

38,069

12.4

環境・プラント

120,981

10.7

その他

7,982

△3.8

合計

797,052

16.8

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械コンポーネント

115,130

18.1

32,682

21.3

精密機械

190,545

23.1

78,411

36.9

建設機械

265,209

39.4

58,505

8.8

産業機械

87,714

△3.9

98,953

4.1

船舶

34,925

16.5

49,944

△6.3

環境・プラント

162,743

16.8

233,629

21.2

その他

7,697

△3.4

1,484

△6.5

合計

863,964

21.5

553,608

15.2

 

(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

機械コンポーネント

109,396

10.9

精密機械

169,405

16.2

建設機械

260,457

42.7

産業機械

83,790

△15.3

船舶

38,291

17.4

環境・プラント

121,885

13.3

その他

7,801

△5.9

合計

791,025

 17.3

 

(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績の分析

(a) 売上高

売上高は、前期比1,167億円増の7,910億円となりました。これは、産業機械部門及びその他部門を除くすべての部門において売上が前期を上回ったことによります。

(b) 売上原価

売上原価は、売上高の増加に伴い、前期比802億円増の5,983億円となりました。売上原価率は前期比1.2ポイント減少の75.6%となりました。

(c) 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前期比150億円増の1,228億円となりました。

(d) 営業外損益

営業外損益は、25億円の損失となり、前期比では23億円の悪化となりました。営業外収益は、持分法による投資利益が減少したことなどにより、前期比20億円減の53億円となりました。営業外費用は、為替差損が増加したことなどにより、前期比3億円増の78億円となりました。

(e) 特別損益

特別損益は、148億円の損失となり、前期比では138億円の悪化となりました。特別利益は、当期は発生しませんでした。特別損失は、和解関連損失を145億円計上したことなどにより、前期比118億円増の148億円となりました。

(f) 法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計)

法人税等は、前期比18億円増の152億円となりました。

(g) 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、28億円となり、前期比では25億円の好転となりました。

(h) 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比10億円増の347億円となりました。

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

総資産は、前連結会計年度末と比べて、無形固定資産が351億円、受取手形及び売掛金が270億円、現金及び預金が244億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて991億円増の8,956億円となりました。

負債合計は、支払手形及び買掛金が369億円、前受金が104億円、有利子負債が37億円増加(対総資産比率は7.2%と0.4ポイント減少)したことなどにより、前連結会計年度末に比べて633億円増の4,506億円となりました。

純資産は、利益剰余金が247億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて358億円増の4,450億円となりました。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比1.9ポイント減少し、48.1%となりました。

 

③ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは現在、運転資金及び設備資金につきましては、借入金及び社債並びに内部資金などにより調達しております。

営業活動による資金の増加は711億円(前年同期は382億円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益527億円、減価償却費230億円であります。支出の主な内訳は法人税等の支払額172億円、和解関連損失の支払額154億円であります。

投資活動による資金の減少は378億円(前年同期は259億円の資金の減少)となりました。これは、主として固定資産の取得による支出299億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出145億円によるものであります。

財務活動による資金の減少は101億円(前年同期は178億円の資金の減少)となりました。これは、主として配当金の支払による支出104億円によるものであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 主要技術導入契約

(提出会社)

契約締結先(国籍)

契約項目

対価

契約有効期間

FN Herstal S.A.
(ベルギー)

5.56ミリ機関銃の製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師招聘費

平成5年7月22日~
平成35年7月8日

General Electric Company
(米国)

医療診断用粒子加速器の
設計・製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) アディショナルペイメント

平成10年12月29日~
無期限

Sumitomo SHI FW Energie
B.V.(オランダ)

循環流動層ボイラの設計・
製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師招聘費

平成13年12月7日~
平成33年12月6日

BAE Systems Bofors AB
(スウェーデン)

40ミリ機関砲の設計・
製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師招聘費

平成15年6月18日~
平成38年6月21日

 

 

(2) 主要技術供与契約

(連結子会社)

会社名

契約締結先
(国籍)

契約項目

対価

契約有効期間

住友重機械
エンバイロメント㈱

Valmet AB
(スウェーデン)

緑液清澄装置(スミ
シックナー)の設計・
製造技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師派遣費

平成17年10月19日~
平成32年10月18日

住友建機㈱

CNH Industrial N.V.
(オランダ)

油圧ショベルの製造・
組立技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

平成26年5月12日~
平成33年6月30日

 

 

(3) 株式の取得による会社等の買収

当社は、平成29年3月2日開催の取締役会において、エイメックフォスターウィラー社(Amec Foster Wheeler  plc. 本社:英国、以下、AFW)のグループ会社であるフォスターウィラー社(Foster Wheeler LLC 本社:米国)より、再生可能エネルギー発電設備を展開するFW エナジー社(FW Energie B.V. 本社:オランダ、以下、FW)の株式を取得するべく株式譲渡契約を締結し、FW を子会社化することとしました。また、平成29年6月23日付で株式譲渡が実行されました。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」をご参照ください。

 

(4) 株式等の取得による会社等の買収

当社は、平成30年5月25日開催の取締役会において、産業用モータを製造・販売するイタリアのLafert S.p.A.(以下、Lafert)及びその持株会社の株式等を取得し子会社化することを決議し、同日付で株式等譲渡契約を締結いたしました。 また、平成30年6月25日付で株式等譲渡が実行されました。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」又は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

5 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、「中期経営計画2019」(平成29~31年度)において、『着実な成長』『高収益企業体』『たゆみなき業務品質改善』『組織統合、M&Aおよび他社との事業提携』『CSRの積極推進』を基本方針として掲げ、一流の商品とサービスの提供を通して社会に貢献することを目指しております。具体的には「商品一流化活動」を推進し、顧客の収益性向上に貢献する「知性に富んだ魅力的な商品(スマート商品)」の開発など、当社グループ一丸で取り組んでおります。

 当連結会計年度の研究開発投資総額は149億円であり、セグメント毎の主な研究開発成果は次のとおりであります。

 

(1) 機械コンポーネント

減・変速機につきましては、主力機種であるベベルタイプのバディボックス減速機新シリーズを市場投入しました。低減速比からの品揃えにより高速入力を可能とし、更にプレミアム効率(IE3)モータによる高効率化、グリース潤滑による自由なレイアウトを実現しています。

また、ベルギーにあるHansen Industrial Transmissions NVに、産業用ギヤボックスの研究開発拠点として「グローバルR&Dセンター」を開設しました。卓越した歯車技術の活用と共に、日本を含め各地域の要求に応えたグローバル商品や新しいサービス・ソリューションを創出していきます。

当該部門に係る研究開発費は15億円であります。

 

(2) 精密機械

プラスチック加工機械につきましては、スマートフォンなどに用いられる薄型で精密なレンズの成形に対応した「SE50EV-Aレンズ専用機」を市場投入しました。また、Sumitomo(SHI)Demag Plastics Machinery GmbHが、全電動小型射出成形機「IntElect」をフルモデルチェンジして販売を開始しました。最新の電動技術導入により高い精密安定性を実現するとともに、欧州の市場要求に適合する優れた操作性や自動化機器との柔軟な対応性を実現しています。

フィルム加工機械につきましては、ラミネータ/キャスト成形用の空圧式自動偏肉補正Tダイ「SMART FLIPPER」が食品分野、産業資材分野等で着実に使用拡大しております。

高真空機器につきましては、顧客装置の稼働率向上のため、従来にないコンセプトの冷却パネルデザインにより水素排気速度を従来比32%、水素吸蔵量を従来比28%向上させた、イオン注入装置向け次世代クライオポンプ「SICERA Ultra」を市場投入しました。

制御システムにつきましては、印刷紙工用途として欧州規格に対応したライン制御用制御盤を市場投入しました。

レーザー加工システムにつきましては、レーザアニール装置の加工プロセスをオンラインで管理・可視化可能なプロセスモニタを市場投入しました。

当該部門に係る研究開発費は53億円であります。

  

(3) 建設機械

建設機械分野では、作業性、経済性、環境保全性及び安全性を追求した市場・顧客ニーズに応える新商品開発、研究に継続して取り組んでおります。

油圧ショベルにつきましては、排ガス規制に対応したエンジンを搭載した新型機種を日本市場に投入し機種構成を充実させました。既に欧米市場に投入して高い評価を得ている排ガス4次規制対応機「SH120-7、SH200-7、SH125/135X-7、SH235X-7」と、より高い低燃費と作業性を実現したアクティブハイブリッドショベル「SH200HB-7」の国内販売を開始しました。当社独自のエンジン制御と油圧制御により作業性や経済性を改善し、機械周辺に人が居ると判断した場合にモニター画面と音でオペレーターに知らせる、進化した周囲監視装置「フィールドビューモニター2(FVM2)」を標準装備することで安全性を高めました。また「SH200-7」では、容易に3Dにバージョンアップ可能な、2Dマシンガイダンス、2Dマシンコントロールをオプションとして用意しており、情報化施工に対応した顧客の施工効率改善に貢献します。

道路機械につきましては、国内の第4次排出ガス規制機「HA60W-10、HA45W-10」を市場投入しました。また、中国市場において現地生産の推進に取り組んでおります。

当該部門に係る研究開発費は48億円であります。

 

 (4) 産業機械

蒸気タービンにつきましては、国内小型FIT プロジェクト向けとして順調に受注/納入する中で、更に信頼性の高い商品開発に取り組んでいます。

物流システムにつきましては、新しく高密度自動倉庫システム「マジックラック」を開発し、市場投入しました。

当該部門に係る研究開発費は22億円であります。

 

(5) 船舶

船舶につきましては、厳しい新環境規則にも適合し、かつ、シェール革命に代表される市場の変化にも対応した、顧客収益性の高い中型タンカーを市場投入し、多くの顧客から好評を得ています。また、生産技術開発の面では、塗装技術や溶接技術のほか、生産管理の高度化にも取り組み、更なる品質と生産性の向上を実現しました。

当該部門に係る研究開発費は2億円であります。

 

(6) 環境・プラント

水環境プラントにつきましては、民間向けには、高濃度糖分を含む廃液の嫌気性処理を可能とする技術を開発し、梅調味廃液を処理するバイオガス発電型嫌気性廃水処理システムを受注しました。自治体向けには、下水処理場の沈澱池設備の汚泥かき寄せ機として、耐震性、耐久性に優れた「SRノッチ」を市場投入しました。また、上水関連では、配水管末端の水質検査と、残留塩素濃度を維持するための管理排水作業を自動化して水質を自動管理する「スマフロプラス」を市場投入しました。

化工機につきましては、中~高粘度液の微粒子製造装置「NANOVisK」が、ファインケミカル分野等で着実に使用拡大しています。

混練機につきましては、混練時に必要な電力や加圧蓋の位置をリアルタイムで確認できる「混練モニタリングシステム」を市場投入しました。製品不良の発生を早期に防ぐことが可能となり、トレーサビリティを強化することで、顧客の品質管理向上に貢献します。

空調機器につきましては、クリーンルーム用精密温調装置「水冷式インバータレヒート型サーマルキューブ」を市場投入しました。圧縮機の回転数を負荷に合わせて制御することで消費電力を低減し、凝縮器と熱交換する冷却水量を制御し冷媒の高圧圧力を一定に保つことで再熱温度範囲向上、吹き出し温度安定化を実現しました。

当該部門に係る研究開発費は9億円であります。

 

(バディボックスは、住友重機械工業㈱の登録商標です)

(SICERAは、住友重機械工業㈱の登録商標です)

(アクティブ ハイブリッド ショベルは、住友建機㈱の登録商標です)

(FVMは、住友重機械工業㈱の登録商標です)

(マジックラックは、住友重機械搬送システム㈱の登録商標です)

(SRノッチは、住友重機械エンバイロメント㈱より商標登録出願中です)

(スマフロは、住友重機械エンバイロメント㈱の登録商標です)

(スマフロプラスは、住友重機械エンバイロメント㈱の商標です)

(サーマルキューブは、日本スピンドル製造㈱の登録商標です)