文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
当第1四半期連結累計期間における事業環境は、原油価格低迷の影響が残る中、米国の利上げなどを起因とした金融市場の変動などによる世界景気の先行き不透明感が広まりましたが、米国や欧州を中心に景気は緩やかに回復しました。国内では民間設備投資や住宅建設に持ち直しの動きがみられ、公共投資に一部弱さはあるものの全体としては引き続き緩やかに回復しました。
当第1四半期連結累計期間の受注高は、精密・電子事業で増加したものの、風水力事業、エンジニアリング事業の減少により、全体としては前年同期並みとなりました。売上高は、精密・電子事業とエンジニアリング事業の増加により前年同期を上回りました。営業損益は、精密・電子事業の利益増が寄与し、全体としては前年同期比で改善しました。
当第1四半期連結累計期間における売上高は920億55百万円(前年同期比2.8%増)、営業損失は3億7百万円(前年同期比17億52百万円の改善)、経常損失は20億43百万円(前年同期比5億91百万円の改善)、親会社株主に帰属する四半期純損失は14億68百万円(前年同期比9億57百万円の改善)となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
(風水力事業)
ポンプ事業では、海外において、LNGプラント関連の受注が好調であった前年同期に比べて今期は需要が低調に推移しており、受注高は減少しました。そのような中でも、北米の石油化学プラントやインドの肥料プラント向けなど、石油・ガスの下流部門の案件や、中東のLNG受入基地向け案件等を受注しました。また、中東の石油・ガス関連プラントに納めたポンプの予備部品の受注も多くみられました。国内においては、民間部門では、電力向け市場で火力発電所向けの受注が順調に推移しました。建築設備市場では、建築着工棟数に回復の兆しが見られるものの需要は低調な中で、受注は前年同期並みとなりました。公共部門は、社会インフラの更新・補修に対する投資が前期並みに推移する中、大型ポンプ場の新設案件を受注したことなどを受け、受注高は前年同期を上回りました。
コンプレッサ・タービン事業では、原油安の影響による石油・ガス市場での顧客の発注延期や投資判断先延ばしの状況が継続していることに加え、中国の成長鈍化に伴う市場縮小や新規案件の価格競争激化の影響により、依然厳しい受注状況が続いています。ただし中小型案件を中心に顧客に発注の動きがみられました。このような中で、北米や韓国、中東で新規の石油精製プラント向け案件などを受注しました。また、強みである包括的なサービス&サポート提供能力を生かし、中東の石油化学プラント向け包括サービス案件や、インドや中東で石油精製・石油化学プラントで使用される部品の大型案件を受注するなど、受注高は前年同期を上回りました。
冷熱事業では、中国市場は成長鈍化による厳しい競争環境が継続したものの、国内市場は需要が回復傾向にあり、受注高は前年同期並みとなりました。
当第1四半期連結累計期間における風水力事業の売上高は586億29百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント損失は31億64百万円(前年同期比4億13百万円の改善)となりました。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業では、廃棄物処理施設の建設工事(EPC)や、施設の建設から長期的な運営までを含めたDBO方式での発注量は、前期とほぼ同等で推移しました。既存施設の運転及び維持管理(O&M)の発注量については例年通り推移しました。一方で、国のエネルギー政策の見直しに伴って、民間企業におけるバイオマス等を用いた発電施設の計画は増加しました。このような状況の中、当第1四半期に木質バイオマス発電施設の建設工事を受注しました。
当第1四半期連結累計期間におけるエンジニアリング事業の売上高は114億96百万円(前年同期比21.0%増)、セグメント利益は1億32百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
(精密・電子事業)
精密・電子事業では、パソコンやスマートフォンの需要が鈍化傾向にある一方で、ロジック先端投資に回復傾向が見られ、またストレージ向けなど3次元NANDフラッシュメモリの投資も順調に実施されました。このような中で当社の主力製品であるCMP装置の需要が拡大しました。
当第1四半期連結累計期間における精密・電子事業の売上高は215億36百万円(前年同期比27.8%増)、セグメント利益は26億3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上債権の回収が進んだ結果、390億78百万円の収入超過(前年同期比58億16百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出53億円などにより、46億29百万円の支出超過(前年同期比11億46百万円の支出減少)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、344億49百万円の収入超過(前年同期比69億63百万円の収入増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払27億90百万円などにより、26億63百万円の支出超過(前年同期比3億33百万円の支出減少)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から301億38百万円増加し、1,213億23百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、19億15百万円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社グループの四半期連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。四半期連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積もりと仮定を行っていますが、それらは四半期連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。このうち、四半期連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象には以下のものがあります。
1.繰延税金資産
2.退職給付債務及び退職給付費用
3.完成工事補償引当金
4.製品保証引当金
5.工事損失引当金
また、当社グループの経営成績に影響を与える可能性のある重要な要因としては以下の事項がありますが、業績に影響を与える要因はこれらに限定されるものではありません。
1.市場環境
2.大型プロジェクト及び海外事業
3.事業再編等
4.為替リスク
5.金利変動及び資金調達に関するリスク
6.災害や社会インフラの障害発生にかかる影響
7.繰延税金資産
8.資材調達
9.法的規制
10.訴訟その他の紛争に関するリスク
11.旧本社・羽田工場跡地売却に関する係争について
12.輸出債権回収リスク
13.退職給付債務
セグメントごとの見通しと個別戦略は、以下のとおりです。
ポンプ事業は、海外では原油価格動向や中東情勢に不透明感のある中で、顧客の設備投資意欲は依然弱含むものの、比較的経済状況の良い米国や東南アジアなどの電力、石油化学、肥料、水インフラ関連の需要は堅調に推移するものと見込まれます。建築設備や一般産業関連の需要は、地域によっては不透明さがあるものの、需要は堅調に伸びるものと見込まれます。国内では、建築設備市場はマンションの建設が引続き減少傾向となるものの、首都圏を中心とした再開発事業等の民間建設投資は好調に推移し、全体の着工棟数は回復傾向が続くものと見込まれます。一般産業市場では、大規模投資が停滞傾向にあるため、設備の修繕・効率化・老朽化対策に対する受注活動を強化し、収益性の高いサービス&サポートに注力します。
コンプレッサ・タービン事業では、原油価格の上値が重く現状の価格レベルで推移する見通しが強いことや、世界的な経済成長の停滞感、中東情勢などにより、事業環境は依然不透明であり、厳しい競争が続くことが想定されます。このような中、下期以降に北米・中東・中国・ロシアなどで石油化学、石油精製及びLNG関連の大型案件が具体化し、中小型案件も活発化することが見込まれます。また、包括的なサービス&サポート提供能力を生かした受注の獲得にも注力していきます。
冷熱事業では、中国市場の成長が鈍化しており、先行きが不透明な状態が続くと見込まれます。一方で、国内市場や中東、東南アジアでは取替需要が堅調に推移するものと見込んでおり、顧客ごとのニーズに応じた更新・増設の提案を積極的に推進します。
このような状況において、海外では、地域ごとのニーズに合った製品並びに地域に依らず普遍的に需要が見込まれる基幹製品の開発推進と、グローバルな生産・販売体制及びサービス&サポート体制の充実を図ることにより、事業範囲の拡大を進めていきます。また国内では、顧客ニーズに対応した販売・サービス体制の拡充を図ります。
エンジニアリング事業では、公共部門においては、新規施設の建設のみならず、既存施設に対する大規模延命化工事、温暖化ガス排出抑制のための基幹的設備改良工事等、施設更新に関し一定の需要が継続する見込みです。また、地方自治体が施設運営を民間企業に委託する動きが高まっており、運転及び維持管理(O&M)を複数年にわたり包括的に民間企業に委託する長期包括契約化は今後も増加が見込まれ、建設から長期的な施設の運営までを含めたDBO方式の案件は引続き堅調に推移することが想定されます。また、民間企業における木質バイオマス等を用いた発電施設の建設計画は今後も増加する見込みです。
このような状況において、施設の建設工事(EPC)から運転及び維持管理(O&M)を一貫体制で行う当事業体の利点を生かし、EPCとO&Mそれぞれの技術を結集することにより、公共事業におけるDBOや基幹的設備改良工事、民間企業における発電事業施設など、顧客ニーズに合う提案を積極的に行い受注拡大に努めます。
精密・電子事業では、メモリを中心とする半導体設備投資が一時的に減速すると見込んでいます。その後、ロジック先端投資の回復やストレージ向けなどの3次元NANDフラッシュメモリの需要増加を背景にして、顧客の半導体設備投資は今期後半から来期に向かって徐々に回復していくものと見込んでいます。
このような状況の中、前期末に決定した熊本工場の規模拡張工事を予定通り進めています。新工場は主力生産機種であるCMP装置をはじめ、各種半導体製造装置の生産にも対応できる柔軟性の高さを特徴としています。今後も様々な顧客ニーズに対応し、また生産革新活動による生産性向上にも引き続き取り組みながら、さらなる事業の拡大を図ります。
① 資本の財源
当社グループは、当第1四半期連結会計期間末において1,189億79百万円の有利子負債残高があります。財政基盤の強化については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としています。
② 資金の流動性管理
資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしています。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結することで手許流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しています。
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,213億23百万円であり、金融機関との間で当座貸越契約50億円、コミットメントライン450億円の契約を締結しています。これら契約に基づく当座貸越極度額及びコミットメントラインの総額500億円に対し、当第1四半期連結会計期間末の借入実行残高はありません。