文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献することを企業理念として掲げております。
この企業理念を基本姿勢として、金属その他各種素材に対応する独創的な成形システムの開発・製造・販売・サービスを通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーと長期的な信頼関係を構築して、企業理念に掲げる人と社会への貢献を実現していく所存です。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは当年度より新たな中期経営計画(2020年度~2022年度)をスタートさせました。
2021年度における売上高は620億円、営業利益は45億円(営業利益率7.3%)、中期経営計画の最終事業年度となる2022年度における売上高は700億円、営業利益は63億円(営業利益率9.0%)を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの重要マーケットである自動車業界の設備投資が減速するなか、競合他社との競争は激しさを増し、プレス製品の収益性は年々低下してきています。更に今般の新型コロナウイルス感染の拡大により、設備投資が停滞する可能性があります。
一方で、自動車産業における「CASE」への取組みを背景に、「電動化」「軽量化」「自動運転化」の流れは今後ますます加速する見込みです。また、お客様の生産現場において、生産設備の自動化・デジタル化による生産性向上や、省エネ・脱CO2といった環境負荷低減に向けた取組みは待ったなしの状況であることに変わりはありません。先行き不透明な時代においても、当社グループはこのようなお客様の普遍的な課題に対して解決策を提供することで、お客様とともに成長していくということを経営の基本方針とし、持続的成長と企業価値拡大を実現してまいります。
(4) 当面の対処すべき課題の内容等
世界経済は新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから回復しつつあり、自動車業界の設備投資についても、地域や分野によって強弱があるものの回復の兆しが見えてきています。特に各国が地球温暖化対策を強化するなか、EV等の電動車関連の需要が伸びている状況です。
このような状況の下、2020年度よりスタートした中期経営計画では、「環境・省エネ・技術進歩を支える先進企業として社会に貢献する」という経営ビジョンを掲げ、E「環境」S「社会」G「ガバナンス」への取組みを事業活動の柱として施策を展開しています。特に、自動車の「電動化」や「軽量化」といった次世代自動車のモノづくりや、お客様の生産現場における生産設備の自動化・デジタル化による生産性向上、そして、お客様の生産現場における省エネ・脱CO2といった環境負荷の低減等、社会やお客様の普遍的な課題に対して解決策を提供することで持続的成長と企業価値拡大を実現してまいります。
このような経営方針のもと、①技術革新、②経営基盤強化、③収益力向上、という3つの「基本施策」を軸に、①プレス事業、②自動機・FA事業、③保全・近代化事業といった3つの事業ごとに「事業別重点施策」を展開しております。これらの施策への取組みは下記のとおりです。
(基本施策)
① 技術革新― 商品競争力向上、成長事業育成・強化
自動車電動化への対応として、近年需要が拡大している駆動モーター生産用の高速プレスについて、プレスライン最適化に向けた開発を進めています。また、車体軽量化への対応として、サーボモーターの能力向上や成形背圧の油圧制御強化等、ハイテン材(高張力鋼板)、アルミ材、炭素繊維といった軽量素材への成形能力向上のための開発を進めています。新たな成長分野としては、プレス機械に装備するIoT技術を更に進化させ、プレスライン全体の稼働状況を3Dモニターにより可視化する等、DX(デジタルトランスフォーメーション)導入にも取組んでいます。
② 経営基盤強化― 技術革新を支える基盤を整備・強化
2020年度は中国子会社の整理・再編、国内子会社の統合等を実施しましたが、2021年度は国内組織について従来の機能別の縦割り組織を、事業別・製品別に改編し機能間の連携を強化します。また、旧来の人事制度を見直し、技術革新を担う人財、マネジメント人財、グローバル人財等、多様な人財を育成・登用するための新しい人事制度を導入します。システム面では、2020年度より取組んできた基幹システム改良を完成させ運営の定着化を進めます。更に、生産工場における5軸加工機の活用強化、設計と加工のシステム連動化、IoTによる工場稼働状況監視システム導入等、生産工程の合理化とスマート化を推進するとともに、既存生産設備の整理・見直しにも取組みます。
③ 収益力向上― 従来の収益構造を転換
プレス事業における競争が激しくなるなか、より付加価値の高い保全・近代化事業や自動機・FA事業に経営資源を投下して強化します。また、プレス事業では、EV等の次世代自動車へのシフトが加速することを踏まえ、従来部品成形用プレスへの依存から脱却し、高速プレス、精密プレス等の売上比率を上げプレス製品ミックスの改善を進めます。収益性が低下している中・大型プレスについては、価格競争力向上のため機種の絞り込みを行うとともに、調達や製造工程を見直し、コスト削減に注力します。
(事業別重点施策)
① プレス事業― 次世代自動車向けプレスを強化し、製品ミックスを改善
EV等の電動車の普及に伴い、駆動モーター生産用の高速プレスへの需要が拡大していることを踏まえ、同プレスを生産する津久井工場の更なる効率化と、新型コロナウイルスの影響で遅延していたマレーシア工場の新規設備稼働により需要増に対応します。価格競争が激しくなる大型のプレス機械についてはコスト削減に注力しつつ、サーボ技術を駆使した新型プレス機械の投入により製品差別化を図ってまいります。
② 自動機・FA事業― 制御技術の活用により付加価値を創造
次世代自動車対応として、ハイテン材やアルミ材等の搬送機能向上や、高速プレス・精密プレスの周辺装置の機能強化を進めています。当社が近年開発したプレス間搬送機D-MATは、センサーで材料の位置を揃えたり、型形状に沿った材料搬送ができる等、搬送柔軟性の高さが市場で評価されておりますが、更なる性能向上に向けた取組みを続けます。株式会社REJとの連携においても、当社サーボプレス仕様に合わせた制御システムの開発を終え、グループ一体での内製化が可能となりました。今後は順次、当社製プレス機械に搭載していきますが、専業メーカーとしての特徴を発揮し、能力向上とコスト削減を実現してまいります。また引き続き、企業買収・業務提携を通じ、プレス以外の新分野を積極的に開拓してまいります。
③ 保全・近代化事業― 予防保全・設備改良の「提案営業」を強化
設備の安心・安全を届けることをメーカーの使命として当該事業の強化に取組んでまいります。IoTを活用した部品交換時期の可視化を推進し顧客の予防保全対策を向上させるとともに、監視システムを活用したプレス機械のコンディション可視化にも取組んでまいります。また、プレスシステムの経年とともに周辺装置の設備改良といったニーズが高まっており、システム更新、デジタル保全システム導入等、生産性向上に向けた提案を積極的に展開します。これらの新しい取組みを推進すべく人財強化とサービス工場の整備も進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(国際的活動及び海外進出について)
当社グループの生産及び販売活動は、日本のほか米州、欧州、中国及びアジア等の各国地域で行われております。これらの海外市場への事業進出には、①予期しない政策、法律又は規制の変更、②外国為替相場の大幅かつ急激な変動、③テロ、疫病、戦争、その他の原因による社会的混乱等のリスクが内在しており、現地の状況によっては当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(製品の品質保証について)
当社グループは日本を含めた世界各国の工場で各国法令・基準等に準拠した当社の品質管理基準に従って各種製品を製造しております。しかし、すべての製品に欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また製造物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を担保できるという保証はありません。さらに当社グループが引き続き製造物賠償責任保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながる製品の欠陥が生じた場合、それらが多額のコストや当社グループの評価に影響を与え、その結果、売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(原材料仕入価格の変動について)
当社グループの製品群の主要原材料は鋼材を始めとする鉄鋼製品であり、それらに大幅な価格変動があった場合には、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(特定業種(自動車産業)への依存度が高いことについて)
当社グループにおける自動車産業向けの製品売上高は全体の4分の3以上を占めており、自動車業界の好不況の動向及びその設備投資動向は、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
(競合等の影響について)
当社グループの主要製品である鍛圧機械においては、グローバル市場で同業他社との間に品質、価格、納期、サービス等において競合が生じています。当業界において供給過剰や需要の大幅な低下が生じて販売競争がさらに激化した場合、当社グループの業績に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(退職給付債務及び費用について)
当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、また前提条件が変更された場合、その影響は将来の会計期間にわたって償却するため、将来の会計期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(地震等による影響について)
当社の主力工場は、今後大地震の発生が予想される関東平野南部の神奈川県北西部に位置しており、これらの地域において大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産及び業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
(会計上の見積りについて)
当社グループは、工事進行基準、固定資産の減損、貸倒引当金及び繰延税金資産の回収可能性の算定に際し、見積工事総原価、固定資産の回収可能価額、債務者の支払計画に基づく回収見込額及び主要製品の受注見込額、粗利率等の算定基礎に一定の仮定をおいた上で会計上の見積りを行っております。これらの仮定が当社の想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症について)
世界経済は新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから回復しつつあり、今後のワクチン接種の進展に伴い、経済の正常化が期待される一方で、変異ウイルスにより再度感染が拡大するリスクがあります。今後の経済活動の回復時期や顧客の設備投資動向は翌期以降の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響による落ち込みから回復しつつあるものの、変異株による感染再拡大、米中対立、地政学的リスク等、先行きの不透明感がぬぐえない状況です。
鍛圧機械製造業界におきましては、国内、海外ともに受注が減少し、当連結会計年度の受注は前期比26.2%減の89,103百万円(一般社団法人 日本鍛圧機械工業会 プレス系機械受注額)、リーマン・ショック以来初めて100,000百万円を下回る低水準の受注となりましたが、後半にかけ回復基調にあります。
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における受注高は52,708百万円(前期比15.4%減)となりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業・サービス活動の制限や自動車業界における設備投資鈍化の影響で受注が大幅に減少しましたが、経済活動が再開された第2四半期以降は電気自動車関連の受注に支えられ緩やかながら回復に転じ、受注残高は38,709百万円(同12.2%減)となりました。
売上高も、第1四半期の落ち込みが響き58,099百万円(同16.0%減)となりましたが、第2四半期以降は操業正常化に伴い順調に回復しています。
利益面では、減収や貸倒引当金の計上等により営業利益が3,722百万円(同39.7%減)、経常利益は3,748百万円(同41.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は中国拠点における減損処理や新型コロナウイルスの影響による工場の操業停止・縮小に関わる特別損失計上等により1,316百万円(同67.3%減)となりました。
セグメント毎の業績は以下のとおりであります。
日 本: 新型コロナウイルス感染拡大の影響で第1四半期の売上が落ち込んだものの、第2四半期以降は回復
し、売上高は40,237百万円(前期比17.3%減)となり、セグメント利益は減収等により3,087百万円(同34.7%減)となりました。
中 国: 早期の感染収束により第1四半期より経済活動が回復した中国においては、工事進行基準案件の進捗やサービス売上の増加により売上高は7,422百万円(前期比10.3%増)となりましたが、セグメント利益は主に貸倒引当金の計上により284百万円の損失(前期は240百万円のセグメント利益)となりました。
アジア: 新型コロナウイルス感染拡大の影響は第2四半期以降軽微となりましたが受注が伸び悩んだ結果、売上高は7,212百万円(前期比12.3%減)となり、セグメント利益は減収や粗利率低下により673百万円(同36.6%減)となりました。
米 州: 新型コロナウイルス感染拡大の影響で第1四半期の売上が落ち込んだものの、第2四半期以降は回復し、売上高は10,451百万円(前期比11.6%減)、セグメント利益は減収や粗利率低下影響を経費削減で吸収し515百万円(同5.1%減)となりました。
欧 州: 新型コロナウイルス感染拡大の影響で第1四半期の売上が落ち込んだものの、第2四半期以降は回復
し、売上高は9,584百万円(前期比14.3%減)となり、セグメント損益は経費削減等により前期の243百万円の損失から121百万円の損失に改善しました。
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末に比べて3,672百万円増加し、107,787百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加2,982百万円、受取手形及び売掛金・電子記録債権・未収入金といった売上債権の減少1,944百万円、有形固定資産の減少913百万円、投資有価証券の増加3,898百万円等であります。
負債は、前連結会計年度末に比べて1,007百万円増加し、30,281百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少1,693百万円、前受金の増加2,073百万円、繰延税金負債の増加889百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて2,665百万円増加し、77,505百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の減少572百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,231百万円、為替換算調整勘定の増加1,183百万円等であります。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は71.2%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)は、前連結会計年度末と比べ2,989百万円増加し、31,700百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により取得した資金は7,263百万円(前連結会計年度は3,908百万円の収入)となりました。主な要因は、収入として売上債権の減少4,319百万円、税金等調整前当期純利益2,845百万円、減価償却費2,048百万円、支出として仕入債務の減少677百万円、法人税等の支払額1,822百万円等であります。
(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は1,921百万円(前連結会計年度は1,091百万円の支出)となりました。主な要因は、支出として有形及び無形固定資産の取得1,254百万円等であります。
(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は3,770百万円(前連結会計年度は3,377百万円の支出)となりました。主な要因は、支出として配当金の支払額1,889百万円、短期借入金の減少1,855百万円等であります。
当社グループは、主に鍛圧機械とこれに付帯する装置等を製造・販売しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 売上割合が10%以上の主要な販売先がありませんので、相手先別の記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは過去の実績値や経験を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、見積り等は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営成績の分析
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う第1四半期の落込みが響き、前連結会計年度に比べ16.0%減少し58,099百万円となりましたが、第2四半期以降は操業正常化に伴い売上は回復しております。
当連結会計年度の売上総利益は、減収の影響により12,352百万円(同18.7%減)となりました。
営業利益は、経費削減により販管費は減少したものの減収による粗利益減少の影響が大きく3,722百万円(同39.7%減)となり、経常利益は3,748百万円(同41.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、上記減益要因に加え、中国拠点における減損処理や新型コロナウイルスの影響による工場の操業停止・縮小に関わる特別損失計上等により1,316百万円(同67.3%減)となりました。
財政状態の状況の分析
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。前連結会計年度比での総資産の主な増加要因は、前受金の増加等に伴う現預金の増加や、株式市場の回復に伴う投資有価証券の増加によります。
キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。この要因は、次の「資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載しております。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フロー関連の指標は、時価ベース自己資本比率は55.1%(前期は39.5%)、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は38.7%(同115.4%)、インタレスト・カバレッジ・レシオは228.5倍(同126.0倍)であります。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に原材料や部品調達及び外注加工等の製造費用や、販売費及び一般管理費等に費消されております。また、設備投資資金は、主に生産体制の構築に支出されており、これらの必要資金は主に自己資金で賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度における設備投資はコロナウイルス感染拡大の影響もあり総額597百万円と前連結会計年度比 342万円減少し資金流出は限定的でした。また運転資金についても営業キャッシュ・フローの増加等により現金及び現金同等物の残高は31,700百万円(前連結会計年度比2,989百万円増加)となり流動性についての問題はありません。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは当年度より新たな中期経営計画(2020年度~2022年度)をスタートさせました。2021年度における売上高は620億円、営業利益は45億円、2022年度(最終事業年度)における売上高は700億円、営業利益は63億円を目指します。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)当面の対処すべき課題の内容等」に記載の通り、既に中期経営計画の重点施策は設定済みであり、これらを着実に遂行し業績拡大を目指してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」をご参照下さい。
該当事項はありません。
当社グループでは、開発本部を中心に技術本部等と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。
新技術・基盤技術の開発
当社ではサーボプレスに求められる能力を最大限活用して頂ける様に、その動力源であるサーボモーター及びサーボシステムを自社開発し、プレス機械の種類に応じた最適化を進めています。大型プレス用には低速域で大トルクを発生するモーター技術をベースに超大出力サーボモーター、中型プレスには複雑なモーションや振り子運転を多用する高パワーレートサーボモーター、汎用サーボプレスには省エネ性能に優れた高効率なサーボモーター等、プレスの能力に最適なモーターの研究・開発を継続しています。
モーターの能力を引き出す駆動システムはモーターの正確な制御のみでなく、駆動時の安全確保も重要です。駆動システムの開発は安全制御を重視して国際規格に適合するシステムを開発しています。
自動車の電動化にも対応すべく、軽量化や安全性能の向上を狙い、当社においても軽量・高強度材・難成形材の成形工法を追求し、サーボプレスを活用した高張力鋼板・アルミ材・炭素繊維等の軽量化素材の成形システムの開発を継続して進めております。
基幹商品の強化
搬送機の改良を継続して進めております。新たな構造として10軸スカラ型ダブルアーム機構を採用した高速で搬送モーションの自由度が高い搬送機を開発し、当社のタンデムラインに採用しております。
駆動部の最適化によってトルク伝達経路上のギア噛合数が少なくトルク伝達効率を向上させた新構造ドライブを開発し、複数軸構成の大型サーボプレスに採用しました。
(3) IoT技術の開発
・プレスシステム用モニタリングシステムの開発
プレス機械に取り付けた各センサー(IoT用)により運転状態の見える化を可能とするとともに、3Dモニターからの故障ガイダンスも提供できるモニタリングシステムの開発に取り組んでいます。本システムは周辺装置も含めたライン全体のモニタリングにも対応します。
・AIを用いた故障診断・操作支援機能の開発
プレス機械から収集したデータを解析し故障の予兆を検知する故障診断機能の開発を行いました。今後は収集した操作履歴データをAIに学習させ操作支援にも繋げるよう、更なる機能向上を進めています。
・AiCARE(アイダIoTシステム)の商品力強化
図面システムの部品情報とプレス機械の稼働情報をAiCAREに取り込み、これらを組み合わせることにより部品の交換時期を割り出し、ユーザーに知らせるという予防保全機能を開発しました。これによりユーザーの予防保全を促し突然の故障を削減してまいります。
(4) アイダ独自の3DシミュレーションソフトADMS(アイダデジタルモーションシステム)の活用強化
タンデムラインに搭載していたADMSをサーボトランスファープレスにも搭載し、プレス機械とトランスファーフィーダのモーション最適化を支援します。また、未搭載の既存のプレス機械でも同様のシミュレーションが実現できるよう、3Dシミュレーションシステムのソフトウエアを開発し、ソフトウエア単体での販売を開始しました。