第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針 

当社グループは、成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献することを企業理念として掲げております。

この企業理念を基本姿勢として、金属その他各種素材に対応する独創的な成形システムの開発・製造・販売・サービスを通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーと長期的な信頼関係を構築して、企業理念に掲げる人と社会への貢献を実現していく所存です。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループでは2023年度より新たな中期経営計画(2023年度~2025年度)をスタートさせました。

中期経営計画の最終事業年度となる2025年度における売上高は780億円、営業利益は58億円を目指します。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

2023年度よりスタートした中期経営計画では、自動車の「電動化」や「軽量化」といった次世代自動車のモノづくりや、顧客の生産設備の自動化やデジタル化による生産性向上、顧客の生産現場における省エネ・脱炭素といった環境負荷低減等、顧客や社会の課題に対し、アイダの技術や製品により解決策を提供することで企業価値を高め、ステークホルダーとともに成長していくという経営方針を掲げ、①事業ポートフォリオの変革、②新たな付加価値の創出、③経営基盤の強化、④環境対策・社会貢献、⑤資本政策という5つの「基本施策」を展開しております。


 中期経営計画の2年目となる2024年度においては、中・大型の個別プレス機やサービス売上が堅調であったことや円安効果で通期売上実績は前年対比4.5%増加の760億円となり、中期経営計画で掲げた目標750億円を前倒しで達成しました。利益面では、前年度の低採算の個別プレス機案件が剥落したことや、原材料費や人件費増加を価格転嫁やコスト削減で吸収したことにより、プレス事業の粗利率が改善しました。また、粗利率の高いサービス売上の増加が粗利増に貢献し、営業利益は前年対比53.0%増加の55億円となりました。

EVモーター向けの高速プレス機の生産については、200億円以上を安定的に生産できる体制となりましたが、全世界でEV向け投資が低迷し、受注が大幅に減少しています。さらに、年度後半から米国の通商政策の影響で世界的に設備投資が落ち込み、受注が減速しました。今後も各地域で経済ブロック化の動きが強まり、ビジネス環境は厳しさを増していくと思われます。

 

(4) 当面の対処すべき課題の内容等

中期経営計画最終年度となる次年度においては、2024年度に認識された課題も踏まえつつ以下のような施策を展開してまいります。

 

[基本施策]

① 事業ポートフォリオの変革

<プレス事業>  

EV化による自動車部品構成の変化を受け、競争力が低下しつつある成熟製品からEV関連、環境関連等の成長製品へのシフトを進めています。昨今、EV需要の減速で高速プレス機の受注が落ち込んでいますが、長期的にHV車や燃料電池車等を含め自動車の電動化の流れは不変であるとともに、エアコン等の自動車以外の需要も見込まれることから、工場レイアウト見直しや新規導入設備の稼働率向上等、生産合理化への取組みを継続しつつ、高速プレス機の機能面での更なる製品差別化を進めてまいります。

当社は従来からプレス機械の生産については、世界5極で生産工場を備え地産地消を進めてきております。米国においても非日系顧客向けプレス機械については基本的には現地生産で対応しておりますが、今後も部品の現地調達比率を高め米国内での競争力を高めてまいります。

 

<自動機・FA事業> 

製造業の生産現場における省力化とデジタル化が進んでおり、自動機・FA事業は今後の拡大が見込める成長分野と位置づけております。前年度はEV駆動用モーター向け高速プレス機の周辺自動機を自社開発のうえ自社生産を開始いたしましたが、プレス機械とのパッケージ販売だけでなく、自動機単体での受注も獲得しました。また、タンデムラインの高速プレス間搬送装置として自社開発したD-MATについても、当搬送装置単体での受注を獲得する等、自動機単体での競争力は向上しております。今後も自動機における更なる製品差別化を進め、自動機分野でのアイダブランド浸透に注力してまいります。

自動機・FA製品の海外ユーザーは、輸送コスト、サービスサポート、製品仕様の観点で、自国での現地調達志向が強いことから、現地パートナー業者の確保を重点課題と位置づけていましたが、今般2025年4月に米国において高い技術力とサービス力を有する自動機メーカー HMS Products Co.を買収することができました。同社をアイダグループに取り込むことで、北米で自動機も含めたプレスシステムのパッケージ販売を拡大いたしますが、特に米国関税問題の影響が広がるなか、パッケージで米国産製品を供給できる強みを活かし、米国での事業拡大を図ります。今後も引き続き、海外市場での自動機供給能力を向上させるべく、現地業者の買収や業務提携等を積極的に活用してまいります。

<サービス事業> 

世界中で多くのアイダ製既設プレス機が部品交換や近代化の時期を迎えつつあるなか、サービス事業は成長分野の大きな柱となります。特に昨今は、景気の不透明感からユーザーが新規設備投資に慎重になるなか、近代化を含めたサービスビジネスへの期待が高まっている状況でもあり、サービス業務における高度な専門知識を持つ人財確保のため、処遇見直しや社内公募等による他部門からの配置転換を促進しています。また、DX・AIを活用した予防保全やプレス診断機能の充実化により、近代化やパーツ販売等の潜在需要の掘り起こしに繋げてまいります。
 ② 新たな付加価値の創出

<EV向けソリューション>

前年度のEV駆動用モーター向け高速プレスラインの商品化に続き、2024年度はEV駆動用モーターコアの生産性向上に向け、業界最大エリアを誇る大型高速プレス機の販売を開始し、新規受注も獲得しています。高精度を維持したエリア拡大は難易度が高く、「競合他社の追随を許さない」大きな差別化商品としてグローバルでの普及拡大を図ります。また、EVバッテリーケース分野については、環境に優しい新たな成形機の開発が完了し、2025年6月より販売を開始いたします。

<エネルギー・環境向けソリューション>

EV以外の代替エネルギー関連分野では、2024年度に水素発電装置におけるバイポーラプレート用金属セパレーター成形の専用機として従来の精密プレス機をさらに改良した大型精密プレス(BEX)を商品化しました。現在、欧州の研究機構Fraunhoferと協働で金型トライを実施中ですが、ここで得られた情報を基に更なる改良を進めてまいります。水素発電は脱炭素の切り札として自動車以外にも大型施設や家庭での活用が期待されています。引き続き機能改善と需要の掘り起こしに注力してまいります。

<DX・AIによるソリューション>

プレス機械の稼働状況を可視化するシステム「Ai CARE」をプレス機械とセットで販売しておりますが、2024年度はこの「見える化」機能に、AI等による分析・診断機能を付加した「AIDAデータアナリティクスシステムAi CARE」の販売を開始いたしました。AIによるデータ分析で金型寿命診断や故障予兆診断等を提供します。また、ChatGPTで当社の工法ノウハウ等を提供するQ&A機能も付加され、生産現場の意思決定を強力にサポートします。引き続きユーザーからのフィードバックを参考に改良を重ねるとともに、サブスクリプションビジネスの拡大を図ってまいります。

今後もAIの技術進歩は加速していきます。当社はプレス機械単体だけではなく金型から材料搬送も含めパッケージで生産システムを提供するノウハウと知見を有しており、AI技術やロボット制御技術等の活用により、顧客の生産現場の更なる自動化や高度化等のソリューション提供を進めてまいります。 
 

 

③ 経営基盤の強化

<人的投資>

当社は人財こそが最も重要な財産と位置づけ、従業員が最大限に能力を発揮できるよう「働きがい」向上のための環境整備を継続しております。給与面では2023年度、2024年度に続き次年度も積極的な賃上げを実施する予定です。また、成熟分野から高速プレス機やサービス等の成長分野へのリソースシフトの支援やDX人財育成のための社内リスキリング研修等、リスキリングのための実務研修等を積極的に実施しております。また、中途採用者、女性、外国人、シニア人財といった多様な人財を積極的に活用・登用するとともに、多様な人財の能力を最大限に引き出すべく「働き方の多様化」を引き続き進めてまいります。なお、当社の従業員の「こころ」と「からだ」の健康増進に向けての取組みが評価され、当社は2024年度から健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されております。今後も従業員の「働きがい」向上に向けた健康経営を継続推進してまいります。

④ 環境対策・社会貢献

<脱炭素への取組>

当社は2050年のカーボンニュートラル達成に向けた環境対策を展開しています。

2024年度はScope3を含めたグローバルベースでのCO₂排出量の開示を開始いたしました。本邦におけるScope1、Scope2の削減については、本社工場電力の一部自家発電化に加え、発電用ガスにカーボンニュートラルLNGを導入、さらに次年度は再生可能エネルギー由来となる非化石証書付きの電力を採用することにより、CO₂排出量のネットゼロを達成できる予定です。今後はサプライチェーン企業との協働等を通じ、Scope3削減に向けての追加施策の検討を進めていく予定です。

<環境に優しい製品の提供>

当社はこれまでも顧客の生産現場における省エネ、省資源に資するプレス製品を数多く提供してきております。前述の「②新たな付加価値の創出」におけるEV向けソリューションや代替エネルギー関連の開発等により顧客の温室効果ガス削減及び環境負荷軽減に貢献してまいります。

<地域貢献・地域活性化>

本社が所在する神奈川県相模原市ではリニア中央新幹線の神奈川県駅の建設が進んでおり、当社も地元の発展・活性化に向け、さまざまな取組みを行っています。当社敷地内に設置したEV充電施設の一般開放や、地元サッカーチームSC相模原のスポンサーとしてスポーツを通じた地域活性化活動等に取組んでおります。次年度は気候変動対策に向け、パートナーと協働での「森をつなぐアクション」と題して、森林保護・育成に向けた取組みを展開していく予定です。

⑤ 資本政策、資本コストや株価を意識した経営 

現行の中期経営計画では「事業ポートフォリオの変革」や「新たな付加価値の創出」等の重点施策を展開することでPBR1.0倍超を達成するという方針を掲げておりますが、今般、この方針を踏襲しつつも、資本政策をより具体化することで、この道筋をより明確に示すことといたしました。①まず、ネット現預金については、月商の3ヶ月分を適正水準とし、超過分を投資と株主還元に優先充当してまいります。②次に、ROEについては、現行の資本コスト水準(6.5%~7.0%)を上回る8%以上を目指してまいります。③また、バランスシートマネジメントとして、自己資本についてはROE8%以上を前提とした適正水準を目指すとともに、現預金や棚卸資産の水準についても適正水準を定めて是正してまいります。④そして、2027年度までのキャピタルアロケーションにおいて、投資や株主還元のバランス確保や①~③を実現する資金の使い道を明確化しました。⑤最後に、株主還元について、DOE3%以上、総還元性向100%以上という方針を掲げ、利益変動の影響を受けにくい安定配当の実施と自己資本の蓄積抑制に取組みます。

⑥ 今後の成長戦略と次期中期経営計画について

2025年度は中期経営計画の最終年度となりますが、EV投資の落込みや米国の通商政策等、当社を取り巻く環境は中期経営計画のスタート時から大きく変化しております。また、モノづくりについても、自動車の構造変化やAI等の技術革新に伴い変革のうねりが起きています。当社は108年にわたり業界のパイオニアとしてプレス機械の進化をリードしてまいりましたが、もはや従来のビジネスの延長に成長戦略は描けないと考えています。昨今の環境変化によるマイナス影響は避けられませんが、中長期的には、自動車電動化や代替エネルギー需要の拡大、地産地消による競争力確保、AI活用による製品差別化等、当社にとって今後のビジネスチャンスは広がっていると認識しています。当社はこうした環境変化を踏まえた新たな成長戦略を次期中期経営計画でお示ししたいと考えております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① サステナビリティ全般に関する開示

当社は企業としての社会的役割を認識したうえで行動していくための基本的なルールとして以下の通りサステナビリティ基本方針を制定しております。

私たちは、アイダグループの企業理念である「成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献する」を基本的な考え方として、その実践を通じて、ステークホルダーを含む社会との長期的な信頼関係を構築し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めます。
 ・人と環境に優しい製品づくりに取り組みます。(E)
 ・社会の発展に貢献する価値の創造に取り組みます。(S)
 ・社会との共生に向けたガバナンスの向上を実現します。(G)

 

 

『ガバナンス』

当社は以下の「サステナビリティ・環境管理運営体制」の通り、社長を最高責任者、事務局を管理本部とし、各部門や、各委員会を通じたサステナビリティ、環境管理運営体制を構築しており、重要事項については経営会議、取締役会まで上程することとなっております。次項「リスク管理」に記載の通り、取組むべき戦略や課題の設定、リスクや機会の取組状況の報告等はこの枠組み中で運営されています。

 


 

 

『リスク管理』

サステナビリティ基本方針のもと、アイダ環境方針、個人情報保護規程、アイダグループ人権方針、内部統制システム整備に関する基本方針、グローバル経営管理規程、コンプライアンス管理規程、事業継続管理マニュアル等の各種規定を制定してリスク管理を行っております。

また機会については、昨今の自動車の電動化、軽量化等ニーズを踏まえ、それに適合した製品の技術開発を進め、より省エネ性、生産性を高めた競争力の高い製品を開発すべき機会と捉え、経営会議、取締役会での議論をした結果を踏まえ、取組むべき事項を中期経営計画の具体的な戦略として織込んでおります。

リスク・機会の取組事項の進捗状況に関しては、リスク管理に関する重要事項については、関連部門においてリスクの分析と対応策の検討を行う都度の報告に加えて、四半期に一度、経営会議での報告を実施しています。機会に関する取組事項の進捗についても、経営会議、取締役会にて毎月進捗状況を報告しております。

 

『戦略』

当社グループでは、気候変動等に係るリスクについて、全社的な重要リスクの一つと位置付けており、物理的リスク、法規制・マーケット等の移行リスクについて、必要に応じて対応案の策定を進めております。また脱炭素、省エネ、省資源をはじめとする環境対応を当社の大きなビジネス機会と捉え、2050年のカーボンニュートラル達成を目指して、SDGs関連課題の解決と企業価値の向上に努めております。具体的には、中期経営計画の中で、

a. 既存製品である、EV向け部品を成形する高速プレス、精密プレス等の生産・販売強化

b. 新製品開発として、EVモーターやバッテリー向けの成形機や、燃料電池や代替エネルギー関連部品向

   けの成形機の開発等

c. 環境対策・社会貢献として、自社内の脱炭素推進に加え、製品提供を通じた顧客の脱炭素支援や生産

   性向上支援、地元親密企業と協働で、森林の維持・保全を目的とした「森をつなぐアクションbyアイダ

   エンジニアリング」と称して、森林について学ぶイベント開催、

といった施策に取組んでいます。

 

 

『指標と目標』

当社グループではISOの枠組みの下、法規制の遵守継続(大気、水質、騒音)、廃棄物の資源化推進並びに発生量の維持、省エネルギーの推進、環境保全への取組を推進すべく、環境目標を設定の上、取組を推進しています。

2023年3月期よりアイダグループのCO2排出量の算定を開始しております(下図ご参照)。CO2排出量削減の取組に関し、自社で排出するCO2(Scope1、Scope2)について当社では相模原市の本社工場に高効率CGS(ガスコージェネレーションシステム:熱供給発電)とジェネリンク(廃熱温水投入型のガス吸収式冷温水機)を導入し、発電で発生する廃温水を工場や事務所の空調に活用するとともに、空調負荷に合わせて温度を制御すること等によって、エネルギー総コストの大幅な削減と電力需要の平準化を実現。さらに再生可能エネルギー等の採用を開始しており、カーボンニュートラルLNG、非化石証書付きグリーン電力の導入を行った結果、年間ベースで約7,000tのCO2排出量削減効果が見込まれております。今後はサプライチェーンで発生するCO2(Scope3)を含めた排出量削減への取組方法について議論、検討を継続していく予定です。

 


 


 

集計期:2024年3月期 対象範囲:国内、REJ、海外製造現法

(2025年3月期は集計未了につき前年度2024年3月期分を掲載)

 

 

② 人的資本、多様性に関する開示

当社グループは従前より、人財が最大の経営資源であると考え、それぞれの従業員が高い専門性を持つことを目指した人財育成に努めており、「アイダグループ行動指針」に基づき、一人ひとりの従業員を個人として尊重し、国籍、性別、年齢、雇用形態の違い、障がいの有無等を問わず、さまざまな国や地域で有能な人財を受け入れる企業風土を確立しています。グループ全体の多様性確保のため現地採用を基本としており、海外従業員比率は49.0%です(2025年3月31日現在)。

人的投資のための賃上げにも前向きに取り組んでおり、今年度本邦において組合平均で4%半ばの昇給を実施し、次年度も今年度同様高い水準を予定しております。また人財育成、専門性向上に関しては、成長分野へのリソースシフトやDX人財育成のための研修の開催など社内リスキリングへの取組みを展開しております。中途採用者、女性、外国人、シニア人財といった多様な人財を積極的に活用・登用するとともに、多様な人財の能力を最大限に引き出すべく、引続き「働き方の多様化」を進めてまいります。

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び人材の多様性の確保を含む社内環境整備に関する方針についての当社の具体的な取組内容、目標等については以下の通りとなっております。

 

・人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

内容

指標設定対象

目標

実績

正社員採用者数に占める女性割合

提出会社のみ

20以上

2024年度 24.0

 

 

・人材の多様性を含む社内環境整備に関する方針

内容

指標設定対象

目標

実績

有給休暇の取得率

提出会社のみ

50以上

2024年度 63.8

 

上記指標については、連結対象子会社の所在国の労働法や運用実態(有給休暇の買取を認めている国がある等)の確認が未了である等海外人財情報の入手に向けての体制・業務プロセスが未整備であることに加え、法律によってセンシティブ情報を入手しづらい国があることや地域によっては男女区別ができないケースがある等の理由で、現状においては提出会社単体での目標・実績の開示としております。

 

当社の企業理念、人的資本の考え方に繋がるものとして、以下の通り『健康経営宣言』を制定しております。

アイダエンジニアリングは、「成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献する」という理念の実現にむけて、従業員が最大限に能力を発揮できるよう、働きがいのある安全・安心な環境を実現することが重要と考えています。アイダエンジニアリングは、最大の経営資源である従業員の”こころ“と”からだ”のさらなる健康増進が必要不可欠と考え、健康経営に取組むことを宣言します。

 

健康経営実現に向け、定期健康診断、ストレスチェック、メンタル不調者ケア、社員教育・研修の実施という既存施策、生活習慣リスクの低減・予防に資する特定検診実施率/特定保健指導実施率の向上や生活習慣対策(運動、食事)、禁煙対策等の施策を強化してきた結果、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に2年連続で認定されました。今後もさまざまな施策を継続的に実施していくことで、健康的に働くことのできる社会の実現を目指します。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 

 

(国際的活動及び海外進出について)

当社グループの生産及び販売活動は、日本のほか米州、欧州、中国及びアジア等の各国地域で行われております。これらの海外市場への事業進出には、①予期しない政策、法律又は規制の変更、②外国為替相場の大幅かつ急激な変動、③テロ、疫病、戦争、その他の原因による社会的混乱等のリスクが内在しており、現地の状況によっては当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。 

 

(製品の品質保証について)

当社グループは日本を含めた世界各国の工場で各国法令・基準等に準拠した当社の品質管理基準に従って各種製品を製造しております。しかし、すべての製品に欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また製造物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を担保できるという保証はありません。さらに当社グループが引き続き製造物賠償責任保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながる製品の欠陥が生じた場合、それらが多額のコストや当社グループの評価に影響を与え、その結果、売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(原材料仕入価格の変動について)

当社グループの製品群の主要原材料は鋼材を始めとする鉄鋼製品であり、それらに大幅な価格変動があった場合には、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(特定業種(自動車産業)への依存度が高いことについて)

当社グループにおける自動車産業向けの製品売上高は全体の4分の3以上を占めており、自動車業界の好不況の動向及びその設備投資動向は、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。

 

(競合等の影響について)

当社グループの主要製品である鍛圧機械においては、グローバル市場で同業他社との間に品質、価格、納期、サービス等において競合が生じています。当業界において供給過剰や需要の大幅な低下が生じて販売競争がさらに激化した場合、当社グループの業績に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(退職給付債務及び費用について)

当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、また前提条件が変更された場合、その影響は将来の会計期間にわたって償却するため、将来の会計期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績と財務状況に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(地震等による影響について)

当社の主力工場は、今後大地震の発生が予想される関東平野南部の神奈川県北西部に位置しており、これらの地域において大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産及び業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(会計上の見積りについて)

当社グループは、一定の期間にわたり充足される履行義務に係る工事契約における収益認識、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性の算定に際し、見積工事原価総額、固定資産の回収可能価額及び主要製品の受注見込額、粗利率等の算定基礎に一定の仮定をおいた上で会計上の見積りを行っております。これらの仮定が当社の想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(新型ウイルス感染症について)

世界経済は新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから回復、経済の正常化が進んでおりますが、今後も新たなウイルス発生により感染症が拡大するリスクがあります。感染症拡大に伴う経済活動の停滞や顧客の設備投資動向の見直し等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

 

(気候変動等にかかるリスクについて)

地球温暖化に伴う洪水や自然災害等、異常気象により、自社製造製品やサプライチェーンの操業が影響を受けた場合、販売に影響を与え、更に操業設備回復のために多大な費用が必要となる可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、中国や欧州経済が低迷するなかで堅調な米国が牽引する形で全体として緩やかな成長基調をたどってまいりましたが、ウクライナや中東といった地政学的リスクに加え、米国の通商政策の不確実性が増大し、年度後半からは世界経済全体の下押しリスクが高まっています。

鍛圧機械製造業界におきましては、国内及び輸出案件双方の減少により、当連結会計年度の受注は前期比13.2%減の129,966百万円(一般社団法人日本鍛圧機械工業会プレス系機械受注額)となりました。

このような状況の下、当社グループの当連結会計年度の受注高は、電気自動車向け設備投資の落ち込みの影響で高速プレス機が大幅に減少するとともに、上期まで堅調であった個別プレス機も後半伸び悩み62,603百万円(前期比20.9%減)となり、受注残高は受注減少により63,303百万円(同17.5%減)となりました。

売上高については、中・大型プレス機(個別プレス機)及びサービスの売上増加に加え円安影響等により76,006百万円(同4.5%増)となりました。

利益面では、増収やプレス機の粗利率改善に加え粗利率の高いサービス売上の増加により営業利益は5,529百万円(同53.0%増)、経常利益は5,559百万円(同54.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の売却やドイツ子会社統合に伴う税効果適用等により5,101百万円(同81.7%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

日 本: 中・大型プレス機(個別プレス機)、汎用プレス機、サービス売上の増加により売上高は46,609百万円(前期比8.6%増)となり、セグメント利益は増収とプレス機の採算改善等により2,810百万円(同152.7%増)となりました。

中 国: 高速プレス機売上が増加したものの、個別プレス機と汎用プレス機の売上が減少し、売上高は11,704百万円(前期比0.8%減)となり、セグメント利益はミックスの改善により838百万円(同5.1%増)となりました。

アジア: 汎用プレス機売上が減少したものの、個別プレス機売上の増加及び円安の影響により、売上高は前期並みの10,835百万円(前期比0.0%減)となり、セグメント利益は粗利率の低下等により510百万円(同57.2%減)となりました。

米 州: 個別プレス機やサービス売上の増加及び円安の影響により、売上高は18,241百万円(前期比13.7%増)となり、セグメント利益は増収やプレス機械の粗利率改善により1,288百万円(同224.4%増)となりました。

欧 州: サービス売上は堅調に推移したものの個別プレス機と高速プレス機の売上の減少により、売上高は14,773百万円(前期比10.5%減)となり、セグメント利益は粗利率の改善があったものの減収の影響により202百万円(同31.2%減)となりました。

 

②  財政状態の状況

当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末に比べて3,333百万円減少し、122,862百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加2,539百万円、受取手形、売掛金及び契約資産・電子記録債権といった売上債権の減少1,541百万円、前渡金の減少1,707百万円、投資有価証券の減少1,217百万円等であります。

負債は、前連結会計年度末に比べて4,649百万円減少し、39,224百万円となりました。主な要因は、買掛金及び電子記録債務といった仕入債務の減少3,619百万円等であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べて1,316百万円増加し、83,637百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加2,087百万円等であります。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は68.0%となりました。

 

③  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)は、前連結会計年度末と比べ739百万円増加し、32,984百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により取得した資金は6,512百万円(前連結会計年度は3,169百万円の収入)となりました。主な要因は、収入として税金等調整前当期純利益6,297百万円、売上債権の減少2,339百万円、減価償却費1,960百万円、支出として法人税等の支払額2,015百万円、仕入債務の減少1,869百万円等であります。

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により使用した資金は1,830百万円(前連結会計年度は1,988百万円の支出)となりました。主な要因は、支出として定期預金の預入2,874百万円等であります。

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により使用した資金は3,758百万円(前連結会計年度は1,125百万円の支出)となりました。主な要因は、支出として自己株式の取得2,000百万円、配当金の支払額1,921百万円等であります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当社グループは、主に鍛圧機械とこれに付帯する装置等を製造・販売しております。

 

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

日本

33,089

4.9

中国

1,377

13.9

アジア

4,078

△17.5

米州

5,380

△11.7

欧州

7,269

△8.7

合計

51,195

△1.1

 

(注)  金額は、販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

 b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

日本

22,220

△23.2

24,850

△14.8

中国

5,264

△39.3

9,517

△35.7

アジア

6,567

△2.7

4,303

△13.6

米州

17,438

△3.5

12,800

△3.9

欧州

11,113

△33.4

11,831

△18.0

合計

62,603

△20.9

63,303

△17.5

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

日本

26,539

13.0

中国

10,550

△7.3

アジア

7,247

2.5

米州

17,960

16.3

欧州

13,708

△10.8

合計

76,006

4.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 売上割合が10%以上の主要な販売先がありませんので、相手先別の記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは過去の実績値や経験を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、見積り等は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 

  経営成績の分析

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

  (売上高)

当連結会計年度における売上高は、中・大型プレス機(個別プレス機)及びサービスの売上増加に加え円安影響等により76,006百万円(前期比4.5%増)となりました。

  (利益)

売上総利益は、増収やプレス機の粗利率改善に加え粗利率の高いサービス売上の増加により16,040百万円(同17.5%増)となりました。

営業利益は、上記売上総利益の増加要因によ5,529百万円(同53.0%増)となり、経常利益は5,559百万円(同54.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却やドイツ子会社統合に伴う税効果適用等によ5,101百万円(同81.7%増)となりました。

 

  財政状態の状況の分析 

当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。前連結会計年度比での総資産の主な減少要因は、売上債権の減少等によります。

 

  キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。この要因は、次の「資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載しております。

 

  資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金は、主に原材料や部品調達及び外注加工等の製造費用や、販売費及び一般管理費等に費消されております。また、設備投資資金は、主に生産体制の構築に支出されており、これらの必要資金は主に自己資金で賄うことを基本方針としております。

当連結会計年度における設備投資は総額1,146百万円と前連結会計年度比654百万円減少しました。また運転資金については、営業キャッシュ・フローの増加等により現金及び現金同等物の残高は32,984百万円(前連結会計年度比739百万円増加)となりました。流動性についての問題はございません。

 

  経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは2023年度より新たな中期経営計画(2023年度~2025年度)をスタートしております。2025年度(最終事業年度)における売上高は780億円、営業利益は58億円を目指します。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)当面の対処すべき課題の内容等」に記載の通り、既に中期経営計画の重点施策は設定済みであり、これらを着実に遂行し業績拡大を目指してまいります。

 

5 【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、開発本部を中心に生産統括本部と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は1,142百万円であり、そのほとんどを日本セグメントで計上しております。

なお、当連結会計年度において、当社の「金属セパレーター成形専用機BEXシリーズ」が日刊工業新聞社主催の「第67回(2024年)十大新製品賞」において「本賞」を受賞しました。受賞した製品は薄板の微細な成形に特化し、燃料電池などに搭載されるバイポーラプレートの金属セパレーターの専用機です。

 

当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。

新技術・基盤技術の開発

(1) プレスシステム用サーボモーターの開発

当社はサーボプレスに搭載するサーボモーターを自社開発し、20年以上にわたり、開発・製造を行っています。当初からの製品である汎用サーボプレス用モーターについて、巻線構成の再設計、サーボアンプの最適化、最新の冷却技術の導入などの改良を実施し、プレスの速度と加圧能力の向上を実現しました。

 

(2) DX・AI技術の開発

①DX支援システムの開発

当社は業界に先駆けてIoTシステムを開発し、提供してきました。新たに開発した「AIDAデータアナリティクスシステム Ai CARE」は機械から集積した各種データを可視化するだけでなく、さらに分析機能を持たせることでお客様を次のアクションへと導くことができるようになりました。今般更に熟練技能者に代わってAIが金型寿命監視や故障予兆監視等をサポートするアプリケーションを付加し、商品化しました。

②生成AIエージェントの開発

当社は生成AIと対話しながら業務課題解決のための情報を得ることができる生成AIエージェント(Ai CARE Chat)を開発しました。機械の操作方法や異常発生時の対処方法、さらには加工方法等まで、当社が蓄積してきたノウハウや知見に基づいてAIが回答します。
 

基幹商品の強化

(1) バイポーラプレート用金属セパレーター成形専用機BEXシリーズの商品力強化

十大新製品賞の本賞を受賞したBEXシリーズは、更なる商品力強化としてサーボプレス仕様向けのフライホイール蓄電システムを開発しました。蓄電システムは、プレス加工時に大きな電力が必要なサーボプレスの一次電力をピークカットして電源設備容量を抑える設備です。フライホイール方式は、電気エネルギーを物理的な回転エネルギーに変換して貯蔵することで、従来のコンデンサ方式と比べピーク電力を抑えることができます。今後はコンデンサ方式とフライホイール方式の特徴を活かし、お客様に最適な蓄電システムを提供します。

 

(2) MSP-4000-430販売開始

近年のEV向け駆動用モーターは、コア形状の複雑化による工程数の増加から広い加工エリアが必要となってきました。このワイドエリアへの市場要求に応えるため、加圧能力4000kN、シリーズ最大のスライドエリア4300mm(従来機3700mm)のMSP-4000-430を2024年5月に販売開始しました。また、本機は自社製の高速フィーダや転積装置、スクラップカッターなどの周辺装置の操作画面をプレス機の大型ディスプレイに統合、および最新DX・AI技術(Ai CARE-HS)標準搭載などにより操作性と機能性を大幅に向上させました。

 

(3) DIS-1600の開発

リチウムイオン電池のプレス生産設備に対する市場要求に応えるため、円筒缶成形専用プレスDIS-1600を開発しました。これに、前後2列取りの金型と新設計の高速搬送メカ式トランスファ装置を組み合わせることで高い生産性を実現しました。

 

 

(4) 蓄電池用角電池ケース成形専用機DPHの開発

従来の絞り加工と比較して大幅に成形工程数を削減した横型多段成形機DPHを開発しました。新工法のアシスト絞り(PAT.)を用いてパンチが水平方向に動き逐次成形をすることによりブランク打ち抜きから製品排出までを1ストロークで完了することが可能な角形電池ケース成形専用機です。従来と比べて①金型費用抑制、②低荷重・省エネルギー成形、③加工油量削減、④材料歩留まり向上などの特徴を有しています。