文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、「水と空気と環境の分野で、優れた技術と最良のサービスを提供することにより、広く社会に貢献する」ことを企業理念としています。社会に安全・安心と快適さを届けるための製品を提供し、それが最も効率よく使われるためのサービスとサポートを提供し続けることによって、企業としての価値を向上させていきます。
当社グループでは、2017年度から2019年度を計画対象期間とする中期経営計画「E-Plan2019」を策定しました。特に風水力事業の収益性改善が不十分であったという前中期経営計画の総括を踏まえ、当該期間においては、E-Plan2019完了時に世界規模で事業展開し成長する産業機械メーカへとさらなる発展を目指すために、全事業の収益性を徹底的に改善することを目標とし、「成長への飽くなき挑戦」を実践する期間と位置づけています。
E-Plan2019では、グループ基本方針として以下の5つを策定しました。
2) 市況変動の影響を大きく受ける事業は、市況の底においても安定して収益を計上できる事業構造に変革します。
当計画では投下資本利益率(ROIC)、各事業における売上高営業利益率を経営指標としています。
最終年度における目標値は以下のとおりです。
(注) 1 ROIC = 親会社株主に帰属する当期純利益 ÷{有利子負債(期首期末平均)+自己資本(期首期末平均)}
2 5,000億円以上の売上高を前提とする
中期経営計画「E-Plan2019」を策定する上で前提とした経営環境は以下のとおりです。
当社製品はいずれも世界各国のGDP 成長、経済発展による生活レベルの向上により需要が確実に拡大する製品です。従って、世界経済の影響により短期的には市場が変動する可能性はありますが、長期的には各事業において成長が望めると想定しています。
そのような中で、各事業の市場成長に一定のリスクを織り込み、売上規模拡大に依存しない計画を策定し実行します。
なお、当連結会計年度における経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (1) 経営成績の状況」をご参照ください。
当社グループは、2019年度を目標年度とする3か年の中期経営計画「E-Plan2019」に基づき、世界規模で事業展開し成長する産業機械メーカへとさらなる発展を目指すために、全事業の収益性を徹底的に改善することを目標とし、「成長への飽くなき挑戦」を実践していきます。
また、当社グループはその実践に向け、人事制度、組織、働き方改革を含む企業風土改革を実行していきます。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
当社グループが事業を展開している市場は競争が激しく、当社グループの製品及びサービスに対する価格低下の圧力が当社グループの業績を悪化させる可能性があります。また、風水力事業では主力のポンプ事業及びコンプレッサ・タービン事業において石油・ガス市場での石油・ガスの需要・供給バランスや価格の変動が同事業の収益性を悪化させる可能性があります。環境プラント事業では公共事業割合が高く公共事業費支出動向の影響を受けることがあり、精密・電子事業では半導体市場における顧客の設備投資の動向に大きく影響を受けることがあります。
当社グループは、国内外において機械・プラントの設計・製作、据付・施工等を行っていますが、これらの中には技術的難易度が高いものが含まれ、不適合や所定の能力への到達期間が長期化すること等により追加コストが発生する可能性があります。また、海外事業にはカントリーリスク等国内と異なる事業環境に伴うリスクがあり、海外グループ会社及びその従業員のコンプライアンスには困難が伴う場合があります。これらのリスクに対する管理は万全を期していますが、適切に対処できない場合には当社グループの業績や社会的信用等に影響を与える可能性があります。
当社グループは不断に経営基盤の強化に取り組んでおり、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行うことがありますが、かかる事業再編が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
海外における事業活動に係る外貨建取引及び外貨建資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらは換算時の為替レートの変動により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの有利子負債に係わる金利の変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが借入契約の財務制限条項に抵触した場合は、金利の上昇を請求されたり期限の利益を喪失したりする可能性があり、当社の格下げや市場の混乱といった事態が生じた場合は、当社グループの借入コストや資金調達能力に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業所が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合は操業に支障を来たすことがあり、また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止や制約等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの繰延税金資産については、将来の課税所得見込額から回収可能性を判定し、回収が不確実と考えられる部分(回収懸念額)に対しては評価性引当額を計上しています。将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、純損益額が変動する可能性があります。また、税制の改正等により純損益額が変動する可能性があります。
当社グループは製造や建設等のために部品・資材・工事の調達を行っており、市況の変動による影響を受けます。素材価格又は工事費の高騰は当社グループの調達コストの増加につながり、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは国内外で事業を展開しており、許認可、製造物責任、貿易、租税、競争、汚職、知的財産、環境、労務等に関する各国の法的規制を受けているため、当社グループがかかる法的規制に違反した場合、当社グループの業績及び社会的信用等に影響を与える可能性があります。また、法令の制定、改廃等により計画の前提条件が変更になる場合があります。それらの前提条件の変更が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10) 輸出債権回収リスク
当社グループは世界各国へ製品を輸出していますが、国際的な協調政策や地域政情変動等の政治要因により輸出債権の回収不能が見込まれる恐れがあります。回収不能が発生する場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11) 退職給付債務
退職給付制度に関する費用負担の変動(年金資産の時価や運用利回りの変動等)が、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、数理計算上の差異及び過去勤務費用の変動が、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
(12) 訴訟その他の紛争に関するリスク
当社グループの事業活動において、製造物責任、知的財産、環境保全、労務問題等に関し訴訟を提起されたり訴訟を提起する場合があり、また、当社グループの製品による知的財産権の侵害を理由に製品供給先から訴訟提起等をされる場合があります。これらの動向によっては当社グループの業績及び社会的信用等に影響を与える可能性があります。
2015年10月23日に、岐阜県岐阜市芥見の岐阜市東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設において、当社連結子会社の荏原環境プラント株式会社(以下、EEP)による設備修繕作業中に火災事故が発生しました。なお、EEPは粗大ごみ処理施設に隣接するごみ焼却施設の運転管理業務を受託しています。本事故の損害賠償に関し、岐阜市と対応を協議してまいりましたが、岐阜市からEEPに対し、43億62百万円及びその遅延損害金の支払いを求める損害賠償請求訴訟が岐阜地方裁判所に2019年1月31日付で提起され、その訴状を2019年2月26日に受領しました。今後の事態の進展によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(単位:百万円)
当連結会計年度における世界経済は、中国景気の減速や米国の通商問題を巡る影響により下振れリスクが顕在化したものの、全体としては緩やかに回復しました。当社の事業環境においても、通商問題、原油価格の低迷、半導体メモリメーカの投資延期といった懸念事項がありましたが、石油化学産業では投資水準の回復が継続し、半導体産業においても比較的高い投資水準が維持されました。
この結果、当連結会計年度の受注高は、風水力事業、環境プラント事業、精密・電子事業のいずれも前年度同一期間を上回りました。売上高は、環境プラント事業が減少したものの、風水力事業と精密・電子事業の増加により、前年度同一期間を上回りました。営業利益は、主に風水力事業の減少により前年度同一期間を下回りました。
当連結会計年度における売上高は5,091億75百万円(前年度同一期間比0.3%増)、営業利益は324億82百万円(前年度同一期間比11.4%減)、経常利益は312億81百万円(前年度同一期間比11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失の計上などにより182億62百万円(前年度同一期間比19.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
《セグメント別の事業環境と事業概況》
(注)1.矢印は受注高の前期比の増減率を示しています。
2.EPC(Engineering, Procurement, Construction)…プラントの設計・調達・建設
O&M(Operation & Maintenance) ……………………プラントの運転管理・メンテナンス
DBO(Design, Build, Operate)………………………プラントの設計・調達・建設に加え、建設後の
運転管理・メンテナンスを一定期間請け負う。
当連結会計年度末における資産は5,915億92百万円(前年度末比213億26百万円減)、負債総額は3,048億14百万円(前年度末比233億16百万円減)、純資産は2,867億78百万円(前年度末比19億89百万円増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度は2017年4月1日から2017年12月31日までの9か月決算となります。このため、前年度比については記載していません。
営業活動によるキャッシュ・フローは、堅調な営業利益に支えられ、346億10百万円の収入超過となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出185億70百万円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入55億68百万円などにより、159億27百万円の支出超過となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、186億82百万円の収入超過となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で242億70百万円減少したこと、社債の償還による支出100億円、自己株式の取得による支出50億8百万円、配当金を45億75百万円支払ったことなどにより、464億12百万円の支出超過となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から285億46百万円減少し、1,105億56百万円となりました。
下記の前年度同一期間比(%)は、前年度同一期間の実績と当期実績を比較した増減率です。(前年度同一期間とは、当連結会計年度(2018年1月1日から2018年12月31日)に対応する期間(2017年1月1日から2017年12月31日)を指します。)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 上記(1)から(3)の金額は、いずれも販売価格によっており、消費税等は含まれていません。また、セグメント間取引消去後の金額です。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
前連結会計年度は2017年4月1日から2017年12月31日までの9か月決算となります。
以下、増減については「前年度同一期間」との比較で記載しています。(前年度同一期間とは、当連結会計年度(2018年1月1日から2018年12月31日)に対応する期間(2017年1月1日から2017年12月31日)を指します。)
売上高は、主に風水力事業と精密・電子事業の増加により、前年度同一期間比で13億66百万円増加して5,091億75百万円となりました。
売上原価は3,760億21百万円、売上原価率は73.8%となり、売上総利益は1,331億54百万円となりました。販売費及び一般管理費は1,006億72百万円、営業利益は前年度同一期間比で41億67百万円減少して324億82百万円となりました。
営業外損益の純額は、支払利息15億17百万円を計上したことなどにより、12億1百万円のマイナスとなりました。その結果、経常利益は前年度同一期間比で42億円減少して312億81百万円となりました。
特別損益の純額は、減損損失26億27百万円を計上したことなどにより、39億78百万円のマイナスとなりました。その結果、税金等調整前当期純利益は、273億3百万円となりました。
また、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額が76億17百万円になったほか、非支配株主に帰属する当期純利益は14億23百万円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度同一期間比で45億23百万円減少して182億62百万円となりました。
セグメントごとの経営成績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (1)経営成績の状況」に記載のとおりです。
また、当社グループは、投下資本利益率(ROIC)、全社及び各報告セグメント別の売上高営業利益率を経営指標としています。当連結会計年度の実績は以下のとおりです。
(ROIC)
(売上高営業利益)
当連結会計年度末における資産総額は、前年度末に比べて、受取手形及び売掛金が75億97百万円、原材料及び貯蔵品が53億78百万円、仕掛品が48億52百万円増加した一方、現金及び預金が278億65百万円、投資その他の資産その他が74億65百万円減少したことなどにより、213億26百万円減少し、5,915億92百万円となりました。
セグメントごとでは、風水力事業は3,040億61百万円(14億63百万円減)、環境プラント事業は460億22百万円(25億7百万円減)、精密・電子事業は1,311億72百万円(203億23百万円増)、その他は254億99百万円(50億40百万円減)となりました。
当連結会計年度末における負債総額は、前年度末に比べて電子記録債務が49億85百万円、支払手形及び買掛金が15億64百万円増加した一方、1年内償還予定の社債が100億円、短期借入金が237億3百万円減少したことなどにより、233億16百万円減少し、3,048億14百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を182億62百万円計上した一方、自己株式の取得50億8百万円、配当金の支払い45億75百万円、為替換算調整勘定の減少38億54百万円、その他有価証券評価差額金の減少21億82百万円などにより19億89百万円増加し、2,867億78百万円となりました。自己資本は2,796億40百万円で、自己資本比率は47.3%となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。
引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
製品売上高に対して将来予想される瑕疵担保費用を一定の比率で算定し、製品保証引当金として計上しています。
引当金の見積りにおいて想定していなかった製品の不具合による保証義務の発生や、引当の額を超えて保証費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の保証費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
工事契約について、未引渡工事のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることが出来る工事については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
財務基盤の強化については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としています。当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは346億10百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローについては159億27百万円の支出超過となり、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、186億82百万円の収入超過となりました。
また、当連結会計年度末において、有利子負債残高は791億37百万円(短期有利子負債474億73百万円、長期有利子負債316億63百万円)で、前年度末の有利子負債残高1,145億92百万円からは354億55百万円減少しました。
資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしています。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結することで手許流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しています。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,105億56百万円であり、金融機関との間で当座貸越契約50億円、コミットメントライン450億円の契約を締結しています。これら契約に基づく当座貸越極度額及びコミットメントラインの総額500億円に対し、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
世界経済では米中貿易摩擦、原油価格の低迷、半導体産業の設備投資調整といった減速懸念材料があり、当社事業の外部環境においても一時的な調整局面を迎える可能性があります。しかしながら、長期的に拡大していく最終製品需要に牽引され、当社事業環境は底堅く推移することを見込んでいます。
《事業環境の見通し》
記載すべき重要な契約はありません。
記載すべき重要な契約はありません。
記載すべき重要な契約はありません。
当社グループの研究開発は、①事業の根幹を支える共通基盤技術、その融合による製品コア技術の研究開発、②中長期的展望に基づいた技術シーズの探索と実用化、③現有技術の拡張展開、新技術の実用化・新製品応用のための研究開発、④既存製品の高付加価値化のための研究開発に区分されます。①と②は2014年4月から活動を開始したコーポレート研究開発組織を中心に、カンパニーと密接に連携を取り、大学等の外部研究機関との共同研究も積極的に活用して進めました。さらに特徴のある技術を有する中小企業との連携を発展させ、研究開発に係わる試作機能を強化しました。また、③と④については個別の事業部門及びグループ各社が主体となって実施しました。これらのいずれにも区分されない新規領域推進のために運用を開始したEIX(Ebara Innovation for X)制度を活用し、プロセスイノベーション等への取り組みと成果の利用を加速し進めています。当連結会計年度の研究開発費は106億98百万円です。
セグメントごとの研究開発活動の状況は、以下のとおりです。
風水力事業分野では、中長期的に成長の持続が期待される、水インフラ、エネルギー(石油・ガス、電力)、建築設備分野などのグローバル市場向け製品に関し、海外グループ会社との連携強化を含め、ラインナップ拡充や製品力強化に取り組んでいます。標準ポンプでは、省エネ・省資源・環境負荷低減を指向した製品群の開発を継続して進めています。カスタムポンプでは、エネルギー分野において省エネ・省資源化製品を市場投入すると共に、水インフラ分野においてゲリラ豪雨等による降水量増加に対応すべく、既設の排水機場の排水性能を増強できる技術(ポンプラス)を市場投入しました。冷凍機分野では、環境負荷低減化の要望の高まりに応えるために、従来のフロン冷媒に替わる、地球温暖化係数が小さい冷媒を用いた新製品を開発し、市場投入を行いました。基盤技術に関しては、「数値シミュレーションと新しい最適化手法の導入などによる開発スループットの一層の向上とプロセスの標準化」、「実験基盤技術の拡充」、「製品性能や信頼性の向上に寄与する“制振・制御技術”、“材料技術”、“製品ライフサイクルを支えるIoT技術”の開発・応用」などについて継続して取り組みました。当連結会計年度の研究開発費は50億45百万円です。
環境プラント事業分野では、廃棄物処理施設の建設工事(EPC)から施設運営・維持管理(O&M)までを長期的に一括して行うDBO事業、既存施設の延命化を提案する延命化事業、既存施設のO&Mを長期にわたり運営委託を受ける長期包括事業に取り組んでおり、これまで以上に提案力や、品質、コスト競争力強化が求められています。これらの状況を踏まえ、施設更新に伴う機能強化、ライフサイクルコスト低減を可能とする新技術・新製品開発、保守運営技術の改良開発に加え、これらを支えるAIやIoT技術の活用を推進しています。また、再生可能エネルギーの1つとしてのバイオマス、廃プラスチックなどを燃料とする発電施設の需要を見込み、発電効率や運転の安定性を向上するための要素技術の開発に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発費は4億96百万円です。
精密・電子事業分野では、半導体デバイス製造プロセス用装置において、チップの微細化や3次元集積化だけでなく、重要度が増している新しいパッケージング技術などの開発要求やIoT分野などの新しい市場を見据えた技術開発要求に対応できるよう、装置の改良・改善及び新機種の開発に取り組んでいます。コンポーネント製品においては、更なる省エネ化及び環境負荷低減に貢献できる製品の開発に取り組んでいます。また、顧客との共同開発・コンソーシアムへの参画、さらには各大学との共同研究などを通して、次世代半導体プロセス技術における研究も継続しています。当連結会計年度の研究開発費は51億56百万円です。