第2 【事業の状況】

 

 

1 【業績等の概要】

(1)  業績

当連結会計年度における世界経済は、中国ならびに新興国経済の減速、原油などの資源価格下落、地政学的リスクの高まりなどのマイナス要因はあったものの、米国をはじめとする先進国では緩やかな回復基調となりました。わが国経済は、製造業の合理化・省力化投資、流通業やサービス業のネット通販やインバウンド(訪日客)消費などは底堅く推移していますが、平成28年年初からの円高株安により不透明感が増しています。

当社グループの主力事業であるマテリアルハンドリングシステムは、世界的にeコマース対応などの物流関連投資が拡大していること、自動化・大規模化の傾向にあること、人手不足解消や生産性向上への投資が見込めることなどから、今後も成長が期待されます。

このような環境のもと、当社グループの業績は、順調に推移しました。当連結会計年度の業績は6年連続の増収増益となり、受注高、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも過去最高を更新いたしました。

受注は、国内・アジア・北米の流通・食品・医薬、国内・アジアの半導体・液晶、北米の自動車など、主要な地域および業種で好調を維持しました。欧州では、久しく低迷していた空港の設備投資需要が上向き、空港向けシステムの大型案件を相次ぎ獲得しました。売上は、豊富な受注量をベースに順調に進行しました。

この結果、当連結会計年度の受注高は3,594億27百万円前年同期比17.6%増)、売上高は3,361億84百万円同25.8%増)を計上しました。

利益は、ダイフク単体の増収と原価改善による収益性向上、アジアの子会社の増収などにより、前年度を大幅に上回りました。

この結果、営業利益は208億78百万円同40.3%増)、経常利益は219億95百万円同39.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は国内外固定資産の見直しによる特別損失などの影響はあったものの、好調な業績により136億52百万円同39.2%増)となりました。 

平成28年3月期 実績

受注高

3,594億27百万円

  (前年同期

3,055億67百万円

17.6%増)

売上高

3,361億84百万円

  (    同

2,672億84百万円

 25.8%増)

営業利益

208億78百万円

  (    同

148億83百万円

40.3%増)

経常利益

219億95百万円

  (    同

157億83百万円

39.4%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

136億52百万円

  (    同

98億10百万円

39.2%増)

包括利益

77億80百万円

  (    同

135億99百万円

42.8%減)

 

 

セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高、セグメント利益は親会社株主に帰属する当期純利益を記載しております。セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。なお、当連結会計年度より、量的重要性が増したことに伴い、前連結会計年度まで「その他」に含めていた「株式会社ダイフクプラスモア」を新たなセグメントとして加えております。

 

 

① 株式会社ダイフク

《受注》

受注は、主力の一般製造業や流通業向けシステムでeコマースやスーパーなどの流通、倉庫、医薬品、食品、電気機器などの大型案件が順調に推移しました。ロボットを多用する医薬卸の大型配送センター、歯科衛生材料や理化学機器といったB to Bの通販など、今後の社会の流れを先取りする受注も獲得しました。半導体や液晶工場向けはアジアや国内で大きく伸びました。

《売上》

売上は、半導体・液晶工場向けシステムが大幅に増加、一般製造業や流通業向けシステムも伸びました。自動車生産ライン向けシステムは、お客さまの新設投資が海外にシフトする一方、国内サービスや小規模改造案件が堅調に推移しました。

《利益》

利益は、原価改善、販売数量増、サービスの底堅さなどが奏功しました。

この結果、受注高は1,421億35百万円前年同期比3.7%増)、売上高は1,449億89百万円同26.0%増)、セグメント利益は84億62百万円同20.2%増)となりました。

 

② コンテックグループ

・産業用コンピュータ製品

日本市場は、電子部品関連業界向けの売上が低調に推移しましたが、半導体製造装置業界向けの売上は期末にかけて一部で復調の動きもありました。また、米国市場は、医療機器業界向けの産業用コンピュータの販売が好調に推移しました。

・計測制御製品

企業の設備投資が横ばい傾向となった影響を受け、生産設備向けの計測制御用ボードの販売が昨年と比べて減少いたしました。

・ネットワーク製品

教育現場向けの無線LAN製品の拡販など、新たな市場の開拓に努めました。

・ソリューション製品

太陽光発電市場の環境変化による影響を受け、太陽光発電計測システムの販売が減少しました。

この結果、受注高は147億62百万円前年同期比4.0%減)、売上高は151億55百万円同3.6%増)、セグメント利益は5億89百万円同30.3%減)となりました。

 

③ DAIFUKU NORTH AMERICA HOLDING COMPANY(DNAHC)グループ

一般製造業や流通業向けシステムの受注は、菓子メーカー、工場用品通販、運輸などの大型案件により、堅調に推移しました。

半導体メーカー向けシステムは、堅調に推移しています。

自動車生産ライン向けシステムは、米系メーカーの新規大型塗装ラインの複数件の受注や、日系メーカーからの継続的な案件をベースに原価改善が進み、北米での最大の収益源に成長しており、自動車工場内の部品供給用無人搬送車の好調な販売も収益面に寄与しました。

空港向けシステムは、大型案件の受注時期遅延などにより受注・売上は期初計画を下回りましたが、赤字案件の終息や原価改善により、収益力は大幅に改善しており、次期の黒字化への道筋が見えてきました。

また、利益面ではM&Aによって傘下に入った米国企業ののれんの償却を今期からDNAHCで行うようにした影響を受けました。

この結果、受注高は957億13百万円前年同期比26.4%増)、売上高は770億66百万円同0.7%増)、セグメント利益は15億3百万円同3.3%減)となりました。

 

 

 
④ 株式会社ダイフクプラスモア

株式会社ダイフクプラスモアは、洗車機の販売を柱に、ボウリング設備・用品の販売、カゴ台車のレンタルなどを国内で行っております。洗車機は、老朽化更新に伴う需要に加え、資源エネルギー庁の経営安定化促進支援事業の補助金政策によってサービスステーションへの販売が順調で、過去最高水準の年間販売台数を達成しました。

この結果、受注高は123億87百万円(前年同期比19.7%増)、売上高は122億84百万円(同18.3%増)、セグメント利益は1億43百万円(同117.0%増)となりました。

 

 
⑤ その他

「その他」は、当社グループを構成する連結子会社58社のうち、上記②③④以外の国内外の子会社です。

主要な海外現地法人には、大福(中国)有限公司、台灣大福高科技設備股分有限公司、Daifuku Korea Co., Ltd.、Clean Factomation, Inc.(韓国)、Daifuku (Thailand) Ltd.などがあり、主にマテリアルハンドリングシステム・機器の製造・販売等を行っています。各社とも、グローバルな最適地生産・調達体制の一翼を担い、所在国から国外への輸出も増やしています。

中国では、輸出から内需へ、製造業からサービス業へという経済情勢の変化に対応するため、マテリアルハンドリングシステムが、食品・医薬品などのほか、流通業でも急速に普及しています。当社は、平成27年に一般製造業や流通業向けシステムと自動車生産ライン向けシステムにおいて、製販一体の会社へ組織再編し、事業の拡大を図っています。液晶工場向けは、2017年度に液晶パネル生産を世界一にする中国政府の国策のもと、受注・売上が大きく伸びました。自動車生産ライン向けは、欧米系自動車工場からのコンベヤや無人搬送車の受注が堅調に推移しました。

台湾は、半導体および液晶工場、ネット通販の大型案件受注により、業績が大きく向上しました。

韓国では、半導体メーカーからの受注、自動車生産ラインの改造工事、洗車機の販売が順調に推移しています。

アセアン諸国では景況感が好転せず、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシアの現地法人の受注は伸び悩んでいますが、同地域の将来性に鑑み、現地の生産・販売・サービス・情報インフラ体制を強化し、集積が進んだ自動車生産ラインの改造工事、食品や飲料の低温物流などの需要を取り込んでいきます。

欧州では、一般製造業や流通業向けシステムのサービスが順調です。また、空港向けシステムを扱うDaifuku Logan Ltd.は、構造改革に伴う費用を計上しましたが、第4四半期に英仏で大型案件を受注し、巻き返しに転じています。

オセアニアとアジアで空港向けシステムを扱うBCS Group Limitedの売上は堅調に推移しました。今後は特に欧州での協業を進めるとともに、需要が伸びている自動チェックインシステムを拡販していきます。

この結果、受注高は944億28百万円(前年同期比40.7%増)、売上高は817億92百万円(同50.8%増)、セグメント利益は32億33百万円(同20.4%減)となりました。

 

 

(2)  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ49億96百万円減少し、490億84百万円(前年同期は540億81百万円)となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動におきましては、72億6百万円の収入超過(前年同期は62億95百万円の収入超過)となりました。これは、売上債権の増加額が280億60百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が206億50百万円、仕入債務の増加額が119億64百万円、減価償却費が45億87百万円あったことが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動におきましては、20億99百万円の支出超過(前年同期は58億46百万円の支出超過)となりました。これは、固定資産の取得による支出が31億58百万円あったことが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動におきましては、87億2百万円の支出超過(前年同期は5億9百万円の支出超過)となりました。これは、有利子負債の返済による支出が42億32百万円、配当金の支払額が27億94百万円連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が15億56百万円あったことが主な要因であります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

株式会社ダイフク

173,377

27.9

コンテックグループ

24,226

16.4

DAIFUKU NORTH AMERICA HOLDING COMPANYグループ

69,981

6.3

その他

70,483

74.9

合計

338,069

28.8

 

(注) 1  金額は販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社であります。

      4 株式会社ダイフクプラスモアは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

株式会社ダイフク

142,135

3.7

72,108

△3.8

コンテックグループ

14,762

△4.0

3,152

△11.1

DAIFUKU NORTH AMERICA HOLDING COMPANYグループ

95,713

26.4

67,811

37.9

株式会社ダイフクプラスモア

12,387

19.7

738

16.3

その他

94,428

40.7

51,963

17.5

合計

359,427

17.6

195,773

13.5

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の修正額であります。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

株式会社ダイフク

144,989

26.0

コンテックグループ

15,155

3.6

DAIFUKU NORTH AMERICA HOLDING COMPANYグループ

77,066

0.7

株式会社ダイフクプラスモア

12,284

18.3

その他

86,689

71.1

合計

336,184

25.8

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の修正額であります。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1)中期経営計画の概要

当社は、中期経営計画をベースとした持続的成長路線を歩むことで、世界一、二を争うマテリアルハンドリングメーカー、システムインテグレーターに成長いたしました。平成28年3月期は、昨年に引き続き売上高世界一の座を維持しました(米国Modern Materials Handling誌2016年5月号)。

当社は、社是「日新」(Hini Arata)のもと、日々創意を凝らし、企業価値向上に努めています。その中で、平成26年3月期から平成29年3月期までの4カ年中期経営計画「Value Innovation 2017」(以下、中計)における経営理念を以下のように定めています。

 ①最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する。
  ②自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する。

中計により、当社グループはマテリアルハンドリングの総合メーカーとして培った実績と経験を活かし、世界各地のお客さまに最適なソリューションを提供する「バリューイノベーション企業」へ進化することを目指しています。

当初、中計は平成29年3月期の連結売上高2,800億円、営業利益率7%を主な経営目標としていましたが、平成27年5月に以下のように修正しました。     ( )内は当初目標

    ・連結売上高             3,400億円(   2,800億円  )

    ・営業利益               210億円(営業利益率7%)

    ・ROE(自己資本当期純利益率)      10%(      -      )

    ・海外売上高比率              70%(   60%  )

これは、売上高が中計策定時の想定以上に増大したことに基づくもので、営業利益は率ではなく、過去最高額(平成20年3月期206億円)の更新を目指しました。平成28年3月期の売上高は3,361億84百万円、営業利益は208億78百万円と、共に過去最高を更新し、営業利益面では中計達成への確度をさらに高めています。

資本政策面では、主として親会社株主に帰属する当期純利益の向上により、ROE(自己資本当期純利益率)を10%以上に維持することを当面の目標としています。平成28年3月期は新株予約権付社債の株式転換により、分母である自己資本を充実させましたが、主に分子である親会社株主に帰属する当期純利益を伸ばすことで、ROEが9.6%から11.6%に向上するとともに、1株当たり当期純利益も34%増加しました。株主還元は、配当性向30%と成長投資による企業価値向上を基本方針とします。

財務的な目標としては、営業利益率の向上による格付アップを目指します。

なお、平成30年3月期以降の中期経営計画は、平成29年2月頃の公表をめどに鋭意検討を開始しました。

 

(2)中期経営計画の課題

売上高は、中計の当初目標を前倒しで達成しました。その前提である連結海外売上高比率は、当初目標の60%を上回り、平成28年3月期は66%となりました。世界的に進展するeコマースも、新たな成長ドライバーとなっています。
 今後の課題は、収益性の向上、中長期的な持続的成長です。
 収益性で次に超えるべきラインは、当初目標の営業利益率7%です。平成29年3月期はできるだけ利益率向上を図り、次期中計に向けてベースラインを高くします。具体的には、次の3点です。
 ① 国内に比べ収益力が見劣りする海外現地法人のてこ入れ
 ② 国内のさらなる収益性改善
 ③ IoT活用によるサービス事業拡大 

海外現地法人のうち、売上規模の大きい北米Wynright Corporationは、一般製造業・流通業向け生産機種の拡充、内製化率向上による製造原価の低減を図ります。また、ハードウエア中心の空港手荷物搬送システムを海外現地法人で製造・販売してきましたが、O&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)、ソフトウエア、自動チェックインシステムを統合した空港向けシステム(ATec=Airport Technologies) に事業領域を拡大します。

国内は、調達や内製化などの構造改革の推進、品質向上を一層推進します。 

IoTは、子会社のコンテックが「CONPROSYS」と銘打ったM2M*/IoTソリューション・シリーズを平成28年3月期にシリーズとして開発、販売しています。クラウドや通信技術の発達によって、インフラ施設の遠隔監視や工場設備の予防保全などが安価に実施できるようになったことを背景に、メーカーによって通信方式やデータ形式が異なる各社のセンサーや機器を統合、上位システムと連携させるものです。    *M2M=Machine to Machine

当社物流システムでも、アフターサービスの一つとして、遠隔監視による予防保全システム「DREMOS」を平成16年から提供しています。製品・サービスの付加価値向上を目指し、IoT活用への取り組みをさらに強化していきます。
 中長期的な持続的成長では、新製品・新事業の開発と創出が大きな課題です。このため、プラント・ビジネスだけでなく、デバイス・ビジネスを強化しています。平成28年2月には、電動フォークリフト向けの非接触充電システム「D-PAD」(ディー・パッド)を世界で初めて実用化しました。

今後は、IoT、デバイス、ソフトウエアなどイノベーションのコアとなる社外技術の取り込みも視野に入れるとともに、当社既存事業を補完し、企業価値向上に資するM&Aも引き続き経営戦略の一環とします。

 

(3)コーポレートガバナンスの強化

当社はコンプライアンスにも力を入れています。他社事例等の情報を集積するデータベースの作成、グローバルレベルで競争法や贈収賄防止法を遵守するための研修、「コンプライアンス月間」の制定など、さまざまな角度から啓発活動を強化しました。

また、企業の社会的責任を重視し、特に安全には強いこだわりを持ってきました。「安全は全てに優先する」ことを再認識し、これからもトップが先頭に立って独自の安全文化の創造に取り組んでまいります。

こうした取り組みに加えて、平成27年11月に、コーポレートガバナンス・コード(以下、本コード)に基づく、コーポレートガバナンス報告書を東京証券取引所に提出しました。さらに、本コードの精神を真摯に討議して当社独自に体系化した「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、平成28年5月12日付けで別途開示しております。

コーポレートガバナンス・ガイドライン制定以外にも、本コードを踏まえ、当社では以下の施策に取り組んでいます。

・独立社外取締役を2名選任しました。

・経営陣の指名・報酬などに係る取締役会の独立性・客観性と説明責任を強化するため、任意の諮問委員会を設置しました。本委員会は代表取締役3名および社外取締役2名で組成され、議長は社外取締役が務めます。

・第100回定時株主総会でご承認を得たうえで、取締役・執行役員(社外取締役除く)の報酬体系を当社業績と株式価値との連動性をより明確にし、中長期的な業績向上と企業価値増大に貢献するものに改定します。

・取締役会の実効性評価を行い、その結果を社外取締役が評価し、取締役会で報告しました。継続的にPDCA(計画・実行・検証・改善)のサイクルを回して実効性の向上に努めます。

・当社は製品納入、アフターサービスを通じてお客さまと強固な信頼関係を構築しており、そうした関係も考慮して政策保有株式の経済合理性を検証し、保有の是非を判断します。議決権行使は、保有先企業の中長期的な株主価値、ひいては当社の企業価値向上の観点から個別に判断します。

今後も、社是や経営理念の精神に則りながら、コーポレートガバナンス全体のPDCAサイクルを回し、実効性を継続的に高めてまいります。

当社は、平成29年5月に創立80周年を迎えます。この間、時代の流れに合った新しい事業に果敢に挑戦し、社会・経済情勢の激動の波を乗り切ってきました。今後も、健全な持続的成長を継続し、揺るぎない世界ナンバーワン・マテリアルハンドリング企業を目指します。

 

 

当社の財務および事業の方針の決定を支配するものの在り方に関する基本方針は、以下の通りであります。

 

(1) 株式会社の支配に関する基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者については、その者が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるか否かという観点から、検討されるべきであると考えております。

当社が企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、

①中長期的視点に立った経営戦略を基に、社会的責任を全うしていくこと

②中長期的な事業成長のため、財務体質の健全化を背景とした機動的・積極的な設備投資及び研究開発投資を行っていくこと

③生産現場や工事現場においては、行政機関・周辺住民等の関係当事者との信頼関係を維持していくこと

④当社グループのコア事業間の有機的なシナジーによる総合力を最大限発揮していくこと

等に重点を置いた経営の遂行が必要不可欠であり、これらが当社の株式の買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

上記に加え、内部統制体制の強化、具体的には、グローバルに事業を展開するためのリスク管理、財務諸表の信頼性確保に対する組織的かつ継続的な取り組みが、企業存続のためにますます重要になっています。

また、当社グループは、数多くのグループ関連企業から成り立ち、事業分野も幅広い範囲に及んでいます。従って、外部者である買付者からの買付の提案を受けた際に、株主の皆様が、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を短期間のうちに適切に判断することは、必ずしも容易ではないものと思われます。

こうした事情を鑑み、買付者が当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策、以下「本プラン」)に定める手続を遵守しなかった場合、または当該買付が企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付である場合等所定の要件に該当する場合、当社は、このような買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と判断すべきであると考えます。

 

(2) 基本方針の実現のための取組みの具体的な内容の概要

①基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要

当社は、平成11年3月期から始まる中期経営計画「21世紀初頭のダイフク」を策定以来、中期経営計画をベースとした持続的成長路線を歩むことで、世界一、二を争うマテリアルハンドリングメーカー、システムインテグレーターに成長いたしました。

現在進行中の4カ年中期経営計画「Value Innovation 2017」は、当初、平成29年3月期の連結売上高2,800億円、営業利益率7%を主な経営目標としていました。平成27年3月期の受注高が半導体工場や液晶工場向けシステムの需要拡大により3,000億円に達したことを踏まえ、平成28年3月期の売上高目標を3,300億円に、平成29年3月期を3,400億円に上方修正しました。平成28年3月期の売上高は、事業の順調な進捗により、3,300億円を超え、過去最高となりました。また、利益面につきましても、過去最高の営業利益208億円、経常利益219億円、親会社株主に帰属する当期純利益136億円となりました。

当社は、「最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する」「自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する」を経営理念としております。国内外の多様な経営資源をベストミックスさせ、シナジーを追及することを重要な経営戦略として、あらゆる業種・業界、国・地域のお客さまに、最適・最良のソリューションを提供し、社会の発展を支える役割を担ってまいります。

また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を最重要課題と位置づけており、剰余金の配当について、株主の皆様への更なる利益還元を視野に入れ、平成17年3月期から連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)をベースとする業績連動による配当政策を取り入れております。資本政策面では、平成25年に発行した新株予約権付転換社債が、企業価値の向上に伴い平成27年12月に全て権利行使され、株式転換により自己資本が一層充実いたしました。一方、ROE(自己資本純利益率)も、主に過去最高の連結当期純利益により、現中期経営計画「Value Innovation 2017」前の5.6%から11.6%に改善いたしました。なお、ROEは10%以上を維持することを当面の目標としています。

 

②基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要

当社は、平成27年6月26日開催の第99回定時株主総会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を一部改定の上、更新することについて、株主の皆様のご承認をいただきました。

本プランは、

a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得

b.当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

に該当する当社株券等の買付けその他の取得もしくはこれに類似する行為またはその提案(以下「買付」)がなされる場合を適用対象とします。そして、a.またはb.に該当する買付がなされたときに、本プランに定められる手続に従い、原則として買付者等による権利行使は認められないとの行使条件および当社が当該買付者等以外の者から当社株券等と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項等が付された新株予約権(以下「本新株予約権」)の無償割当てをすることが検討されることとなります。

a.またはb.に該当する買付を行う買付者は、買付の実行に先立ち、買付内容の検討に必要な情報および本プランに定める手続を遵守する旨の法的拘束力のある誓約文言等を記載した書面(買付者の代表者による署名又は記名捺印のなされたものとし、条件又は留保等は付されてはならないものとします。)及び当該署名又は捺印を行った代表者の資格証明書(以下、これらを併せて「買付説明書」といいます。)を、当社取締役会に対して、当社の定める書式により日本語で提出していただきます。

その後、買付者や当社取締役会から提出された情報・資料等が、当社経営陣から独立した者のみから構成される特別委員会に提供され、特別委員会はこれらの評価、検討を行います。

特別委員会は、買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、または当該買付が企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付である場合等所定の要件に該当し、本新株予約権の無償割当てをすることが相当と認めた場合には、当社取締役会に対して、本新株予約権の無償割当てを実施すべき旨を勧告します。なお、特別委員会は、買付内容について実質的判断が必要な場合、本新株予約権の無償割当ての実施に関して株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付することができるものとします。

当社取締役会は、特別委員会の勧告に従い、本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。但し、特別委員会が勧告に株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合、または、当社取締役会が善管注意義務に照らし適切と判断する場合、当社取締役会は、株主総会の開催が実務上著しく困難な場合を除き、株主総会を招集し、本新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議し、当該株主総会の決議に従うものとします。

本プランの有効期間は、原則として、第99回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとします。

 

(3) 基本方針の実現のための取組みに関する当社取締役会の判断及びその理由

上記(2)①に記載の平成26年3月期を初年度とする中期経営計画等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。

また、本プランは、上記(2)②に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、下記項目のとおり、株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

・株主総会において株主の皆様のご承認を得た上で更新されたものであること。

・本プランの有効期間が3年間と定められた上、取締役会によりいつでも廃止できるとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること。

・経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値ひいては株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則をすべて充足していること。

・経営陣からの独立性の高い特別委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること。

・特別委員会は当社の費用で第三者専門家を利用することができるとされていること。

・その内容として本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること。

・デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。

本プランの詳細については、平成27年5月14日付で「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」として公表しております。このニュースリリースの全文については当社ホームページ(http://www.daifuku.com/jp/)をご参照ください。

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループ各部門が主として対応するリスクは以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)管理統轄が対応するリスク

1) 重大な生産トラブル

当社グループでは国内外を問わず全ての工場の設備の予防保全に努めるとともに、設備の安全審査、保安管理体制等の強化を図っています。また、生産トラブルに関しては、設備の損傷のための保険に加入していますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2) 災害・戦争・テロ・ストライキ・疾病等の影響

当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、津波、洪水、火災、感染症の世界的流行等の災害やテロ攻撃または政治情勢の変化に伴う社会的混乱により物的・人的被害を受けた場合、当社グループの生産・販売活動に影響が及ぶ可能性があります。当社グループの国内生産拠点は主力の滋賀県のほか、愛知県に立地しています。両地区に生産が集中しているため、これらの地域で大規模な地震その他の災害が発生した場合、当社製品の生産に支障が生じる可能性があります。そのため、国内各拠点で耐震性の強化等に努め、非常時の代替工場となる施設を大阪府で準備しています。

また当社グループは、北米、中国、台湾、韓国、タイ、インド等に生産拠点を有しており、年々、海外での生産・調達体制を強化しています。有事の際には、これら海外工場との連携がバックアップ機能の一翼を担うことになります。

 

3) 環境問題 

当社グループは、環境保全活動を重要な経営方針のひとつとして掲げ、環境マネジメントシステムの充実を図っており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかし、将来において環境問題がまったく生じないとの保証は無く、何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの事業展開および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

4) 労使関係

当社グループでは安定した労使関係の構築に努めております。国内グループ会社におきましては労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは低いと考えております。しかし、事業の拡大を進めております海外の国または地域においては、労使慣行の相違が存在し、また法環境の変化、経済環境の変化、社会環境の変化など予期せぬ事象に起因する労使関係の悪化、労働争議の可能性があり、その場合には一部の子会社において事業の遂行に制約が生じる可能性があります。

 

5) 合弁事業

当社グループは、海外で合弁事業を営む場合、各国の法律及びその他の要件を踏まえて事業を行っております。これらの合弁事業は、各国の法律の改正、合弁先の経営方針、経営環境の変化等により影響を受けることがあります。

 

6) 知的財産権

当社グループでは、国内外の特許権をはじめとする知的財産権を事業の競争力維持の為に重要と考えております。

一方、知的財産権の重要性が増すに従い、以下のケースが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。

①  事業展開のためには、第三者の知的財産権につき実施許諾を得る必要があり、ロイヤルティの支払いが生じる場合、又は実施許諾が得られない場合。

②  第三者により知的財産権侵害の主張をされる場合。

③  特定の国または地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、不正競争品を効果的に排除できない場合。

 

 

7) 人材確保

当社グループが競争力を維持するためには、技術または技能に関する優秀な人材を国内外で確保・採用することが必要であると考えております。しかし、有能な人材の確保競争は激しさを増しており、当社グループがそのような人材を充分に確保し育成できない場合には、技能の承継にも支障をきたし、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

8) 取引先の信用リスク

当社グループの販売は自動車業界やエレクトロニクス業界をはじめとする大手の比較的安定した取引先向けの比率が高く、売上債権等にかかる回収リスクは軽微であると認識しております。また、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。

しかしながら、予測していない不良債権や貸倒れが発生するリスクは一般的に存在しております。景気後退やグローバル規模での競争激化の影響を受け、国内外を問わず潜在的に将来の資本力が脆弱化する取引先がないという保証はありません。

 

9)情報管理

当社グループでは、事業遂行に関連し多くの重要情報や個人情報を入手することがあります。これらの情報の外部への流出防止・目的以外への流用等が起こらないよう情報セキュリティ委員会を組織し、情報セキュリティ基本方針や情報セキュリティ規定等を定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性がまったくないとは言えません。

 

10) 海外事業展開

当社グループは、国内はもとより、北米、アジア地域をはじめとして、グローバルに事業を展開しており、これらの海外市場への事業進出には、以下に掲げるような海外事業展開に共通のリスクがあります。

①  各国政府の予期しない法律または規制の変更

②  社会・政治及び経済状況の変化または治安の悪化

③  輸送の遅延、電力等のインフラの障害

④  為替制限、為替変動

⑤  各種税制の不利な変更

⑥  移転価格税制による課税

⑦  保護貿易諸規制の発動

⑧  異なる商習慣による取引先の信用リスク等

⑨  異なる雇用制度、社会保険制度

⑩  労働環境の変化や人材の採用と確保の難しさ

⑪  疾病の発生

また、海外売上高比率は、平成28年3月期に66%に達し、世界にマーケットを求めて事業展開していることから、今後も海外事業のウエートは高くなることを想定しております。海外売上高の増加に付随して、海外での据付現場、生産現場における現地国情の相違等により、安全、品質、調達、納期、コスト等に万全を期しておりますものの国内に比してリスクは高いと認識しております。

 

 

(2)事業統轄が対応するリスク

1) 半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場の影響について

当社グループは半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場向けの販売が多く、当社の業績は両市場の設備投資動向の影響を受けます。特に、当社グループのコア事業の一つである半導体・液晶関連市場に対する売上で、日本・北米・韓国・中国・台湾における搬送・保管システムの需要が特定の取引先に集中する傾向があります。これらの取引先は、いずれも業界では最上位群に位置し、将来を見据えた設備投資にも積極的で力強く成長している企業ではありますが、半導体・液晶市場の需要動向が激変すれば、一時的に設備投資の中止・延期によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。自動車関連市場向けでは、日本メーカーを中心に世界中で幅広い顧客を確保しておりますが、いずれの国でも景気動向の影響を受けます。

 

2) 価格競争

当社グループの収益基盤である物流システム事業をはじめ、各業界における競争は厳しいものとなっています。当社グループの製品は、技術的・品質的・コスト的に他社の追随を許さない高付加価値な製品であると考えていますが、激化する価格競争の環境次第で収益が圧迫される可能性があります。

 

3) 製品の品質問題

当社グループでは国内外を問わず生産する全ての商品について、万全の品質管理に努めています。

また、予期せぬ品質クレームに備え賠償保険に加入していますが、当該保険は無制限、無条件に当社グループの賠償責任を担保するものではなく、重大な品質クレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4) 新製品・新技術開発に関するリスク

当社グループの新製品開発活動は収益拡大のための重要な課題でありますが、当社グループの製品に対する市場からの開発ニーズはその多様性を増し、ニーズの変化速度も以前に増して早くなってきております。

新製品開発は製品が市場から評価され、販売されてはじめて収益に寄与いたしますが、新製品開発には以下にあげるものをはじめ様々なリスクが存在しており、これらのリスクが回避できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

①  当社グループが開発した新製品または新技術に対する市場からの支持を正確に予測できるとは限らず、これらの製品が市場に受け入れられない可能性がないとはいえません。

②  競合他社の製品開発のスピードが当社グループを上回った場合、その製品のシェアが低下する可能性があります。

③  新たに開発した製品または技術が、当社グループ独自の知的財産権として保護されない可能性があります。

④  競合他社の開発品または技術が、他社の知的財産権として保護され、当社の新製品開発を阻害する可能性があります。

⑤  新たに開発した製品を代替する他社の新技術製品が出現する可能性があります。

 

5) 原材料の価格上昇

当社グループは、生産に必要な原材料、部品を外部のサプライヤーから調達していますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じる可能性があります。需給の逼迫などにより原材料等の価格が高騰した場合には、徹底したコスト管理などを通じてコストダウンに努めると同時に原材料費上昇分の製品価格への転嫁に努めておりますが、コストアップを吸収しきれなければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)コンプライアンス委員会が対応するリスク

コンプライアンス

当社グループでは、法令遵守の徹底を目的に企業行動規範を制定し最も重要と思われる以下の16項目について法令遵守のための行動指針を定め、イントラネット等に掲示するとともに、配布、教育等を通じ役員・従業員に周知徹底し、リスクの軽減を図っております。

①  最適・最良の製品サービスの提供と安全性のための方針

②  公正な取引と自由な競争のための方針

独占禁止法・不正競争防止法・輸出関連法規の遵守等

③  協力会社との取引方針

下請代金支払遅延等防止法の遵守等

④  贈答・接待に関する方針

⑤  企業情報の開示

⑥  インサイダー取引の禁止

⑦  人権・個人情報保護に関する方針

⑧  安全・衛生に関する方針

⑨  人事処遇の方針

⑩  環境保全

⑪  地域社会との関係

⑫  政治献金等の取り扱い

⑬  反社会的勢力・団体との関係

⑭  会社資産の保護

⑮  情報の管理

⑯  知的財産権の保護

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当ありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」をトータルソリューションのコアとなるシステムととらえ、最適・最良のマテリアルハンドリングシステムおよび電子機器を幅広く国内外の産業界へ提供するため、新システム・新製品の開発に取り組んでおります。昨今は、企業に求められる社会的責任が経済的側面から環境・社会活動まで含む概念へと広がっており、当社としても品質・環境・安全等にも配慮した製品やシステムの開発に努めています。

当連結会計年度における当グループが支出した研究開発費の総額は、70億9百万円であります。

報告セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。なお、株式会社ダイフクプラスモアは洗車機等の販売に特化し、研究開発活動は行っていないため記載しておりません。

 

① 株式会社ダイフク

a.一般製造業および流通業向け製品

原材料や飲料の保管に適した電動台車式水平移動棚のオンラインタイプ「MULTI DEEP」を開発しました。スタッカークレーンと組み合わせて棚管理等も行える複合システムを実現しました。

物流センター向けに新WMS(Warehouse Management System=倉庫管理システム)を開発し、市場に投入しました。入荷から出荷までの情報管理、在庫管理をユーザーが容易に選択・変更可能としました。

b.半導体および液晶パネル生産ライン向け製品

半導体生産ライン向けでは微細化対応、フレキシブル搬送・高能力搬送システム、液晶パネル生産ライン向けでは高精細パネル対応と高能力搬送及び10世代クラスの大型機器の開発などを進めました。ソフトウェア面では、ともに生産効率の大幅向上を目指し、柔軟なレイアウト変更、保守性向上、製造装置とのスケジューリング機能強化を図っています。

c. 自動車生産ライン向け製品

一部の新興国で市場が停滞しているものの、回復基調の西欧諸国やガソリン安の北米で生産・販売が伸びています。自動車業界を取り巻く環境変化が激しくグローバリゼーションが深まるなか、自動車生産ライン向け製品は各仕向け地や多種多様なユーザーの仕様を満たす必要があります。品質の安定・原価低減の面では、パーツの統合・標準化が不可欠であるため、主要製品の標準比率を高める開発を進めています。

d. 洗車機

セルフSS向けでは、平成27年11月に新型ドライブスルー機「ファブリカ」「アヴァンテ」や新型受付端末「ウォッシュタッチⅡ」を発売し、カーアフター向けでは、平成27年10月に門型上位機種「アペルト」と中位機種「ジスペクトⅡ」を発売しました。業界唯一の新傾斜&分割サイドブラシ「ダブルアクションI.B.S」によるリヤスポイラー下部洗浄向上、ホイールや下部の洗浄向上オプションなど含め市場から高い評価を受けており、今後の市場拡販を強化していきます。

以上に記載のa.~d. を中心に、当社が支出した研究開発費の金額は54億32百万円であります。

 

② コンテックグループ

IoT市場向け電子機器製品「CONPROSYS(コンプロシス)」で26製品を開発し、8月から12月にかけて15製品の販売を開始しました。また、製造現場などで使用されるFA市場向け産業用コンピュータ「VPC-3000シリーズ」、「VPC-1600シリーズ」、「VPC-500シリーズ」を開発し、それぞれ販売を開始いたしました。さらに、産業用コンピュータをBTO(受注生産)方式でお客様に提供する「Solution-ePCシリーズ」に新モデルを3種開発し、12月から販売を開始しました。

当グループが支出した研究開発費の金額は9億83百万円であります。

 

③ DAIFUKU NORTH AMERICA HOLDING COMPANY (DNAHC) グループ

一般製造業・流通業向けシステムでは、ピッキングや倉庫管理システムの開発に力を入れています。
空港向けシステムでは、ビッグデータの解析や携帯端末からのアクセスに対応したモニタリングシステム、コンベヤと無人搬送車(Mobile Inspection Table)を組み合わせことで、作業性を大きく改善した手荷物検査システムを開発しました。

当グループが支出した研究開発費の金額は3億60百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析
①資産の部について

当連結会計年度末における総資産は2,960億55百万円(前年同期比250億43百万円の増加)となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が266億18百万円増加したことが主な要因であります。

②負債の部について

当連結会計年度末における負債は1,659億38百万円(前年同期比64億48百万円の増加)となりました。これは2017年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債が150億93百万円減少したものの、電子記録債務が64億42百万円、未払法人税等が47億8百万円、未完成工事請求超過高などの流動負債その他が96億33百万円、それぞれ増加したことが主な要因であります。

③純資産の部について

当連結会計年度末における純資産は1,301億16百万円(前年同期比185億94百万円の増加)となりました。これは、利益剰余金が108億74百万円増加したこと、上記新株予約権の行使に伴う新株式の発行等により資本金が69億92百万円、資本剰余金が65億55百万円増加したことが主な要因であります。上記転換社債型新株予約権付社債は、現中期経営計画の財務戦略の柱として平成25年10月に発行し、平成29年10月までに株式転換を目指していましたが、株価が好調に推移したことにより、前倒しで資本増強を達成できました。

④経営成績の分析

当社グループの経営成績の分析につきましては、第2〔事業の状況〕 1〔業績等の概要〕(1)業績の項目をご参照ください。

⑤キャッシュ・フローの分析

当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、第2〔事業の状況〕 1〔業績等の概要〕(2) キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。

なお、連結キャッシュ・フローの指標は次の通りであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

39.8

42.9

時価ベースの自己資本比率(%)

64.9

77.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

9.6

5.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

12.9

14.4

 

自己資本比率                         :(純資産―非支配株主持分―新株予約権)/総資産

時価ベースの自己資本比率             :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率   :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ     :営業キャッシュフロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

(注5)利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

⑥資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための、原材料・部品の仕入、加工、組立等の変動費、ならびに製造費・販売費及び一般管理費等の固定費であります。

固定費の主なものは人件費、構内外注費、設計外注費、研究開発費、減価償却費、賃借料等であります。

 

 

(2)  今後の経営方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。

詳細につきましては、「対処すべき課題」をご参照ください。