文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間における世界の経済は、米国で拡大が続き、日本や欧州、新興国でも総じて堅調に推移しました。一方で、米中貿易摩擦、中国経済の減速などにより先行き不透明感が増してきています。
当社グループの主力事業であるマテリアルハンドリングシステムは、eコマースをはじめとする流通、半導体、液晶、自動車、空港など幅広い産業界の需要に支えられ、活発な投資が継続しました。
このような経済・事業環境のもと、当社グループの業績は、好調に推移しました。売上・利益は、第3四半期連結累計期間としては過去最高の数字となりました。
受注は、東アジア・北米の半導体工場、国内の医薬卸・eコマースなどの流通業等の大型案件がけん引し、高水準を維持しました。海外子会社が手掛けてきた空港向けシステムは、北米で大型案件を受注したことに加え、2020年の東京オリンピックに向けて設備の更新需要が高まる日本でも初めての受注を獲得しました。
売上は、活発な需要を見越して生産能力を強化してきたことが奏功し、順調に推移しました。
この結果、受注高は3,746億88百万円(前年同期比3.3%減)、売上高は3,306億55百万円(同13.2%増)となりました。
利益面では、ダイフク単体の増収と原価改善などによる収益力向上に加え、半導体・液晶パネル関連向けシステムを手掛ける東アジアの子会社の好業績もあり、営業利益が順調に増加しました。また、特別利益として、当社の持分法適用関連会社であったオーストリアのKNAPP AG(クナップ株式会社、以下KNAPP社)の当社保有株式のすべてを第1四半期連結会計期間に売却したことに伴い、関係会社株式売却益69億48百万円(連結簿価との差額)を計上しました。
この結果、営業利益は381億8百万円(同36.2%増)、経常利益は390億33百万円(同34.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は326億96百万円(同60.9%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の当社グループの平均為替レートは、米ドルで109.64円(前年同期111.80円)となりました。為替変動による売上高、営業利益への影響は軽微でしたが、受注高は約60億円の減少となりました。受注高への影響のうち、当期間の期中受注分は約13億円、受注残に係る影響は約47億円です。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高、セグメント利益は親会社株主に帰属する四半期純利益を記載しております。セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。第2四半期連結会計期間より、量的重要性が増したことに伴い、第1四半期連結会計期間まで「その他」に含めていたClean Factomation, Inc.(韓国)を新たなセグメントとして追加しております。
受注は、東アジア・北米の半導体工場への輸出案件、国内の一般製造業および流通業向け大型システムなどが好調であったほか、自動車生産ライン向けシステムも、国内顧客の生産再編・整備やサービス・小規模の改造案件が堅調に推移しました。空港向けシステムも、新千歳空港案件を国内初の受注として計上しました。
売上は、半導体・液晶パネル工場向けが大きく伸び、一般製造業・流通業、自動車生産ライン向けも順調でした。
利益は、売上増、原価改善などが奏功し、大幅増益となりました。また、特別利益として当社の持分法適用関連会社であったKNAPP社の株式売却益80億30百万円(取得原価との差額)を計上したことが利益を押し上げました。
以上の結果、受注高は1,750億39百万円(前年同期比0.5%増)、売上高は1,441億5百万円(同8.4%増)、セグメント利益は244億34百万円(同58.5%増)となりました。
米国市場では、空港セキュリティ関連向けに産業用コンピュータの販売が好調に推移しました。また、ディスプレイ及び液晶一体型パソコンの拡販を目指して、米国子会社Contec Americas Inc.の工場内にクリーンルームの設置を進めると共に、今後の生産拡大に向けた供給体制を構築しました。日本市場では、無線LAN製品などの売上が減少しましたが、「CONPROSYS」をはじめとするIoT市場向け製品群の売上は増加しました。
利益面は、売上の増加と生産性の向上により、増益となりました。
この結果、受注高は126億7百万円(前年同期比3.6%増)、売上高は122億78百万円(同8.8%増)、セグメント利益は9億88百万円(同50.2%増)となりました。
受注は、空港向け大型案件がけん引し、半導体生産ライン向けも好調に推移しました。一般製造業および流通業はeコマース向けが堅調に推移しました。自動車生産ライン向けは、自動車会社が車種戦略を慎重に検討している影響を受けました。
売上は受注時期や進捗の遅れなどでやや減少した一方、利益面では採算の悪い案件が一巡して改善しました。
この結果、受注高は881億57百万円(前年同期比1.8%減)、売上高は682億44百万円(同7.9%減)、セグメント利益は35億94百万円(同66.5%増)となりました。
④Clean Factomation, Inc.(CFI)
Clean Factomation, Inc.は、韓国にある当社100%子会社で、主に同国の半導体メーカーにクリーンルーム内搬送システムを提供しています。また、当社グループ内の日本、台湾、中国の工場と連携して、同システムのグローバル生産の一翼を担い、業績は順調に推移しました。
この結果、受注高は288億48百万円(前年同期比20.1%増)、売上高は262億80百万円(同65.2%増)、セグメント利益は22億6百万円(同78.5%増)となりました。
主な販売先であるサービスステーション、カーディーラーなどカー・アフターマーケットともに、販売台数は堅調に推移しています。
従来市場に加えて、バス業界を開拓するため、大口径スポットノズルが車窓の水滴を効果的に除去する大型洗車機用の乾燥システム「ゼットブロー」を発売しました。訪日客の増加による観光バスの需要増に応え、ドライバーの労働環境の改善に寄与します。
この結果、受注高は88億73百万円(前年同期比2.1%増)、売上高は87億90百万円(同1.3%増)、セグメント利益は1億20百万円(同76.5%増)となりました。
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社53社のうち、上記②③④⑤以外の国内外の子会社です。
主要な海外子会社には、大福(中国)有限公司、台灣大福高科技設備股分有限公司、Daifuku Korea Co., Ltd.、Daifuku (Thailand) Ltd.などがあり、主にマテリアルハンドリングシステム・機器の製造・販売等を行っています。各社とも、グローバルな最適地生産・調達体制の一翼を担い、所在国から国外への輸出も増やしています。
中国では、液晶工場向けの受注が第3四半期連結会計期間は一時的に低かったものの、売上は堅調でした。食品、医薬、自動車部品、eコマースなどの流通業向けなどでも、マテリアルハンドリングシステムの需要の裾野が拡大しています。自動車関連は、日系自動車メーカーを中心に設備投資意欲が旺盛で、受注・売上・利益ともに好調に推移しています。
台湾では、最先端の半導体工場向けシステムの受注が伸びています。
韓国では、自動車生産ライン向けシステムの受注、洗車機の販売が堅調に推移しています。
アセアン諸国やインドでは、食品・日用雑貨・医薬品などの製造業への設備投資は活発で、特に冷凍食品業界の需要が伸びています。タイは自動車の生産が好調で設備投資気運が出てきたほか、輸出企業を中心にした倉庫不足により食品・医薬・飲料関係の引き合いが増加傾向にあり、自動倉庫が広く認知されてきました。
ニュージーランドのBCS Group Limitedは、グループ企業と協業して、オセアニア以外での事業展開を広く強化し、空港の搬送システムだけでなくセルフ手荷物チェックインシステムなどの販売も伸ばしています。
この結果、受注高は611億62百万円(前年同期比22.3%減)、売上高は683億11百万円(同31.8%増)、セグメント利益は35億6百万円(同75.2%増)となりました。
当社グループの財政状態については以下のとおりであります。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
①資産の部について
当第3四半期連結会計期間末における総資産は4,118億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ388億9百万円増加いたしました。流動資産の441億70百万円の増加につきましては、現金及び預金が183億70百万円、受取手形・完成工事未収入金等が118億24百万円増加したことが主な要因であります。前者は関連会社株式の売却や、主として国内において前期末の大型案件に係る代金の回収・請負代金の前受があったこと、後者は売上の増加が寄与しました。
一方、固定資産の53億61百万円の減少につきましては、関連会社株式の減少等で、投資その他の資産のその他が56億92百万円減少したことが主な要因であります。
②負債の部について
当第3四半期連結会計期間末における負債は1,991億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ176億37百万円増加いたしました。流動負債の217億95百万円の増加につきましては、海外案件の前受があったことで未成工事受入金等が45億97百万円、在外子会社の借入を中心に短期借入金が90億円、支払手形・工事未払金等が72億49百万円、それぞれ増加したことが主な要因であります。
一方、固定負債の41億58百万円の減少につきましては、主として退職給付に係る負債が43億83百万円減少したことが要因であります。
③純資産の部について
当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,126億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ211億72百万円増加いたしました。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、利益剰余金が232億56百万円増加したことが主な要因であります。
当社グループは「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」をトータルソリューションのコアとなるシステムととらえ、最適・最良のマテリアルハンドリングシステムおよび電子機器を幅広く国内外の産業界へ提供するため、新システム・新製品の開発に取り組んでおります。昨今は、企業に求められる社会的責任が経済的側面から環境・社会活動まで含む概念へと広がっており、当社としても品質・環境・安全等にも配慮した製品やシステムの開発に努めています。
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は64億円であります。
報告セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。なお、株式会社ダイフクプラスモアは洗車機等の販売に特化し、研究開発活動は行っていないため記載しておりません。
①株式会社ダイフク
a.一般製造業および流通業向け製品
設備に異常が発生した際、発生前後の映像とセンサなどの入出力情報を関連付けて収集・再生を行う遠隔監視システムを開発しました。異常発生時の状況が現地と離れた事務所内などで容易に確認できるようになり、復旧時間の短縮につながりました。また、技術者の現地派遣が最小限となり、業務効率の向上にもつながっています。
b. 半導体および液晶パネル生産ライン向け製品
半導体生産ライン向けでは最先端の回路線幅である7ナノ~5ナノの搬送・保管システムの開発を行っています。また、液晶パネル生産ラインの有機EL蒸着装置向けのマスク搬送システムの開発などを行っています。ソフトウェア面ではシステムの搬送効率の大幅な向上やメンテナンスの利便性を向上させるためにAIを導入する開発を行っています。
c.自動車生産ライン向け製品
自動化と同時に安全な作業環境が求められる自動車組立工場では、ヒトが作業する工程において、台車や搬送物に人が接触しても安全であるシステムが求められています。個別の駆動部を持つ「フレキシブルドライブシステム」に低推力タイプを開発し、従来の高推力・高速駆動ラインの中に、ヒトが安全に作業を行える工程を組み込むことを可能にしました。本質的な安全を求める各工場での採用が始まっています。
d.洗車機
大型洗車機向けの乾燥システムとして、11月に「ゼットブロー」を発売しました。「ゼットブロー」は、新たに開発した大口径スポットノズルが広範囲に強風を吹き付けることで水滴を効果的に除去し、大型バス・マイクロバスの車窓をよりクリアにするものです。近年、訪日外国人客のバス利用が増える一方で、働き方改革でドライバーの労働環境の改善が求められています。従来のサービスステーション市場に加えて、バス業界への拡販を強化していきます。
当第3四半期連結累計期間における当社が支出した研究開発費の総額は51億18百万円です。
②コンテックグループ
IoT機器製品では、お客さまのご要望をパッケージ化した製品「CONPROSYS Alpha」シリーズを開発し、10月から販売を開始しました。また、エッジコンピューティング※に最適な機能と拡張性を搭載した「CONPROSYS CPS-BXC200シリーズ」も11月から販売を開始しました。
※エッジコンピューティング:ユーザーや端末の近いところでデータを処理することで、
上位システムへの負荷や通信遅延を解消する方法の一つ。
産業用コンピュータ製品では、最長で7年間のオンサイト保守に対応した「VPC-700シリーズ」を開発し10月から販売を開始しました。
当第3四半期連結累計期間における当グループが支出した研究開発費の総額は8億68百万円です。
③Daifuku North America Holding Company(DNAHC)グループ
空港向け手荷物搬送システムでは引き続き、お客さまニーズ、競争力向上に即した改良を進めるとともに、生産・工事の両面からコストダウンに取り組んでいます。
一般製造業・流通業向けシステムでは、ピッキングや倉庫管理システムの開発に力を入れています。
当第3四半期連結累計期間における当グループが支出した研究開発費の総額は98百万円です。
④Clean Factomation, Inc.(CFI)
ダイフクが開発した半導体生産ライン向けクリーンルーム内搬送システムに付随する関連装置の改良・改善に関する開発および半導体後工程に関する機器の開発を行っています。
当第3四半期連結累計期間における当社が支出した研究開発費の総額は1億94百万円であります。