事業を取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい状況が続いております。ワクチン接種が開始されましたが、変異ウイルスの拡散もあり国内外で収束の見通しは立っておりません。世界各国のロックダウンの一方で様々な景気対策等もあり、一部の地域や産業に持直しの動きが見られるものの、全般的な経済の低迷は続いており、米欧と中国との対立や中東、東アジアの地政学的なリスクを背景に不透明感が増しております。
住友重機械グループは、1888年(明治21年)、住友グループの祖業である別子銅山の工作方として創業以来、社会と産業の発展とともに歩んできました。住友グループ各社に共通の理念と位置付けられる「住友の事業精神」は、社会性が重要視される現在の環境との親和性も高く、当社グループにとっても経営の基本であり、この精神に則り企業使命を果たしていきます。
当社グループは「一流の商品とサービスの提供を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、時代の要求に応える多用な製品やサービスを提供してきました。今後も製品及びサービスのさらなる深化を図り、顧客の声に応え続けるとともに、持続可能な社会実現に向けて、イノベーションにより社会課題解決へのソリューションとなる製品及びサービスを提供していくことが、当社グループの持続的な発展と企業価値向上につながり、株主の皆様及び従業員・地域社会の期待に応えることになると考えています。
新型コロナウイルスは当社の経営に大きな影響を及ぼしました。半導体製造装置など一部に堅調な事業はあるものの、多くの分野では世界経済の退潮を受け需要が低迷いたしました。このような中、当社は、従業員の安全確保、社会的要請への最大限の協力、事業基盤の維持の三点に取り組み、グローバルサプライチェーンを維持しつつ、グループ内連携の強化による競争力の強化のほか、新製品の市場投入やスピニング加工機、フローフォーミング加工機を製造販売するドイツの機械メーカーであるLeifeld Metal Spinning GmbHを買収するなど、持続的成長のための施策を着実に実行してまいりました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により次期中期経営計画の公表を一年延期しておりましたが、このたび「中期経営計画2023」を策定いたしました。「中期経営計画2023」策定に当たっては、企業価値と社会価値の両立を長期の目標として、社会や市場の構造が変化しても持続的に成長し利益を出し続け、社会価値創造に貢献できる企業を当社グループのあるべき姿としました。社会価値創造のために解決すべき課題は、2030年を念頭に置いたメガトレンドや将来目指す姿からバックキャスティングして設定しております。
「中期経営計画2023」では、この長期目標に向けた最初の中期経営計画期間として基礎固めを行うため、以下の方針で取り組んでまいります。
新型コロナウイルスをはじめ、あらゆるリスクに対応するBCP(事業継続計画)を構築しつつ、成長に必要なコンピテンスへの投資を続け、環境変化に耐えうる強靭な事業体を目指してまいります。
DX*活用推進によるビジネスプロセスの変革や全社的な組織開発活動である「PRIDE プロジェクト」への取組みなどにより組織能力を強化するとともに、財務パフォーマンスを向上させ、加えて事業ポートフォリオの見直しにより経営資源の有効活用を図るなど、企業価値を向上させるための変革を推進してまいります。また、事業ポートフォリオの見直しに伴い、2021年度より事業セグメントの変更を行うこととし、新たなセグメント内でのシナジーを発揮することで、企業価値の向上を図ってまいります。
健康で安全な職場づくりを目指し、多様な人材が組織の中で活躍できるよう育成(人材開発)に努め、またダイバーシティを推進して、グローバルにリソースを活用し、働きやすい会社への変革を進めてまいります。
経済的、技術的発展に寄与する商品とサービスの提供を通じて、社会課題の解決と企業価値の向上に努め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループの事業活動及び提供する商品ライフサイクル全体を通じて、温室効果ガスの削減やサーキュラー・エコノミーの推進、エネルギー効率の向上など、環境負荷の低減に取り組んでまいります。
「中期経営計画2023」では、最終年度である2023年度に受注高1兆円、売上高9,700億円、営業利益700億円を達成することを財務目標としております。なお、ROIC**を引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACC***の達成を継続するとともに、ROIC7.5%以上の確保を目指してまいります。
*DX(デジタルトランスフォーメーション Digital Transformation)とは、ITの活用により、あらゆる活動をより良い方向に変化させることを指します。
**ROICとは、投下資本税引後利益率であり、投下資本(株主資本と有利子負債の合計金額)に対してどれだけ利益を出しているか、資本のコストに見合う収益性があるかを示す指標です。
***WACC(加重平均資本コスト Weighted Average Cost of Capital)とは、負債コストと株主資本コストを加重平均したものであり、資本コストの代表的な計算方法です。
当社グループでは、リスクの顕在化の低減に向けたリスクの未然防止・予防に重点を置き、リスク管理委員会の統括によりリスク抽出、リスク評価、リスク対策、リスク管理のモニタリングなどの全社的リスク管理体制を構築し、リスク管理を推進しています。
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上高のうち大半を占める資本財に対する需要は、当社グループが販売している国内、海外諸地域の経済状況の影響を受けます。したがって日本、アジア、北米及び欧州その他の当社製品の主要市場における景気後退とそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
世界的に感染拡大している新型コロナウイルスにより、当社グループを取り巻く経営環境は、国内・海外ともに非常に厳しい状況となっております。対応策等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概況 ① 当連結会計年度の概況」をご参照ください。
当社グループは、北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っております。しかしながら、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制の変更などにより当該製品の市場が影響を受けることがあり、その結果、当社グループの海外事業での業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業には、世界各国での製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時のレートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、為替相場の変動は外貨建てで販売する製品及び調達する資材の価格に影響を与える可能性があります。これに対し当社グループはグローバルに生産拠点を配置して現地生産を行い、この変動リスクを軽減するよう努めております。さらに為替先物予約などを利用したリスクヘッジも行っておりますが、依然として当社グループの業績は為替変動により影響を受ける可能性があります。
当社グループは、高い品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、これに起因する当社グループ負担の保証工事が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が全ての賠償額をカバーできるという保証はありません。品質問題から起こった当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任は、多額なコストの発生により当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、お客様と個別に受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件につきましては、受注契約締結前の多面的な受注検討を行っております。しかし、当初想定できなかった経済情勢の変動、設計や工程の混乱等による当初見積り以上のコストの発生、訴訟等の提起、製品の性能・納期上の問題によるペナルティーの支払い等の可能性があり、その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また、お客様都合による受注契約取り消しのケースでは、受注契約条件において違約金の設定などリスク回避の努力を最大限に行っておりますが、発生したコストの全額が回収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「土地の再評価に関する法律」(1998年3月31日公布法律第34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(2001年3月31日公布法律19号)に基づき、2002年3月31日に事業用の土地の再評価をしております。再評価を行った土地の当期末における時価と再評価後の帳簿価額との差額は167億円(下落率19%)でありますが、今後地価が一層下落した場合や、資産又は資産グループの帳簿価額が回収できない可能性を示す事象が発生した場合、固定資産の減損を認識する可能性があります。減損を認識した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また海外でのM&Aなど成長のための投資を積極的に実施した結果、上記土地以外の有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産を多額に計上しています。今後、収益性の低下等により、固定資産の減損を認識する可能性があります。
当連結会計年度に計上した減損損失につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (連結損益計算書関係)※5 減損損失」をご参照ください。
⑦ 気候変動
世界のCO2の排出量の増加による地球温暖化は、大型台風や集中豪雨等の自然災害の激甚化・増加、平均気温の上昇による猛暑等による職場労働環境への影響等、様々な影響をもたらします。商品・設備の低炭素、脱炭素への移行に向けて、当社の商品やサービスの研究・開発、生産など、経営全般に亘って当社グループに影響をもたらします。又、これらは、当社グループのみならず、当社グループのサプライチェーンへの影響を通じて、当社グループに影響を及ぼす可能性もあります。
このため、当社グループでは、商品ライフサイクル全体での環境への負荷低減のために、商品の製造時、輸送時、使用時等のCO2の排出量削減に取り組んでいます。2020年度から開始した第6次環境中期計画においても、一層、取組みを強化しております。
自然災害への取組み及び環境保全への取り組みは⑧及び⑨をご参照ください。
⑧ 自然災害及び感染症
当社グループは火災、地震、台風、風水害及び感染症などの各種災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑えるために点検、訓練及び連絡体制の整備を行っております。しかしながら、これら災害による物的・人的被害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。これらによる損害額が損害保険等で十分にカバーされる保証はありません。
世界的に感染拡大している新型コロナウイルスについては、従業員の安全確保、社会的要請への最大限の協力、事業基盤の維持の三点を第一に取り組んでまいります。
⑨ 環境保全
当社グループでは「グループ環境方針」のもと、環境リスクの回避や廃棄物のミニマム化など環境負荷低減に取り組んでおります。環境汚染防止に対しては万全の体制をもって臨んでおりますが、不測の事態等により環境汚染が発生する可能性があります。環境汚染が発生した場合は多額のコストの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期における当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国内においては、緊急事態宣言の発出やその後の経済活動の停滞が見られ、海外においては、パンデミックによるロックダウンやそれに伴う経済状況の低落が見られるなど、機械需要は全世界的に下降局面を迎えることになりました。また、これに加え、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び原油価格の変動と低迷など、不透明感も増すことになりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、従業員の安全確保や社会的要請への最大限の協力など新型コロナウイルス感染に対する対処を進め、罹患者発生時における生産維持などの短期的なBCP(事業継続計画)の実現や受注減少局面での事業維持、工場操業の確保などに取り組んでまいりました。
この結果、当社グループの受注高は8,139億円、売上高は8,491億円となりました。
損益面につきましては、営業利益は513億円、経常利益は495億円となり、特別損失として船舶部門等で58億円の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は268億円となりました。
また、税引後のROICは6.1%となりました。
各部門の経営成績は次のとおりであります。
全世界的に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は1,241億円(前期比2%減)、売上高は1,222億円(前期比6%減)、営業利益は22億円(前期比60%減)となりました。
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要の回復や欧米での需要の増加により受注は増加しましたが、受注から売上までリードタイムがあることから売上は減少しました。一方、機種構成等が変化したことから営業利益は増加しました。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が調整局面で受注は減少したものの、受注残があったことから売上は前年並みとなり営業利益は増加しました。この結果、受注高は1,623億円(前期比15%減)、売上高は1,769億円(前期比4%減)、営業利益は171億円(前期比15%増)となりました。
油圧ショベル事業は、国内市場が堅調であったことや北米地区の需要が回復してきたことから受注は増加しましたが、受注から売上までリードタイムがあることから売上は減少し、売上の減少に加え品質コストの負担もあり営業利益も減少しました。建設用クレーン事業は、北米地区の需要が回復してきたものの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は2,537億円(前期比2%減)、売上高は2,487億円(前期比9%減)、営業利益は61億円(前期比64%減)となりました。
運搬機械事業は、電力・港湾向けの需要や物流システムが堅調であったことから受注は増加し、受注残があったことから売上、営業利益も増加しました。その他産業機械事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は863億円(前期比2%減)、売上高は932億円(前期比7%増)、営業利益は85億円(前期比20%増)となりました。
船舶事業は引き続き低迷しておりますが、当期は前期と同じ3隻の新造船を受注しました。引渡しは前期と同じ4隻で、売上は増加しましたが、前年に引き続き営業損失となりました。この結果、受注高は293億円(前期比3%減)、売上高は340億円(前期比3%増)、営業損失は27億円となりました。
エネルギープラント事業は、国内や欧州でバイオマス発電設備の大型案件を受注したことなどから受注は増加し、主に国内で受注残があったことから売上、営業利益ともに増加しました。水処理プラント事業は、排水処理装置の案件が前期に比べ減少したことなどから受注は減少しましたが、受注残があったことから売上、営業利益は増加しました。この結果、受注高は1,524億円(前期比22%増)、売上高は1,680億円(前期比13%増)、営業利益は181億円(前期比52%増)となりました。
受注高は59億円(前期比18%減)、売上高は60億円(前期比17%減)、営業利益は21億円(前期比13%減)となりました。
総資産は、前連結会計年度末と比べて、現金及び預金が125億円、受取手形及び売掛金が115億円、有形固定資産が77億円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて346億円増の1兆307億円となりました。
負債合計は、油圧ショベル事業において品質コストが発生し、保証工事引当金が45億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて73億円増の5,258億円となりました。
純資産は、利益剰余金が231億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて273億円増の5,049億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比1.0ポイント増加し、47.6%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ126億円増加し、962億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、641億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ279億円の増加となりました。これは、たな卸資産の増加幅の縮小や仕入債務が増加したことなどにより運転資本が好転したことなどによるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、437億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ140億円支出が減少しました。これは、前連結会計年度と比較して実施したM&Aが小規模であったことから、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出が減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、80億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ439億円支出が増加しました。これは、前連結会計年度には設備投資とM&Aの実施や現預金の積み増しに伴う借入等により有利子負債が大きく増加した一方、当連結会計年度は有利子負債がわずかに減少に転じたことなどによるものであります。
当社は事業活動に必要な手元流動性について、現金及び現金同等物及びコミットメント・ラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は962億円となりました。当社は複数の金融機関との契約によるコミットメント・ラインも保持しており、当連結会計年度末の未使用のコミットメント・ラインの総額は700億円です。当社の手元流動性は十分に確保されていると考えております。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料及び部品の購入などの運転資金需要です。
資金の調達については、調達コストの低減と資金の安定調達の観点から、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接金融と銀行借入等の間接金融の比率や、調達期間の分散を図っており、当連結会計年度も複数の調達手段を組み合わせた資金調達を行いました。その結果、有利子負債残高は前連結会計年度末より2億円減少し1,244億円となりました。
当社グループは、2021年度を初年度とする3か年の中期経営計画「中期経営計画2023」に基づき、あらゆるステークホルダーの期待に応え、企業価値を持続的に高めるため、ROIC経営を継続してまいります。
「中期経営計画2023」の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題」を参照ください。財務目標は以下のとおりです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(重要な会計方針)」に記載しております。
また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、特に当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は以下のとおりです。
①工事進行基準
当社グループは、当連結会計年度までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては、工事進行基準(工事の進捗率の見積もりはプロジェクトの工事種別ごとの見積総工数及び見積工事期間に占める発生工数等を複合的に合算して算出した進捗率を用いた原価比例法又は出来高基準)を、その他の工事につきましては工事完成基準を適用しております。当初想定できなかった経済情勢の変動やプロジェクトごとの進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を与える可能性があります。
②受注工事損失引当金
当社グループは、未引渡工事のうち、期末時点で大幅な損失の発生する可能性が高いと見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌期以降の損失見積額を受注工事損失引当として計上しております。受注工事損失引当金の見積りを行っていますが、当初想定できなかった経済情勢の変動やプロジェクトごとの進捗状況等により、受注工事損失引当金の金額に影響を与える可能性があります。
③有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として、有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力やタックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の発生状況等に基づき判断しております。当該見積り及び当該仮定において、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に影響を与える可能性があります。
⑤貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。また、貸倒懸念債権及び破産更生債権につきましては、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、貸倒引当金又は貸倒損失の金額に影響を与える可能性があります。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、2020年度において、「新型コロナ禍での事業継続体制の強化」とともに「積極的な研究開発投資の継続」を経営方針とし、一流の商品とサービスの提供を通して社会に貢献することを目指してきております。具体的には「商品一流化活動」を推進し、顧客の収益性向上に貢献する「知性に富んだ魅力的な商品(スマート商品)」の開発など、当社グループ一丸で取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発投資総額は
減・変速機につきましては、「AGV(自動搬送車)用ドライブソリューションsmartris(スマートリス)」を市場投入しました。AGVやAMR(自律移動ロボット)の駆動用として最適なギヤ・サーボモータ・ドライバを安全でコンパクトなワンパッケージとし、さまざまな走行性能や可搬性能を実現します。
また、ギヤモータの故障を未然に検知する「ギヤモータ状態監視システムS-CMS」を市場投入しました。従来商品では多くの場合に必要となる複雑な設定や初期値の入力を不要とすることで、できるだけ簡単に導入でき、すぐに役立つ商品となっています。ギヤモータの劣化傾向を把握・管理し、計画的なメンテナンスや予防保全により生産ラインのダウンタイム短縮に貢献します。
当該部門に係る研究開発費は
プラスチック加工機械につきましては、超高速全電動射出成形機「SEEV-A-SHRシリーズ」を市場投入しました。これまでに発売した型締力500,2200,2800kNの3機種に、型締力1000,1300,1800,3500,4500kNの5機種を新しく追加し、全8種類のフルラインアップでお客様の様々な用途に対して最適な機種を提供します。主な特徴として、射出成形での限界レベルの薄肉化・低歪化を実現しています。
フィルム加工機械につきましては、液晶ポリマー(LCP)対応のインフレーション装置を市場投入しました。同装置では、LCPを安定的にフィルム成形する技術を実現しております。
精密機器につきましては、超電導マグネット冷却用途の4K-GM冷凍機と組み合わせて使用する、空冷圧縮機「FA-50シリーズ」を市場投入しました。従来機から通信、センシング機能及び熱交換性能を強化した上で圧縮機ユニットサイズを28%小型化しました。また、最新型の高効率4K-GM冷凍機から旧モデル冷凍機との組み合わせを可能とし、新規の需要および従来機からの置換え需要を取込める上位互換を実現しました。
レーザ加工システムにつきましては、「Z‘eye(ゼット・アイ)シリーズ」を市場投入しました。反射レーザ光とプラズマ光のインライン測定により、溶接品質の良否を判断する従来型の溶接モニタに新たに加工面の視認性を強化し、生産ラインの検査省力化に貢献します。
制御システムにつきましては、スマート駆動システム「System MXs」を市場投入しました。2次電池・電子材料のコンバーテック製造ライン向けに、これまで培ったRoll to Roll駆動方式の張力制御、ダンサー制御、比例制御などを標準パッケージとして搭載し、お客様での試運転、設備保全の効率化に貢献します。また、製品検査市場向けのAI搭載型3次元追従外観検査システムでは、従来の「KITOVシリーズ」に新たな「KITOV-CORE」を追加し、お客様の運用要求に応じたシステム対応の拡充を行いました。「KITOVシリーズ」は多様な欠陥を検出可能とし、直感的な操作性を実現しております。
クーラント処理装置につきましては、マグネットを利用した新用途への適用や機能向上製品の市場投入を進めております。
精密研削盤につきましては、環境に配慮したクーラント飛散防止カバーや自動化機能の付加などを進めております。
当該部門に係る研究開発費は
建設機械分野では、作業性、経済性、環境保全性、安全性を追求した新商品開発及び研究に継続して取り組んでおります。
油圧ショベルにつきましては、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録された「お知らせ機能付周囲監視装置『FVM2』搭載油圧ショベル」をさらに安全性と作業効率を進化させた衝突軽減システム「FVM2+」を搭載した機械が好評です。また、特定特殊自動車排出ガス規制(オフロード法)2014年基準に適合し、低燃費と作業性を高次元で両立させた7.5tクラスの後方超小旋回機「SH75X-7」及び同超小旋回機「SH75XU-7」を市場投入しました。
道路機械につきましては、欧州ノンロードディーゼル第5次排出ガス規制(StageⅤ)に対応した最大舗装施工幅6mのクローラ式アスファルトフィニッシャ「HA60C-11」を市場投入しました。
当該部門に係る研究開発費は
(4) 産業機械
産業機器につきましては、「BNCT治療システムNeuCure」並びに「BNCT線量計算プログラムNeuCureドーズエンジン」が、日刊工業新聞社主催の第63回「十大新製品賞」において、日本力(にっぽんぶらんど)賞を受賞しました。日本発の高度医療機器が各方面で評価され、BNCT及び当社の認知度向上につながりました。
蒸気タービンにつきましては、市場の高効率化要求に対応し、高圧段へ反動翼を搭載した復水タービンの初号機を受注しました。また、低圧段に関しても新たに翼形状最適化翼を開発し、さらなる高効率化を実現しました。
搬送システムにつきましては、各種運搬荷役機械のリアルタイム監視と故障診断復旧支援から保守・操業管理支援に至る統合型の遠隔監視システムとして「SIRMS」を開発し、サービスの提供を開始しました。機上の設備情報をクラウドネットワークを介して任意の地点からリモート監視が可能となり、お客様の保守戦略や最適な物流と製品の信頼性確保に貢献します。
当該部門に係る研究開発費は
船舶につきましては、中期的なタンカー市場の変化に対応し、かつ、厳しい新環境規則や新燃料にも適合した顧客収益性の高い「中型タンカー」が好評を得ております。新燃料についてはLNG、メタノール燃料船に対する船級の設計基本承認(AIP)を取得済みです。また、塗装技術や溶接技術のほか、生産管理の高度化にも取り組み、さらなる品質と生産性の向上を実現しました。
当該部門に係る研究開発費は
水環境プラントにつきましては、民間工場排水処理設備のリノベーションとして、昨年度上市した「エアロインパクト」を納入しました。本方式により処理負荷アップと処理水質の安定化を実現しました。近年、局地的、集中的な降雨による下水処理施設の浸水被害のリスクが増加しています。そのリスクに対応するための「分流式下水道の雨天時浸入水量予測及び雨天時運転支援技術に関する実証事業」について、国土交通省による下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)として採択されました。
化工機につきましては、中~高粘度液の微粒子製造装置「NANOVisK」が、ファインケミカル分野等で着実に使用拡大しております。
当該部門に係る研究開発費は
(smartrisは、住友重機械工業㈱より商標出願中です)
(Z’eyeは、住友重機械工業㈱の登録商標です)
(FVMは、住友重機械工業㈱の登録商標です)
(NeuCureは、住友重機械工業㈱の登録商標です)
(SIRMSは、住友重機械搬送システム㈱より商標出願中です)
(エアロインパクト/AEROIMPACTは、住友重機械エンバイロメント㈱より商標出願中です)