(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による景気対策や日本銀行の金融緩和の継続等を背景に企業収益が堅調に推移し、設備投資にも持ち直しの動きが見られました。個人消費につきましては原油安の影響や所得雇用環境の改善から底堅い動きとなり、景気は全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。
海外におきましては、米国や欧州では内需が堅調に推移し景気を下支えするなど回復基調となりましたが、中国や新興国での経済成長の鈍化懸念や、それに伴う設備の過剰感、更には株式市場や為替等にも警戒感が広がり金融市場は依然不透明な状況にあります。
このような状況のもと当社グループは徹底した品質管理と確かな技術力で、新たな提案や短納期への要望にお答えし、お客様に価値ある技術を創出し続けるべく、構造改革を推し進めてまいりました。
受注環境につきましては、企業の設備投資意欲も徐々に回復基調となり、電気・電子部材関連及びエネルギー関連分野を中心に、光学機能性フィルム関連製造装置や二次電池向け電極塗工装置並びに各種成膜装置などが堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は18,335百万円(前期比26.3%増)となり、利益面では経常利益は2,034百万円(前期比215.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,330百万円(前期比199.0%増)となりました。
受注残高につきましては、12,999百万円(前期末比6.3%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(塗工機関連機器)
当セグメントは、光学機能性フィルム製造装置及び二次電池向け電極塗工装置を中心に推移いたしました。
その結果、売上高は8,909百万円(前期比19.3%増)、うち国内は3,194百万円(前期比0.4%増)、輸出は5,714百万円(前期比33.4%増)となりました。また、セグメント利益は1,035百万円(前期比106.2%増)となりました。
受注残高につきましては、5,855百万円(前期末比3.7%増)、うち国内は3,878百万円(前期末比34.2%増)、輸出は1,976百万円(前期末比28.3%減)となりました。
(化工機関連機器)
当セグメントは、電気・電子部材関連の成膜装置を中心に堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は8,194百万円(前期比39.0%増)、うち国内は2,365百万円(前期比34.1%増)、輸出は5,829百万円(前期比41.1%増)となりました。また、セグメント利益は1,414百万円(前期比181.4%増)となりました。
受注残高につきましては、6,693百万円(前期末比5.5%増)、うち国内は2,915百万円(前期末比92.9%増)、輸出は3,777百万円(前期末比21.9%減)となりました。
(その他)
当セグメントは、染色整理機械装置、各種機器の部品の製造及び修理・改造等を行っており、売上高は1,231百万円(前期比6.9%増)となり、セグメント利益は293百万円(前期比9.4%増)となりました。
受注残高につきましては、450百万円(前期末比86.6%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末残高よりも2,699百万円増加し、12,220百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは3,985百万円(前連結会計年度は2,356百万円の支出)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益が2,034百万円になったこと、仕入債務が1,579百万円増加したこと、法人税の還付額が431百万円あったことによります。また、主な減少要因はたな卸資産が578百万円増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用されたキャッシュ・フローは869百万円(前連結会計年度は1,292百万円の支出)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入が502百万円あったこと、有価証券の売却による収入が5,107百万円あったことによります。また、主な減少要因は定期預金の預入による支出が1,362百万円あったこと、有価証券の取得による支出が4,747百万円あったこと、投資有価証券の取得による支出が256百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは418百万円(前連結会計年度は375百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加による収入が320百万円あったことによります。また、主な減少要因は長期借入金の返済による支出が538百万円あったこと、配当金の支払額が195百万円あったことによります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
塗工機関連機器 |
7,395,820 |
+10.2 |
|
化工機関連機器 |
6,185,968 |
+26.1 |
|
その他 |
847,792 |
+4.6 |
|
合計 |
14,429,582 |
+16.1 |
(注)1.金額は生産原価で、上記のうちには外注生産によるものを含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前期末比(%) |
|
塗工機関連機器 |
9,118,722 |
+45.5 |
5,855,021 |
+3.7 |
|
化工機関連機器 |
8,541,045 |
+11.2 |
6,693,680 |
+5.5 |
|
その他 |
1,440,665 |
+61.0 |
450,660 |
+86.6 |
|
合計 |
19,100,433 |
+28.7 |
12,999,361 |
+6.3 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
塗工機関連機器 |
8,909,517 |
+19.3 |
|
化工機関連機器 |
8,194,432 |
+39.0 |
|
その他 |
1,231,550 |
+6.9 |
|
合計 |
18,335,499 |
+26.3 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.当連結会計年度において主要な販売先に該当する社数が1社ありますが、販売先と秘密保持契約を締結しているため主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その社名、金額及び割合の公表は控えさせていただきます。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
① 当社グループが製造販売する産業用機械業界は消費マインドの低下などの金融動向だけでなくテロなどの国際情勢においても左右されます。また現状では、欧米においては経済環境の改善は持続傾向にありますが、中国や新興国においては引き続き成長の減速懸念など不透明な状況であります。そのような状況ではありますが、注力分野である電気・電子部材関連やエネルギー関連分野へ積極的に営業を展開するとともに、新市場開拓をグローバルに行い様々なリスクの回避に努めてまいります。
② 市場のニーズが急速に変化する環境のもと、新技術の開発を積極的に推し進め、更なる企業価値向上を目指します。「高クリーン・超薄膜コーティング技術」及び「ウェットコーティングとドライコーティングの融合」を軸に新技術の開発を行ってまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新規設備等の投資需要
当社グループが製造販売する産業用機械業界は消費マインドの低下及び原油の高騰またはテロ等世界経済の動向に左右されます。このため、社会的混乱やグローバル経済下での市場経済環境の大きな変化による設備投資需要の動向いかんによっては当社グループの業績と財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または、前提条件が変更された場合、その影響額は将来にわたり認識されるため費用に影響を及ぼします。よって当社グループの業績と財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)材料価格の高騰
当社グループの製品は他社にはない独自の革新的な技術のもとに成り立っております。しかし、当製品における製造原価のうち約6割を鋼材・部材等が占めており外部よりの購入に依存しております。市場の急激な変化により鋼材等の価格が高騰した場合には、部材の価格が高騰し製品の原価上昇につながる恐れがあり、当社グループの業績と財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループはユーザーニーズを形にする技術確立を基本理念とし、提案型企業の根幹となる研究・実験施設であるテクニカムを中心に製品の改善・改良・開発に取り組んでおります。
テクニカムでは小型テスト機から実機レベルまでの多様な試作機と計測器を設置することにより、ユーザーにより実践に近い環境を提供することはもとより、ユーザー立ち会いを含めた試作テストを通じて、市場が求める動向を敏感に感じ取り、製品の改善・改良・開発に活かしております。
また、薄膜塗工・乾燥技術のレベル向上のため、コンピュータ解析を含めたシミュレーション技術を活用し、高機能かつ高精度で完成度を高めた製品開発を実施しております。
当社の研究開発は、研究開発部門が主に基礎研究、開発とテクニカム運営を行い、ユーザーニーズを具現化するライン開発は設計部門が主体となり、多様化する市場の変化に対応するべく、ラインの効率化や自動化に対応した製品や、当社グループが保有する多彩な独自技術を基本とした新たな複合化製品の開発に注力しております。
現在、研究開発活動は当社の研究開発部、塗工・化工機械部技術課、設計部及び子会社であるヒラノ技研工業株式会社、ヒラノ光音株式会社、株式会社ヒラノエンテックの技術担当を含む合計約30名、総社員の1割に当たる要員で業務の対応に務めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、388,158千円となっております。
(塗工機関連機器)
光学市場やエネルギー分野における高精度塗工装置の開発を行ってまいります。特に自動車などに搭載されるリチウム二次電池や燃料電池における新しい塗工システムの研究開発、多層コートや両面同時コート、ライン運転の自動化、省力化など生産効率向上に向けた製品の開発を積極的に行っております。
当部門に係わる研究開発費は、183,697千円となっております。
(化工機関連機器)
化工機械分野では、主に電子材料や環境分野で利用されているセラミックスシートの成膜プロセスにおいて、より薄膜、高精度、また厚膜シート成型への対応に向けた開発に取り組んでおります。
テクニカムに高機能性フィルム用クリーンテンターにインラインコーティングを組み合わせたテスト装置を設置し、高付加価値化を目指す顧客の獲得に取組むとともに、省エネルギー、高効率・高精度加熱方式を具備した高機能装置の開発に取組んでおります。
また、大気中と真空中の組み合わせによるシート走行制御技術とスパッタリング装置の機構や方式の開発に取り組んでおります。
当部門に係わる研究開発費は、204,461千円となっております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。
この連結財務諸表作成にあたって、経営陣は資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収益・費用に影響を及ぼす見積り等を行います。
この見積りに際しては、過去の実績や状況等を総合的に勘案した合理的な見積り及び判断を行います。見積り数値には特有の不確実性があるため実際の結果とは異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、最先端技術分野への高精密・高精度な製造装置メーカーとしてリーディングカンパニーを目指し、「コスト競争力の強化」・「環境エネルギー市場への拡販」・「顧客満足度の向上」を最優先に各業界へ技術革新に対応した最新機器を提供すべく製品開発を行い、グローバルな活動を推進してまいります。
営業及び開発・設計・製造さらに据付からアフターサービスに至るまで、グループ一体となり更なる企業価値向上を目指し、「より高い精度の製品を供給し続けること」を念頭におき活動してまいります。
中期的には、「販売力の強化」「新技術開発のスピード化」「ものづくりの改革」に重点をおき新たな成長への戦略を推し進め、高付加価値機器を生み出し企業業績並びに企業価値の更なる向上をはかるべく、人材の育成・構造の改革に取組んでまいります。
当連結会計年度におきましては、電極塗工装置や成膜装置を中心に拡販に努めてまいりました。
その結果、塗工機関連機器部門では、二次電池向け電極塗工装置を中心に、また、化工機関連機器部門では、電気・電子部材関連の成膜装置を中心に推移し、売上高は前期比26.3%増加し18,335百万円となりました。
売上総利益は87.1%増加し、3,905百万円となりました。また、売上総利益率は21.3%となりました。
営業利益は前期比252.3%増加し1,950百万円となり、経常利益は前期比215.2%増加し2,034百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比199.0%増加し1,330百万円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが製造販売する塗工機関連機器、化工機関連機器、その他の産業用機械業界は世界経済の動向に左右されるため、デフレ経済による消費マインドの低下やテロ等の特殊要因による社会的混乱、またグローバル経済下で国際商品市場の高騰により素材価格が急騰した場合等は当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(4)戦略的現状と見通し
ナノテクノロジーが市場の中心である時代において、高クリーン・超薄膜の塗工・成膜に対するニーズが旺盛であります。また、薄膜塗工・薄膜成形の技術は、精密微細加工・工程の簡略化・コストダウン及び製品の見栄えの良さという観点からも欠かせない技術であり各分野からも注目されております。
当社グループとしましては、市場をグローバルな視点でとらえ、ニーズが急速に変化する環境のもと、営業・技術・設計・生産等一連の企業活動の改革を行い、グループの連携を強化し企業価値を更に高め、ナノテクノロジー分野へ向け「高クリーン・超薄膜コーティング技術」と「ウェットコーティングとドライコーティングを融合させた新技術」の確立のため開発体制を整えてまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して2,699百万円増加し、当連結会計年度末には12,220百万円なりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、法人税等の支払、設備投資、借入金の返済、配当金の支払等であります。
また、その資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等によって賄っております。
③ 総資産
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ3,924百万円増加し、29,759百万円となりました。以下において主な科目別に説明いたします。
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ4,006百万円増加し、23,359百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が2,541百万円、受取手形及び売掛金が630百万円、有価証券が659百万円それぞれ増加したことによります。
また、固定資産は前連結会計年度末に比べ81百万円減少し、6,399百万円となりました。その主な要因は、投資その他の資産合計が73百万円増加したこと、及び有形固定資産合計が143百万円、無形固定資産合計が11百万円それぞれ減少したことによります。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ3,218百万円増加し、7,645百万円となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が1,583百万円、未払法人税等が581百万円、前受金が935百万円それぞれ増加したことによります。
また、固定負債は前連結会計年度末に比べ141百万円減少し、1,144百万円となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債が140百万円増加したこと、及び長期借入金が195百万円、繰延税金負債が91百万円それぞれ減少したことによります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ847百万円増加し、20,969百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,330百万円計上したこと、配当金を195百万円支払ったこと、及びその他有価証券評価差額金が153百万円減少したことによります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載したほか、「3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。