当連結会計年度のわが国経済は、企業収益の改善が進み、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方で、海外経済の減速感があり、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の海外景気下振れリスクが存在しており、先行きにより不透明な状況が続いております。
当社グループが主として事業を展開している新聞印刷業界は、更新需要が着実に増加しつつあるものの、設備投資に慎重な姿勢は変わらず、当社グループにとって依然として厳しい状況にあります。
このような情勢のもと、当社グループは、輪転機の売上拡大に向けた積極的な受注確保に努めました。「カラートップシリーズ輪転機」の多彩なラインアップの中より顧客の要望にお応えすべく、低速から高速まで安定した印刷品質を誇る「カラートップ6200UDHオフセット輪転機」をあかつき印刷様に、毎時20万部の超高速印刷を実現した「カラートップ・センチュリーオフセット輪転機」を京都新聞ホールディングス様に、省資源・省電力に対応した環境配慮型コンパクト輪転機「カラートップ・エコワイドⅡオフセット輪転機」を青森高速オフセット様に納入いたしました。
その他、国内では中日新聞社様、山陽新聞社様より新規受注を受け、納入までには至っておりませんが工事進行基準に従い、売上高を一部計上しております。また、売上の計上には至っておりませんが、山陰中央新報社様、朝日新聞社様より新規受注いたしました。さらに、デジタル印刷機「JETLEADER1500」による新しい新聞紙面・新たなビジネスモデルの展開について中日新聞社様と共同研究を行うことといたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は87億5千3百万円(前期比8.2%増)と前連結会計年度と比較し若干の増加となったものの期初の予想を大きく下回る結果となりました。利益面につきましては、売上高が予想を大きく下回ったことおよび受注案件の採算の悪化、加えて棚卸資産の評価損7億8千5百万円の計上等により、経常損失は31億7千万円(前期は経常損失8億6千7百万円)と大幅な経常損失の計上となりました。また、特別損失に印刷機械関連事業用資産の減損損失の計上及び特許訴訟損害賠償金を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失は51億5百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1億2千1百万円)と厳しい結果となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払額等により、前連結会計年度末に比べ 4億2千7百万円減少した結果、当連結会計年度末には73億2千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1億6千1百万円となりました。資金増加の要因は主に、前受金の増加額8億9千2百万円の計上等によるものです。資金減少の要因は主に、法人税等の支払額1億8千4百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億4千4百万円となりました。主な減少要因は投資有価証券の取得による1億2百万円の支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1千3百万円となりました。資金減少の要因は主に、リース債務の返済による1千万円の支出によるものです。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
印刷機械関連 | (千円) | 8,753,796 | 8.2 | |
合計 | (千円) | 8,753,796 | 8.2 | |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
印刷機械関連 | 12,566,056 | 37.6 | 10,129,877 | 61.5 | |
合計 | 12,566,056 | 37.6 | 10,129,877 | 61.5 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
印刷機械関連 | (千円) | 8,753,796 | 8.2 | |
合計 | (千円) | 8,753,796 | 8.2 | |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度で割合が10%未満の金額は記載を省略しております。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) |
青森高速オフセット(株) | ― | ― | 984,681 | 11.2 |
(株)中日新聞社 | ― | ― | 976,282 | 11.1 |
The Mathrubhumi Printing & Publishing Co. Ltd. | ― | ― | 937,079 | 10.7 |
(株)京都新聞社 | 1,055,467 | 13.0 | ― | ― |
(株)読売新聞社 | 818,758 | 10.1 | ― | ― |
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く事業環境は、依然厳しい状況が続いておりますが、『2020年 東京オリンピック』に向けた更新需要が確実に増加しており、当社の受注残高も着実に積み上がってきております。
このような状況下、当社グループは、更新需要の取込みに加え、保守サービス事業の強化、デジタル印刷機の販売促進により、売上高の回復を実現し、原価の低減、経費の削減を図ることにより、赤字体質からの脱却を確実なものとするために、以下の項目を対処すべき課題として、グループを挙げて取り組んでまいります。
1. 売上高の確保
『2020年 東京オリンピック』に向け、リーマンショック以降先送りにしていた機械の更新需要が確実に増えてきております。それらの需要に向けた、当社の最新鋭機である「カラートップエコワイドⅡオフセット輪転機」の販売活動が功を奏し、受注残高が確実に積み上がってきております。これらを、効率よくかつ迅速に生産して行くことにより売上高の顕著な回復を図ります。
当社のオフセット輪転機は国内だけでも300セット余り稼働しております。これらの輪転機の安定稼働確保を目的とした保守サービス事業は、数年前に比べて売上高は2倍以上になっており、安定した当社の事業の柱として、確実に育ってきております。今後もお客様のご要望にお応えすると共に、潜在的なメンテナンス需要を喚起し、保守サービス事業を強化することにより、更なる売上高の増加が見込めるものと考えております。
デジタル印刷機に関しましては、平成27年度に中日新聞社様との共同研究を開始し、新しい新聞紙面、新たなビジネスモデルの展開について共同研究を進めております。世界的なデジタル化の流れから見ても、デジタル印刷機は今後オフセット輪転機と並んで当社の主力製品として育って行くものと考えており、新たなビジネスモデルを提案すること等により、内外市場での販売活動を強力に推進してまいります。
2. 原価低減および経費削減
製造原価に関しましては、原価改善本部による全社的かつ抜本的な製造原価低減の取り組みにより、着実に原価低減の効果が表れてきております。また、その他の経費に関しましても、あらゆる項目の見直し、継続的な削減、予算管理の徹底等により経費の削減を進めてまいります。今後はこれらの流れをよりいっそう加速させ、特に製造原価の低減に注力し、収益性の向上を図ってまいります。
グループ全体として効率的な運営を図るため、また、市場の変化やお客様のニーズに迅速に対応するため、平成28年4月1日に子会社2社を合併し、新たに株式会社東機システムサービスとしてスタートさせております。今後も引続きグループ全体の効率化を図ってまいります。
中長期的な課題として、将来の新たな柱となるような、新規事業の開拓に継続的に取組んでおります。このため、平成26年11月に設置した新規事業推進室を中心に長年培ってきた機械メーカーとしての技術を活かせる分野、あるいは全く新しい分野の案件等、いろいろな案件を検討いたしております。今のところ具体的な成果を上げるまでには至っておりませんが、今後も継続的かつ組織的に取組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。ただし、将来の業績や財政状態に影響を与えるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(新聞輪転機市場について)
当社グループが主として事業を展開している新聞印刷業界は、インターネットの普及に伴い、新聞購読者数の減少及び広告収入が減少しており、新聞社の設備投資に対する慎重な姿勢が続いていることから、新聞用オフセット輪転機の市場は縮小傾向にあります。
新聞用オフセット輪転機の市場の縮小傾向は、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(売上構成)
当社グループの売上高は国内外新聞社を中核とした受注生産により構成されております。
個々の契約が巨額に及ぶことがあり、顧客の設備投資の決定、納期により年度毎の売上高に影響を与え、当社グループの財政状況および業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度は、新聞購読者数の減少や、設備投資に慎重な姿勢が変わらず、当社グループの売上高は87億5千3百万円と前連結会計年度に引き続き低水準の売上高となりました。そのため営業損失も32億9千万円となりました。
また、ここ数年販売価格が低下し、利益率が低下している事により、営業キャッシュ・フローのマイナスが継続しております。
(為替レートの変動について)
当社グループの事業にはアメリカ、アジア等、海外における販売が含まれております。
現地通貨建の契約は、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
受注、納入、代金回収まで1年を超える長期契約があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一般に他の通貨に対する円高は当社グループに悪影響をもたらします。
当連結会計年度は円高であったため、7千5百万円の為替差損の計上となりました。
(海外受注案件について)
当社は、アジアを中心に販売活動を行っており、また、当社グループの米国販売子会社を通じて、米国市場へ販売を行っております。海外の新聞社より大型案件を受注した場合、海外売上高比率が上昇します。
海外受注案件は、顧客が当社製品を設置する工場建設の遅延などによる納期延期など、据付検収が予定外に遅延することがあります。
(デジタル印刷機について)
当社グループは、主として新聞用オフセット輪転機を生産・販売しておりますが、少量多品種媒体が印刷可能なデジタル印刷機も生産・販売しております。
デジタル印刷機市場は発展途上の市場であります。当社グループは、強みである新聞印刷で培った技術を活かしたデジタル印刷機を開発し、新しい新聞紙面・新たなビジネスモデルの展開を提案するなど、積極的な営業活動をおこなっておりますが、デジタル印刷機の普及やニーズの動向により当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(投資有価証券の評価損について)
当社グループは、投資有価証券を保有しており、株式相場の下落、発行会社の業績悪化等により評価損が発生する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼ可能性があります。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは、折からの受注不振により、前連結会計年度までに7期連続の営業損失を計上しております。
また、当連結会計年度においても32億9千万円の営業損失を計上しており、現時点においては、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。ただし、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)」に記載のとおり、当該事象又は状況を解消し、改善するための具体的な対応策をとっていることから、当連結会計年度の末日現在において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるまでには至っていないと判断しております。
当社は、平成27年12月25日開催の取締役会において、当社の連結子会社である東機エレクトロニクス株式会社と株式会社東機サービスの合併及び存続会社の商号変更を行うことを決議し、平成28年4月1日付で合併及び存続会社の商号変更を行っております。
詳細については、「第5 経理の状況の1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは、常に一体となって高品質で高性能な信頼性の高い製品の開発に努力しております。そのため技術開発を基本理念として、基礎研究を始め生産技術の開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は1億9千1百万円であります。
印刷機械関連の研究開発活動は次のとおりであります。
㈱東京機械製作所では研究開発は主として研究開発部門であるR&Dが行っておりますが、応用技術の開発や生産技術の開発は、デザイン部をはじめ各部で随時行っております。
R&Dでは、基礎的な研究のほか印刷物の品質を高めるため、紙、インキ等印刷の各種要因と印刷との相関を研究するほか、長年にわたって蓄積してきた知識・技能を集約して、近年ではデジタル印刷機を中心として製品の開発と向上に役立つような研究を進めております。
印刷機、周辺機器はますますコンピュータ化が進んでおり、これらのソフトやハードの開発や、新機種の開発研究は親会社ならびに東機エレクトロニクス㈱を主として、グループ内各企業がそれぞれ常時行っております。
当社グループは印刷機械全般にわたっての新機種の開発に顕著な成果を挙げてきておりますが、印刷機のみならずそのソフト開発も進めており、今後の印刷業界の省資源・省エネルギー型製品や、デジタル印刷機の開発等、研究開発を強化をしていく所存であります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、133億7百万円(前年同期は143億8千4百万円)となり、10億7千7百万円減少しました。仕掛品の減少(27億7百万円から20億8千2百万円へ6億2千5百万円減少)が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、減損損失の計上により建物、構築物および土地が減少したことを主な要因として49億9千9百万円(前年同期は72億2千7百万円)となり、22億2千8百万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、50億6百万円(前年同期は32億2千3百万円)となり、17億8千3百万円増加しました。前受金の増加(9億7百万円から17億9千9百万円へ8億9千2百万円増加)が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、43億5千4百万円(前年同期は41億2千6百万円)となり、2億2千7百万円増加しました。退職給付に係る負債が増加(35億4千4百万円から38億6千5百万円へ3億2千万円増加)したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、89億4千4百万円(前年同期は142億6千2百万円)となり、53億1千7百万円減少しました。親会社株主に帰属する当期純損失の計上で利益剰余金が減少したことが主な要因であります。
経営成績の内容については、「第2 事業の状況の1 業績等の概要(1) 業績及び4 事業等のリスク」の通りであります。
このような厳しい事業環境に対応するため、当社グループといたしましては、抜本的な事業改革の必要性を強く認識し、
① 更新需要の取込みによる売上高の回復
② 保守サービス事業の強化による売上高の積み増し
③ デジタル印刷機の販売促進
④ 原価低減および経費削減
⑤ グループ全体の効率化
⑥ 新分野の開拓
など、当社グループの将来を見据えた施策に鋭意取組んでおります
「第2 事業の状況の1 業績等の概要(2) キャッシュ・フロー」を参照ください。
当社グループには、「第2 事業の状況の4 事業等のリスク(継続企業の前提に関する重要事象等)」に記載のとおり、当社グループには将来にわたって事業活動を継続するとの前提に疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、下記施策の確実な実行により、改善ならびに解消が実現できると考えております。
・売上高の確保(更新需要の取込み、保守サービス事業の強化、デジタル印刷機の販売促進)
・原価低減および経費削減
・グループ全体の効率化
・新分野の開拓
従いまして、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断し、連結財務諸表および財務諸表の「継続企業の前提に関する注記」は記載しておりません。