第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、「第2 事業の状況 2経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)を適用しており、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

増減額

増減率 (%)

受注高

366,474

576,821

210,347

57.4

売上収益

369,026

419,926

50,900

13.8

営業利益

22,018

37,392

15,373

69.8

売上収益営業利益率 (%)

6.0

8.9

親会社の所有者に帰属する

四半期利益

12,290

24,687

12,397

100.9

基本的1株当たり四半期利益 (円)

129.03

260.68

131.65

102.0

 

 

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化による不透明感は残るものの、ワクチン接種の普及等により持ち直しの動きが続きました。日本経済においては、大都市圏を中心に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施されるなど一部で経済活動が抑制されましたが、外需向けは緩やかな増加が続いており、設備投資は持ち直しの動きがみられました。

当社グループの主要市場である石油・ガス市場においては、原油価格が新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準まで回復し、一部で案件に動きがみられました。半導体市場においては需要が高い水準で推移し、顧客の設備投資は拡大基調となりました。建築設備市場は、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復がみられました。また、日本の国土強靭化関連の公共投資については引き続き堅調に推移しました。

このような環境下、当第3四半期連結累計期間における受注高は、風水力事業において東南アジアなど一部の地域で新型コロナウイルス感染症拡大の影響はあるものの、全体としては経済活動回復に伴い前年同期を上回りました。環境プラント事業では廃棄物処理施設の大型案件を複数受注したことで前年同期比149%増と大きく上回りました。精密・電子事業では引き続き旺盛な半導体需要を着実に取り込んだことで好調に推移しました。売上収益は、全ての事業における好調な受注水準から前年同期を上回りました。

また、足元では部材価格の高騰や物流費の上昇などが増加傾向にありますが、販売価格への転嫁や原価低減施策の実施、サプライチェーンマネジメントの強化等により業績への影響は限定的でした。その結果、営業利益は風水力事業の継続的な製品収益性改善や精密・電子事業の増収、円安進行等により前年同期を上回りました。

当第3四半期連結累計期間における受注高は5,768億21百万円前年同期比57.4%増)、売上収益は4,199億26百万円前年同期比13.8%増)、営業利益は373億92百万円前年同期比69.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は246億87百万円前年同期比100.9%増)となりました。

 

 

《事業セグメント別の概況》

(単位:百万円)

セグメント

受注高

売上収益

セグメント損益

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減率

(%)

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減率

(%)

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減率

(%)

風水力

222,313

258,545

16.3

220,732

237,829

7.7

11,295

15,352

35.9

環境プラント

47,950

119,647

149.5

43,965

50,002

13.7

3,894

4,101

5.3

精密・電子

95,077

197,292

107.5

103,211

130,862

26.8

7,629

18,060

136.7

報告セグメント計

365,341

575,484

57.5

367,909

418,694

13.8

22,819

37,515

64.4

その他

1,133

1,336

18.0

1,116

1,231

10.3

△699

△96

調整額

△101

△26

合計

366,474

576,821

57.4

369,026

419,926

13.8

22,018

37,392

69.8

 

 

《事業セグメント別の事業環境と事業概況》

セグメント

2021年12月期

第3四半期の事業環境

2021年12月期

第3四半期の事業概況と受注高の増減率

(注1)

風水力

ポンプ

 

<海外>

・石油・ガス市場は、新型コロナウイルス感染症及び原油価格下落の影響が残っているものの、前期と比較すると回復基調にあり、サウジアラビア、カタール等で大型案件が始動している。一方、中国では計画されている超大型石油化学コンプレックスや旧式小型製油所の統合・効率化案件がCO2排出量調整のために遅延している。

・水インフラ市場は、中国、東南アジアの案件に動きがあり回復傾向にある。北米でも老朽化設備更新案件が再開している。

・建築設備市場は、建設投資が欧米で堅調に推移しているが、中国の成長は鈍化しつつある。

<国内>

・建築設備市場は、建築着工棟数の減少ペースが緩やかになりつつある。

・社会インフラの更新・補修に対する投資は、前期を上回る。

<海外>

・石油・ガス関連の受注は前年同期を上回る。

・水インフラの受注は、前年同期を上回る。

・建築設備向けの受注は、前年同期を上回る。

 

<国内>

・建築設備向けの受注はサービス体制強化施策の効果により前年同期を上回る。

・公共向けの受注は総合評価案件やアフターサービスの受注拡大等の施策効果により、前年同期を大幅に上回る。

 


コンプレッサ・

タービン

 

・新規製品市場は、中国での石油化学案件に一部遅れが出てきている。北米のシェールガス関連は、全体として遅延、停滞している。一方、インド・中東では、石油精製、石油化学市場に動きが出てきている。

・サービス市場は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための移動制限が一部緩和されつつあり、指導員派遣を含めサービス全体に動きが出てきており、回復基調にある。

・LNG市場(クライオポンプ)は、一部案件に動きはあるものの、投資判断が遅延傾向にある。

・製品の受注は、前年同期を上回る。

・サービス分野の受注は、前年同期を上回る。


冷熱

 

・国内では、産業系市場を中心に投資が回復しているが、度重なる新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、宿泊施設等の一部の建築設備市場は依然として低調に推移している。

・中国では、市場の回復・拡大が続くが、価格競争が一段と激化している。

・国内の受注は前年同期を上回る。

・中国の受注は前年同期を上回る。


 環境プラント

(注2)

 

・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は例年どおりに推移している。

・既存施設のO&Mの発注量は例年どおり推移している。

・民間企業向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等を処理する産業廃棄物処理施設の建設需要は継続している。

 

・公共向け廃棄物処理施設の大型案件を5件受注したことにより、前年同期を大幅に上回る。

<大型案件の受注状況>

・公共向け廃棄物処理施設のDBO案件(2件)

・公共向け廃棄物処理施設の基幹的設備改良工事及び長期包括運営契約(2件)

・公共向け長期包括運営契約(1件)


 

 

セグメント

2021年12月期

第3四半期の事業環境

2021年12月期

第3四半期の事業概況と受注高の増減率

(注1)

 精密・電子

 

・半導体製造装置市場は、5Gやテレワーク及びIoTの普及拡大により生じた半導体不足を背景に、拡大基調にある。

 

・ロジック・ファウンドリ、メモリメーカともに設備投資は拡大基調を継続しており、受注は前年同期を大きく上回る。

・顧客は高水準の稼働を継続しており、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を一部で受けつつも、サービス&サポートは引き続き堅調に推移した。


 

(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。

+5%以上の場合は


、△5%以下の場合は


、±5%の範囲内の場合は


で表しています。

 

2.O&M(Operation & Maintenance) …………………プラントの運転管理・メンテナンス

DBO(Design, Build, Operate)……………………プラントの設計・調達・建設に加え、建設後の運転管

理・メンテナンスを一定期間請け負う。

 

 

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて営業債権及びその他債権が120億27百万円、契約資産が34億17百万円減少した一方、棚卸資産が241億54百万円、現金及び現金同等物が166億4百万円、のれん及び無形資産が127億52百万円増加したことなどにより、469億50百万円増加し、6,917億22百万円となりました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて社債、借入金及びリース負債が141億75百万円、契約負債が120億8百万円、営業債務及びその他の債務が56億37百万円増加したことなどにより、374億1百万円増加し、3,852億96百万円となりました。

 

(資本)

当第3四半期連結会計期間末における資本は、自己株式を124億6百万円取得し、配当金を104億55百万円支払った一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益246億87百万円を計上し、在外営業活動体の換算差額が58億34百万円増加したことなどにより、前年度末に比べて95億49百万円増加し、3,064億26百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は2,976億25百万円で、親会社所有者帰属持分比率は43.0%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

① キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、堅調な営業利益に支えられ、651億17百万円の収入超過(前年同期比16億45百万円の収入減少)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出208億39百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出103億75百万円などにより、331億94百万円の支出超過(前年同期比124億85百万円の支出増加)となりました。

営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、319億22百万円の収入超過(前年同期比141億30百万円の収入減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で90億49百万円増加した一方、配当金の支払104億55百万円、自己株式の取得による支出124億15百万円などにより、181億2百万円の支出超過(前年同期比357億67百万円の支出増加)となりました。

以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から166億4百万円増加し、1,371億48百万円となりました。

 

② 財務戦略の基本方針

当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。

自己資本は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』であり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために自己資本を一定水準に抑制していきます。

(※)格付投資情報センター(R&I)による格付

 

③ 資金調達について

当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金として、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.4~0.6を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。

また、現金・預金等の水準(手元流動性)については、連結売上収益の2カ月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。

なお、新型コロナウィルス感染症による事業環境の急変に備え、手元流動性と資金調達枠の確保に引き続き努めます。代替流動性の状況は以下のとおりです。

 

代替流動性

当座貸越契約 50億円

コミットメントライン契約 800億円

いずれの契約においても、当第3四半期連結会計期間末の借入実行残高はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、96億54百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5) 今後の見通し

《事業セグメント別の事業環境の見通し》

セグメント

事業環境

風水力

ポンプ

 

<海外>

・石油・ガス市場は、数年先まで活況が続くと見込まれていた中国において、CO2排出量抑制の観点から各案件の進捗の鈍化傾向が続くと見込まれる。一方、中長期的とみられていた燃料用途としてのアンモニアの増加が加速すると共に、燃料用途の製油所に代わり材料用途の化成品製造プラント、既設プラントへのCO2回収・圧入設備の増設案件が増加していくと見込まれる。

・水インフラ市場は、中国、東南アジア、北米は引き続き回復傾向にある。アフリカでも需要の拡大が期待できるが、激しい価格競争が見込まれる。

・電力市場では、CO2排出量削減の機運拡大で大型石炭火力市場が大幅に縮小すると見込まれる一方、代替燃料用ポンプの需要拡大が期待される。

・建築設備市場は、中国・北米・欧州を中心に今後も回復傾向にあるが、中国の景気減速、欧米の労働力不足、世界的な材料不足の影響で投資の抑制やサプライチェーンの混乱が懸念される。

 

<国内>

・建築設備市場は、新型コロナウイルス感染症による需要の落ち込みからの回復が続くと見込まれる。

・国土交通省が公表した「第5次社会資本整備重点計画」で激甚化・頻発化する自然災害、加速するインフラの老朽化が社会情勢の変化として取り上げられており、関連する社会インフラの更新・補修に対する投資は堅調に推移する見込み。

・国内石炭火力発電容量の大幅な縮減が検討されており、代替エネルギーとして再生可能エネルギーの開発及び原子力再稼働が進むと見込まれる。それに伴い、既設火力発電分野におけるアフターサービスの縮小傾向が強まる一方、アンモニア混焼、水素混焼及び水素専焼開発の動きが加速し、関連分野でポンプ需要の創出が見込まれる。

 

コンプレッサ・タービン

・原油価格は回復傾向にあり、新規製品市場では、インドで石油化学向けなど需要は堅調に推移するものと見込まれる。一方、中国は環境規制や経済の減速等により、今後の市況については先行き不透明な部分も出てきている。北米のシェールガス関連では、全体として遅延、停滞が見込まれる。サービス市場については、移動制限が緩和されつつあり、全体として回復基調となることが見込まれる。

・LNG市場は一部プロジェクトに動きはあるものの全体として遅延が見込まれる。

冷熱

・国内市場は生活様式の変化の定着、及び新型コロナウイルス感染症の蔓延長期化の影響を受け、宿泊施設等の建築設備市場は低調のまま推移すると見込まれる。一方で、産業系市場は投資が再開され順調に回復する見込み。

・中国市場は需要が堅調に推移している一方で、今後の原材料・部品の値上げ及び入手困難が予想される。また今後の電力供給の方針次第では、当社グループの生産活動に制限が生じる懸念が残る。

 環境プラント

・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は、前期からの発注スケジュール延期等の影響により、2021年12月期の発注量は例年と同等かそれを上回ると見込まれる。

・民間企業向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等を処理する産業廃棄物処理施設の建設需要は継続すると見込まれる。

・既存施設のO&Mの需要は例年並みと見込まれる。

 精密・電子

 

・半導体市場、半導体製造装置市場はICAC5(IoT、Cloud、 AI、 Car(車の自動運転)、 5G)向けの需要拡大を背景に、成長が継続すると見込まれる。短期的には米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の再拡大によるサプライチェーンの混乱、半導体不足に伴う生産供給体制への注視が今後も必要である。

 

 

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。