文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。
当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、新技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、2016年度から始まる3年間の前中期経営計画が2018年度で終了し、新たに2019年度から始まる3ヵ年の新中期経営計画を策定いたしました。新中期経営計画では、①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、②利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築、③グループ経営促進による連結収益力の向上の3つを骨子としております。
①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革では
1)リスクの大きな事業を抑え、安定的な利益を確保できるビジネスモデルへ転換
2)市場環境の変化に即応したリソースの機動的配置による事業構造の改革
3)新たな重点開発領域の発掘と挑戦
を実施し、技術・実績等を基に市場優位性のあるビジネスモデルを構築し、安定的な利益を確保できる事業に転換して行くことを目指してまいります。
②利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築では
1)売上規模拡大に偏重せず、獲得利益を基に受注・事業・経営判断を実施することを徹底
2)営業利益率に加えROEの目標値を導入、資本効率の向上で市場評価を高める
ことで、安定した収益基盤の獲得を目指してまいります。
③グループ経営促進による連結収益力の向上では
1)本体と子会社との事業連携を強化し、グループでの効果的なバリューチェーンを構築
2)本体と子会社との連携強化によるリソースの有効活用
をはかり、当社が建設した設備のメンテナンスを子会社が実施することで、連結収益力の向上を行ってまいります。
(3)経営環境
エンジニアリング事業においては、水素市場での水素・燃料電池ロードマップに即した需要量の増加を見込んでおりましたが、想定した進捗よりも全体的に遅れ気味となっており、水素ステーション建設については、競合他社の参入増加により競争が激化している状況となりました。
下水道事業は漸減傾向となりましたが、バイオガスは継続的な需要がありました。下水道の広域化・集約化による汚水処理リノベーションを国交省が「新下水道ビジョン」にて促進しており、処理場等の地域バイオマスステーション化による再生可能エネルギーネットワークの構築が進んでおります。
単体機械事業においては、国際海事機関(IMO)により、一般海域を航行する全ての船舶を対象に、2020年1月より硫黄含有率が0.5%以下の燃料油の使用を義務化されたため、現行の硫黄分含有率が3.5%の燃料油を継続して使用するためには、SOx(硫黄酸化物)スクラバーの設置が必要となり、スクラバー装置の搭載が活発化しております。また、NOx(窒素酸化物)対策としての排ガス再循環システム(EGR)も堅調な動きをみせております。
(4)対処すべき課題
当連結会計年度は、次世代成長分野への投資及び将来への経営基盤確立を骨子に2016年度を初年度として開始した3ヵ年の中期経営計画の最終年度でありましたが、目標としておりました最終年度の売上高、営業利益のいずれも大幅未達となりました。この主たる要因は、国内外で計画していたプラント案件において価格競争の激化や顧客の計画延期等により受注に至らなかったものがあったこと、また、次世代成長分野として位置付けている水素ステーションについても、政府の燃料電池自動車普及計画見直しにより案件が減少したこと等により、特にプラント事業の計画と実績が大幅に乖離したことによるものであります。一方で、官公庁向け下水処理装置を中心とする環境事業の受注が好調であったこと、また、単体機械事業において、次世代成長分野として位置付けている船舶環境規制対応機器であるSOx(硫黄酸化物)スクラバーの引き合いが増加したこと等の前向きな動きも見られました。
当社は、この度新たな中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定いたしました。上記の結果を真摯に受け止め、最重要課題である受注の確保・拡大への取り組み及び次世代成長分野への投資を継続していくとともに、①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革をはかること、②利益指標を最重視し安定的な高収益体制を構築すること、③グループ経営促進による連結収益力の向上をはかることの基本方針の下、営業力、技術力及び収益力を強化し、市場環境の変化に即応し、営業利益を確保することにより、成長への盤石な経営基盤の構築に努めてまいります。
また、当社グループにおけるメンテナンス事業の一層の強化及びグループ内での経営リソース最適化を推進し、グループ全体としての収益の安定化並びに収益力強化をはかるため、2019年4月1日付にて組織再編を実施いたしました。当社はメンテナンス事業に対応するための新組織を立ち上げ、事業移管先である子会社との協業を行ってまいります。
全社的には、業務効率化、間接コストの改善、財務体質の強化等による企業体質の強化施策を継続してまいります。併せて、新人事制度に基づいた成果・実力主義を一層推進することにより組織の活性化をはかるとともに、当社の技術・技能を継承し発展に繋げることを目的とした人材育成施策につきましても引き続き重要課題として取り組んでまいります。
また、モノづくりとエンジニアリングを行う企業集団として、安全の確保に、より一層注力してまいります。併せて、社会的に信頼される企業集団を目指して、引き続き法令遵守の徹底と、会社法及び金融商品取引法に対応した内部統制システムの適切な運用に努めるとともに、コーポレート・ガバナンスにつきましても一層の充実をはかってまいります。株主のみなさまにおかれましては、今後とも、なお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。
なお、本項における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経済情勢
当社グループの主要顧客である化学・石油・ガス・海運業界及び公共下水処理等の設備投資の動向により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格競争
当社グループの受注は請負契約が主体であり、激化する価格競争の中で、競合先に対して価格優位性が保てない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)資材調達コスト
受注から引渡しまでの工期が長期に亘る工事もあり、急激な素材価格等の上昇は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)安全、品質問題
多額のコストを必要とする製品欠陥が発生する場合、また、建設工事現場において事故・災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外取引先の選定・管理
海外企業を調達・下請先として利用することがありますが、これら海外企業の品質不良・納期遅延や倒産等により、プロジェクトの採算が悪化することがあります。海外取引先の選定・管理を誤ると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)技術者の確保・育成
当社グループの事業に必要な技術を有するエンジニアの確保と育成ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)研究開発・技術提携
研究開発の結果生み出した新製品・新技術及び技術提携により導入した技術が販売目標を達成できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)取引先企業の信用
顧客企業及び仕入先企業の業績不振、倒産等によって入金遅延、納期遅延等が発生する場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替レートの変動
外貨建取引における他の通貨に対する円高は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)株価下落
当社グループは取引先、金融機関等の市場性のある有価証券を保有しておりますが、株価の下落によって保有有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)退職給付債務
当社グループの退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率により算出しており、割引率の低下や年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)借入金の財務制限条項
当社グループの借入金の一部については、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)コンプライアンス違反
従業員等による業務上の不法行為や違法行為により当社グループは刑事上、民事上、行政上の責任を負うことがあります。これらの処分に加え、社会的な信用を失うことは、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)自然災害等
地震や風水害等の災害が発生した場合に、当社グループの主要な生産拠点における生産設備、製品等が破損することがあります。また、これらの災害に起因するサプライチェーンの混乱は、当社グループの生産活動をはじめとする事業全般に影響を及ぼすことがあります。これらの災害により直接的・間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境及び企業収益の改善が続き、民間設備投資は増加し、個人消費も持ち直す等、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、原材料高や国内での相次ぐ自然災害の影響に加え、米中貿易摩擦等に伴う世界経済の減速もあり、期末にかけては輸出や生産が落ち込む等、一部に弱い動きも見られました。
このような事業環境の下、当社グループは、3ヵ年の中期経営計画の最終年度にあたり、受注の確保、コスト改善、次世代成長分野事案への対応、業務効率化、経費節減等を重要な取り組み方針として事業活動を展開し、業績向上に努めてまいりました。特に、受注の確保につきましては全社的な最重要課題と位置付け、営業戦略立案及び受注拡大支援を目的とした全社横断型の新組織を立ち上げるとともに、各事業の枠を超えた情報の共有化と協働、機動力強化を目的とした新しい営業拠点を開設する等、営業力向上のための諸施策を行いました。また、役割行動主義に基づいた新人事制度の導入、グループ全体としての収益の安定化並びに収益力強化を目的とした組織再編の決定等の諸施策を実施いたしました。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の受注高の増加を反映し、38,179百万円と前連結会計年度と比べ18.1%の増加となりました。
損益面におきましては、売上高は増加いたしましたが、既設製品の不具合対策に係る引当金を計上したこと等による売上原価率の上昇、一般管理費の増加等もあり、営業利益は前連結会計年度に比べ7.8%増加の1,097百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ2.5%減少の1,267百万円となりました。また、投資有価証券売却益を特別利益に計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ62.3%減少の1,110百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度に比べ大幅に減少しましたのは、前連結会計年度においては、これまでの実績及び今後の業績動向を勘案して繰延税金資産を計上した結果、法人税等調整額がマイナスになったことによるものであります。
エンジニアリング事業については、売上高23,596百万円(前年同期比17.9%増加)、営業損失251百万円(前年同期は235百万円の損失)となりました。
単体機械事業については、売上高14,582百万円(前年同期比18.3%増加)、営業利益1,348百万円(前年同期比7.6%増加)となりました。
財政状態におきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,862百万円増加の46,217百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少873百万円、主として試験研究費の補助金に係る未収入金が入金されたことによるその他流動資産の減少753百万円等がありましたが、受取手形及び売掛金の増加3,873百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ2,591百万円増加し、29,681百万円となりました。
固定資産は、土地の取得等による有形固定資産の増加333百万円、繰延税金資産の増加401百万円等ありましたが、保有株式の売却及び株価下落に伴う時価のある有価証券の評価差額の減少1,534百万円等があり、前連結会計年度末に比べ728百万円減少し、16,536百万円となりました。
負債は、退職給付に係る負債の減少952百万円、未払法人税等の減少640百万円等がありましたが、電子記録債務の増加954百万円、支払手形及び買掛金の増加909百万円、完成工事補償引当金の増加766百万円、短期借入金の増加500百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ1,733百万円増加し、23,891百万円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の減少862百万円等がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加972百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ128百万円増加し、22,326百万円となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準の一部改正』」(企業会計基準等第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、未収入金の入金や投資有価証券の売却による収入等により一部相殺されたものの、法人税等の支払いや、固定資産の取得等に資金を使用した結果、前連結会計年度末に比べ873百万円減少し、当連結会計年度末には4,077百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用した資金は、865百万円となりました(前連結会計年度は392百万円の使用)。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,646百万円、完成工事補償引当金の増加766百万円、減価償却費の計上564百万円、仕入債務の増加1,780百万円、主として試験研究費に係る未収入金の減少の影響によるその他資金の増加790百万円等により資金が増加しましたが、売上債権の増加額3,941百万円、法人税等の支払1,141百万円、年金基金への特例掛金一括拠出等による退職給付に係る負債の減少907百万円、投資有価証券売却益の計上378百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、416百万円となりました(前連結会計年度は800百万円の獲得)。これは、投資有価証券の売却による収入555百万円等がありましたが、主として固定資産の取得による支出962百万円の影響によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、19百万円となりました(前連結会計年度は524百万円の使用)。これは、配当金の支払額395百万円等がありましたが、短期借入金の借入れ500百万円により資金を調達したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリング事業(百万円) |
23,596 |
117.9 |
|
単体機械事業(百万円) |
14,582 |
118.3 |
|
合計(百万円) |
38,179 |
118.1 |
(注)1.金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
エンジニアリング事業 |
33,895 |
139.2 |
32,034 |
147.4 |
|
単体機械事業 |
15,797 |
111.9 |
8,173 |
117.4 |
|
合計 |
49,693 |
129.2 |
40,207 |
140.1 |
(注)1.金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又振替高はありません。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリング事業(百万円) |
23,596 |
117.9 |
|
単体機械事業(百万円) |
14,582 |
118.3 |
|
合計(百万円) |
38,179 |
118.1 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等は次の通りであります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ5,842百万円増加の38,179百万円となりました。営業利益は既設製品の不具合対策に係る引当金の計上等により売上原価率が上昇しましたが、販管費比率の低減で吸収し、前連結会計年度に比べ79百万円の増加の1,097百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に繰延税金資産の計上による法人税等調整額のマイナスがありましたため、前連結会計年度に比べ1,838百万円の減少の1,110百万円となりました。
当連結会計年度末における総資産は売上高の増加を反映した売上債権・買入債務の増加等により46,217百万円と、前連結会計年度末に比べ1,862百万円の増加となりました。当連結会計年度末の純資産は親会社株主に帰属する当期純利益計上等により128百万円増加いたしましたが、当連結会計年度末の自己資本比率は48.3%(前連結会計年度末は50.0%)に減少いたしました。
キャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の減少や売上債権の増加、法人税等の支払い等により営業キャッシュ・フローはマイナスとなりました。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の売却等による収入があったものの、固定資産の取得等による支出が大きく、その結果、フリーキャッシュ・フローは1,281百万円の減少となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として造船業界や化学・素材関連などの民間のお客様の経済的環境要因や、政治的判断が影響いたします。原油やエネルギー、鉄鋼資材などの調達価格や原材料、素材、化学製品などの市況、為替動向といった経済的環境や、関税などの通商政策や規制緩和、また国内公共事業においては官公庁、地方自治体の政策などがあげられます。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性ですが、資金調達については銀行からの借入により行っております。また、当社は取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結し資金の流動性を高めております。なお、当連結会計年度末における当該契約に基づく借入未実行残高は6,800百万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、中期経営計画において定めている連結売上高及び連結営業利益としております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
エンジニアリング事業では、顧客ニーズの掘り起こしと引き合い案件の増加をはかり、民間向け各種プラント・装置及び官公庁向け下水処理装置の受注確保に努めました。また、中期経営計画において成長分野と位置付けている水素及びバイオガス関連の技術の拡充・強化、並びに海外プラント案件の開拓に取り組んでまいりました。
受注高は、期待していた一部案件の延期・逸注もありましたが、民間向け各種プラント・装置及び官公庁向け下水処理装置等の成約を重ねることができ、33,895百万円(前連結会計年度は24,356百万円)と前連結会計年度を39.2%上回りました。
売上高は、当期の売上高に寄与する前連結会計年度の受注高の増加を反映し、23,596百万円(前連結会計年度は20,012百万円)と前連結会計年度を17.9%上回りました。
単体機械事業では、主力製品である三菱油清浄機の拡販と各種単体機械の提案型の営業活動を展開し、受注確保に努めてまいりました。成長分野として位置付けている船舶環境規制対応機器につきましては、SOx(硫黄酸化物)スクラバーが規制発効を目前に控えて市場が活発化したことから、新組織を立ち上げ、対応を強化いたしました。
受注高は、各種単体機械は減少しましたが、三菱油清浄機は順調に成約を得ることができ、また、船舶環境規制対応機器のSOx(硫黄酸化物)スクラバーの新規案件も獲得することができ、15,797百万円(前連結会計年度は14,112百万円)と前連結会計年度を11.9%上回りました。
売上高は、当期の売上高に寄与する前連結会計年度の受注高の増加を反映し、14,582百万円(前連結会計年度は12,324百万円)と前連結会計年度を18.3%上回りました。
(1)当社が技術援助を与えている契約
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相手方の名称 |
内容 |
契約期間 |
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韓国 ㈱三工社 |
油清浄機の製作販売 |
2012年6月28日から 5年間 その後は1年毎に自動更新 |
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韓国 FINE社 |
差動回転式高効率スクリュープレスの製作販売 |
2016年11月7日から 10年間 |
(2)当社が技術導入をしている契約
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相手方の名称 |
内容 |
契約期間 |
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独国 アンドリッツケーエムピーティ社 |
遠心分離機、乾燥機の製作販売 |
1964年6月2日から 2019年12月31日まで |
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米国 イートンハイドロリクス社 |
ヘイワード・ストレイナの製作販売 |
1969年1月28日から 2020年5月9日まで |
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米国 J.S.シュナイダー他2名による ジョイントテナント(権利継承者) |
シュナイダーフィルタの製作販売 |
1973年3月1日から 2025年12月31日まで |
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米国 ワーレイ・パーソンズ・インターナショナル社 |
硫黄回収装置の製作販売 |
2000年3月1日から 無期限 |
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オーストリア国 AAT社 |
無動力メタン発酵装置、メンブレンガス貯留装置の製作販売 |
2002年5月17日から 2022年5月16日まで |
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米国 NEIトリートメントシステムズ社 |
バラスト水処理装置の製作販売 |
2006年8月28日から 2019年8月27日まで |
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デンマーク王国 Nel Hydrogen社 |
水素ステーション充填設備の開発・販売 |
2015年3月11日から 2024年12月31日まで |
(3)その他の重要な契約
当社は、2018年12月13日、会社法第370条(取締役会決議に替わる書面決議)に基づく決議により、当社グループ内(当社及び当社100%連結子会社)の組織再編を実施することについて決議し、2019年1月31日付で吸収合併契約及び吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事項)」に記載のとおりであります。
当社グループの研究開発活動は、既存技術・各種装置の高度化並びに技術の差別化・競争力の向上を目指し、開発を行っております。また、新分野への積極的展開及び新技術・新製品開発を行っており、当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費は、エンジニアリング事業
(エンジニアリング事業)
「水素ステーションの建設」
2014年12月に燃料電池自動車(FCV)の市販が開始されて以来、普及台数は3,000台を超え、全国の水素ステーション数は本年4月時点で約110ヶ所と水素社会の実現に向けたインフラ整備が着実に進んでおります。
また、経済産業省が2016年3月に公表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ改訂版」により、水素ステーションの設置数は、2020年までに160ヶ所程度、2025年までに320ヶ所程度とする目標が明示されました。これに加え、東京オリンピック・パラリンピックを「水素社会のショーケース」とする方針が示された事、また水素ステーション運営事業者、自動車メーカー等計11社(設立時)による、日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)の設立等により、水素社会の実現に向けた取り組みがさらに加速しています。
当社は実証用水素ステーション建設開始初期より、小型水素製造装置の開発・納入及び建設工事に携わってまいりましたが、更なるコスト競争力・技術力強化のため、2015年にデンマークのH2 Logic社(現Nel Hydrogen社)から水素ステーション充填パッケージ「CAR-100」を技術導入し、日本国内仕様に適合させる商品化開発に取り組んでまいりました。
2018年度は、2017年度に当社川崎製作所内に完成したMKK川崎水素ステーションにおいて、水素製造装置HyGeia-Aの運転効率化、改良、より適切なメンテナンス法の確立、また水素ステーション充填パッケージHy-Regulusの実証を目的に試験運転を行いました。
また、国内外から多数の視察者にMKK川崎水素ステーションをご訪問頂いており、水素エネルギーの社会受容性向上にも貢献しております。
当社は、50年以上にわたり水素関連設備の建設に携わった知見により、CO2削減に寄与する水素社会の実現に貢献してまいります。
「高効率消化システムによる地産地消エネルギー活用技術の実用化に関する実証研究」
当社は、下水汚泥を減容化させると同時に汚泥から再生可能エネルギーであるバイオガスを発生させる消化設備を多数納入してきております。
その一方で、再生可能エネルギーであるバイオガスをより省エネルギーかつ効率的に発生させる汚泥可溶化設備の研究を進めてまいりました。
この研究成果を基に2017年度国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASH事業)に「高効率消化システムによる地産地消エネルギー活用技術の実用化に関する実証研究」が採択され、2017年度に実証施設を建設、2018年度は年間を通じた実証施設の運転データをもとに2019年3月に評価委員会の性能評価を受けました。期待された実証効果はほぼ達成できたことを確認しており、本年8月に国土交通省/国総研から本技術を適用する場合のガイドラインが発行される予定です。
本システムは、下水処理場に生ごみや他の処理場からの汚泥を受入れ、未利用バイオマスを集積することにより、下水処理場を地産地消エネルギー創世の拠点としていくための理想的なシステムの一つとして注目されています。
また実証施設は、本年以降も自主研究期間として実証運転を継続していき、本技術に興味があり導入を検討している各自治体様に実設備の運転状況を直接見て頂くことにより、本システムの導入促進・拡販に取組んでまいります。
(単体機械事業)
船舶国際環境規制への対応製品
「NOx規制対応 EGRシステム用 循環水処理システムの開発」
窒素酸化物(NOx)は、2016年の起工船から、指定された海域での排出規制が開始されております。このNOx規制に対応するエンジンシステム(EGR)について、大手エンジンメーカーのEGRスクラバーに対応した排水処理装置を開発いたしました。
2018年10月にIMO(国際海事機関)はEGRシステムの排出基準を改定をいたしました。
これを受け、当社では、IMOの新たな排出基準に対応した低硫黄燃料用の循環水処理装置の開発を完了いたました。2019年度は、更なるラインナップの充実と標準化を進めてまいります。
「iFactoryの開発」
2018年度において、フロー精密合成コンソーシアム(FlowST:Flow Science & Technology consortium)の会員である化学会社3社と設備系2社で共同提案した「再構成可能なモジュール型単位操作の相互接続に基づいた医薬品製造用iFactoryの開発」がNEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/テーマ設定型事業者連携スキーム」に採択されました。
本プログラムは、省エネルギー型経済社会の構築と産業競争力の強化に寄与することを目的に、経済産業省がNEDOと策定した「省エネルギー技術戦略」に掲げる「重要技術」を中心として、高い省エネルギー効果が見込まれる技術開発やその事業化を支援するものです。このたび、本プログラムの技術開発テーマの一つとして取り組んでいる「iFactoryの開発」は、医薬品製造において、現在のバッチ生産方式に替わり、連続合成法、バッチ連続型を組み合わせた連続生産方式を採用しております。再構成可能なモジュール型の製造設備「iFactory」を開発、普及させることにより、医薬品製造のためのオンデマンド生産による効率化と、それに伴う二酸化炭素排出量の大幅な削減を目指すものです。
当社は、本プログラムへ参画するため、連続乾燥機と連続ろ過機の開発を実施することとし、2018年度に構想設計を完了いたしました。2019年度より本プログラムへ参画、開発を進めてまいります。