文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。
当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、新技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。
当社グループは、2021年11月に「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」(以下「経営ビジョン」)を策定し公表いたしました。2050年を最終到達年として、2035年の当社創立100周年を踏まえた長期ビジョンであり、 SDGsへの取組みも含め、2035年には当社の既存技術・製品からなる事業と、それをさらに深化させた事業に加え、新しい分野の事業を合わせて事業規模を1,000億円に拡大していくものであります。
2050年までに、5つの社会課題「CO2・気候変動」「資源循環」「水・食料」「自然災害」「労働力不足」の解決に貢献する企業グループを目指し、全社目標に「持続可能な発展に挑戦し、快適な社会を実現する」を掲げ、以下の4つの事業領域を展開することといたしました。
①持続可能な循環型社会推進事業
②水素を核としたクリーンエネルギー事業
③デジタルを活用した省力・省エネ事業
④水・食・自然災害等の課題解決に向けた次世代技術開発事業
この度、当社グループは、新たな中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定いたしました。本中期経営計画は、経営ビジョン実現に向けた成長の足固め期間と位置付け、① 新たな事業ポートフォリオの確立、② 経営基盤の確立の2つを骨子としております。
2) 既存事業の再構築および収益性の改善
を実施し、新規事業領域への経営資源創出のため、各事業の選択と集中を進め、新たな獲得事業や既存事業の深化に対して経営資源をシフトしてまいります。
に注力してまいります。戦略的事業領域に対応する製品開発の推進、グループ連携強化による連結業績の向上・人的リソースの活用、非財務情報の開示強化や資本政策の強化といった社会・資本市場からの要請に対応していくことで経営基盤の確立をはかってまいります。
(エンジニアリング事業)
プラント事業においては、国内外の化学関連プラントの需要が堅調に推移しました。半導体に関連する設備投資が増大いたしましたが、新型コロナウイルスの影響によるサプライチェーンへの影響により、電子部品の納期遅延や資材価格の高騰が続き、プラントコストが増大する懸念が高まりました。
水素関連においては、小型水素製造装置、半導体電子材料業界を中心に需要は底堅く推移いたしました。水素関連市場の立ち上がりはまだ途上ですが、脱炭素化の加速により、水素のブルー及びグリーン化を求める動きが加速しております。
環境事業においては、大型案件の発注形態がPFI等にシフトしてきておりますが、主力の下水処理分野における需要は、昨年同様ほぼ横ばいの状況が続きました。一方で、バイオガス関連では脱炭素化の加速により、民間でのバイオガス利用市場に活発な動きがみられました。
(単体機械事業)
主力の油清浄機、各種単体機械においては、造船業界及び海運業界の復調、並びに民間設備投資の持ち直しの動きから堅調に推移致しました。
SOx(硫黄酸化物)規制においては、一般海域を航行する全ての船舶を対象に、2020年1月より硫黄分0.5%以下の燃料油使用、または、スクラバの設置が義務化しておりますが、規制適合燃料の採用傾向が強く、スクラバの採用に慎重な状況が続いております。
一方、NOx(窒素酸化物)規制においては、3次規制により、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の需要が堅調に推移いたしました。
また、海運業界では世界的な脱炭素の流れからLNG燃料船への移行が進んでいます。更にGHG排出ゼロに向けて、水素・アンモニア等の新燃料導入に対する検討が加速しております。
当連結会計年度は、2019年度を初年度として開始した3ヵ年の中期経営計画の最終年度にあたりました。この中期経営計画期間中、当社グループは
①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革
②利益指標を最重視し安定的な高収益体制を構築
③グループ経営促進による連結収益力の向上
上記を骨子とした事業活動を展開いたしました。新型コロナウイルス感染症による影響はありましたものの増収・増益を達成し、売上高・営業利益目標は概ね達成いたしました。
一方で、次世代成長分野としてのクリーンエネルギー、バイオガス利活用及び船舶環境規制対応機器の3つの重点開発領域につきましては、技術開発を推進しましたものの、いずれの領域とも売上高・利益に貢献するには至らず、中核事業化に向けての戦略の再構築が必要な結果となりました。
当社は、上記の結果を踏まえ、新たな中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定しております。新たな中期経営計画で対処すべき課題は以下の2点であります。
①新たな事業ポートフォリオの確立
1)既存事業の再構築
既存事業は成長性・収益性の観点からポートフォリオを再評価し「主力事業」「成熟事業」「成長事業」「低成長事業」の4つに分類し、目指す姿と基本方針を設定いたします。低成長事業には梃入れ・撤退を実施し選択と集中を推進いたします。これにより既存事業の事業規模維持と営業利益率の改善をはかります。
2)新規事業の創出
新設した技術開発・生産統括本部を起点とし、全社一丸となり経営ビジョン実現に向け、戦略的投資を拡大して新規事業創出の基盤を構築いたします。
また、既存事業のケイパビリティと重点開発領域での成果を深化・昇華し、経営ビジョンにおいて戦略的事業領域に設定した「持続可能な循環型社会推進事業」「水素を核としたクリーンエネルギー事業」に関連する分野において新たなビジネスの確立を目指してまいります。
②経営基盤の確立
1)モノづくり戦略の確立
以下の3点を推進することで当社グループのモノづくり戦略を確立してまいります。
・省エネ、脱炭素化、ゼロエミッション工場を推進
・DXを活用したモノづくりの高度化・効率化、生産体制の強化を推進
・モノづくりにより培ったノウハウで戦略的事業領域に対応する製品開発を推進
2)グループ経営の推進
当社グループの保有するビジネスチェーン、人的リソースを活用することで機会損失の減少、収益力の向上を目指してまいります。
3)企業価値の向上
TCFD提言に沿った取り組み等、非財務情報の積極的開示を通じてステークホルダーとのエンゲージメントを深めてまいります。また、耐用性の観点を基本とした人事施策で適所適材の配置を行い、様々な従業員が能力を発揮し、活躍できる環境を整備してまいります。財務面では、自己資本比率の適切な水準維持とROE向上のため資本効率を高める施策を実行してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)等については、中期経営計画において定めている連結売上高、営業利益率及びROEとしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として採用しております。
(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの主要顧客である化学・石油・ガス・海運業界及び公共下水処理等の設備投資の動向により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの受注は請負契約が主体であり、激化する価格競争の中で、競合先に対して価格優位性が保てない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
受注から引渡しまでの工期が長期に亘る工事もあり、急激な素材価格等の上昇は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
多額のコストを必要とする製品欠陥が発生する場合、また、建設工事現場において事故・災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外企業を調達・下請先として利用することがありますが、これら海外企業の品質不良・納期遅延や倒産等により、プロジェクトの採算が悪化することがあります。海外取引先の選定・管理を誤ると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業に必要な技術を有するエンジニアの確保と育成ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
研究開発の結果生み出した新製品・新技術及び技術提携により導入した技術が販売目標を達成できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
顧客企業及び仕入先企業の業績不振、倒産等によって入金遅延、納期遅延等が発生する場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
外貨建取引における他の通貨に対する円高は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは取引先、金融機関等の市場性のある有価証券を保有しておりますが、株価の下落によって保有有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率により算出しており、割引率の低下や年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 借入金の財務制限条項
当社グループの借入金の一部については、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
従業員等による業務上の不法行為や違法行為により当社グループは刑事上、民事上、行政上の責任を負うことがあります。これらの処分に加え、社会的な信用を失うことは、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
地震や風水害等の災害が発生した場合に、当社グループの主要な生産拠点における生産設備、製品等が破損することがあります。また、これらの災害に起因するサプライチェーンの混乱は、当社グループの生産活動をはじめとする事業全般に影響を及ぼすことがあります。これらの災害により直接的・間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウィルス等の感染症のまん延などにより、当社関連工場や現場での当該感染者の発生、及び資機材の納期遅延などによる既存工事または計画における工程遅延の発生、そして、新型コロナウイルス感染の終息長期化に伴う景気後退による顧客の設備投資やメンテナンス工事などの減少、延期、中止などは、業績に影響を与える可能性があります。
(15)気候変動
世界の二酸化炭素の排出量の増加による地球温暖化は、大型台風や集中豪雨等の自然災害の激甚化・増加、平均気温の上昇による猛暑等をもたらすなど、経済社会環境へ様々な影響があります。また、これらの抑制のための社会的要求や、環境規制等に伴う製品・設備・職場環境等の低炭素、脱炭素への移行は、当社の製品の研究・開発、生産など、経営全般に亘って当社グループに影響をもたらします。これらは、当社グループのみならず、当社グループのサプライチェーンへの影響を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況が続きました。期初から夏場にかけては感染者数が増加しましたが、ワクチン接種が進む中で減少に転じ、民間設備投資や生産には持ち直しの動きもみられました。一方で、半導体の供給不足等サプライチェーンの混乱があり、また、冬場には新たな変異株(オミクロン株)の発生により感染が再拡大し、個人消費の持ち直しには足踏みがみられ、さらにはウクライナ情勢等の地政学リスクの高まりも懸念される等、景気は依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような事業環境の下、当社グループは、3ヵ年の中期経営計画(2019年度~2021年度)の最終年度にあたり、最重要課題である営業利益の確保に向けて、受注の確保及びコスト改善に努めるとともに、次世代成長分野事案の推進、企業体質の強化等を重要な取り組み方針として中期経営計画の骨子に沿った事業活動を展開し、業績向上に努めてまいりました。また、事業基盤強化の一環として本社事務所開設による本社機能の集約・再構築を行うとともに、長期的な経営ビジョンの策定を行う等、当社グループの将来の発展に向けた施策も実施いたしました。
売上高は、既受注工事の売上寄与が前連結会計年度で終了したことと、前連結会計年度の受注高の減少を反映し、45,438百万円と前連結会計年度と比べ6.8%の減少となりました。
損益面におきましては、販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、工事採算の改善により売上原価率が改善し、営業利益は前連結会計年度に比べ0.9%増加の2,770百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ9.9%増加の3,230百万円となりました。減損損失及び固定資産撤去費用を特別損失に計上いたしましたが、投資有価証券売却益を特別利益に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1.4%増加の2,547百万円となりました。
エンジニアリング事業については、売上高33,212百万円(前年同期比9.7%減少)、営業利益1,436百万円(前年同期比23.5%減少)となりました。
単体機械事業については、売上高12,225百万円(前年同期比2.2%増加)、営業利益1,334百万円(前年同期比53.7%増加)となりました。
財政状態におきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,316百万円減少の50,521百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加4,179百万円、仕掛品の増加102百万円等がありましたが、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度は「受取手形及び売掛金」)の減少5,346百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ1,388百万円減少し、35,301百万円となりました。
固定資産は、繰延税金資産の減少194百万円、株式を売却したこと等による投資有価証券の減少293百万円等がありましたが、本社事務所の開設に伴う有形固定資産の増加183百万円、会計システムの更新等に伴う無形固定資産の増加111百万円、主として本社事務所の敷金を計上したことによる投資その他の資産のその他の増加228百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ71百万円増加し、15,219百万円となりました。
負債は、電子記録債務の増加1,643百万円等がありましたが、支払手形及び買掛金の減少4,180百万円、未払法人税等の減少384百万円、退職給付に係る負債の減少400百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ3,336百万円減少し、23,213百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加2,007百万円、退職給付に係る調整累計額の増加143百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ2,020百万円増加し、27,307百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、仕入債務・法人税等の支払いによって一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益の計上や、売上債権の減少等の結果、前連結会計年度末に比べ4,179百万円増加し、当連結会計年度末には11,226百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、5,123百万円となりました(前連結会計年度は2,594百万円の使用)。これは、仕入債務の減少2,540百万円、法人税等の支払い1,276百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益の計上3,545百万円、減価償却費の計上593百万円、売上債権の減少5,585百万円等の影響によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、558百万円となりました(前連結会計年度は831百万円の獲得)。これは、投資有価証券の売却による収入682百万円がありましたが、主として固定資産の取得944百万円、その他(主に本社事務所の開設による敷金)の支払い271百万円等に資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ34百万円増加の512百万円となりました。これは、主に配当金の支払額537百万円等に資金を使用したことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次の通りであります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ3,315百万円減少し、45,438百万円となりました。営業利益は売上高は減少いたしましたが、工事採算の改善により売上原価率が改善し、前連結会計年度に比べ25百万円増加し、2,770百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加、為替差益等による経常利益の増加等により、前連結会計年度に比べ35百万円増加し2,547百万円となりました。
連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加等はありましたが、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度は「受取手形及び売掛金」)の減少等により前連結会計年度末に比べ1,316百万円減少し、50,521百万円となりました。一方、当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により2,020百万円増加し、当連結会計年度末の自己資本比率は54.1%(前連結会計年度末は48.6%)に増加いたしました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、2021年度を最終年度とする中期経営計画において、売上高51,500百万円、営業利益2,600百万円、営業利益率5.0%、ROE7.5%を達成目標としておりました。中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度は、次世代成長分野と位置づけた重点開発領域は3領域とも売上・利益に貢献できず、売上高は45,438百万円と計画未達となりました。一方、利益面では既存事業において、売上原価率が改善したこと等により営業利益は2,770百万円、営業利益率は6.1%、ROE9.7%となり概ね計画を達成することができました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
エンジニアリング事業では、顧客ニーズの掘り起こしをはかり、民間向け各種プラント・装置及び官公庁向け下水処理装置の受注確保に努めてまいりました。次世代成長分野としてのクリーンエネルギー関連及びバイオガス利活用関連につきましては研究開発投資を継続し、関連技術の拡充・強化のための各種研究及び実証実験に引き続き取り組み、実証実験関連では汚泥熱可溶化装置を初受注いたしました。海外につきましては、引き続きプラント案件の開拓に取り組み、特に半導体関連の設備投資が活発な台湾において駐在員事務所を支店に変更する強化策を実施いたしました。
受注高は、国内外の民間向け各種プラント及び装置の成約を重ねることができ、また、官公庁向け下水処理装置も堅調に推移し、33,234百万円(前連結会計年度は21,309百万円)と前連結会計年度を56.0%上回りました。
売上高は、既受注工事の売上寄与が前連結会計年度で終了したことと、前連結会計年度の受注高の減少を反映し、33,212百万円(前連結会計年度は36,796百万円)と前連結会計年度を9.7%下回りました。
単体機械事業では、主力製品である三菱油清浄機の拡販と各種単体機械の提案型の営業活動を展開し、受注確保に努めてまいりました。また、成長分野として位置付けている船舶環境規制対応機器等の製品開発と市場投入を引き続き推進いたしました。
受注高は、造船業界及び海運業界の復調、並びに民間設備投資の持ち直しの動きから、三菱油清浄機、船舶環境規制対応機器及び各種単体機械ともに前連結会計年度を上回る成約を得ることができ、13,549百万円(前連結会計年度は10,299百万円)と前連結会計年度を31.6%上回りました。
売上高は、12,225百万円(前連結会計年度は11,957百万円)と前連結会計年度を2.2%上回りました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係わる情報
キャッシュ・フローについては、売上債権の減少、税金等調整前当期純利益の計上等により、営業キャッシュ・フローはプラスとなりました。投資活動によるキャッシュフローは、固定資産の取得による支出が投資有価証券の売却による収入を上回りマイナスとなりました。営業活動による収入が投資活動による支出を上回り、フリーキャッシュ・フローは4,564百万円の増加となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資金調達については銀行からの借入により行っております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は昨年より増加しており、依然として高い水準を確保していることに加え、当社は取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結し資金の流動性を高めております。なお、当連結会計年度末における当該契約に基づく借入未実行残高は5,300百万円となっております。
当社グループの資金需要の主なものは、事業に係る運転資金と工場用機械設備や基幹システムに係るソフトウェア等の設備投資資金であります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響による会計上の見積りの影響については、注記事項(追加情報)に記載しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等につきましては、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループの研究開発活動は、既存技術・各種装置の高度化並びに技術の差別化・競争力の向上を目指し、開発を行っております。また、新分野への積極的展開及び新技術・新製品開発を行っており、当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費は、エンジニアリング事業
(研究開発事業)
「都市型藻類バイオマス生産用フォトバイオリアクター(PBR)の開発・実証」
当社は、1980年代からクロレラをはじめとした微細藻類に関わる培養生産技術に携わっております。また、近年の藻類オイルを用いたバイオジェット燃料等などの研究向けに、微細藻類の収穫向けに当社主力製品である分離板型遠心分離機「三菱ディスクセパレータ」の提案・販売を行っております。また、2013年度~2018年度の藻類産業創成コンソーシアムとの共同研究(福島プロジェクト)をはじめ、微細藻類研究や実証事業の研究開発に参画し、目的に応じた藻類バイオマスの収穫設備や、オイル・色素等の成分抽出等、新たな装置の開発も行っております。
2020年度からは、都市部のビルや工場でも微細藻類を培養できる都市型バイオマス生産装置として閉鎖系微細藻類培養技術としてフォトバイオリアクター(PBR)の開発にも取り組んでおります。
一方、昨今のSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の世界的な需要拡大に伴い、藻類オイルを用いたバイオジェット燃料の実用化に向けた研究開発も加速しております。このため、株式会社ユーグレナ殿や株式会社デンソー殿、伊藤忠商事株式会社殿等と共に、2020年度~2022年度のNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構)の公募事業「バイオジェット燃料生産技術開発事業/微細藻類基盤技術開発」(再委託)に取り組んでおり、当社は食用油脂製造分野での実績や藻類バイオマスの分離技術の知見を活かし、効率的な藻類オイルの抽出装置の開発を担当してまいりました。
2022年度は、ヌッチェフィルター型抽出装置のベンチスケール機を、株式会社ユーグレナ殿が整備する微細藻類の屋外大量培養研究拠点に納品し、将来の事業化に向けた、油分抽出の行程や条件等の検討を進めてまいります。
(エンジニアリング事業)
「吸蔵合金水素圧縮機の開発」
近年、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減を目的に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速しており、クリーンエネルギーである水素が注目されております。当社では高品質で低コストな水素供給設備の開発に取り組んでおり、2021年度においては、水素貯蔵用途として実用化されている水素吸蔵合金が、温度により水素を吸蔵、放出する特性に着目し、吸蔵合金水素圧縮機の開発を行いました。
本圧縮機は、複数の水素吸蔵合金を充填した反応器により構成されており、
・250℃程度の温度域にて吸蔵された水素を放出させることによる水素昇圧工程
・常温にした熱媒により反応器を冷却し、水素を吸蔵させる水素吸蔵工程
を繰り返すことで連続的な昇圧操作が可能となっております。
実証試験機を製作し、公益財団法人水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)において水素昇圧サイクル試験を実施し、吐出圧力19.6MPaG、水素流量1Nm3/hの開発目標を達成しました。また、連続運転中に圧縮性能が損なわれず、安定的に1Nm3/h以上の水素が送ガス可能であることを確認しております。
商用化が実現すると、流通する水素の圧力域(19.6MPaG)への昇圧用途に加え、水素ステーションにおいては、既存機械式圧縮機との組み合わせにより機械式圧縮機昇圧負荷を軽減し、より低コストで安全な運営をはかれる可能性があります。今後は、水素吸蔵合金充填量の増加等によるスケールアップを検討し、早期の吸蔵合金水素圧縮機の商用化を目指し、当社の水素事業における新たな技術ラインナップの一つとして、更なる事業展開をはかりたいと考えております。
「高効率消化システムによる地産地消エネルギー活用化技術」
本研究は、2017年度国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASH事業)に「高効率消化システムによる地産地消エネルギー活用技術の実用化に関する実証研究」が採択され、実証施設(消化槽容量:500m3)を建設、実証運転データによる評価委員会の性能評価を受け、2020年3月に国土交通省/国総研よりガイドラインが公表されております。
昨年度の自主研究テーマとして、本システムを導入する場合に各自治体が懸念される可溶化汚泥による返流水負荷上昇に伴う放流水質の悪化に対して調査研究を実施致しました。
約1年間に及び調査を実施した結果として、高効率消化に伴う返流水負荷上昇による放流水質への影響は見られないことを確認いたしました。この結果は、他社熱可溶化技術が消化槽投入側の有機物全量に対して熱可溶化を実施するのに比較して、当社の可溶化技術は消化後の消化脱水汚泥を可溶化するため、余分な熱量を使わず、かつ可溶化する汚泥量を調整(投入固形物量の約50%)出来ることに起因していると考えております。
国内各自治体でも脱CO2への取組みとして、改めて消化設備への取り組みが注目されており、今後はこの調査結果をもとに、各自治体向けに本システムの更なる導入促進・拡販に取り組んでまいります。
(単体機械事業)
「iFactory®の開発」
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構)が取り組む「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/テーマ設定型事業者連携スキーム」の一環で、当社は現在のバッチ式製造法にかわり、連続生産方式を採用した再構成可能なモジュール型の医薬品製造設備「iFactory®」(アイファクトリー)の開発に参画しております。
2021年度、当社は連続ろ過機と連続乾燥機を製作、iFactory®のモジュールに組み込み、動作確認を実施いたしました。
脱炭素、超高齢化社会において医薬品を含む機能性化学品を持続的に供給可能な産業構造に変革すべく、異業種機関が連携して、省エネ・省人型革新的連続生産システム「iFactory®」の開発は、第4回日本オープンイノベーション大賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。
今後はプロトタイプの製作と実証を進め、日本の医薬品製造における省エネルギー化・生産と資源の効率化に貢献する生産設備の構築と実用化に取り組んでまいります。