当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
「物作りの技術を中心とした企業活動」を行う「技術創生」をコアコンセプトとして掲げ、以下の4つの経営理念により将来とも発展することを目指します。
①「社会貢献」
独自の技術を駆使してより良い製品を創り、社会の進歩に寄与します。
②「人間中心」
株主・社員はもとより、地域や社会・世界の人々のために活動します。
③「環境貢献」
自然と共存する技術を目指し、地球環境の向上に寄与します。
④「人材育成」
社員の自己啓発を支援し、自らの役割と価値を創造しうる人材の育成に努めます。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
雇用・所得環境の改善や、堅調な企業収益等を背景に、景気は緩やかな回復が続くことが見込まれるものの、米国の通商政策の動向と各国の対応、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化の懸念があり、先行き不透明な状況が継続するものと予想されます。
このような状況下で、当社グループの受注については、風水力機械市場でのシェア拡大、P&Mビジネス(パーツ供給&メンテナンス)の拡大及び水処理設備用エネルギー回収装置「DeROs-ETM」の拡販などを進めてまいります。
また、財務上の課題として、健全な財務体質を維持しつつ、省エネルギーや生産性向上に資する設備投資や研究開発活動などの事業への投資と株主への還元に関し、適正な資産配分を行うことが課題と考えています。
中長期的な取り組みとしては、2023年度から3年計画で取り組む「中期経営計画2025」を推進しております。
本中期経営計画では“Powering Passion”『その情熱を力に。』をスローガンに掲げ、全社員が情熱を持ち、お客様をはじめ全てのステークホルダーに誠心誠意向き合って、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、目標達成を目指します。そして当社のパーパス「水と空気を通じて豊かな未来社会を創造する」の実現に向けて、サステナブルでグローバルな企業となるための事業基盤の再構築に取り組みます。
中期経営計画の最重要課題と重要施策、目標とする経営指標は以下のとおりです。
<最重要課題と重要施策>
1.グローバル事業領域の拡大
(1) 選択と集中によるグローバル展開
(2) 顧客ニーズに即応する機動的な海外営業体制
(3) グローバル展開の基盤となる戦略的製品の強化
2.グローバル市場に対応する生産効率の追求
(1) バリューチェーン効率化による生産性向上
(2) デジタル技術活用の推進による業務の全体最適化
3.コア事業の安定収益体制化
(1) 風水力機械市場でのシェア拡大
(2) 付加価値の最大化
(3) ものづくりとアフターサービスを通じた顧客課題の解決
4.人的資本経営の実践
(1) グローバル人材の育成
(2) 安全・安心で働きやすい職場環境づくり
5.持続可能な社会との共存共栄
(1) 環境負荷低減に向けたものづくりの事業体制確立
(2) 脱炭素社会、地域社会への貢献
(3) 企業グループ力の強化
<目標とする経営指標>
「中期経営計画2025」において目指す連結経営数値目標は、次のとおりです。なお、2025年5月15日に発表しましたとおり、今後の事業環境ならびに施策の進捗状況等を総合的に勘案し、最終年度となる2025年度の数値目標を一部変更いたしました。
|
連結経営指標 |
当初目標 |
修正目標(2025年度) |
|
受注高 |
270億円 |
変更なし |
|
海外受注比率 |
20% |
変更なし |
|
営業利益 |
27億円 |
30億円 |
|
売上高営業利益率 |
11% |
変更なし |
|
ROE |
9% |
変更なし |
|
配当性向 |
30% |
変更なし |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループは、「物作りの技術を中心とした企業活動」を行い、将来とも発展することを目指すという経営理念に基づき、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を目指します。
(2)ガバナンス
当社取締役会は、サステナビリティに関する課題への対応を経営上の重要課題の一つと認識しています。これらの課題に対してグループ全体で戦略的に対応するため、代表取締役社長の指揮のもと、サステナビリティ委員会を設置しています。同委員会は、外部環境の変化に伴うリスクおよび機会を分析し、当社グループの持続可能な成長に資するマテリアリティ(重要課題)を特定した上で、施策の方向性を検討・決定し、取組みの進捗管理、実施結果の評価を行っています。これらの活動は適宜取締役会に報告され、取締役会による適切な監督が行われる体制としています。
(3)戦略
①当社グループが取組むべきマテリアリティ
当社グループは、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を目指
すため、以下5つのマテリアリティを定め、その解決に向けた施策に取り組んでいます。
|
マテリアリティ |
重要なリスク |
機会 |
当社の取組み |
|
事業活動に伴う環境負荷の低減 |
・再エネ調達によるコスト上昇 ・太陽光発電設備の投資金額 ・製品や騒音・排出等による 信頼性の低下 |
・ブランドイメージの向上 ・炭素税の導入等の潜在的な 事業リスクの低下 ・顧客ニーズ対応による顧客 からの信頼度向上 ・環境法遵守による高評価 |
・再エネの積極的な利用 ・省エネ廃棄物排出量の削減 ・揮発性有機化合物の代替化合物の利用 ・工場の環境負荷軽減設備の 導入促進 |
|
ものづくりを通じた顧客課題の解決 |
・原材料エネルギー価格の高騰 ・デジタル化等の技術革新対応への遅れ ・研究開発費用などの増加 ・官需の減少 ・品質低下による顧客満足度の低下 ・納品スケジュールに遅延、 継続的な供給体制が出来ない 場合の顧客満足度低下 |
・脱炭素への移行・エネルギー価格の変動による高効率製品のニーズ増大 ・顧客からの信頼度の向上に よる差別化・高付加価値化・ 競争力向上 ・新たな市場確保・人材確保による成長機会の獲得 ・安心・安全の確保を通じた 信頼性の確立・競争力の強化 ・メンテナンス等を通じた P&M(パーツ供給・メンテナンス)ビジネスの拡大 |
・エネルギー高効率製品の開発 ・高付加価値(小型・軽量・ 長寿命)の製品開発 ・顧客満足度を高める施策 (品質の維持・向上) ・メンテナンス体制の構築・ 強化 |
|
事業領域の拡大 |
・先行投資負担 ・新事業領域における競争激化 (価格・機能等) ・新事業領域において市場拡大が想定を下回るリスク |
・水セキュリティ関連の事業 機会 ・クリーンテックによる事業 機会・販売網の確立 ・P&M(パーツ供給・メンテナンス)ビジネス等、新たな ビジネスモデルの確立 |
・海水淡水化事業の強化 ・クリーンテック関連事業の 検討 |
|
人的資本の充実 |
・国内少子高齢化に伴う労働力の確保の難化 ・デジタル化対応等イノベーションに向けた人的資本への投資の要請拡大 |
・人的資本への投資の拡充に 伴うブランド力の向上 ・人材の多様性・グローバル化の確保による競争力の強化 |
・ダイバーシティ経営の推進 (女性、外国人等) ・健康経営の実践 |
|
ガバナンス体制の充実 |
・下記への対応不足による企業価値の毀損 ・拡大するコーポレートガバナンスコード ・高度化するリスクマネジ メント ・グローバル視点でのハラスメントや贈収賄等の汚職防止 ・取引関係継続における要請 事項の増加 ・環境や人権問題などサプライチェーンにおける潜在的リスクの懸念 |
・組織統治の強化と公正な事業慣行の実践による企業価値の 最大化 ・コンプライアンス・リスクマネジメントの徹底による安定的な事業運営 ・取引先との更なる信頼関係 強化 ・サプライチェーン全体を通じた環境・社会に配慮した調達による高付加価値製品の拡大
|
・コーポレートガバナンスの 強化 ・コンプライアンス推進委員会を通じたリスク低減施策の推進 ・コンプライアンス/リスク マネジメント/汚職防止・セキュリティ関連研修の徹底 ・サステナビリティ調達の実施
|
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針
(ア)人材育成方針
当社グループは、「人的資本を企業価値向上の中核と捉え、社員一人ひとりのキャリア特性やニーズに応じた教育機会を提供し、多様な人材が最大限に能力を発揮できる環境づくりを推進する」という人材育成方針を掲げ、階層別研修、選抜型研修、職種別研修を実施し、中核人材のキャリア形成を支援しています。
(取組み内容)
|
研修名 |
研修概要 |
|
階層別研修 |
・新入社員研修、若手ステージアップ研修、新任監督者研修、新任管理職研修、新任 課長研修、新任部長研修、新任執行役員研修など、各階層・職位に求められる知識、 意識、スキルの習得 |
|
選抜型研修 |
・マネジメント基礎研修、チームリーダースクールなど、管理職に求められる経営基礎知識の習得 ・上級マネジメント研修、経営幹部研修など、部門のマネジメント力と経営戦略・経営計画策定能力等の習得 |
|
職種別研修 |
・フィールドエンジニア研修など、部門ごとの課題・業務特性に応じた実践的知識・ 能力等の習得 |
(イ)社内環境整備方針
当社グループは、事業推進の重要な担い手である社員個々人の人格を尊重し、公平に対応することはもとより、安全安心で、女性・外国人・中途採用者等を含む多様な人材が活躍可能な職場環境を確立します。また、自己実現の場の提供と自己啓発支援により、資質と能力を十分発揮できるよう努めています。
(取組み内容)
テレワークの推進、時間単位の有給休暇取得制度、短時間勤務制度、在宅勤務制度の整備、育児・介護を行う社員に対する両立支援制度の拡充等、柔軟な働き方の実現に積極的に取組んでいます。
(4)リスク管理
当社グループは、各事業部門や安全衛生委員会、環境管理委員会等が所掌するリスクの識別と評価を行い、サステナビリティ推進事務局が各事業部門等のリスク対応を支援しています。サステナビリティ委員会は、進捗の確認・評価を行い、全社におけるリスク管理の強化を行っています。
(5)指標及び目標
①マテリアリティ別の指標及び目標
|
マテリアリティ |
指標 |
目標値( |
実績(当連結会計年度) |
|
事業活動に伴う環境負荷の低減 |
(2013年度比) |
|
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|
ものづくりを通じた顧客課題の解決 |
①
② |
①
② |
①
② |
|
事業領域の拡大 |
①
② |
①
② |
①
② |
|
人的資本の充実 |
①
②
③
④
⑤
⑥ |
① ②(モニタリング指標)
③
④ ⑤(モニタリング指標)
⑥度数率 |
①
②
③
④
⑤
⑥度数率 |
|
ガバナンス体制の充実 |
①
② (仕入高に対するサステナビリティ調達方針賛同率) |
①
② |
①
② |
②人材の育成及び社内環境整備に関する指標及び目標
上記「①マテリアリティ別の指標及び目標」におけるマテリアリティ「人的資本の充実」に関する指標及び目標に記載のとおりです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
|
|
項目 |
リスク |
当社の対応 |
|
1 |
市場の動向と収益環境の変化に伴うリスク |
当社グループの業績は公共事業の占める割合が高いため、公共投資の減少基調が続きますと、企業間競争が激しくなり、収益環境を悪化させる可能性があります。 |
国内民需および海外市場向けに経営資源をシフトすることに加え、官需向けではP&Mビジネス(パーツ供給&メンテナンス)の営業を強化します。 |
|
当社グループは製品の製造を主体としているため、鉄鋼等の原材料の価格高騰により、製造コストが増加し業績を悪化させる可能性があります。 |
定期的に原材料価格の変動を調査・注視しており、ショートインターバルで製品原価へ反映しています。また、為替リスクに対し、適宜、為替予約等によるリスクヘッジを行っています。 |
||
|
原油価格の急激な変動などによるプロジェクトの凍結や為替レートの変動によりコストが増加し業績を悪化させる可能性があります。 |
市場の多様化を進めるとともに、当社製品の品質や技術力を優先していただける顧客へのシフトを進め、製品の信頼性を確保するために、単なる価格競争は回避します。なお、受注した案件については、為替リスクに対し、適宜、為替予約等によるリスクヘッジを行っています。 |
||
|
2 |
原材料・部品及び機器の調達難 |
原材料・部品及び機器の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、業績を悪化させる可能性があります。 |
常にサプライチェーンのリスクアセスメントを実施するとともに、代替え調達できるサプライヤーの確保も進めており、リスクの分散化を行っています。 |
|
3 |
海外事業に伴うリスク |
国際情勢の変化による紛争の勃発や感染症などによりサプライチェーンの遮断やプロジェクトの遂行に支障が出るリスクがあります。 |
海外拠点や現地商社との情報交換やサプライチェーンの多様化を図ります。感染症等についてはIT機器の導入推進による業務継続などを対応策としています。 |
|
4 |
有価証券の保有に伴うリスク |
当社グループは、将来の資金需要に対する待機資金の有効活用のために、資金を有価証券として保有します。 今後の経済情勢・株式市場・為替レートの動向によって有価証券の時価が下落し、営業外費用が増加した場合、業績を悪化させる可能性があります。 |
リスクを軽減するために、保有する有価証券については、選定方法を規程に定めており、外国為替レートの影響を受けない銘柄を選定することや保有期間の限定などの制限をしています。 |
|
5 |
災害やインフラの障害に伴うリスク |
当社グループの事業所は、静岡県三島市にあり南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。 大規模な自然災害に見舞われた場合には、操業に支障が生じ業績に影響する可能性があります。 |
事業継続対応については、BCP基本方針を定め、三島事業所が地震等により被害を受けた場合を想定し、同種の企業と緊急時相互支援協定を結んでいます。 |
|
6 |
製品やサービスについて |
当社グループが提供する製品やサービスに重大な瑕疵や欠陥があった場合、多額の賠償の責任を負う可能性があり、それが業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、そのような事態が発生した場合には、当社グループに対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、売上を減少させる可能性があります。 |
当社グループが従来から取組んでいる製品の品質保証活動とブランド意識向上に向けた取組みが不適合製品の減少に資することが確認できるため、引続きこれらの活動に注力していきます。 また、万一の無償保証工事費用の発生に備え、製品保証引当金を計上しています。 |
|
7 |
法的規制等について |
当社グループは主に、風水力機械、エネルギー回収装置、廃水処理装置・廃棄物処理装置、配電盤・電気計装制御装置・電気通信制御装置等の製造販売をしており、通商、私的独占の禁止、知的財産、製造物責任、貿易及び外国為替管理、環境・リサイクル関連の法的規制を受けています。 また、輸出先の各国においては輸出入規制、為替の決済規制等、さまざまな政府規制の適用を受けており、これらの規制の動きによっては業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループ内において法令遵守の徹底を図るとともに、法令改正等には事前準備が出来るよう相談先を確保しています。 |
|
8 |
情報セキュリティについて |
基幹業務システムのハード及びソフトの障害や、サイバー攻撃などの被害を受けることによって、業務やサービスの遅滞や停止、重要な情報の漏洩などが発生する可能性があります。 |
事業継続の観点からサーバのクラウド化やシステムのバックアップ対策を強化し、有事の際に復旧できる仕組みを構築しています。また外部からのサイバー攻撃に対し、防御するソフトの導入に加え、社員へのセキュリティ教育と訓練を実施しています。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米において金融引締め政策が緩和へと転換したものの、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化などに加えて、米国新政権の政策動向の影響を受けて、先行き不透明な状況が続きました。わが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業の設備投資に持ち直しの動きが見られ、公共投資が底固く推移していることなどから、景気は緩やかに回復しましたが、為替の変動や物価上昇、米国の通商政策などの影響が懸念される状況が続きました。
このような中で、当社グループの当連結会計年度における受注額は、国内民需部門は増加しましたが、官需部門と海外部門が減少したことから、前連結会計年度比91.3%の26,749百万円となりました。
また、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,484百万円増加し、40,469百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,806百万円増加し、12,639百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,678百万円増加し、27,830百万円となりました。
(イ)経営成績
売上高は、28,077百万円(前連結会計年度比116.5%)を計上しました。
利益については、営業利益は3,235百万円(前連結会計年度比141.7%)、経常利益は3,400百万円(同138.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,426百万円(同138.6%)となりました。
また、期末受注残高は28,519百万円(同95.6%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、6,380百万円となり、前連結会計年度末より308百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,109百万円の増加(前年同期 キャッシュ・フローの増加730百万円)となりました。
これは、売上債権の増加1,673百万円、法人税等の支払額788百万円などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,400百万円、減価償却費694百万円などの増加要因が多かったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、834百万円の減少(前年同期 キャッシュ・フローの減少148百万円)となりました。
これは、有価証券の償還による収入100百万円などの増加要因があったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出626百万円、投資有価証券の取得による支出194百万円などの減少要因が多かったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、961百万円の減少(前年同期 キャッシュ・フローの減少545百万円)となりました。
これは、配当金の支払額572百万円、自己株式の取得による支出365百万円などによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは風水力機器の製造・据付・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載していません。
(ア)生産実績
当連結会計年度における生産実績を部門区分別に示すと次のとおりです。
|
部門区分 |
生産高(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
官需部門 |
19,773 |
11.7 |
|
国内民需部門 |
3,325 |
△4.4 |
|
海外部門 |
4,978 |
70.8 |
|
計 |
28,077 |
16.5 |
(注) 当社グループはすべて受注生産であるため、生産実績は販売実績と同一となっています。
(イ)受注実績
当連結会計年度における受注実績を部門区分別に示すと次のとおりです。
|
部門区分 |
受注高(百万円) |
対前期増減率(%) |
受注残高(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
官需部門 |
17,348 |
△12.0 |
18,837 |
△11.4 |
|
国内民需部門 |
4,443 |
20.7 |
3,849 |
41.0 |
|
海外部門 |
4,956 |
△16.0 |
5,832 |
△0.4 |
|
計 |
26,749 |
△8.7 |
28,519 |
△4.4 |
(ウ)販売実績
当連結会計年度における販売実績を部門区分別に示すと次のとおりです。
|
部門区分 |
販売実績(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
官需部門 |
19,773 |
11.7 |
|
国内民需部門 |
3,325 |
△4.4 |
|
海外部門 |
4,978 |
70.8 |
|
計 |
28,077 |
16.5 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
東京都 |
3,981 |
16.5 |
5,224 |
18.6 |
|
㈱守谷商会 |
2,864 |
11.9 |
3,079 |
11.0 |
|
大阪府大阪市 |
3,187 |
13.2 |
- |
- |
(注) 当連結会計年度の大阪府大阪市に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ3,484百万円増加し、40,469百万円となりました。
これは、契約資産の減少285百万円などがあったものの、売掛金の増加1,732百万円、退職給付に係る資産の増加612百万円、現金及び預金の増加415百万円、投資有価証券の増加386百万円などがあったことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の総負債は前連結会計年度末に比べ1,806百万円増加し、12,639百万円となりました。
これは、契約負債の減少630百万円などがあったものの、電子記録債務の増加938百万円、退職給付に係る負債の増加654百万円、未払法人税等の増加436百万円などがあったことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,678百万円増加し、27,830百万円となりました。
これは、自己株式の減少361百万円などがあったものの、利益剰余金の増加1,853百万円、その他有価証券評価差額金の増加252百万円などがあったことによるものです。
(イ)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高については、国内民需部門が3,325百万円(前連結会計年度比95.6%)と前年度に比べ減少したものの、官需部門が19,773百万円(同111.7%)と増加したことに加えて、海外部門が4,978百万円(同170.8%)と大幅に増加した結果、全体の売上高は28,077百万円(同116.5%)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、7,326百万円(前連結会計年度比122.4%) となり、売上総利益率は26.1%(前連結会計年度売上総利益率24.8%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、人件費や荷造運送費などの増加により390百万円増加し、4,091百万円(前連結会計年度比110.5%)となりました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、3,235百万円(同141.7%)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金などの増加があったものの、投資有価証券売却益の減少があったことから2百万円減少し、225百万円(前連結会計年度比99.1%)となりました。営業外費用は、固定資産処分損などの増加があったことから6百万円増加し、60百万円(同111.4%)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、3,400百万円(同138.4%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等については、法人税、住民税及び事業税が増加したことなどから209百万円増加し、974百万円(前連結会計年度比127.4%)となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、675百万円増加し、2,426百万円(前連結会計年度比138.6%)となりました。
上記認識のもと、官需部門は、「アルミ合金インペラ採用多段ターボブロワ」(AM-Turbo)や「減速機搭載型立軸ポンプ」(ラムダ-21)といった競争優位性の高い製品を中心とした積極的な提案営業や、P&M(パーツ供給&メンテナンス)ビジネスの強化に取り組み、従来から注力している風水力機械市場のシェア拡大を目指していきます。
国内民需部門は、モノづくりとアフターサービスを通じて、お客様の課題解決のための積極的な提案を行い、脱炭素と持続可能な社会の実現に向けたアプローチを進めていきます。加えて、水処理設備用エネルギー回収装置「DeROs-ETM」について、当製品の優位性である世界最高レベルのエネルギー回収効率を積極的にPRし、半導体製造に使用する純水製造装置の他、下水処理設備などRO膜を活用する国内外の様々な用途への展開を進めてまいります。
海外部門は、生産設備を増強したDMWインド社を中心とした海外受注体制の強化とグローバルネットワークの構築を進めて、グローバル事業領域の拡大を図ってまいります。
(ウ)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは風水力機器の製造・据付・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載していません。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性にかかる情報につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要です。
運転資金需要は、当社グループの売掛債権の入金時期が期末前後に集中する季節性を有することから、期中の労務費や社外流出費などの支払資金が不足した場合に備えるための短期的な需要です。設備資金需要は、主として生産設備の新設や老朽更新、研究開発費などによる資金需要です。
(財務政策)
資金需要については、フリー・キャッシュ・フローの累積である内部留保資金で賄うことを基本としています。資金の流動性については、資金の元本確保を優先した運用により、運転資金や不測の事態にも機動的に対応できる手元流動性を確保することを基本としています。また、長期的に運用可能な待機資金については、リスク及び投資効率を考慮した株式・債券・投資信託による運用を行うこととしています。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「中期経営計画2025」において目指す連結経営数値目標は、次のとおりです。なお、2025年5月15日に発表しましたとおり、今後の事業環境ならびに施策の進捗状況等を総合的に勘案し、最終年度となる2025年度の数値目標を一部変更いたしました。
|
連結経営指標 |
当初目標 |
修正目標(2025年度) |
|
受注高 |
270億円 |
変更なし |
|
海外受注比率 |
20% |
変更なし |
|
営業利益 |
27億円 |
30億円 |
|
売上高営業利益率 |
11% |
変更なし |
|
ROE |
9% |
変更なし |
|
配当性向 |
30% |
変更なし |
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は貸倒債権、棚卸資産、投資有価証券、法人税等、退職金、財務活動、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対しては、継続して評価を行っています。経営陣は過去の実績等を斟酌し、より合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
(ア)収益の認識
当社グループは、顧客との受注契約に対し、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗率に基づき収益を認識しています。一定の期間にわたり履行義務を充足し認識する収益の基礎となる進捗率は、総製造原価の見積額を基にしています。また、履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、発生原価に基づくインプット法を採用しています。なお、履行義務の充足に係る進捗率を合理的に見積もることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識しています。期間がごく短い工事契約については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しています。
(イ)受注損失引当金
当社グループは、連結会計年度末の手持受注工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な受注工事物件について、損失見込額を受注損失引当金として計上しています。受注工事物件の採算性が悪化した場合、追加引当が必要となる可能性があり、利益を減少させることになります。
(ウ)製品保証引当金
当社グループは、完成後の工事に係る将来の無償保証工事費用の支出に備えるため、費用見込額を過去の実績を基礎に計上しています。工事完成後、想定した額を上回る無償保証工事費用が発生した場合、利益を減少させることになります。
(エ)貸倒引当金
当社グループは、顧客等の支払不能時に発生する損失の見込額について、貸倒引当金を計上しています。顧客等の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
(オ)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産についてスケジューリング不能及び回収可能性が低いと思われる場合は、評価性引当額を計上しています。評価性引当額の計上額算定に当たっては、回収可能性並びに将来の課税所得を慎重に判断し、将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整額により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
(カ)退職給付費用
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、退職給付債務を計上していますが、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率・将来の給与水準・退職率・死亡率・運用収益率等があります。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を与えます。
該当事項はありません。
世界最高水準の流体機械を国内外の風水力機械マーケットに供給するため、積極的に研究開発活動を行っています。当連結会計年度における主要テーマは、新製品開発と高性能化、信頼性向上を図るための研究です。新製品開発としては、高効率ポンプ、高効率ブロワ、遠隔監視システム等の開発に取り組んでいます。更に流れ解析、強度解析を用いて製品の高速小型化、信頼性向上を図るための研究、環境保護に繋がる新たな軸受等の要素開発を積極的に進めています。
当連結会計年度の研究開発費の投入額は
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント情報は記載していません。