文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。
当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、新技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。
当社グループは、3ヵ年の中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定しております。中期経営計画では、① 差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、② 利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築、③ グループ経営促進による連結収益力の向上の3つを骨子としております。
を実施し、技術・実績等を基に市場優位性のあるビジネスモデルを構築し、安定的な利益を確保できる事業に転換して行くことを目指してまいります。
ことで、安定した収益基盤の獲得を目指してまいります。
をはかり、当社が建設した設備のメンテナンスを子会社が実施することで、連結収益力の向上を行ってまいります。
(エンジニアリング事業)
プラント事業においては、新型コロナウイルスの影響による設備投資計画の見送りが多く、受注案件が減少いたしましたが、第3四半期頃よりIT関連産業を中心に回復の兆しが見られ、国内では、老朽化設備の更新需要の増加、海外では、新型コロナウイルスの影響が限定的な東南アジア諸国で設備投資に積極的な動きがみられました。
水素関連においても、工業用向けでは新型コロナウイルスの影響による設備投資計画の見送り、延期がありましたが、需要は底堅く推移いたしました。また、気候変動への対処として脱炭素社会の実現に向けた動きが世界的に加速しており、脱炭素社会に向け水素に対する期待が高まっていると同時に、水素のCO2フリー化が求められており、製造、貯蔵、運搬などにおける技術革新が更に進展することが望まれております。
環境事業においては、主力の下水処理分野において新型コロナウイルスの影響を受け、発注スケジュールに一部遅延がみられたものの、大幅な延期や中止に至った案件はなく、廃棄物分野においては最終処分場を中心に堅調な需要が継続いたしました。
(単体機械事業)
SOx(硫黄酸化物)規制においては、一般海域を航行する全ての船舶を対象に、2020年1月より硫黄分0.5%以下の燃料油使用、または、スクラバの設置が義務化されておりますが、従来燃料と規制燃料との価格差の縮小が継続しており、スクラバの採用に慎重な状況が続いております。
また、NOx(窒素酸化物)規制においては、3次規制により、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の需要が堅調に推移いたしました。
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染が変異株の出現等により再拡大し、本年4月には3度目の緊急事態宣言が発出される等、先行きは依然として不透明であり、企業の設備投資への慎重姿勢が続くことも懸念され、景気の先行きは予断を許さない状況が続くものと見込まれます。
このような状況の下、当社グループは、3ヵ年の中期経営計画の最終年度にあたり、同計画の骨子である①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、②利益指標を最重視し安定的な高収益体制を構築、③グループ経営促進による連結収益力の向上に沿って、事業環境に細心の注意を払うとともに必要な感染症対策を講じつつ事業を展開してまいります。今後の具体的な取り組み課題は、次のとおりです。
①営業利益の確保
当社グループは、引き続き最重要課題である営業利益の確保に向けて、受注の確保及びコスト改善に努めてまいります。2020年度に受注が大きく減少した結果を踏まえ、今後の売上高及び利益の展開も考慮した引き合い対応及び受注活動により、手持ち工事を確保していくことが必要となることから、引き続き当社グループの施工実績や強みのある技術の活用と工事採算確保を重要視した案件の選別・取り組みを行うとともに、リスクや工事損益を見極めつつ新規顧客・案件の開拓・獲得にも注力し、重要案件の必注に努めてまいります。また、投資優先順位の比較的高いメンテナンス及びアフターサービス案件の掘り起こしも強化してまいります。手持工事及び進行中の工事につきましては、工程管理、納期管理及び品質管理にこれまで以上に注力し、工事採算の改善・確保に努めてまいります。
②次世代成長分野の推進
クリーンエネルギー関連、バイオガス利活用及び船舶環境規制対応機器を次世代成長分野として、研究開発投資を継続してまいります。クリーンエネルギーにつきましては、2050年の脱炭素社会の実現を目指す政府方針により水素への注目がより高まっており、既存製品である都市ガス・LPガス利用の水素製造装置に加え、水の電気分解による水素製造や、水素の貯蔵、水素発電等の研究開発を継続し、「水素社会」の実現を目指した取り組みを進めてまいります。バイオガス利活用につきましては、引き続き「高効率消化システム」実証の取り組み、各自治体へのPR活動及び拡販・普及に向けた取り組みを進めてまいります。船舶環境規制対応機器につきましては、今後の市場動向及び顧客ニーズに中長期的視点で的確に対応してまいります。
③企業体質の強化
全社的には、業務効率化、間接コストの改善、財務体質の強化等による企業体質の強化施策を継続してまいります。コロナ禍による先行き不透明な状況下、様々な事象を想定しその影響を早期に未然防止・低減するためのリスクコントロールに努めるとともに、さらなる働き方改革の取り組みを通じて、生産性向上とダイバーシティの推進をはかり、しなやかな組織運営に努めてまいります。また、役割等級制度に基づく成果・実力主義の人事制度のさらなる定着と改善をはかり、組織の活性化と次世代を担う人材育成に取り組んでまいります。加えて、2012年の油清浄機新工場竣工・稼働に続く川崎製作所建替事業の再開について検討を進めるとともに、現在川崎地区において3拠点に分散している本社機能を2拠点に集約し、業務効率化、管理体制強化及び人材登用強化等をはかります。
併せて、次世代成長分野への投資継続をはじめとした中期経営計画に基づいた事業活動を通じて、低炭素・循環型社会に貢献するモノづくりとエンジニアリングを行う企業集団として、ESGの観点から事業活動を行っていくことによりSDGsの目標達成に貢献するとともに、安全の確保に一層注力してまいります。また、社会的により信頼される企業集団を目指して、引き続き法令遵守の徹底と、会社法及び金融商品取引法に対応した内部統制システムの適切な運用に努め、コーポレート・ガバナンスにつきましても一層の充実をはかってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、中期経営計画において定めている連結売上高、連結営業利益、営業利益率及びROEとしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として採用しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの主要顧客である化学・石油・ガス・海運業界及び公共下水処理等の設備投資の動向により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの受注は請負契約が主体であり、激化する価格競争の中で、競合先に対して価格優位性が保てない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
受注から引渡しまでの工期が長期に亘る工事もあり、急激な素材価格等の上昇は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
多額のコストを必要とする製品欠陥が発生する場合、また、建設工事現場において事故・災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外企業を調達・下請先として利用することがありますが、これら海外企業の品質不良・納期遅延や倒産等により、プロジェクトの採算が悪化することがあります。海外取引先の選定・管理を誤ると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業に必要な技術を有するエンジニアの確保と育成ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
研究開発の結果生み出した新製品・新技術及び技術提携により導入した技術が販売目標を達成できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
顧客企業及び仕入先企業の業績不振、倒産等によって入金遅延、納期遅延等が発生する場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
外貨建取引における他の通貨に対する円高は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは取引先、金融機関等の市場性のある有価証券を保有しておりますが、株価の下落によって保有有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率により算出しており、割引率の低下や年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 借入金の財務制限条項
当社グループの借入金の一部については、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
従業員等による業務上の不法行為や違法行為により当社グループは刑事上、民事上、行政上の責任を負うことがあります。これらの処分に加え、社会的な信用を失うことは、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
地震や風水害等の災害が発生した場合に、当社グループの主要な生産拠点における生産設備、製品等が破損することがあります。また、これらの災害に起因するサプライチェーンの混乱は、当社グループの生産活動をはじめとする事業全般に影響を及ぼすことがあります。これらの災害により直接的・間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウィルス等の感染症のまん延などにより、当社関連工場や現場での当該感染者の発生、及び資機材の納期遅延などによる既存工事または計画における工程遅延の発生、そして、新型コロナウイルス感染の終息長期化に伴う景気後退による顧客の設備投資やメンテナンス工事などの減少、延期、中止などは、業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い昨年4月に緊急事態宣言が発出され、社会経済活動の制限や自粛により景気は急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。宣言解除後は、経済活動の再開に伴い一部に持ち直しの動きもみられましたが、感染再拡大に伴い本年1月には緊急事態宣言が再発出され、個人消費は弱含み、民間設備投資も先行き不透明感から企業の慎重姿勢が続く等、景気は依然として厳しい状況が続きました。
このような事業環境の下、当社グループは、3ヵ年の中期経営計画(2019年度~2021年度)の2年目にあたり、最重要課題である営業利益の確保に向けて、受注の確保及びコスト改善に努めるとともに、次世代成長分野事案の推進、企業体質の強化等を重要な取り組み方針として中期経営計画の骨子に沿った事業活動を展開し、業績向上に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の受注高の増加を反映し、48,753百万円と前連結会計年度と比べ8.2%の増加となりました。
損益面におきましては、売上高の増加による売上総利益の増加により、営業利益は前連結会計年度に比べ23.5%増加の2,745百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ21.9%増加の2,939百万円となりました。また、減損損失を特別損失に計上いたしましたが、投資有価証券売却益を特別利益に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ35.0%増加の2,511百万円となりました。
エンジニアリング事業については、売上高36,796百万円(前年同期比16.4%増加)、営業利益1,877百万円(前年同期比56.5%増加)となりました。
単体機械事業については、売上高11,957百万円(前年同期比11.0%減少)、営業利益867百万円(前年同期比15.2%減少)となりました。
財政状態におきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,292百万円増加の51,837百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少2,215百万円、仕掛品の減少190百万円等がありましたが、受取手形及び売掛金の増加5,009百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ2,900百万円増加し、36,690百万円となりました。
固定資産は、繰延税金資産の減少663百万円等がありましたが、株価上昇に伴う時価のある有価証券の評価差額の増加1,180百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ391百万円増加し、15,147百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金の増加1,598百万円、未払法人税等の増加428百万円等はありましたが、電子記録債務の減少517百万円、前受金の減少999百万円、退職給付に係る負債の減少1,341百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ735百万円減少し、26,550百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加2,050百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,233百万円、退職給付に係る調整累計額の増加691百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ4,027百万円増加し、25,286百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上や、投資有価証券の売却による収入等により一部相殺されたものの、売上債権の増加や、前受金の減少、法人税等の支払等の結果、前連結会計年度末に比べ2,215百万円減少し、当連結会計年度末には7,046百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用した資金は、2,594百万円となりました(前連結会計年度は6,510百万円の獲得)。これは、税金等調整前当期純利益の計上3,581百万円、減価償却費の計上575百万円、たな卸資産の減少353百万円、仕入債務の増加1,107百万円等がありましたが、退職給付に係る負債の減少344百万円、投資有価証券売却益の計上712百万円、売上債権の増加4,979百万円、前受金の減少1,004百万円、前渡金の増加280百万円、法人税等の支払826百万円等に資金を使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ755百万円増加の831百万円となりました。これは、固定資産の取得による支出475百万円等がありましたが、主として投資有価証券の売却による収入1,316百万円の影響によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ895百万円減少の477百万円となりました。これは、配当金の支払額461百万円等に資金を使用したことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次の通りであります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ3,691百万円増加の48,753百万円となりました。営業利益は売上高の増加による売上総利益の増加により、前連結会計年度に比べ522百万円の増加の2,745百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加、投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等により、前連結会計年度に比べ651百万円の増加の2,511百万円となりました。
連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の減少等はありましたが、受取手形及び売掛金の増加や、株価上昇に伴う時価のある有価証券の評価差額の増加等により前連結会計年度末に比べ3,292百万円増加の51,837百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や、その他有価証券評価差額金の増加等により4,027百万円増加し、当連結会計年度末の自己資本比率は48.6%(前連結会計年度末は43.7%)に増加いたしました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、2021年度を最終年度とする中期経営計画において、売上高51,500百万円、営業利益2,600百万円、営業利益率5.0%、ROE7.5%を達成目標として掲げております。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度においては、前連結会計年度の受注高の増加が売上に寄与し、計画を達成することができました。中期経営計画の最終年度である次年度については、当連結会計年度の受注高の減少の影響により計画が未達となることが見込まれますが、今後の売上展開のための受注確保に係る営業戦略の構築、既受注案件の採算確保、成長分野製品・設備の事業化方針及び方向性の見直し等の施策を重点的に推進してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
エンジニアリング事業では、顧客ニーズの掘り起こしをはかり、民間向け各種プラント・装置及び官公庁向け下水処理装置の受注確保に努めてまいりました。また、中期経営計画において成長分野として位置付けているクリーンエネルギー及びバイオガス関連の技術の拡充・強化のための各種研究及び実証試験、並びに海外プラント案件の開拓に取り組んでまいりました。
受注高は、期初受注残高が増加したことから、工事遂行リスクを勘案した受注計画のもとで受注活動に取り組んでまいりましたが、コロナ禍の影響による期待していた案件の中止や延期、また厳しい受注競争による逸注もあり、特に民間向け各種プラント及び装置が大幅に減少し、21,309百万円(前連結会計年度は51,081百万円)と前連結会計年度を58.3%下回りました。
売上高は、前連結会計年度の受注高の増加と既受注案件の進捗を反映し、36,796百万円(前連結会計年度は31,624百万円)と前連結会計年度を16.4%上回りました。
単体機械事業では、主力製品である三菱油清浄機の拡販と各種単体機械の提案型の営業活動を展開し、受注確保に努めてまいりました。また、成長分野として位置付けている船舶環境規制対応機器等の製品開発と市場投入を引き続き推進いたしました。
受注高は、造船業界及び海運業界の厳しい状況、並びにコロナ禍の影響による期待していた案件の中止や延期、また、厳しい受注競争による逸注もあり、三菱油清浄機はほぼ前年度並みとなりましたが、船舶環境規制対応機器及び各種単体機械はともに減少し、10,299百万円(前連結会計年度は11,557百万円)と前連結会計年度を10.9%下回りました。
売上高は、前連結会計年度並びに当連結会計年度の受注高の減少を反映し、11,957百万円(前連結会計年度は13,438百万円)と前連結会計年度を11.0%下回りました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係わる情報
キャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益を計上いたしましたが、工事代金の支払いが先行していることから、営業キャッシュ・フローはマイナスとなりました。投資活動によるキャッシュフローは、固定資産の取得による支出を投資有価証券の売却による収入が上回りプラスとなりました。営業活動による支出が投資活動による収入を上回り、フリーキャッシュ・フローは1,763百万円の減少となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資金調達については銀行からの借入により行っております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は昨年より減少しておりますが、依然として高い水準を確保していることに加え、当社は取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結し資金の流動性を高めております。なお、当連結会計年度末における当該契約に基づく借入未実行残高は5,300百万円となっております。
当社グループの資金需要の主なものは、事業に係る運転資金と工場用機械設備や基幹システムに係るソフトウェア等の設備投資資金であります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響による会計上の見積りの影響については、注記事項(追加情報)に記載しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等につきましては、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループの研究開発活動は、既存技術・各種装置の高度化並びに技術の差別化・競争力の向上を目指し、開発を行っております。また、新分野への積極的展開及び新技術・新製品開発を行っており、当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費は、エンジニアリング事業
(研究開発事業)
「都市型藻類バイオマス生産用フォトバイオリアクター(PBR)の開発・実証」
三菱化工機は、1980年代からクロレラをはじめとした微細藻類に関わる培養生産技術に携わっており、近年の藻類オイルを用いたバイオジェット燃料などの研究にも、微細藻類の収穫向けに当社主力製品である分離板型遠心分離機「三菱ディスクセパレータ」の提案・販売を行っております。また、2013~2018年度の藻類産業創成コンソーシアムとの共同研究(福島プロジェクト)をはじめ、微細藻類研究や実証事業の研究開発に参画し、目的に応じた藻類バイオマスの収穫設備や、オイル・色素などの成分抽出等、新たな装置の開発も行っております。
昨今、外部からのコンタミネーション防止などメリットを有する閉鎖系微細藻類培養技術としてPBRが注目されることから、旧来からのオープンポンド型培養設備に変わる新たな培養設備としてPBRの開発・販売を目指します。
このため2020年から、都市部のビルや工場でも微細藻類を培養できる都市型バイオマス生産装置としてPBRの開発を開始いたしました。同PBRは、樹脂製に比べ、耐光性・耐薬品性に優れ、汚れにくいガラス製のリアクター管を採用し、近年毎年のように発生する台風、地震などへの災害を考慮したオリジナルの免震フレームが採用しております(特許出願)。
今後、排ガス中のCO2利用による培養コストの低減や温室効果ガスの排出削減を目的に、当社主力製品の小型水素製造装置「HyGeia-A」が水素を製造する際に排出するCO2を、同PBRへ直接投入して微細藻類の培養を行う実証試験などを行います。
(エンジニアリング事業)
「吸蔵合金水素圧縮機の開発」
近年、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減を目的に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速しており、クリーンエネルギーである水素が注目されております。当社では高品質で低コストな水素供給設備の開発に取り組んでおり、今年度においては、水素貯蔵用途として実用化されている水素吸蔵合金が、温度により水素を吸蔵、放出する特性に着目し、吸蔵合金水素圧縮機の開発を行いました。
本圧縮機は、複数の水素吸蔵合金を充填した反応器により構成されており、
・250℃程度の温度域にて吸蔵された水素を放出させることによる水素昇圧工程
・常温にした熱媒により反応器を冷却し、水素を吸蔵させる水素吸蔵工程
を繰り返すことで連続的な昇圧操作が可能となっております。
実証試験機を製作し、公益財団法人水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)において水素昇圧サイクル試験を実施し、吐出圧力19.6MPaG、水素流量1Nm3/hの開発目標を達成しました。また、連続運転中に圧縮性能が損なわれず、安定的に1Nm3/h以上の水素が送ガス可能であることを確認しております。
今後は、水素吸蔵合金充填量の増加等によるスケールアップを検討し、早期の吸蔵合金水素圧縮機の商用化を目指します。商用化実現の際には、流通する水素の圧力域(19.6MPaG)への昇圧用途に加え、水素ステーションにおいては、既存機械式圧縮機との組み合わせにより機械式圧縮機昇圧負荷を軽減し、より低コストで安全な運営をはかれる可能性があります。当社の水素事業における新たな技術ラインナップの一つとして、更なる事業展開をはかりたいと考えております。
「嫌気性膜分離法を用いた省エネ型排水処理技術の研究」
本研究は、2017年度より環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」委託事業に採択され、2020年度で実証研究を完了いたしました。本方式は、嫌気性微生物と膜を使った汚水処理方式で、従来の循環式硝化脱窒法に比較して大幅なCO2削減効果化が得られる技術です。また、嫌気性膜分離槽から発生するバイオガスは、創エネ(発電等)が可能となります。
顧客ニーズを反映したシステムを開発し、排水処理のCO2削減に貢献してまいります。
(単体機械事業)
「iFactory®の開発」
2018年度において、フロー精密合成コンソーシアム(FlowST:Flow Science & Technology consortium)の会員である化学会社3社と設備系2社で共同提案した「再構成可能なモジュール型単位操作の相互接続に基づいた医薬品製造用iFactoryの開発」がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/テーマ設定型事業者連携スキーム」に採択され、当社は2019年度から本プログラムに参画、連続ろ過機と連続乾燥機の開発を進めております。
2020年度までの当社対応として連続ろ過機と連続乾燥機の設計・試作が完了いたしました。今後は各試作機単体の検証を実施した後に、iFactoryのモジュールに組み込み、動作確認を実施する予定です。
本プログラムでは、現在、異業種8社並びに1機関の連携により、各社得意技術を企業の壁を越えて、日本における省エネルギー、持続性社会の構築に貢献することを目的としております。「iFactory®の開発」は医薬品やファインケミカルの製造における現在のバッチ生産方式に替わり、連続合成法、バッチ連続型を組み合わせた連続生産方式を採用しております。当社が保有する連続ろ過、連続乾燥技術を「iFactory®」に適用、普及させることにより、医薬品製造のためのオンデマンド生産による効率化と、それに伴うCO2排出量の大幅な削減を目指してまいります。