文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、Heart(信頼される技術を通じて、人間としての豊かさと成果を)を経営理念として掲げ、モノづくりの新たな価値を創造し、世界のお客様と共に成果と喜びを分かち合うことを新東の使命とし、「技術の差別化」と「信頼のサポート」により関係する全ての人との絆を深め、新しい提案、新しい解決策を提供し続けることで新東ブランドを高めることを目指します。
こうした基本方針のもと、世界のお客様と感動の共創を実現することを長期ビジョンにおき、グローバル市場において持続的な成長と発展を図り、連結企業価値の向上及び株主価値重視の姿勢を堅持してまいります。
(2)経営戦略等
EV化の加速、情報化技術の急成長、少子高齢化による労働人口の減少など、当社グループを取りまく環境は、前中期経営計画がスタートした時点に想定したレベルとは比べ物にならないほどに急速に変化しています。この急激な時代の流れにしっかりと対応していく為にも、今までの取組みにスピード感を加え、これまで培った技能・技術を大切にしつつ、新たな技能・技術をプラスし、新たな視点をプラスしていくことを目指し、2021年4月から2024年3月までの3年間に渡る中期経営計画「Plus」を策定いたしました。
同計画では、「事業戦略の方向性」として①「デジタル活用で既存事業を更に進化」、②「新たな事業で新市場・新分野へのシフトを加速」の2点を掲げております。既存の表面処理事業、鋳造事業、環境事業においては、スキルを備えたグローバルネットワークにIoT技術を“Plus”してタイムリーなサポートを提供すると共に、デジタル技術、検査・評価技術を“Plus”することにより新たな付加価値を創造し、お客様に選ばれ続ける事を目指します。更には、前中期経営計画を通して、「EV」、「ロボット・自動化」、「搬送」、「セラミックス」、「再生エネルギー」、「介護」、「床」分野など、多くの分野にわたって、新たな芽を生み出すことができました。これらの新たな分野を、社会課題の解決に貢献していく新たな事業として育てていく事で、鋳造関連事業の枠を超えた、新たな事業の“Plus”につなげてまいります。
これらにより、「お客様に選ばれ続ける」ための体制づくりを強化すると共に、ESG経営に取組み、持続可能な開発目標(SDGs)へのかかわりを通じてサステナビリティ社会実現に貢献してまいります。こうした取組みを通じて、お客様のすそ野を拡げ、お客様との絆を強め、売上の拡大と収益の確保、企業価値向上に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2年後の2024年3月期において、魅力ある商品・サービス創りを通して、新商品売上比率を向上(機械30%、消耗品10%)させ、新たに当社を選んでいただける、新規お客様数2,500社の増加を目指しております。また、お客様に選ばれ続ける指標としての、成約カバー率プラス5ポイントを目指し、これらの取組みを新市場に向けて強化することにより新市場比率をプラス4ポイントさせる事を目指します。これらの取組みにより、連結営業利益率8%以上を達成することを目標としております。
(4)経営環境
今後の見通しにつきましては、感染症の収束は不透明であるもののワクチンの接種等により共生が進むことで、緩やかな景気回復が見込まれますが、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、資源・エネルギー供給不足、インフレの加速など、先行きの不透明感は増大しています。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、1934年の創業以来、“ものづくりの心を大切にして社会に貢献したい”という思いのもと、技能を磨き上げ、世界に通用する技術を追求し、技術を通じてお客様との信頼関係を築き上げて参りました。私たちは、常にお客さまのものづくりに寄り添い、新しい価値をお届けし、「信頼の絆を築く」ため、重要な経営指標として「お客さま数」を掲げています。一社一社のお客さまを大切にするとともに、私たちに関わるすべての皆さまとの絆を深めて、いつの時代もお客さまに選ばれ続ける企業であることを目指していきます。
①成長戦略
私たちを取り巻く環境は、これまでにないスピードと大きさで変化しており、この変化に柔軟に対応していくため、積極的に社外のリソースを取り入れ、未来を共に切り開くための「仲間づくり」に向けた投資を強化してまいります。成長のための投資を行う備えとして、事業戦略、取引先との事業上の関係を総合的に勘案し、企業価値を向上させるための中長期的な視点に立ち、政策保有株式を保有しており、必要に応じて、株式を売却します。
②重要課題(マテリアリティ)
私たちが目指す姿として、①環境に優しい循環型社会、②ものづくりを通じた安全・安心・豊かな社会、③感動・成長・幸せを実感できる社会、の3つを掲げ、この実現に向けて、「環境」、「人的資本」、「技術開発・ものづくり」、「ステークホルダー」、「企業基盤」の5つを重要課題として選定し、取り組んで参ります。
・環境への取組み
気候変動による事業への影響は重要な課題と捉え、特に水害やエネルギーコストの上昇に伴う収益への影響、規制の強化による原材料の高騰や入手困難等を注視して、リスク管理を行って参ります。
・人的資本への取組み
海外拠点のトップマネジメントは、原則として、現地の方が務めているとともに、当社製品のメンテナンススキルは、全世界共通の評価基準に基づいて評価しております。女性の活躍推進についても、取組みを加速させて参ります。
・企業基盤への取組み
当社グループでは、リスクに対する基本方針を、取締役会直轄の「リスク管理委員会」で定め、企業活動に伴うリスクを把握、評価して、見える化しています。リスク管理委員会の活動結果を取締役会に報告し、更なるリスク管理体制の強化を図って参ります。
以下において、当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2022年6月21日)現在において判断したものであります。
(1)市場及び事業に関するリスク
①市場の競争激化
当社グループ製品の主要市場では激しい競争が繰り広げられており、当社グループはビジネスを展開している世界各地域で、現地のローカルメーカーとの競争に直面しております。市場において、設備投資環境の急激な変動が起き競争が激化した場合、受注台数や受注価格の低下などが起きる可能性があり、これにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。
②自動車関連業界の業況の影響
当社グループの主要顧客である自動車業界は、100年に一度とも言われる大きな変革期を迎えています。当社グループの製品は、自動車メーカー・自動車部品メーカーに多く納入されていますが、電動化の進展やカーシェアの普及などによって、自動車を構成する素材・部品などの変化による鋳物部品の減少や自動車業界全体の市場成長の頭打ちで、同業界における設備投資が抑制され、当社製品の受注高が低下する可能性があります。当社グループは、昨今の同業界の急激な変化に対応し、今後も競争力の維持強化に向けた様々な取組みを進めていきますが、売上高の低下により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。
③製品の契約不適合・欠陥に伴う賠償
当社グループ製品の製造販売には、顧客との契約に適合する品質、機能、安全性、納期等に万全を期していますが、製造・販売した製品の契約不適合や欠陥により性能が不充分であったり、製品の安全上の問題で設備事故や労災事故を発生させ、また納期遅延等を発生させることにより、顧客や第三者に損害を与えたことによる損害賠償請求を受ける可能性があります。特に、海外において係る訴訟が発生し、相当の賠償・和解費用等を負担せざるを得ない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。
④企業買収等に係るリスク
事業拡大のため、企業買収等を実施することがありますが、事業用の資産や買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形資産を保有することになり、今後の経営環境の変化に伴い買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用ができず、これらの資産の収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合にはその回収可能性を踏まえて減損損失を計上する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
⑤人材の確保及び合理化・体質強化に係るリスク
当社グループ製品は、一品一様の受注生産品が一定程度あることから、製造過程においては労働集約型な面があり、事業拡大・継続のためには一定水準以上のスキルを有する優秀な人材の確保が不可欠なものと認識しております。現時点では、人事制度・教育制度により、必要な人材は確保されておりますが、少子化問題、労働市場の逼迫により必要とする優秀な人材または労働力を確保できない場合、競争力の低下や事業展開が制約される可能性があります。それら要因を軽減するために、省力化・省人化にも取組んでおりますが、情報技術の活用が進むなか事業構造の変化に追いつかず遅れが生じた場合、製造コストの低減が実現できず、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
⑥仕入先への外注加工品供給の依存
当社グループは、外注加工品、購入部品、原材料などを複数の競合する仕入先から調達していますが、外注加工品の中には他の仕入先への代替が難しく、特定の仕入先に依存しているものがあり、生産面への影響を受ける可能性があります。それらを軽減するため、仕入先分散や新規仕入先の発掘・育成などの対応を進めておりますが、当社グループが、それら仕入先からの外注加工品を継続的にタイムリーかつ低コストで調達できない場合、生産に遅延またはコストの増加を引き起こし、当社グループの経営成績及び財務状態に大きな影響を与える可能性があります。
(2)金融・経済のリスク
①原材料等調達価格の影響
鋼材、スクラップ等、当社グループが製造に使用する原材料価格の上昇は、製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品の販売価格に十分に転嫁できない結果、当社グループの収益性に悪影響を与える可能性があり、特に、国際的な需要の逼迫により急激な価格高騰があった場合には、急激に調達コストが上昇し、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。
②エネルギー価格の変動
当社グループは、主力製品である消耗品等の製造においては、電力使用量が多大なため、エネルギー価格の変動によるリスクや各国政府のエネルギー政策による変動リスクを負っております。コスト低減のための省エネルギー対策などリスクの軽減を図っておりますが、電気料金や原油価格の変動に伴うエネルギー価格の動向が経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
③為替変動の影響
当社グループの収益は、外国為替相場の変動の影響を受け、主として日本円、米ドル、ユーロ、中国元、ブラジルレアル等の価格変動によって影響を受けます。外国通貨で販売する製品及び調達する材料で発生する取引リスクを軽減するために、当社グループでは可能な限り、海外現地化を進め、地産地消に取組んでおり影響は限定的であります。但し、当社の連結財務諸表は、日本円で表示されているため、換算リスクという形でも為替変動の影響を受けており、外国為替相場の大幅な変動が起きた場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
④投資有価証券の保有に対するリスク
当社グループが保有する投資有価証券は、当連結会計年度末の総資産に占める割合が17.3%(29,222百万円)であり、株式市況の下落、発行会社の業績悪化等によって投資価値が大きく下落する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(3)法的手続・情報セキュリティ・災害等に関するイベント性のリスク
①法的手続
当社グループは、製造物責任、知的財産権の侵害等、様々な法的手続の当事者となる場合があります。研究開発及び生産活動においては様々な知的財産権の使用について万全を期しておりますが、当社グループの認識の範囲を超えて第三者から知的財産権の侵害を主張され係争等に発展する場合があります。それらの法的手続きにおいて予期せずに不当な判断がされた場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
②情報セキュリティに係るリスク
当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や顧客その他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止し、不正なアクセスによるシステムの毀損を防ぐため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等様々な対策を講じておりますが、不測の事態により情報システムの毀損、停止または一時的な混乱、機密情報を含む内部情報が漏洩した場合、当社グループの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
③気候変動等による自然災害、感染症発生、インフラの障害の発生
当社グループの主力製造拠点が集中する愛知県は、大規模な地震の発生が懸念されており、これが発生した場合には当社グループの生産能力が著しく低下し、当社グループの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。
また、当社グループ製品を製造する地域において、気候変動等による、台風、豪雨、竜巻、洪水その他の自然災害やエネルギーコストの上昇、原材料・資材の高騰等が想定され、伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、天災などによる電力・交通機能・ガス・水道・通信等のインフラの障害、操業の中断などが発生した場合、当社グループの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。当社グループは、これらによって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)の整備、非常時を想定した訓練等を実施しています。しかし、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。
(4)戦争、突発的なテロ、紛争等を含む地政学リスク
当社グループは、日本・欧米・アジアを中心に生産拠点を持ち、16カ国に展開している営業拠点を通じ、グローバルでお客さまに製品・サービスを提供しています。このため、ロシア・ウクライナ問題を含む戦争、突発的なテロ、紛争や米中貿易摩擦など国際関係変化やそれに起因する社会・環境の変化、法規制の変更などが事業活動に影響を及ぼす可能性があります。特に、各国の輸出規制、技術移転の制限、関税の引き上げ等により、営業、調達、生産等の事業活動が制限を受け、お客さまへの製品供給に支障をきたす場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、各地域の政治・経済情勢や法規制の動向などについて、各拠点を通じて定期的にモニタリングし、事業への影響を迅速に把握するとともに、リスクが顕在化したときは、グローバルでの効果的な対応体制を構築し、被害や損害を最小限とすることに努めています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の変異株発現で度重なる感染拡大による行動制限や生産活動の制約が継続したものの、ワクチン接種の進展が奏功して感染症との共存による市場の回復を背景に社会経済活動の制限緩和が顕著となり社会生活が平常化したことから、回復基調への転換が見られました。
しかしながら、特に中国においては感染症の拡大防止にゼロコロナ政策の継続による活動規制の強化により経済活動は低位で推移しています。更にはロシアのウクライナ侵攻などの地政学的なリスクから、主に欧州や米国で資源・エネルギー価格の高騰など、景気の下押し圧力が顕著となっており、特に半導体の供給不安や調達環境の悪化によりインフレが一段と加速しています。国内においては、若年層を中心に新規感染者数が高い水準で推移する中、感染症との共存を目指し、海外需要への対応から半導体関連をはじめとする需要の回復基調にあります。
当社グループの事業環境につきましては、主要なお客様である自動車産業等で感染症対応や部品供給の混乱を受けて生産調整を余儀なくされましたが、半導体産業の好調により電子業界向けを中心に部品・消耗品が堅調でした。
こうした情勢下、当連結会計年度の受注高は107,303百万円(前連結会計年度比21.3%増)、売上高は99,247百万円(同20.2%増)、受注残高は44,389百万円(同9.4%増)となりました。収益につきましては、営業利益は2,606百万円(同51.7%増)、経常利益は4,478百万円(同45.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,835百万円(同367.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高等を含めて表示しております。
〔表面処理事業〕
売上高は41,306百万円(前連結会計年度比21.1%増)、営業利益は2,658百万円(同22.9%増)、受注高は41,918百万円(同24.2%増)、受注残高は6,019百万円(同11.6%増)となりました。
〔鋳造事業〕
売上高は34,041百万円(同33.3%増)、営業損益は17百万円の損失(前連結会計年度は1,079百万円の損失)、受注高は38,137百万円(前連結会計年度比17.6%増)、受注残高は25,926百万円(同16.0%増)となりました。
〔環境事業〕
売上高は10,851百万円(同2.6%減)、営業利益は901百万円(同37.4%減)、受注高は11,234百万円(同11.8%増)、受注残高は4,489百万円(同14.7%増)となりました。
〔搬送事業〕
売上高は6,079百万円(同4.9%減)、営業利益は607百万円(同41.6%減)、受注高は6,473百万円(同5.8%増)、受注残高は2,055百万円(同26.3%増)となりました。
〔特機事業〕
売上高は7,694百万円(同27.1%増)、営業損益は386百万円の損失(前連結会計年度は820百万円の損失)、受注高は9,375百万円(前連結会計年度比57.5%増)、受注残高は5,897百万円(同19.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ658百万円増加して、42,964百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその要因は、次のとおりであります。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度において、営業活動によって得られた資金は4,091百万円となりました(前連結会計年度は8,088百万円の収入)。これは、税金等調整前当期純利益4,333百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は1,188百万円となりました(前連結会計年度は1,801百万円の支出)。これは、有形固定資産の取得による支出2,722百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は2,754百万円となりました(前連結会計年度は1,141百万円の支出)。これは、配当金の支払額1,334百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
表面処理事業(百万円) |
40,814 |
121.9 |
|
鋳造事業(百万円) |
32,519 |
121.2 |
|
環境事業(百万円) |
10,313 |
96.7 |
|
搬送事業(百万円) |
5,930 |
91.7 |
|
特機事業(百万円) |
7,151 |
123.3 |
|
その他(百万円) |
157 |
146.6 |
|
合計(百万円) |
96,886 |
116.3 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
表面処理事業 |
41,918 |
124.2 |
6,019 |
111.6 |
|
鋳造事業 |
38,137 |
117.6 |
25,926 |
116.0 |
|
環境事業 |
11,234 |
111.8 |
4,489 |
114.7 |
|
搬送事業 |
6,473 |
105.8 |
2,055 |
126.3 |
|
特機事業 |
9,375 |
157.5 |
5,897 |
80.9 |
|
その他 |
163 |
109.3 |
- |
- |
|
合計 |
107,303 |
121.3 |
44,389 |
109.4 |
(注)上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
表面処理事業(百万円) |
41,292 |
121.1 |
|
鋳造事業(百万円) |
33,459 |
133.7 |
|
環境事業(百万円) |
10,658 |
97.3 |
|
搬送事業(百万円) |
6,045 |
94.9 |
|
特機事業(百万円) |
7,628 |
128.3 |
|
その他(百万円) |
163 |
109.3 |
|
合計(百万円) |
99,247 |
120.2 |
(注)上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、下記の項目についてはその見積りが当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと判断しております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況」の注記に記載しております。
a.一定期間にわたり認識する収益
当社グループは設備装置の請負工事に関して、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗率を見積り、当該進捗率に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。一定の期間にわたり充足される履行義務に関する売上高は、収益の総額及び進捗率に基づいて算定され、進捗率は見積製造原価に対する当連結会計年度末までに発生した実績製造原価の割合に基づき算定されます。見積製造原価は、案件の仕様、過去の類似案件における原価発生状況、案件の難易度などを勘案しております。
b.受注損失引当金
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を受注損失引当金として計上しております。受注損失引当金は、見積製造原価が受注金額を超える案件のうち、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に基づき算定されます。見積製造原価は、案件の仕様、過去の類似案件における原価発生状況、案件の難易度などを勘案しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容
(1)当社グループの当連結会計年度の経営成績等
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」に記載しております。
(3)当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。
短期運転資金及び設備投資や長期運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は19,784百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は42,964百万円となっております。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年度よりスタートした中期経営計画「Plus」を基本方針とし、2023年度の達成すべき目標に向け活動したとともに、その先の将来に向けても成長を続けることができる経営基盤の構築に邁進しました。
目標とする経営指標
|
|
2021年度(第125期) |
2023年度(第127期) |
|
新商品売上比率 |
機械9% 消耗品1% |
機械30% 消耗品10% |
|
新規お客様数 |
+1,199社 |
+2,500社 |
|
新市場比率 |
+3% |
+4% |
|
成約カバー率 |
+2.8% |
+5% |
|
営業利益率 |
2.6% |
8.0%以上 |
(5)セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析
〔表面処理事業〕
売上高は、インフラ・建機業界、バネ業界において表面処理装置が堅調に推移したことと、半導体の旺盛な需要による電子関連向けや感染症により停滞していた自動車産業をはじめとした様々な業界で生産活動が回復したことで増加しました。営業利益は、消耗品や部品の増収により増加しました。
〔鋳造事業〕
売上高は、大型プラント案件が堅調に推移するとともに、海外案件もオンライン技術や海外拠点の現地指導員派遣の代替対応で検収が進んだことから増加しました。営業損益は、原材料やエネルギーコストの上昇影響はあったものの、増収により赤字幅が縮小しました。
〔環境事業〕
売上高は、汎用集塵機、メンテナンス・部品は増加しましたが、集塵装置、排ガス浄化装置、水処理装置の大型装置が減少し、全体では減少しました。営業利益は、減収要因に加え、原材料価格高騰や電子部品等の調達コストアップにより減益となりました。
〔搬送事業〕
売上高は、物流搬送システムの売上が減少し、減収となりました。営業利益は、自動車業界や工作機械向けにおける需要に対して半導体不足やウクライナ問題等の影響等があり減少しました。
〔特機事業〕
売上高は、車載向け二次電池市場に対して新商品の高圧ロールプレスが好調により増収となりました。営業損益は、増収に伴い赤字幅が縮小しました。
(1)技術援助契約(技術等の導入)
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契約会社名 |
相手会社名 |
国名 |
契約品目 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
新東工業株式会社 |
ケミッシュテルミッシェプロツェステクニーク社 |
オーストリア |
酸化装置 吸着装置 窒素化合物除去装置 熱交換装置 CTP触媒 |
(1)独占的製造販売権の許諾 (2)技術情報の提供 (3)技術者の相互派遣の許諾 |
自 2018年2月26日 至 2023年2月25日 |
|
シンプソンテクノロジー社
|
アメリカ |
B&Pスピードマ ラー シンプソンハート レーコントローラー |
(1)日本及び台湾における独占的製造販売権及びその他の国への非独占的販売権の許諾 (2)商標使用権の許諾 (3)技術及び販売資料の提供 (4)技術者の相互派遣の許諾 |
自 2019年9月28日 至 2024年9月27日
|
(2)技術援助契約(技術等の供与)
|
契約会社名 |
相手会社名 |
国名 |
契約品目 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
新東工業株式会社
|
サイアムブレーター社 |
タイ |
スチールショット スチールグリット 亜鉛ショット |
(1)タイにおける独占的製造販売権及びその他の国への非独占的販売権の供与 (2)商標使用権の供与 (3)技術及び販売資料の提供 (4)技術者の相互派遣の許諾 |
自 2020年1月1日 至 2024年12月31日 |
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「素材に形をいのちを」を企業理念に、金属、セラミックス、樹脂等の素形材関連設備及び消耗品を主体とするメーカーとして、これら素材の成形を基本としたコア技術とその周辺技術、関連技術に関する研究開発を行っております。特に従来の資源循環型スマート社会の構築に向けた新プロセス・新商品・新事業の提案と実用化に加えて、IT化、再生エネルギー、軽量化などの社会ニーズにも応えるべくグループトータルでの技術開発を推進しております。中でも産業用ロボットに採用が期待される高分解能の力覚センサーを開発し、さらに、介護市場向けに排泄検知センサーの事業を開始するなど、新規事業開発で今後の成果が期待されます。
研究開発関係等に要した費用の総額は
(1)表面処理事業
主に、当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。
当事業では、ブラスト、研磨精密処理、投射材の3事業部が「サーフェステックカンパニー」として一体化し、お客様の求める「機能」を満たす表面性状を提供するために「最適な処理条件」、それを実現するための「投射材、研磨材」、「装置」及び、適切に処理がなされたことを確認するための評価を含めて開発を行っております。
直近の取組としては、活発に進められるインフラ開発需要に対し、使用される鉄骨など鉄鋼材料の接合摩擦面の処理を行う鉄骨ブラストのシリーズを拡充のほか、ばねや締結部品などの材料となる線材向けショットブラストの更新機SMIX-0をリリースしました。
また新規業界への取組として、金属加工製品の評価技術を応用し、食品への金属異物混入を検出する食品用金属検出装置TecnoeyeTMの販売を進めています。食品製造において金属異物混入は3大危害要因の1つであり、2021年6月から義務化されたHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point 食品等事業者が食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因を把握し、除去または低減させるための管理手法)への需要に対応し、食の安心・安全を提案しています。
当該事業に係る研究開発活動は、
(2)鋳造事業
主に、当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。
当事業はグローバル市場という視点から見ると、中国・インドを中心に安定的成長が今後も見込まれますが、国内や欧米市場では産業としての成熟期を迎え、品質向上と安定かつ効率的な設備稼働を指向する技術が強く求められています。当社はこれを受け、理想の鋳造工場を「SINTO SMART FOUNDRY(略称SSF)」と名付け、環境負荷の低減を含めたお客様視点での「いい鋳物づくり」への貢献を果たすべく、革新的なIoT応用技術、モニタリング技術の開発を進めております。その成果は、砂管理を高度化するIDSTフィードバックシステム、徹底した見える化とトレサビ対応をサポートする統合管理システム、画像解析による自動検査装置等のSSF商品を計画的に市場投入してきております。
当該事業に係る研究開発活動は、
(3)環境事業
主に、当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。
「働く人の安全と健康を守る」という活動方針に向かい、集塵・排ガス処理・水処理・磨き床の各カテゴリで開発および商品展開を推進しております。集塵分野では、高濃度微細ダストにも対応できる対向パルス方式を採用した、高性能汎用集塵機シリーズ機を開発完了し市場投入しました。この他にも「火の粉消火装置」「早期火災検出システム」「難燃性フィルタ」など、火災リスク低減に寄与する技術・商品や、これらを組み合わせた「火災対策システム」のご提案、作業エリアの環境を把握するシステムなどの開発を推進しています。また水処理分野では、新構造を採用することにより従来機よりも大幅にランニングコストを削減できる新機種を開発し市場投入していますが、この新構造を採用した大容量シリーズ機もラインナップしています。磨き床においては、美観、意匠性の付加価値提供に加え、新規機能付与にも取り組んでいます。
当該事業に係る研究開発活動は、
(4)搬送事業
主に、子会社の株式会社メイキコウが中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。
少子高齢化社会が進む中、工場や倉庫等での入出庫作業における人手不足解消に貢献する省力機械の製品開発を行っており、当期は冷凍コンテナからの食品用荷下ろし装置をリニューアルいたしました。
感染症の拡大により好調な通販関連業界等においては、機械に不慣れな作業員増加の対応として、より高い安全性を備えた搬送装置「セーフティコンベヤシリーズ」を開発し販売を開始しました。
また、近年自動車等で一部無人運転が始まっておりますが、工場や倉庫等でも入庫作業の無人化に向けた取り組みを進めており、更なる人手不足解消に対応する商品を開発中です。
当該事業に係る研究開発活動は、
(5)特機事業
主に当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。
検査装置分野では、E/HVのインバーターの心臓部となる次世代パワー素子の検査装置において、従来機より高精度・高速・低インダクタンス化した新型テスタの開発を行いました。また、ワークへのダメージが少ない高速・高精度ハンドラの開発を行いました。これにより、ハンドラとテスタをトータルに開発することが出来、装置全体のインダクタンス低減が可能となりました。
メカトロ分野では「油圧から電動へ」をキーワードに、電気/自動車分野の部品圧入に用いられる電動シリンダのユーザービリティを向上させた改良開発を行いました。さらに、全個体電池の緻密化に使われるオール電動・サーボ化した高圧ロールプレスの開発を完了し市場投入し、また、露点-60度のドライ環境のドライボックスをプロセスセンター内に設置し、お客様のテスト対応し評価を頂いています。
機能性粉末分野では、新東のコア技術である溶融金属のアトマイズ技術を深耕し、粒径2μmと微細かつ球状の金属ガラス磁性材料を開発・市場投入し、車載用磁性材市場で高評価を得ています。また、新たな金属磁性材料の開発を進め、非常に優れた磁気特性の材料開発に成功しました。
当該事業に係る研究開発活動は、