第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、Heart(信頼される技術を通じて、人間としての豊かさと成果を)を経営理念として掲げ、モノづくりの新たな価値を創造し、世界のお客様と共に成果と喜びを分かち合うことを新東の使命とし、「技術の差別化」と「信頼のサポート」により関係する全ての人との絆を深め、新しい提案、新しい解決策を提供し続けることで新東ブランドを高めることを目指します。

 こうした基本方針のもと、世界のお客様と感動の共創を実現することを長期ビジョンにおき、グローバル市場において持続的な成長と発展を図り、連結企業価値の向上及び株主価値重視の姿勢を堅持してまいります。

 

(2)経営戦略等

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 EV化の加速、情報化技術の急成長、少子高齢化による労働人口の減少など、当社グループを取りまく環境は、前中期経営計画がスタートした3年前に想定したレベルとは比べ物にならないほどに急速に変化しています。この急激な時代の流れにしっかりと対応していく為にも、今までの取組みにスピード感を加え、これまで培った技能・技術を大切にしつつ、新たな技能・技術をプラスし、新たな視点をプラスしていくことを目指し、2021年4月から2024年3月までの3年間に渡る中期経営計画「Plus」を策定いたしました。

 同計画では、「事業戦略の方向性」として①「デジタル活用で既存事業を更に進化」、②「新たな事業で新市場・新分野へのシフトを加速」の2点を掲げております。既存の表面処理分野、鋳造分野、環境分野においては、スキルを備えたグローバルネットワークにIoT技術を“Plus”してタイムリーなサポートを提供すると共に、デジタル技術、検査・評価技術を“Plus”することにより新たな付加価値を創造し、お客様に選ばれ続ける事を目指します。更には、前中期経営計画を通して、「EV」、「ロボット・自動化」、「搬送」、「セラミックス」、「再生エネルギー」、「介護」、「床」分野など、多くの分野にわたって、新たな芽を生み出すことができました。これらの新たな分野を、社会課題の解決に貢献していく新たな事業として育てていく事で、鋳造関連分野の枠を超えた、新たな事業の“Plus”につなげてまいります。

 これらにより、「お客様に選ばれ続ける」ための体制づくりを強化すると共に、ESG経営に取組み、持続可能な開発目標(SDGs)へのかかわりを通じてサステナビリティ社会実現に貢献してまいります。こうした取組みを通じて、お客様のすそ野を拡げ、お客様との絆を強め、売上の拡大と収益の確保、企業価値向上に努めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、3年後の2024年3月期において、魅力ある商品・サービス創りを通して、新商品売上比率を向上(機械30%、消耗品10%)させ、新たに当社を選んでいただける、新規お客様数2,500社の増加を目指します。また、お客様に選ばれ続ける指標としての、成約カバー率プラス5ポイントを目指し、これらの取組みを新市場に向けて強化することにより新市場比率をプラス4ポイントさせる事を目指します。これらの取組みにより、連結営業利益率8%以上を達成することを目標としております。

 

(4)経営環境

 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の変異株の感染拡大により、景気の下振れリスクが高まっている状況ではあるものの、感染症のワクチン接種普及により、景気は緩やかに回復基調をたどることが期待されます。このような状況の下、海外では、各国政府の大規模な追加経済対策や金融政策を通じて景気腰折れの回避に努めており、国内でも、製造業を中心に底堅く推移し、景気は緩やかに回復することが予想されております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの事業環境につきましては、足下感染症により大きな影響を受けており、持ち直しの時期についても予測が難しい状況にあります。かかる状況下、次期の業績を予想するにあたり、海外では、中国を始めとして回復基調にあり、国内でも、当期からの回復基調が継続すると見込まれる中、事業環境は当期からの回復基調が継続するものと想定いたしました。

 現在、当社グループは、現在の状況が収束したとしても情報技術の活用が進む等、大きな事業構造の変化が進むと考えております。それに対応するため中期経営計画「Plus」を通じて新規事業の創出を図ると共に、様々な合理化・体質強化、収益力の向上等を積極的に推進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 本項においては、将来に関する事項が含まれてますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2021年6月22日)現在において判断したものであります。

 

(1)市場及び事業に関するリスク

①市場の競争激化

 当社グループ製品の主要市場では激しい競争が繰り広げられており、当社グループはビジネスを展開している世界各地域で、現地のローカルメーカーとの競争に直面しております。市場において、設備投資環境の急激な変動が起き競争が激化した場合、受注台数や受注価格の低下などが起きる可能性があり、これにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

②自動車関連業界の業況の影響

 当社グループの主要顧客である自動車業界は、100年に一度とも言われる大きな変革期を迎えています。当社グループの製品は、自動車メーカー・自動車部品メーカーに多く納入されていますが、電動化の進展やカーシェアの普及などによって、自動車を構成する素材・部品などの変化による鋳物部品の減少や自動車業界全体の市場成長の頭打ちで、同業界における設備投資が抑制され、当社製品の受注高が低下する可能性があります。当社グループは、昨今の同業界の急激な変化に対応し、今後も競争力の維持強化に向けた様々な取組みを進めていきますが、売上高の低下により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

③製品の契約不適合・欠陥に伴う賠償

 当社グループ製品の製造販売には、顧客との契約に適合する品質、機能、安全性、納期等に万全を期していますが、製造・販売した製品の契約不適合や欠陥により性能が不充分であったり、製品の安全上の問題で設備事故や労災事故を発生させ、また納期遅延等を発生させることにより、顧客や第三者に損害を与えたことによる損害賠償請求を受ける可能性があります。特に、海外において係る訴訟が発生し、相当の賠償・和解費用等を負担せざるを得ない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

④企業買収等に係るリスク

 事業拡大のため、企業買収等を実施することがありますが、事業用の資産や買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形資産を保有することになり、今後の経営環境の変化に伴い買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用ができず、これらの資産の収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合にはその回収可能性を踏まえて減損損失を計上する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

⑤人材の確保及び合理化・体質強化に係るリスク

 当社グループ製品は、一品一様の受注生産品が一定程度あることから、製造過程においては労働集約型な面があり、事業拡大・継続のためには一定水準以上のスキルを有する優秀な人材の確保が不可欠なものと認識しております。現時点では、人事制度・教育制度により、必要な人材は確保されておりますが、少子化問題、労働市場の逼迫により必要とする優秀な人材または労働力を確保できない場合、競争力の低下や事業展開が制約される可能性があります。それら要因を軽減するために、省力化・省人化にも取組んでおりますが、情報技術の活用が進むなか事業構造の変化に追いつかず遅れが生じた場合、製造コストの低減が実現できず、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

⑥仕入先への外注加工品供給の依存

 当社グループは、外注加工品、購入部品、原材料などを複数の競合する仕入先から調達していますが、外注加工品の中には他の仕入先への代替が難しく、特定の仕入先に依存しているものがあり、生産面への影響を受ける可能性があります。それらを軽減するため、仕入先分散や新規仕入先の発掘・育成などの対応を進めておりますが、当社グループが、それら仕入先からの外注加工品を継続的にタイムリーかつ低コストで調達できない場合、生産に遅延またはコストの増加を引き起こし、当社グループの経営成績及び財務状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(2)金融・経済のリスク

①原材料等調達価格の影響

 鋼材、スクラップ等、当社グループが製造に使用する原材料価格の上昇は、製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品の販売価格に十分に転嫁できない結果、当社グループの収益性に悪影響を与える可能性があり、特に、国際的な需要の逼迫により急激な価格高騰があった場合には、急激に調達コストが上昇し、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

②エネルギー価格の変動

 当社グループは、主力製品である消耗品等の製造においては、電力使用量が多大なため、エネルギー価格の変動によるリスクや各国政府のエネルギー政策による変動リスクを負っております。コスト低減のための省エネルギー対策などリスクの軽減を図っておりますが、電気料金や原油価格の変動に伴うエネルギー価格の動向が経営成績及びキャッシュ・フローに影響与える可能性があります。

 

③為替変動の影響

 当社グループの収益は、外国為替相場の変動の影響を受け、主として日本円、米ドル、ユーロ、中国元、ブラジルレアル等の価格変動によって影響を受けます。外国通貨で販売する製品及び調達する材料で発生する取引リスクを軽減するために、当社グループでは可能な限り、海外現地化を進め、地産地消に取組んでおり影響は限定的であります。但し、当社の連結財務諸表は、日本円で表示されているため、換算リスクという形でも為替変動の影響を受けており、外国為替相場の大幅な変動が起きた場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を与える可能性があります。

 

④投資有価証券の保有に対するリスク

 当社グループが保有する投資有価証券は、当連結会計年度末の総資産に占める割合が16.4%(27,007百万円)であり、株式市況の下落、発行会社の業績悪化等によって投資価値が大きく下落する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(3)法的手続・情報流出・災害等に関するイベント性のリスク

①法的手続

 当社グループは、製造物責任、知的財産権の侵害等、様々な法的手続の当事者となる場合があります。研究開発及び生産活動においては様々な知的財産権の使用について万全を期しておりますが、当社グループの認識の範囲を超えて第三者から知的財産権の侵害を主張され係争等に発展する場合があります。それらの法的手続きにおいて予期せずに不当な判断がされた場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

②情報の流出に係るリスク

 当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や顧客その他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、社内規定の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等様々な対策を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

③自然災害、感染症発生、インフラの障害、戦争、テロの発生

 当社グループの主力製造拠点が集中する愛知県は、大規模な地震の発生が懸念されており、これが発生した場合には当社グループの生産能力が著しく低下し、当社グループの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。

 また、当社グループ製品を製造する地域において、台風、豪雨、竜巻その他の自然災害、伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、天災などによる電力・交通機能・ガス・水道・通信等のインフラの障害、突発的なテロ、紛争、操業の中断などが発生した場合、当社グループの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。当社グループは、これらによって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)の整備、非常時を想定した訓練等を実施しています。しかし、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)のワクチン接種開始により、徐々に社会経済活動の制限は緩和されつつありましたが、感染症が再拡大する地域もあり、収束の見通しが立たず、最近では、変異株の感染症拡大により、更に先行き不透明な状況が続いております。

海外では、中国においては、感染症を早期に抑え込み経済活動を再開したことで、個人消費は徐々に回復し、また、アジア・新興国向けへの輸出も持ち直したため、景気の回復基調は継続しました。一方、欧州では、感染症の再拡大により社会経済活動の制限が長期化していたものの、景気の改善傾向は持続しており、米国では、ワクチン接種による感染症収束の期待感により、景気は回復基調で推移しました。国内におきましては、2021年1月に2度目の緊急事態宣言が発令され、個人消費は低迷したものの、中国向けの輸出増加を受け製造業を中心に景気の回復基調が続きました。

当社グループの事業環境につきましては、海外では、企業の設備投資意欲の改善により緩やかに回復基調で推移し、国内におきましても、当連結会計年度の後半は、顧客の生産活動が想定以上に持ち直したこと等により、メンテナンス部品や消耗品などが堅調に推移しました。

こうした状況を踏まえて、当連結会計年度の受注高は88,451百万円(前連結会計年度比8.5%減)、売上高は82,544百万円(同19.6%減)、受注残高は40,576百万円(同17.0%増)となりました。収益については、営業利益は1,718百万円(同63.7%減)、経常利益は3,070百万円(同35.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は606百万円(同78.9%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

〔表面処理分野〕

売上高は34,102百万円(前連結会計年度比20.4%減)、営業利益は2,163百万円(同39.8%減)、受注高は33,752百万円(同18.6%減)、受注残高は5,393百万円(同6.0%減)となりました。

 

〔鋳造分野〕

売上高は25,533百万円(同24.5%減)、営業損益は1,079百万円の損失(前連結会計年度は985百万円の利益)、受注高は32,429百万円(前連結会計年度比5,6%増)、受注残高は22,350百万円(同49.5%増)となりました。

 

〔環境分野〕

売上高は11,140百万円(同2.2%減)、営業利益は1,439百万円(同29.4%増)、受注高は10,048百万円(同15.5%減)、受注残高は3,912百万円(同18.7%減)となりました。

 

〔搬送分野〕

売上高は6,394百万円(同3.3%増)、営業利益は1,040百万円(同95.6%増)、受注高は6,117百万円(同5.8%減)、受注残高は1,627百万円(同13.6%減)となりました。

 

〔特機分野〕

売上高は6,056百万円(同34.4%減)、営業損益は820百万円の損失(前連結会計年度は186百万円の損失)、受注高は5,954百万円(前連結会計年度比0.6%増)、受注残高は7,291百万円(同0.1%増)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5,265百万円増加して、42,306百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその要因は、次のとおりであります。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、営業活動によって得られた資金は8,088百万円となりました(前連結会計年度は5,075百万円の収入)。これは、前受金の増加3,585百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は1,801百万円となりました(前連結会計年度は3,125百万円の支出)。これは、有形固定資産の取得による支出3,259百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は1,141百万円となりました(前連結会計年度は1,160百万円の支出)。これは、配当金の支払額1,281百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

表面処理分野(百万円)

33,471

83.5

鋳造分野(百万円)

26,821

79.8

環境分野(百万円)

10,667

96.9

搬送分野(百万円)

6,466

102.3

特機分野(百万円)

5,800

73.4

その他(百万円)

107

49.7

合計(百万円)

83,334

84.1

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

3.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

表面処理分野

33,752

81.4

5,393

94.0

鋳造分野

32,429

105.6

22,350

149.5

環境分野

10,048

84.5

3,912

81.3

搬送分野

6,117

94.2

1,627

86.4

特機分野

5,954

100.6

7,291

100.1

その他

149

67.1

合計

88,451

91.5

40,576

117.0

(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

   2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

表面処理分野(百万円)

34,097

79.6

鋳造分野(百万円)

25,028

75.2

環境分野(百万円)

10,948

98.5

搬送分野(百万円)

6,373

103.4

特機分野(百万円)

5,947

65.4

その他(百万円)

149

66.4

合計(百万円)

82,544

80.4

(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

   2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、下記の項目についてはその見積りが当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと判断しております。

 なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況」の注記に記載しております。

 

a.固定資産の減損処理

 当社グループは固定資産について、帳簿価額を回収できない可能性を示す事象が発生した時点、もしくは経営環境が著しく変化した時点等で減損の判定を行っております。資産または資産グループの帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フロー額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。資産または資産グループの回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額としております。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容

(1)当社グループの当連結会計年度の経営成績等

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(2)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(3)当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。

短期運転資金及び設備投資や長期運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,627百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は42,306百万円となっております。

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2018年度よりスタートした中期経営計画「CONNECTING TO THE FUTURE」を基本方針とし、2020年度の達成すべき目標に向け活動したとともに、その先の将来に向けても成長を続けることができる経営基盤の構築に邁進しました。

 

 目標とする経営指標

 

2017年度(第121期)

2020年度(第124期)

目標達成状況

新規のお客さま数8%アップ

32,868社

38,734社

 達成(+17.8%)

お客さまカバー率

5ポイントアップ

79.0%

79.8%

 未達成

新商品売上高比率30%以上

15.5%

4.7%

 未達成

営業利益率8%以上

4.6%

2.1%

 未達成

 

(5)セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析

〔表面処理分野〕

売上高は、感染症の影響により自動車業界をはじめ設備投資が低調に推移したため減少しました。一方、消耗品は企業の生産活動が徐々に回復したことに伴い設備稼働率も上昇し、当連結会計年度の後半においては感染症拡大前の水準に回復しつつあります。営業利益は、売上高の減少により減少しました。

 

〔鋳造分野〕

売上高は、国内では自動車業界向け造型装置の減少があったとともに、海外では感染症の影響による中国等での現地据付工事の延期等があったため、国内・海外ともに低調に推移しました。営業損益は、売上高の減少により営業損失となりました。

 

〔環境分野〕

売上高は、インフラ業界向け排ガス浄化装置等が堅調に推移したものの、一部の企業での設備投資が落ち込んだため、汎用集塵機が低調に推移しました。営業利益は、機械原価率の改善が寄与し増加しました。

 

〔搬送分野〕

売上高は、リフト・コンベアは、自動車業界や工作機械業界で設備投資を控える動きがあり低調でしたが、物流業界向け搬送システムが堅調に推移しました。営業利益は、売上高の増加に加えて原価率の改善も寄与し、増加しました。

 

〔特機分野〕

売上高は、プレス装置が低調に推移したことに加え、中国向け有機EL検査装置の感染症の影響等による売上延期もあったため、減少しました。営業損益は、売上高の減少により営業損失となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術援助契約(技術等の導入)

契約会社名

相手会社名

国名

契約品目

契約の内容

契約期間

新東工業株式会社

ケミッシュテルミッシェプロツェステクニーク社

オーストリア

酸化装置

吸着装置

窒素化合物除去装置

熱交換装置

CTP触媒

(1)独占的製造販売権の許諾

(2)技術情報の提供

(3)技術者の相互派遣の許諾

自 2018年2月26日

至 2023年2月25日

シンプソンテクノロジー社

 

アメリカ

B&Pスピードマ

ラー

シンプソンハート

レーコントローラー

(1)日本及び台湾における独占的製造販売権及びその他の国への非独占的販売権の許諾

(2)商標使用権の許諾

(3)技術及び販売資料の提供

(4)技術者の相互派遣の許諾

自 2019年9月28日

至 2024年9月27日

 

 

(2)技術援助契約(技術等の供与)

契約会社名

相手会社名

国名

契約品目

契約の内容

契約期間

 

 

 

新東工業株式会社

 

 

 

 

サイアムブレーター社

タイ

スチールショット

スチールグリット

亜鉛ショット

(1)タイにおける独占的製造販売権及びその他の国への非独占的販売権の供与

(2)商標使用権の供与

(3)技術及び販売資料の提供

(4)技術者の相互派遣の許諾

自 2020年1月1日

至 2024年12月31日

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「素材に形をいのちを」を企業理念に、金属、セラミックス、樹脂等の素形材関連設備及び消耗品を主体とするメーカーとして、これら素材の成形を基本としたコア技術とその周辺技術、関連技術に関する研究開発を行っております。特に従来の資源循環型スマート社会の構築に向けた新プロセス・新商品・新事業の提案と実用化に加えて、IT化、再生エネルギー、軽量化などの社会ニーズにも応えるべくグループトータルでの技術開発を推進しております。中でも産業用ロボットに採用が期待される高分解能の力覚センサーを開発し、さらに、介護市場向けに排泄検知センサーの事業を開始するなど、新規事業開発で今後の成果が期待されます。
 研究開発関係等に要した費用の総額は2,535百万円であり、セグメント別の主な研究開発活動の状況及び研究開発費を示すと次のとおりであります。なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない基礎的研究費406百万円が含まれております。

 

(1)表面処理分野

 主に、当社が中心となって当該分野の研究開発活動を行っております。

 当分野では、ブラスト、研磨精密処理、投射材の3事業部が「サーフェステックカンパニー」として一体化し、お客様の求める「機能」を満たす表面性状を提供するために「最適な処理条件」、それを実現するための「投射材、研磨材」、「装置」及び、適切に処理がなされたことを確認するための評価を含めて開発を行っております。
 さらには受託加工事業にも力をいれており、従来の一宮事業所、大治事業所のほかに、横浜と明石に加工センターを開設し、お客様の近くで表面処理の受託加工を開始しました。各拠点は加工状態をマザー拠点のブラストテクノロジーセンター(BTC)にてリアルタイムで確認できるシステムを構築し、リモート会議システムと併せることで、各加工センターにおいてもBTCと同等なプロセス提案のサービスを提供することが可能になりました。

 一方、電子部品分野へは、加圧式噴射方式によるハイスピード、高品位の微細加工を市場投入し、更なる高品位へ向けた開発も行っています。

 当該分野に係る研究開発活動は、499百万円であります。

 

(2)鋳造分野

 主に、当社が中心となって当該分野の研究開発活動を行っております。

当分野はグローバル市場という視点から見ると、中国・インドを中心に安定的成長が今後も見込まれますが、国内や欧米市場では産業としての成熟期を迎え、品質向上と安定かつ効率的な設備稼働を指向する技術が強く求められています。当社はこれを受け、理想の鋳造工場を「SINTO SMART FOUNDRY(略称SSF)」と名付け、環境負荷の低減を含めたお客様視点での「いい鋳物づくり」への貢献を果すべく、革新的なIoT応用技術、モニタリング技術の開発を進めております。その成果は、砂管理を高度化するIDSTフィードバックシステム、徹底した見える化とトレサビ対応をサポートする統合管理システム、画像解析による自動検査装置等のSSF商品として結実しつつあります。

 当該分野に係る研究開発活動は、502百万円であります。

 

(3)環境分野

 主に、当社が中心となって当該分野の研究開発活動を行っております。

 「働く人の安全と健康を守る」という活動方針に向かい、集塵・排ガス処理・水処理・磨き床の各カテゴリで開発および商品展開を推進しております。集塵分野では、高濃度微細ダストにも対応できる対向パルス方式を採用した、高性能汎用集塵機シリーズ機を開発完了し市場投入しました。この他にも「火の粉消火装置」「早期火災検出システム」など、火災リスク低減に寄与する技術・商品や、これらを組み合わせた「ダクトレスシステム」のご提案、作業エリアの環境を把握するシステムなどの開発を推進しています。また水処理分野では、新構造を採用することにより従来機よりも大幅にランニングコストを削減できる新機種を開発し市場投入していますが、この新構造を採用した大容量シリーズ機もラインナップしています。

 当該分野に係る研究開発活動は、144百万円であります。

 

(4)搬送分野

 主に、子会社の株式会社メイキコウが中心となって当該分野の研究開発活動を行っております。

 工場や倉庫等での入出庫作業など、人手不足に対応するための省人化や時間短縮に貢献する省力化機械の製品開発を行っており、現在冷凍コンテナ用荷下ろし装置の改良機を製作中です。

 また、感染症の拡大により好調な通販関連業界等においては機械に不慣れな作業員等が増え、今までより安全性が重視されてきております。これらの市場向けに、より安全性が高い搬送装置の機種拡大を図っております。

 当該分野に係る研究開発活動は、52百万円であります。

 

(5)新事業分野

 主に当社が中心となって当該分野の研究開発活動を行っております。

 検査装置分野では、E/HVのインバーターの心臓部となる次世代パワー素子の検査装置において、従来機より高精度・高速・低インダクタンス化した新型テスタの開発を行いました。また、ワークへのダメージが少ない高速・高精度ハンドラの開発を行いました。これにより、ハンドラとテスタをトータルに開発することが出来、装置全体のインダクタンス低減が可能となりました。

 メカトロ分野では「油圧から電動へ」をキーワードに、電気/自動車分野の部品圧入に用いられる電動シリンダのユーザービリティを向上させた改良開発を行いました。さらに、全個体電池の緻密化に使われるオール電動・サーボ化した高圧ロールプレスの開発を完了し市場投入し、また、露点-70度のドライ環境のドライボックスをプロセスセンター内に設置し、お客様のテスト対応し評価を頂いています。
 機能性粉末分野では、新東のコア技術である溶融金属のアトマイズ技術を深耕し、粒径2μmと微細かつ球状の金属ガラス磁性材料を開発・市場投入し、車載用磁性材市場で高評価を得ています。また、新たな金属磁性材料の開発を進め、非常に優れた磁気特性の材料開発に成功しました。

 当該分野に係る研究開発活動は、930百万円であります。