事業を取り巻く経済環境は、これまで以上に変化が早く、厳しさを増しており、当面の機敏な対応を求められております。新型コロナウイルス感染症再拡大の勢いがいまだ衰えない中、欧米を中心にwithコロナへの政策転換による経済活動再開の兆しが見られるものの、繰延需要の先取り対応や米中覇権争い、カーボンニュートラルへの動きによるエネルギー価格の上昇や物流の停滞、一部資材の生産供給の遅延、急激な円安及びこれらによるインフレーションの顕在化に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴う経済制裁の影響など、不透明感を強めております。
住友重機械グループは、1888年(明治21年)、住友グループの祖業である別子銅山の工作方として創業以来、社会と産業の発展とともに歩んできました。住友グループ各社に共通の理念と位置付けられる「住友の事業精神」は、社会性が重要視される現在の環境との親和性も高く、当社グループにとっても経営の基本であり、この精神に則り企業使命を果たしていきます。
当社グループは「一流の商品とサービスの提供を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、時代の要求に応える多様な製品やサービスを提供してきました。今後も製品及びサービスのさらなる深化を図り、顧客の声に応え続けるとともに、持続可能な社会実現に向けて、イノベーションにより社会課題解決へのソリューションとなる製品及びサービスを提供していくことが、当社グループの持続的な発展と企業価値向上につながり、株主の皆様及び従業員・地域社会の期待に応えることになると考えています。
新型コロナウイルス感染症の度重なる流行下で、当社グループは、従業員の安全確保、社会的要請への最大限の協力、事業基盤の維持の三点に取り組み、グローバルサプライチェーンを維持しつつ、グループ内連携の強化による競争力強化を図ることで、当初想定以上の業績を確保することができました。また、ポストコロナでの経済活動再開をみすえた生産財への需要増加により、前期に比して受注の拡大を図ることができ、特に、半導体製造装置や電機制御関連では、大きく受注を拡大することができました。今後は、これら生産拡大に対応する投資を積極的に実施してまいります。
2021年度に公表いたしました「中期経営計画2023」においては、企業価値と社会価値の両立を長期の目標として、社会や市場の構造が変化しても持続的に成長し利益を出し続け、社会価値創造に貢献できる企業を当社グループのあるべき姿としました。
社会価値創造のために解決すべき課題は、2030年を念頭に置いたメガトレンドや将来目指す姿からバックキャスティングして設定しております。
「中期経営計画2023」では、2030年までの長期目標に向けた最初の中期経営計画期間として基礎固めを行うという位置づけの下、以下の方針で取り組んでまいります。
新型コロナウイルスをはじめとする、あらゆるリスクに対応するBCP(事業継続計画)を構築しつつ、成長に必要なコンピテンスへの投資を続け、環境変化に耐えうる強靭な事業体を目指し引き続き取り組んでまいります。エネルギー価格や資源価格が上昇する中においても、2021年度は当初の業績目標を達成することができ、今後も積極的な設備投資及び研究開発投資を実施することで、より強靭な事業体の構築に努めてまいります。
DX*活用推進によるビジネスプロセスの変革や全社的な組織開発活動である「PRIDE プロジェクト」への取組みなどを進め組織能力の一段の強化を図るとともに、財務パフォーマンスを向上させ、加えて事業ポートフォリオの見直しによる経営資源の有効活用を図るなど、企業価値を向上させるための変革を加速してまいります。また、事業ポートフォリオの見直しに伴い、2021年度より報告セグメントを変更するとともに、セグメント毎の協議体及び取締役会メンバーを含めた長期戦略を議論する会議体を設置し、「選択と集中」を含めた当社グループ事業の在り方に関する議論を進めております。このような取組みを加速し、新たなセグメント内でのシナジー発揮を進め、企業価値の向上を図ってまいります。
健康で安全な職場づくりを進め、多様な人材が組織の中で活躍できるようその育成(人材開発)に努めてまいります。加えて、ダイバーシティを推進し、グローバルにリソースを活用して、働きやすい会社への変革を一層推進してまいります。2021年度においては、女性管理職数の2023年度目標を前倒しで達成するとともに、女性監査役を選任するなどダイバーシティの推進に積極的に取り組み、またリモート勤務体制の推進により安定的に事業活動を実施する体制の構築に努めており、今後も取組みを強化してまいります。
経済的、技術的発展に寄与する製品とサービスの提供を通じて、社会課題の解決と企業価値の向上に継続して取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。特に「環境・エネルギー」及び「自動化・デジタライゼーション」を重点領域と位置づけ、開発の推進と新製品の上市を行っており、引き続き製品・サービスの提供によるCSV**推進に取り組んでまいります。
当社グループの事業活動及び提供する商品ライフサイクル全体を通じて、温室効果ガスの削減やサーキュラー・エコノミーの推進、エネルギー効率の向上など、環境負荷の低減に一層注力してまいります。また、当社グループでは2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同し、2030年におけるCO2削減目標の達成や2050年のカーボンニュートラル実現への取組みを進め、脱炭素社会実現に向けた気候変動対策に貢献してまいります。
脱炭素社会実現に向けた気候変動に関する当社目標は以下のとおりであります。
・2030年における当社製品製造時のCO2排出量(Scope1、2)50%削減(2019年度比)
・2030年における当社製品使用時のCO2排出量(Scope3 Cat.11)30%削減(2019年度比)
・2050年のカーボンニュートラル達成を目指す

当社は、2022年6月29日開催の第126期定時株主総会において承認されました事業年度の変更(「第6 提出会社の株式事務の概要」参照)に伴い、また、withコロナにおける事業環境の変化、半導体分野での旺盛な設備投資状況、円安の進行及びデフレからのインフレ転換を考慮し、2021年度に公表いたしました「中期経営計画2023」の数値目標を修正することとし、最終年度である2023年度に受注高1兆700億円、売上高1兆500億円、営業利益760億円を達成することを新たな財務目標といたします。なお、ROIC***を引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACC****の達成を継続するとともに、ROIC7.5%以上の確保を目指してまいります。
*DX(デジタルトランスフォーメーション Digital Transformation)とは、ITの活用により、あらゆる活動をより良い方向に変化させることを指します。
**CSV(共有価値の創造 Creating Shared Value)とは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することで自社の持続的成長につなげるという考え方です。
***ROICとは、投下資本税引後利益率であり、投下資本(株主資本と有利子負債の合計金額)に対してどれだけ利益を出しているか、資本のコストに見合う収益性があるかを示す指標です。
****WACC(加重平均資本コスト Weighted Average Cost of Capital)とは、負債コストと株主資本コストを加重平均したものであり、資本コストの代表的な計算方法です。
当社グループでは、リスクの顕在化の低減に向けたリスクの未然防止・予防に重点を置き、リスク管理委員会の統括によりリスク抽出、リスク評価、リスク対策、リスク管理のモニタリングなどの全社的リスク管理体制を構築し、リスク管理を推進しています。
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上高のうち大半を占める資本財に対する需要は、当社グループが販売している国内、海外諸地域の経済状況の影響を受けます。したがって日本、アジア、北米及び欧州その他の当社製品の主要市場における景気後退とそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
対応策等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概況 ① 当連結会計年度の概況」をご参照ください。
当社グループは、北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っております。しかしながら、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制の変更、紛争の発生などにより当該製品の市場が影響を受けることがあり、その結果、当社グループの海外事業での業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業には、世界各国での製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時のレートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、為替相場の変動は外貨建てで販売する製品及び調達する資材の価格に影響を与える可能性があります。これに対し当社グループはグローバルに生産拠点を配置して現地生産を行い、この変動リスクを軽減するよう努めております。さらに為替先物予約などを利用したリスクヘッジも行っておりますが、依然として当社グループの業績は為替変動により影響を受ける可能性があります。
当社グループは、高い品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、これに起因する当社グループ負担の保証工事が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が全ての賠償額をカバーできるという保証はありません。品質問題から起こった当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任は、多額なコストの発生により当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、お客様と個別に受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件につきましては、受注契約締結前の多面的な受注検討を行っております。しかし、当初想定できなかった経済情勢の変動、設計や工程の混乱等による当初見積り以上のコストの発生、訴訟等の提起、製品の性能・納期上の問題によるペナルティーの支払い等の可能性があり、その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また、お客様都合による受注契約取り消しのケースでは、受注契約条件において違約金の設定などリスク回避の努力を最大限に行っておりますが、発生したコストの全額が回収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「土地の再評価に関する法律」(1998年3月31日公布法律第34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(2001年3月31日公布法律第19号)に基づき、2002年3月31日に事業用の土地の再評価をしております。再評価を行った土地の当期末における時価と再評価後の帳簿価額との差額は171億円(下落率20%)でありますが、今後地価が一層下落した場合や、資産又は資産グループの帳簿価額が回収できない可能性を示す事象が発生した場合、固定資産の減損を認識する可能性があります。減損を認識した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また海外でのM&Aなど成長のための投資を積極的に実施した結果、上記土地以外の有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産を多額に計上しています。今後、収益性の低下等により、固定資産の減損を認識する可能性があります。
当連結会計年度に計上した減損損失につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (連結損益計算書関係)※5 減損損失」をご参照ください。
⑦ 気候変動
世界のCO2の排出量の増加による地球温暖化は、大型台風や集中豪雨等の自然災害の激甚化・増加、平均気温の上昇による猛暑等による職場労働環境への影響等、様々な影響をもたらします。商品・設備の低炭素、脱炭素への移行に向けて、当社の商品やサービスの研究・開発、生産など、経営全般に亘って当社グループに影響をもたらします。又、これらは、当社グループのみならず、当社グループのサプライチェーンへの影響を通じて、当社グループに影響を及ぼす可能性もあります。
対応策等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
自然災害への取組み及び環境保全への取り組みは⑧及び⑨をご参照ください。
⑧ 自然災害及び感染症
当社グループは火災、地震、台風、風水害及び感染症などの各種災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑えるために点検、訓練及び連絡体制の整備を行っております。しかしながら、これら災害による物的・人的被害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。これらによる損害額が損害保険等で十分にカバーされる保証はありません。
新型コロナウイルス感染症の度重なる流行に対しては、従業員の安全確保、社会的要請への最大限の協力、事業基盤の維持の三点を第一に取り組んでまいります。
⑨ 環境保全
当社グループでは「グループ環境方針」のもと、環境リスクの回避や廃棄物のミニマム化など環境負荷低減に取り組んでおります。環境汚染防止に対しては万全の体制をもって臨んでおりますが、不測の事態等により環境汚染が発生する可能性があります。環境汚染が発生した場合は多額のコストの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期における当社グループを取り巻く経営環境は、国内においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響が一
部残るものの製造業を中心に設備投資に回復が見られ、海外においては、米国や欧州などで経済の回復を背景に
設備投資が回復し、世界的に機械需要は増加基調となりました。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響が残
る一部の地域や業種では回復の動きが遅く、二極化の動きが見られました。また、これに加え、原材料や調達品
の価格上昇と需給逼迫、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び原油価格の変動など、不透明感が
残る状態でもありました。
このような経営環境のもと、当社グループは「中期経営計画2023」を策定し、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することをめざし、強靭な事業体の構築、企業価値向上のための変革、SDGsへの貢献拡大、環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進してまいりました。
この結果、当社グループの受注高は1兆753億円、売上高は9,440億円となりました。
損益面につきましては、営業利益は657億円、経常利益は648億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は
441億円となりました。
また、ROICは7.3%となりました。
各部門の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。また、前連結会計年度(前年同期)の数値につきましては、新セグメントの区分に組替えております。
国内や欧米で中小型の減・変速機やロボット用精密減速機、モータの需要が増加し、受注、売上、営業利益
ともに増加しました。この結果、受注高は1,945億円(前期比42%増)、売上高は1,610億円(前期比21%増)、営
業利益は64億円(前期比106%増)となりました。
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連や欧州での需要増加により、受注、売上、営業利益とも
に増加しました。その他の事業では、半導体関連の需要が増加したことから受注、売上は増加したものの、売
上の機種構成の変化により営業利益は減少しました。この結果、受注高は2,890億円(前期比56%増)、売上高は
2,306億円(前期比13%増)、営業利益は193億円(前期比22%増)となりました。
油圧ショベル事業は、国内市場が堅調であったことや北米地区の需要が増加したことから、受注、売上、営
業利益ともに増加しました。その他の事業では、建設用クレーン事業が、国内や北米地区の需要が回復してき
たことから、受注、売上、営業利益ともに増加しましたが、運搬機械事業は、造船や鉄鋼関連の需要回復が遅
れていることから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は4,001億円(前期比31%
増)、売上高は3,414億円(前期比13%増)、営業利益は193億円(前期比42%増)となりました。
エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電設備の大型案件が前期に比べ減少したことから受注は減
少しましたが、受注残があったことから売上、営業利益はともに増加しました。その他の事業では、受注は増
加しましたが、売上、営業利益はともに減少しました。この結果、受注高は1,856億円(前期比3%増)、売上高
は2,051億円(前期比1%増)、営業利益は182億円(前期比9%増)となりました。
受注高は61億円(前期比4%増)、売上高は60億円(前期比1%減)、営業利益は24億円(前期比17%増)となり
ました。
総資産は、受注増などに伴い、棚卸資産が320億円、受取手形、売掛金及び契約資産が118億円それぞれ増加し、設備投資の増加に伴い有形固定資産が252億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて642億円増の1兆949億円となりました。
負債合計は、現預金の取り崩しなどにより、有利子負債が132億円減少しましたが、受注増に伴い支払手形及び買掛金が124億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて23億円増の5,281億円となりました。
純資産は、利益剰余金が328億円、円安に伴い為替換算調整勘定が226億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて619億円増の5,668億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比2.7ポイント増加し、50.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ113億円減少し、850億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、617億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ25億円の減少となりました。これは、税金等調整前当期純利益は増加しましたが、受注増などに伴い棚卸資産の増加幅が拡大したことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、497億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ59億円支出が増加しました。これは、積極的な設備投資により、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、281億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ201億円支出が増加しました。これは、現預金の取り崩しにより有利子負債が減少したことなどによるものであります。
当社は事業活動に必要な手元流動性について、現金及び現金同等物及びコミットメント・ラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は850億円となりました。当社は複数の金融機関との契約によるコミットメント・ラインも保持しており、当連結会計年度末の未使用のコミットメント・ラインの総額は700億円です。当社の手元流動性は十分に確保されていると考えております。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料及び部品の購入などの運転資金需要です。
資金の調達については、調達コストの低減と資金の安定調達の観点から、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接金融と銀行借入等の間接金融の比率や、調達期間の分散を図っており、当連結会計年度も複数の調達手段を組み合わせた資金調達を行いました。その結果、有利子負債残高は前連結会計年度末より132億円減少し1,113億円となりました。
当社グループは、2021年度を初年度とする3か年の中期経営計画「中期経営計画2023」に基づき、あらゆるステークホルダーの期待に応え、企業価値を持続的に高めるため、ROIC経営を継続してまいります。
「中期経営計画2023」の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題」を参照ください。財務目標は以下のとおりです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(重要な会計方針)」に記載しております。
また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、特に当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は以下のとおりです。
①一定の期間にわたり充足される履行義務に係る工事原価総額
当社グループは、一定の期間にわたり充足される履行義務につきましては、履行義務の充足に係る進捗度を見積もり、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。進捗度の見積りは主に原価比例法を用いており、原価比例法においては、実施した工事に関して発生した工事原価が見積工事原価総額に占める割合をもって工事の進捗度としております。当初想定できなかった経済情勢の変動やプロジェクトごとの進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を与える可能性があります。
②受注工事損失引当金
当社グループは、未引渡工事のうち、期末時点で大幅な損失の発生する可能性が高いと見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌期以降の損失見積額を受注工事損失引当として計上しております。受注工事損失引当金の見積りを行っていますが、当初想定できなかった経済情勢の変動やプロジェクトごとの進捗状況等により、受注工事損失引当金の金額に影響を与える可能性があります。
③有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として、有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力やタックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の発生状況等に基づき判断しております。当該見積り及び当該仮定において、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に影響を与える可能性があります。
⑤貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。また、貸倒懸念債権及び破産更生債権につきましては、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、貸倒引当金又は貸倒損失の金額に影響を与える可能性があります。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、2021年度も「適切かつ計画的な研究開発投資の実行」を経営方針とし、一流の商品とサービスの提供を通して社会に貢献することを目指しております。「商品一流化活動」として「品質」「性能」「収益性」「社会課題解決レベル」を向上させる新商品開発、機種技術開発に取り組んでおります。同時に、中長期を見据えた基盤技術開発、未来商品技術開発、生産性・生産工法・品質などを向上させる生産技術開発などにも、当社グループ一丸で取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発投資総額は
減・変速機につきましては、2020年に市場投入した走行駆動装置のパッケージ「smartris(スマートリス)シリーズ」の充実化を進めています。製造現場の範囲にとどまらず広く搬送業務において大きな役割を担う商品を提供します。
また、産業用ロボット向け精密減速機では、小型領域で高い剛性と大口径のセンターホローを実現したファインサイクロ減速機「CAシリーズ」及び「ECYシリーズ」のモデルチェンジを図り、市場投入しました。インダストリアルオートメーションの分野に限らず、今後拡大が見込まれる新たな市場に対しても従来の減・変速機、モータ、インバータの商品範囲を超えて、社会や顧客の課題解決に貢献する商品の開発及び市場投入とソリューションの提供を進めていきます。
レーザ加工システムにつきましては、「SWA-93GNC」を市場投入しました。300mmFOUPカセット対応を維持し、フットプリントを従来比で50%に抑えました。プロセス性能はそのままで、小型化により、お客様の半導体生産におけるランニングコスト低減に貢献します。
制御システムにつきましては、グラビア印刷機向けに「S-PackageGravureⅡV2」を市場投入しました。印刷ロスの低減機能などで、お客様から好評を頂いている印刷制御専用ソフトウェアを13色対応から16色対応に拡張いたしました。これにより、表現力豊かなグラビア印刷に貢献します。
当該部門に係る研究開発費は
プラスチック加工機械につきましては、全電動二材射出成形機「SE400HS-CI」を市場投入しました。近年、生産工程の省力化、デザイン・シール性などの機能向上、質感向上を目的とした二材成形の需要が増加しています。特に自動車業界においては、成形品の高付加価値化・高機能化により金型が大型化しており、大型の反転盤を搭載した二材成形の要求が高まっています。全電動二材射出成形機CIシリーズのラインアップ(型締力290kN-2740kN)を4000kNまで拡充することで、これらのニーズに対応します。また、全電動導光板専用機「SE315EV-A-LGP」を市場投入しました。近年、車載やVRを中心とした導光板の大型薄肉化の広まりと、高性能射出装置が必要な高粘度樹脂の要求が高まっていることから、全電動導光板専用機のラインアップに新たに型締力3150kNを加えることで、これらのニーズに対応します。
精密機器につきましては、イオン注入装置向けクライオポンプ「SICERA Ultraシリーズ」の「10インチモデル」を市場投入しました。従来機種からクライオパネル形状を新設計とし、エネルギー消費効率に優れた冷凍機・圧縮機を適用する事でH2高速排気性能と、省エネ性能(従来機種比: 最大15%以上)を両立させました。先行でリリース済みの「12インチモデル」に「10インチモデル」が加わる事で、新規需要 に加え従来機からの置換え需要を取込めるラインナップを実現しました。
産業機器につきましては、陽子線治療用としては世界最高レベルの1000nAの高強度陽子線を発生できる超電導サイクロトロンの開発に成功しました。超電導サイクロトロンの開発成功は、当社が開発を進める次世代陽子線治療システムの実現に向けた大きな一歩となります。従来、陽子線を腫瘍に照射するには長い時間が必要でした。しかし、今回開発した超電導サイクロトロンは、陽子線の強度を従来の3倍以上に高め、照射時間を1/3以下に短縮することができます。また、超電導磁石を使用することで、消費電力を40%削減し、陽子線治療システムを低コストで稼働させることが可能になりました。また、PET診断として期待される前立腺がん診断領域で、AMEDの支援のもとアカデミアとの協業により「サイクロトロンによるGa-68の製造とGa-68標識PSMA-11の製造システムの確立」を達成し、プレスリリースを行いました。
クーラント処理装置につきましては、コア技術展開による用途拡大での生産性向上と環境改善に向けた機種開発強化に取組んでおります。
精密研削盤につきましては、高い生産性を追求した機能開発を行い顧客価値向上に取組んでおります。
当該部門に係る研究開発費は
建設機械分野では、作業性、経済性、環境保全性、安全性を追求した新商品開発及び研究に継続して取り組んでおります。
油圧ショベルにつきましては、国内向け機械ではオペレーターの周囲安全確認をサポートする衝突軽減システムを搭載したお知らせ機能付周囲監視装置「FVM2+(フィールドビューモニター2プラス)」が好評です。海外向け機械では欧州第5次排出ガス規制(StageV)に対応した中大型機種(20t/25t/30t)の欧州での発売を開始しました。また、30tクラスの後方小旋回機を開発し、現在北米市場への導入に向けて準備中です。
道路機械につきましては、欧州第5次排出ガス規制(StageV)に対応した最大舗装施工幅6mのホイール式アスファルトフィニッシャ「HA60W-11」を市場投入しました。
基礎工事用機械につきましては、コンパクトで機動性に定評のある「SDX407-2」に、新たな仕様として「SDX407-2リーダ式アースドリル」を追加、販売開始しました。近年、都市部の狭隘地などで増加する障害物撤去作業へのニーズに対応し、アースドリル拡底仕様やクレーン性能を設定することで、さらなる現場作業の効率化を図った仕様としております。
当該部門に係る研究開発費は
エネルギープラント設備につきましては、「循環流動層(CFB)ボイラ」専用のプラント運用支援システム「IZANA」を開発しました。IZANAは、当社が保有するCFBボイラを用いた発電設備のノウハウをベースにしたAI(機械学習モデル)です。IZANAは、お客様のプラントの運転データを常時蓄積・診断を行い、不具合の予防や安定運用に関わるアドバイスを提供するとともに、設備の点検・保守にも貢献することができる画期的なシステムです。
下水処理設備につきましては、国土交通省による下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)を実施しました。これは、近年になり、局地的・集中的な降雨による下水処理施設の浸水被害のリスク増加に対応するものです。2021年度は「分流式下水道の雨天時浸入水量予測及び雨天時運転支援技術に関する実証事業」における1年目の実証事業を完了しました。今年度実証事業の継続が確定しましたので引き続き検証を行い、ガイドライン化を目指します。
蒸気タービンにつきましては、市場の小規模分散化要求に対応し、2MWクラス発電用としてコンパクト且つ高性能な「C3.5型機」の初号機を受注しました。また、5~10MW領域でも、新規高効率長翼を搭載し高性能で価格を抑えた小型長翼機を市場投入しました。
化工機につきましては、中~高粘度液の微粒子製造装置「NANOVisK」が、ラボ機からパイロット機へ着実に使用拡大しております。更なる用途拡大を狙い活動しております。
船舶につきましては、中期的なタンカー市場の変化に対応し、かつ、厳しい新環境規則にも適合した顧客収益性の高い「中型タンカー」が好評を得ております。新燃料につきましてはLNG、メタノール燃料船に対する船級の設計基本承認(AIP)を取得済みです。また、塗装技術や溶接技術のほか、生産管理の高度化にも取り組み、更なる品質と生産性の向上を実現しました。
当該部門に係る研究開発費は
(smartrisは、住友重機械工業㈱の登録商標です)
(SICERAは、住友重機械工業㈱の登録商標です)
(FVMは、住友重機械工業㈱の登録商標です)
(IZANAは、住友重機械工業㈱の登録商標です)