本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社は、①最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する
②自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する
の経営理念のもと、長年培ってきた「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」のマテリアルハンドリング技術で、生産・流通・サービス等さまざまな分野のお客さまの物流ニーズに応えてきました。
世界中のお客さまの立場に立って、最適・最良の製品・サービスを提供することに努めてきた結果、売上高世界ナンバーワン※のマテリアルハンドリングメーカーに成長しました。
※米国Modern Materials Handling誌2020年5月記事
4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」の最終年度である2021年3月期の経営目標は連結売上高5,000億円、営業利益率11.5%です。これに対して、2020年3月期の業績は売上高4,436億円、営業利益率9.1%となりました。半導体・液晶業界の設備投資減少の影響を大きく受けたほか、グローバルな視点でのコスト改善、大型プロジェクトの予算管理などが課題となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響などを勘案した業績見通しは「第2〔事業の状況〕3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕」、リスクや対応策については「第2〔事業の状況〕2〔事業等のリスク〕」をご覧ください。
一方、財務面においては、「Value Innovation 2020」の目標であるROE10%以上を維持し、自己資本比率56.7%、D/Eレシオ0.14倍と強固な財務体質を構築しています(〔図〕中期経営計画における財務状況)。新型コロナウイルス感染症による景気後退局面にあっても、幅広い業界の大手企業をお客さまとしており、高い復元力を有していると認識しています。
当社の主な事業であるマテリアルハンドリングシステムは、①一般製造業および流通業向けシステム、②半導体・液晶生産ライン向けシステム、③自動車生産ライン向けシステム、④空港向けシステムの4つをコアとし、他に例を見ない事業ポートフォリオになっていることが強みです。売上高総計での世界ナンバーワンに甘んじることなく、個々の事業領域においてすべてのコア事業がグローバル・トップに立つことを目指します。
〔図〕中期経営計画における財務状況

(2)経営環境
① 事業環境
産業界全般に、新型コロナウイルス感染症により、先行きを見通し難い状況にありますが、当社のお客さまは、「eコマース」「デジタル革命」「自動運転・電気自動車へのシフト」「航空旅客数増」等、事業環境の大きな変化に加え、人手不足という社会問題にも直面しており、当社の提供する物流ソリューションに引き続き期待が寄せられているものと確信しています。
② 競争環境
マテリアルハンドリング市場の拡大に伴い、従来の欧米メーカーに加え、中国などの新興メーカーが参入・成長してきており、競争は今後さらに激化することが見込まれています。
コンサルティングから、ものづくり・アフターサービスまでの一貫体制、および豊富な機器・ソフトのラインアップを通じて最適・最良のシステムを提供するという当社グループの強みをグローバルに発揮することに加え、抜本的なコスト改革にも取り組み、厳しい競争に打ち勝ってまいります。
③ グローバル化・ローカル化
当社グループの2020年3月期の海外売上高比率は65%となりましたが、一般製造業および流通業向けシステムは日本国内向けが7割程度なのに対し、半導体・液晶生産ライン向けシステムは逆にお客さまのほとんどが海外といったようにグローバル化にも事業ごとに違いがあります。それぞれの事業でトップを目指すためのグローバル戦略を立て実行していく「グローバル事業体制の確立」が重要な課題です。
「グローバル事業体制の確立」に資する、全社的・横断的な改革にも取り組んでいます。最大の子会社である北米のDaifuku North America Holding Companyの子会社群は事業、製品、地域などの構成が複雑でしたが、お客さまの業界別に再編しました。
グローバル化推進と同時に、26カ国・地域に広がっている海外子会社のローカル化にも注力する必要があり、地域に根付いた営業・工事・サービス活動の推進を主導する人材の登用を進めています。
当社グループは、主要製品の内製化により機能や品質、価格面を向上させることが、他社との差異化、強みにつながると考えています。このため、生産の現地化に積極的な投資を行ってきました。2018年の韓国(Daifuku Korea Co., Ltd.)を手始めに、2019年には、タイ(Daifuku (Thailand) Ltd.)、中国(大福(中国)物流設備有限公司)も増強、インドにおいては物流システム企業を買収し、従来の約2倍の生産能力を持つ北米新工場(Wynright Corporation)も稼働を開始しました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の世界経済に及ぼす影響は1930年代の大恐慌以来の規模であるとも言われており、現時点ではその規模や期間の長さを見通すことはできていませんが、企業の総合力があらゆる面で試されることだけは確かであると認識しています。幸い、当社グループはeコマースや半導体など今後も成長が期待できる有望分野のお客さまに恵まれており、生産設備や様々なノウハウを有する人材などの有形無形の資産も豊富です。従来からの課題や、今後顕在化してくる課題を、優先順位の高いものから一つ一つ解決していくことで、中長期的な成長を目指してまいります。
従来からの課題で最大のものは、収益性の向上です。2020年3月期に一部大型案件で発生させた追加コストをなくすため、プロジェクト管理を徹底していきます。
また、特にアジア市場において成長著しい新興メーカーとの競争に勝たねばなりません。製品開発については、これまでもさまざまな日本初、世界初となる製品・システムを世に送り出してきた当社ですが、アンテナを高く張り巡らせ常に変化していく社会ニーズを捉えてトップランナーであり続けるのはもちろん、コストダウン開発、コスト改革に注力します。
「安全」「コンプライアンス」「ガバナンス」「環境」についても、引き続き優先的に取り組むべき重要な課題であると捉えています。
① 「安全専一」の徹底
「社員一人一人が創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築いていく」という人間尊重の経営を進めていくうえで、また、足元の新型コロナウイルス感染症の脅威を打開するうえでも、社員やその家族、お客さま、お取引先の生命・健康・安全を確保することが何よりも優先されます。生産・工事・サービスを担う社員を抱える当社グループでは、「安全は、『第一』『第二』と相対的な順位を付けるものではなく、絶対的なもの、『専一』のものである」という決意で全社一丸となって災害の撲滅に取り組んでいます。引き続き、この取り組みを強化します。
② コンプライアンス遵守の徹底
コンプライアンス意識の社会的な高まりの中、法務リスクの管理を適切に行い、グローバル規模で法令遵守への取り組みを徹底させることを目的として、2019年10月に法務やコンプライアンス部門を統合し、「法務・コンプライアンス本部」に昇格させました。
③ ガナバンスのさらなる強化
2019年4月に監査本部を新設し、その本部長には執行役員と同格である監査役員を充て、「コーポレートガバナンスの強化」を図りました。加えて、2020年4月に、監査役の監査の実効性を高めるため、監査役および監査役会の実務を補助する監査役室を新設し、室長には監査役員を充てています。
④ 環境に配慮した経営
従来の環境だけに特化した「環境経営推進委員会」を、2020年4月より幅広く社会に貢献する取り組みを推進する「サステナビリティ委員会」に改編し、CEOを委員長としました。
また、2019年5月に賛同表明したTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に基づいて、気候変動が経営に与える影響の分析、さらに次期環境ビジョンの策定を進めています。
このようにE(環境)、S(社会)、G(企業統治)のそれぞれの取り組みを深化させ、一層の企業価値・社会的価値向上に結び付けていきます。
本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
<リスク分析の方法>
(1)リスクの管理体制
当社グループは、CEO(代表取締役社長)を最高責任者として、リスクマネジメント規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しています。
人類にとっての喫緊の課題として重要性が増している気候変動リスクは、CEO直轄のサステナビリティ委員会が全社的な取り組みを推進しています。
全社的なリスク、気候変動リスクともに、必要に応じて外部専門家の見解を取り入れ、リスク分析の結果を取締役会に報告しています。
(2)リスク分析の前提条件
当社グループが、リスク分析に当たり主に考慮すべきと考えている前提条件は、以下のとおりです。
・特定業種のお客さまの設備投資動向の影響を大きく受けること
・業態として、長期のプラント工事を伴うこと
・売上の70%近くを海外で上げているグローバル企業であること
・業績やグループ規模が急成長し、今後も持続的成長が見込まれること
・物流システムが重要な社会インフラとして認知され、社会的注目度が向上していること
(3)リスクアセスメント調査
当社グループは、リスクマネジメント規程に則り、リスクアセスメント調査を毎年実施しています。
2019年度は、以下の改善を盛り込んだ調査を行いました。
・従来は社内主管部門が調査していたが、初めて、外部第三者機関に助言を求め、他社比較も加味して
より客観性のある調査とした。
・調査内容を拡大してグループ全体のリスクを洗い出した。
・外部専門機関によるヒアリングを併せて行い、その知見を加えてリスクマップ(リスクの重要度評価)を補正した。
(4)リスク重要度評価の方法
当社のリスクマップ(リスクの重要度評価)は、国内外の部長職相当者からの調査結果を基に「発生頻度」、「影響度」の2つの評価軸でマッピングを行い、リスク対策の優先度を決定しています。優先順位が高いものから、「シビアリスク」、「ハイリスク」、「ミドルリスク」、「ローリスク」、及び「リスクなし」の5段階に区分しています。リスクの発生頻度、影響度はそれぞれ1~5の5段階で評価し、数字が高いほどリスクが高くなります(図 リスクの2019年度重要度評価)。
〔図〕リスクの2019年度重要度評価

<主要なリスク>
経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、前記リスクマップで「シビアリスク」「ハイリスク」と分類されたリスクであり、以下のとおりとなります。なお、前記リスクマップで「ミドルリスク」、「ローリスク」と分類されたリスクについては、担当部門単位での定常的な把握や対策確認等を行います。
(1)シビアリスク
「シビアリスク」は、経営層が中心となり主体的に管理するリスクです。「シビアリスク」として認識された主な項目は、以下のとおりです。影響度と発生頻度を総合的に評価した順序で記載しています。(2)ハイリスクも同様です。
・経済危機・景気変動、グループ会社不祥事、海外子会社の管理不備
・後継者(役員席、役職者)の教育及び人材育成、人材の確保・社員の離職によるリスク、作業者・従業員の
不足
・大規模な自然災害、マスコミによる批判・風評被害、メディア対応の失敗
① 経済危機・景気変動、海外子会社の管理不備
当社は、2019年12月の株式会社格付投資情報センター(R&I)の発行体格付において、格付「A(シングルAフラット)」を維持しましたが、同社から、「(半導体・液晶業界の)顧客の設備投資の振れ幅が非常に大きい点に注意が必要」、「案件の大型化や長期化の傾向があることから、プロジェクトの採算管理をより強化する必要がある」との指摘がありました。この指摘は、当社が行ったリスクアセスメント調査の結果とも一致しています。
半導体・液晶業界を主体とするエレクトロニクス業界は景気変動の波が大きく、設備投資の減少により、同業界向けの2019年度売上は前年度に比べて、24.1%減少しました。
当社グループ全体の売上のうち65%は海外売上です。主要製品を生産・輸出するダイフクだけでなく、現地で生産・工事・サービスを行う子会社との連携、特に工事を担当する子会社のプロジェクト予算管理が非常に重要であると認識しています。当社は、経済危機・景気変動、海外子会社の管理不備が経営成績に影響する度合いが特に大きいことを再認識し、予算や進行管理の精度向上に努めます。
しかしながら、技術革新のスピードが非常に早い半導体・液晶業界の設備投資動向は、短期間で急速に変化するため、完全な予測は困難です。また、プロジェクト管理の難度は建設地や納期、建屋も含めた進捗、技術的な要素などの条件によって個々の案件ごとに異なるうえに、複数案件の集中度合いによっては人手の確保が難しくなり、工事コストが上昇する可能性があります。
② コンプライアンスに関するリスク
当社グループの急成長、子会社や従業員の急速な増加により、2019年度の当社グループの連結会社数は56社、従業員は10,863名に達し、そのうち7,312名(67%)は海外在住者です。
当社グループは、不祥事の発生などを含むコンプライアンスに関する広範なリスクに対応するために、
・監査本部を設置して内部統制システムを強化する
・内部通報制度を改善する
・法務・コンプライアンス本部を発足させる
などの手段を講じ、2020年度は監査役の監査の実効性をより高めるために、監査役および監査役会の職務を補助する監査役室を設けました。しかしながら、管理対象の大幅な増加等により、コンプライアンスリスクが増す可能性があります。
③人材に関するリスク
後継者の育成に関しては、早期選抜制度、海外子会社での経営経験の取得などの機会を設けています。また、人材の採用、教育、育成に関しては、働き方改革の推進や処遇の改善などを図っていますが、効果が出るには一定の時間を必要とします。
また、マテリアルハンドリングシステムに関する技術者・技能者は、eコマースの進展などにより、世界的な人手不足が懸念されています。
④大規模な自然災害によるリスク
地震、津波など大規模な自然災害の発生により、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなり、事業活動が中断するリスクがあります。世界的に流行するような感染症も、大規模な自然災害の一つとして分類しています。新型コロナウイルス感染症による影響は、別途後述します。
(2)ハイリスク
「ハイリスク」は、主管部門が中心となり定期的に経営層に状況報告するリスクです。「ハイリスク」として認識された主な項目は以下のとおりです。
・急激な為替、金利、株価変動
・サイバー攻撃
・企業買収の失敗
・競争法違反
・過労死・過労による自殺
・火災・爆発
・政変・内乱・紛争
(3)新型コロナウイルス感染症のリスク
当社グループは、従前より、地震や津波などに備えてBCP体制を構築しており、2020年1月以降に影響が顕在化した新型コロナウイルス感染症に対しては、CEOを最高責任者とする新型肺炎対策本部を立ち上げて対処しています。
国内外の政府や行政機関のガイドラインに則って営業活動を行い、在宅勤務の実施などにより、感染拡大のリスクを最小限に抑えています。長年にわたるグローバルなICTインフラ整備により、在宅勤務などもスムーズに導入でき、通常の事業活動に大幅な支障はきたしていません。
新型コロナウイルス感染症による主なリスクとしては、当社グループおよびお客さまの移動・出社・活動制限、感染者の発生による事業活動の遅延停滞、景気後退に伴うお客さま設備投資の延期・中止、減産による損益分岐点の上昇などが考えられます。
当社グループの主力生産拠点である滋賀事業所は、新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けておらず、サプライチェーンも健全に機能しています。また、当社グループの海外子会社の工場や営業所、サービス拠点は、各国政府・行政機関の方針に適宜対応して操業しています。
お客さまは業界のトップクラスの企業が多く、信用面での不安は少ないのはもちろん、景況感が悪い時期にでも前向きに設備投資をされる姿勢が見られます。
当社グループの財務体質も自己資本比率56.7%、D/Eレシオ0.14倍と強固であり、財務基盤を大きく毀損するような懸念事項はありません。
上記のような事業環境、自社体制の整備により、本リスクによる影響を最小にしつつ、社員とその家族、お客さま、お取引先などの生命・健康・安全を最優先にすることで、持続的成長を期します。
しかしながら、前記のとおり、新型コロナウイルス感染症が世界経済に及ぼす影響の大きさや期間の長さは現時点では見通せておらず、リスクの及ぶ範囲がさらに拡大する可能性もあると認識しています。
2021年3月期の業績予想は、各事業部門が新型コロナウィルス感染症の影響を精査して取締役会に報告したうえで開示しています。前提などを含めた詳細は、「3 〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要」をご覧ください。
(4)気候変動リスク
当社は、2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Taskforce on Climate-related Financial Disclosures)勧告に賛同を表明しました。気候変動リスクを以下のプロセスに沿って評価し、2020年5月に、TCFDの枠組みに沿った情報を当社ウェブサイトで開示しています。
https://www.daifuku.com/jp/sustainability/news/2020/0529_01/
①リスク識別・評価のプロセス
外部専門家を交えたワーキンググループを設置し、シナリオ分析を行いました。その結果、「事業コスト増加の影響があるものの、それを上回る製品・サービス需要の拡大が見込まれる」という結論を得ています。
具体的には、21世紀中の気温の上昇が
1) 4℃となる場合(現状のまま世界が温室効果ガス排出)と
2) 1.5℃未満となる場合(温室効果ガスの排出規制が急速に強化される)
の2つのシナリオに基づいてそれぞれの分析をしたところ、1)では台風や水害など、2)では炭素税課税などでの事業コスト増加の影響が見込まれること、いずれのシナリオにおいても自動化投資の促進や環境配慮型製品のニーズの高まりが見込まれ、コストを上回る製品・サービス需要が拡大する見通しであることがわかりました。
詳細は、〔図〕シナリオ分析結果をご覧ください。
〔図〕シナリオ分析結果

②気候変動リスクの管理プロセス
事業運営・製品の両側面から、専門委員会を通じて、気候関連リスクの緩和・移転・受容・管理を具体化していきます。具体的には、気候関連リスクに優先順位を付けて、自社よりも顧客でのエネルギー使用に伴うCO2排出量が圧倒的に多いことに着目し、環境配慮製品の開発・販売に注力してまいります。
③組織全体の気候変動リスク管理への統合状況
気候変動リスクは、サステナビリティ委員会が一元的な管理を行います。外部専門家の見解を取り入れ、必要に応じて取締役会に報告します。
当連結会計年度における世界の経済は、前半は米国で景気拡大が続き、日本や欧州、新興国でも総じて堅調に推移しました。一方、後半は米中の貿易摩擦、中国経済の減速、新型コロナウイルスの感染拡大により先行きが不透明な状況で推移しました。
前記のとおり、新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは早期に対策本部を立ち上げ、社員とその家族、お客さま、お取引先の安全確保を最優先とし、対策に当たってまいりました。主力生産拠点の滋賀事業所は新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けておらず、サプライチェーンも健全に機能しています。海外子会社の工場や営業所、サービス拠点は、各国政府・行政機関の方針に適宜対応し操業しています。
当連結会計年度への影響としては、当社の海外子会社はそのほとんどが12月末決算であるため、売上・利益への影響は軽微でした。一方、受注面では、在宅勤務・移動制限などにより、一部先送り案件が生じました。
このような経済・事業環境の中、当社グループの受注は、半導体・液晶業界の設備投資減少の影響を受けましたが、一方で、グローバル規模でのヒト・モノの動きの増加、流通形態の変化や、IoTなどの技術革新による産業構造の変化、人手不足による自動化投資に支えられ、一般製造業および流通業向けシステムはeコマース、医薬卸、食品業界を中心に堅調に推移しました。また、自動車生産ライン向けシステムも過去最大となる大型案件を北米で受注しました(〔図1〕業種別受注高・売上高、〔図3〕地域別受注高・売上高)。
売上は、高水準の受注残をベースに堅調に推移したものの、半導体・液晶業界からの当期売上分の受注減少の影響により、前期の実績にはおよびませんでした。
この結果、当連結会計年度の受注高は4,831億84百万円(前年同期比4.0%減)、売上高は4,436億94百万円(同3.4%減)となりました。
利益は、半導体・液晶生産ライン向けシステムにおいて、大型案件の受注金額ダウンに加え追加コスト発生により、利益率低下の影響を受けました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した関係会社株式の売却益(69億48百万円=連結簿価との差額)がなくなっていることや、のれんの一時償却の影響等を受けました。
この結果、営業利益は404億97百万円(同25.9%減)、経常利益は409億76百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、280億63百万円(同29.1%減)となりました。(〔図1〕業種別受注高・売上高)
[図1]業種別受注高・売上高
ROEは12.4%となり、前年度の19.5%より低下しました。これは主に売上高当期純利益率が6.3%となり、前年度の8.6%から低下したことによるものです。
2021年3月期の業績予想は新型コロナウイルス感染症の影響なども勘案し、売上高4,600億円、営業利益410億円、経常利益418億円、親会社株主に帰属する当期純利益290億円、売上高営業利益率8.9%としています。本見込みは、当社グループの事業は長期にわたるプラント工事を要するものが中心で、売上・利益は前年度の受注残高に基づいて進行する割合が多いこと、海外子会社は12月決算のため2020年1月~3月の海外子会社第1四半期業績を先行して把握できること、一定のサービス売上高を見込めることなどを基に見積りました。
上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、国内外の経済・競合状況、各種リスク要因等の様々な不確定要素により、実際の業績は記載の見通しと異なる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症が世界経済に及ぼす影響の大きさや期間の長さは現時点では見通せていません。新型コロナウイルス感染症について認識しているリスクや対応策は、「第2〔事業の状況〕2〔事業等のリスク〕」をご覧ください。
2020年3月期 実績
セグメントごとの業績は次のとおりです(〔図2〕報告セグメントの業績)。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高、セグメント利益は親会社株主に帰属する当期純利益を記載しています。セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。
当連結会計年度の期首より、これまで報告セグメントとして記載していた「株式会社ダイフクプラスモア」は、重要性が低下したことに伴い、「その他」に含めることにしました。
[図2]報告セグメントの業績
※1 DNAHC = Daifuku North America Holding Company ※2 CFI = Clean Factomation, Inc.
受注は、東アジア・北米の半導体工場向け輸出案件が伸び悩んだ影響はあったものの、国内の一般製造業および流通業向けの大型システムや、自動車生産ライン向けのサービス・小規模の改造案件に支えられ堅調に推移しました。
売上は、一般製造業および流通業向けをはじめとする豊富な受注残をベースに堅調に推移し、ほぼ前年同期並みの水準を維持しました。
利益は、上期については半導体・液晶生産ライン向けシステムにおいて、大型案件の受注金額ダウンに加え追加コスト発生による利益率低下の影響を受けましたが、下期については一般製造業および流通業向けシステムの増収効果、収益性改善がけん引し前年下期の営業利益実績を上回りました。セグメント利益は、前期に計上した関係会社株式の売却益(80億30百万円=取得原価との差額)がなくなっていること、関係会社株式の評価損の影響等を受けました。
この結果、受注高は2,183億60百万円(前年同期比5.7%減)、売上高は2,044億43百万円(同0.9%増)、セグメント利益は186億99百万円(同44.6%減)となりました。
・産業用コンピュータ製品
米国では、医療機器需要が順調に拡大したことに伴い、売上が増加しました。また、日本でも、物流関連向けの大型案件を受注したこともあり、売上が増加しました。
・計測制御製品
「CONPROSYS」などのIoT市場向け製品の売上は堅調に推移しましたが、企業の設備投資が減速した影響を受けて、工場等で使用される計測制御用ボードの販売は減少しました。
・ソリューション製品
自動車関連業界の設備投資減少の影響を受けて、関連システムの販売が減少しました。
コンテックグループ全体として、受注高は増加した一方、売上高は伸び悩み、利益面では投資有価証券の売却による特別利益の計上はあったものの、前年同期実績に届きませんでした。
この結果、受注高は168億31百万円(前年同期比2.6%増)、売上高は163億52百万円(同0.2%減)、セグメント利益は16億7百万円(同0.6%減)となりました。
受注は、自動車生産ライン向けシステムで、既存工場の設備リニューアル、新車種対応を目的とした大型案件を獲得したことが寄与し、大きく伸びました。一般製造業および流通業向けシステムはeコマース向けが堅調に推移しました。空港向けシステムの新規案件、半導体生産ライン向けシステムは受注時期の遅れなどの影響を受けました。
売上は、一般製造業および流通業向けシステムが進捗の遅れにより減少しましたが、半導体、自動車、空港向けがけん引し、堅調に伸びました。
利益面では、増収効果に加え、前期に計上した傘下のWebb社の確定給付年金のバイアウトに伴う特別損失(65億13百万円)、Wynright Corporationにおける固定資産減損損失(8億7百万円)がなくなっていることにより大幅に増益となりました。
この結果、受注高は1,367億57百万円(前年同期比24.9%増)、売上高は1,022億53百万円(同5.2%増)、セグメント利益は62億95百万円(同1,356.5%増)となりました。
④ Clean Factomation, Inc.(CFI)
Clean Factomation, Inc. は、主に韓国の半導体メーカーにクリーンルーム内搬送システムを提供しています。
受注は、メモリー半導体需要の回復が遅れていることにより減少しました。売上は前期の実績にはおよびませんでしたが、利益は堅調に推移しました。
この結果、受注高は238億4百万円(前年同期比43.0%減)、売上高は326億85百万円(同4.5%減)、セグメント利益は25億82百万円(同1.4%増)となりました。
⑤ その他
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社55社のうち、上記②③④以外の国内外の子会社です。各社とも、マテリアルハンドリングシステム・機器、洗車機の製造や販売を行っています。
国内子会社:
株式会社ダイフクプラスモアは、国内で洗車機を販売しています。サービスステーション向けで石油元売り各社の統合・資本提携に伴う需要があり、カーディーラー向け、トラック・バス用の大型洗車機と併せて、販売台数は堅調に推移しました。
海外子会社:
中国・台湾・韓国・タイ・インドに主要な生産拠点があり、グローバルな最適地生産・調達体制の一翼を担っています。
中国では、液晶業界全体の設備投資が減少しているものの有機ELパネル工場の建設が今後も期待されています。一般製造業および流通業向けシステムは受注・売上ともに前期にはおよばなかったものの食品、医薬、eコマース向けの需要は底堅く推移しています。自動車関連では、日系自動車メーカーを中心に顧客密着体制を構築し、受注は堅調に推移し、売上は前期を上回りました。こうした状況を受け、工場の増設・拡張リニューアル、営業・サービス拠点の開設、トレーニングセンターの設置などを進めました。
台湾では、半導体生産ライン向けシステムが受注・売上ともに順調に推移しました。
韓国では、経済全般の厳しさが影響し、自動車生産ライン向けシステムの受注・売上が減少しました。
アセアン諸国やインドでは、特にインド・ベトナムで食品・日用雑貨・医薬品などの製造業の設備投資が活発です。両国に設けた海外子会社でこうした需要を取り込むとともに、タイの拠点に新工場棟を建設するなど現地生産を強化しました。
ニュージーランドのBCS Group Limitedは、空港向けシステムのオセアニア地区以外での事業展開の強化にグループ企業と協業して取り組み、セルフ手荷物チェックインシステム「セルフバッグドロップ」などの日本国内での販売等を伸ばしたものの、プロジェクト管理で課題を残しました。
この結果、受注高は874億30百万円(前年同期比16.8%減)、売上高は939億86百万円(同15.2%減)、セグメント利益は25億25百万円(同56.1%減)となりました。
このほか、2019年4月にはM&Aによりインドで一般製造業および流通業向けシステムの生産拠点を確保しました。同8月には有力な製造拠点として各国の企業が進出し、自動化ニーズが高まりつつあるベトナムに子会社を設立するとともに、空港向けシステムのデジタル技術強化を目的としてオランダおよびオーストラリアの企業をM&Aで取得しました。
[図3]地域別受注高・売上高
①資産の部について
当連結会計年度末における総資産は4,108億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億4百万円増加しました。流動資産の65億56百万円の減少につきましては、受取手形・完成工事未収入金等が108億45百万円、その他の流動資産が36億27百万円増加したものの、現金及び預金が200億8百万円減少したことが主な要因です。
一方、固定資産の74億61百万円の増加につきましては、建物及び構築物が61億61百万円増加したことが主な要因です。
②負債の部について
当連結会計年度末における負債は1,735億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ135億66百万円減少しました。流動負債の172億66百万円の減少につきましては、海外子会社等の借入の返済により短期借入金が76億59百万円、法人税等の支払いにより未払法人税等が107億89百万円それぞれ減少したことが主な要因です。
一方、固定負債の37億円の増加につきましては、国内の借入を中心に長期借入金が10億75百万円、その他の固定負債が19億76百万円それぞれ増加したことが主な要因です。
③純資産の部について
当連結会計年度末における純資産は2,373億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ144億71百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が165億69百万円増加したことが主な要因です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ200億20百万円減少し、708億83百万円(前年同期は909億3百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動におきましては、137億6百万円の収入超過(前年同期は85億59百万円の収入超過)となりました。これは、売上債権の増加額が120億53百万円、法人税等の支払額が223億16百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が398億8百万円、未成工事受入金の増加額が28億25百万円あったことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動におきましては、147億91百万円の支出超過(前年同期は59億37百万円の収入超過)となりました。これは、固定資産の取得による支出が128億15百万円、関係会社株式の取得による支出が29億1百万円あったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動におきましては、183億54百万円の支出超過(前年同期は68億93百万円の支出超過)となりました。これは海外子会社等における短期借入金の返済による支出が50億64百万円、配当金の支払額が113億31百万円あったことが主な要因です。
連結キャッシュ・フローの指標は次のとおりです。
自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分-新株予約権)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象とし
ております。
5 利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を50%以上に保ち、「A(シングルAフラット)」以上の発行体格付(株式会社格付投資情報センター(R&I)による格付)の維持向上を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで金融機関からの借入や社債の発行などの活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
2)経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現預金の水準について、売上高の約1.5カ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。また、株主の皆さまに対する利益還元を最重要課題と位置づけ、剰余金の配当につきましては、株主の皆さまへのさらなる利益還元を視野に入れて、連結当期純利益をベースとする業績連動による配当政策を取り入れるとともに、残余の剰余金につきましては内部留保金として、今後の成長に向けた投資資金に充てる方針です。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。現中期経営計画(2017年度から2020年度の4年間累計)では、本社事務棟の建設、滋賀事業所等での建物・製造設備の新増設、北米子会社の新工場棟建設、国内外ソフトウェア更新投資等、総額387億円となる予定です。
3)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための、原材料・部品の仕入、加工、組立等の変動費、ならびに製造間接費・販売費及び一般管理費等の固定費です。
固定費の主なものは人件費、構内外注費、設計外注費、研究開発費、賃借料等です。
4)資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。なお、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を国内グループ会社で運用しています。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、当社は、有価証券報告書提出日現在において、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A(シングルAフラット)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は問題なく調達可能であると認識しています。なお、国内金融機関において300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、完成工事高及び完成工事原価の計上基準として、当連結会計年度末までの進捗部分についての成果の確実性が認められる工事について原価比例法による進行基準を採用しております。成果の確実性及び工事原価総額については会計上の見積りが存在します。特に工事原価総額については顧客と合意した工事の仕様に基づき合理的な見積りを行っているものの、想定されていなかった事象の発生等により実績と乖離する可能性が存在します。
(6)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社です。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の調整額です。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の調整額です。
当連結会計年度(2020年3月期)は、受注は4.0%、売上は3.4%の減少ながら、親会社株主に帰属する当期純利益率利益は前期に計上した関係会社株式の売却益がなくなったこともあり29.1%減少しました。ROEは前年度の19.5%から12.4%になりましたが、総資産回転率は1.17回に対して1.08回、財務レバレッジは1.87倍に対して1.76倍と大差なく、売上高当期純利益率が8.6%から6.3%に低下したことが主な要因です。
業績に大きく影響したのは、半導体・液晶業界の景況感悪化、大型案件の工事追加コストです。一方、2018年3月期、2019年3月期の当社グループの業績は、同業界生産ライン向けシステムが大きく貢献しています。「デジタル革命」を支える半導体・液晶業界の設備投資需要への対応は、「eコマース」とともに経営戦略の柱の一つとして位置付けて注力してきた分野であり、今後は景況感の変動やリスク管理に十分留意しながら、収益力の向上を図ります。
一方、商業および小売業、運輸・倉庫、自動車および自動車部品、空港向けの売上は順調に推移しました((1)経営成績の状況の概要 [図1]業種別受注高・売上高)。
受注も順調で、過去最高の3,979億円の受注残を持って2021年3月期をスタートすることができました。報告セグメント別に見ると、「(1)経営成績の状況の概要 [図2]報告セグメントの業績」に記載のとおり、ダイフク、CFI、その他は東アジアの半導体・液晶業界の設備投資動向の影響を受けたものの、北米のDNAHCグループは順調に推移しました。
当社グループは、経営の基本方針である「最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する」「自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する」をベースに、特に日本・北米・アジアが相補いながら、持続的成長を期しています((1)経営成績の状況の概要 [図3]地域別受注高・売上高)。当連結会計年度も、国内外生産能力の増強、オランダやオーストラリアの会社のM&A、ベトナム現地法人の設立などに積極的に投資しました。
当社グループの経営成績の分析の詳細につきましては、「3 〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1) 経営成績等の状況の概要」、課題分析や今後の施策などの詳細は「1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕」をご参照ください。
4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」の最終年度である2021年3月期の経営目標は連結売上高5,000億円、営業利益率11.5%です。これに対して、当連結会計年度(2020年3月期)の業績は売上高4,436億円、営業利益率9.1%となりました。ROEは12.4%で、「Value Innovation 2020」の目標である10%以上を維持しました。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
当社グループの収益構造は、親会社株主に帰属する当期純利益の3分の2をダイフクが上げています((1)経営成績の状況の概要 [図2]報告セグメントの業績)。ダイフクのさらなる収益性向上を図ることはもちろん、ダイフク以外のセグメントの収益力を向上させることが課題です。
また、「3 事業の内容」に記載のとおり、当社グループの主な事業であるマテリアルハンドリングシステムの製造・販売は、グループ各社の密接な連携の上に成り立っており、グループ全体の横断的な取り組みが重要になります。詳細につきましては、「1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕(1)経営方針」をご参照ください。
該当事項はありません。
当社グループは「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」をトータルソリューションのコアとなるシステムととらえ、最適・最良のマテリアルハンドリングシステム及び電子機器を幅広く国内外の産業界へ提供するため、新システム・新製品の開発に取り組んでいます。昨今は、企業に求められる社会的責任が経済的側面から環境・社会活動まで含む概念へと広がっており、当社としても品質・環境・安全等にも配慮した製品やシステムの開発に努めています。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、
報告セグメント別の研究開発活動は次のとおりです。
① 株式会社ダイフク
1) 一般製造業および流通業向け製品
品質向上・生産性向上のため、自動倉庫の地上設定器の出荷前検査にロボットおよびカメラを使用した自動検査を導入しました。
障害の復旧時間の短縮のため、設備全体の操作、状態確認、異常復旧支援を行うMOS(Monitoring and Operation Support System)の機能を向上しました。タブレット端末でも設備の状態確認や、復旧作業も行えるようにしました。
2) 半導体および液晶パネル生産ライン向け製品
半導体生産ライン向けでは最先端の回路線幅である7ナノ~5ナノの搬送・保管システムの開発を行っています。液晶パネル生産ライン向けでは有機EL蒸着装置向けのマスク搬送システムの開発などを行いました。
また、半導体・液晶双方のお客さまがシステムを計画する際に、十分検討をしていただくためのシミュレーションやVRを活用したツールの開発にも力を入れています。
ソフトウェア面ではIoTおよびAIを活用しシステムの搬送効率の向上や振動の低減、メンテナンスの利便性向上などを図る開発を行っています。
3) 自動車生産ライン向け製品
自動車製造は裾野が広い産業で、生産ラインの停止は広範囲に影響を及ぼします。搬送設備や自動化設備の不具合はライン停止に直結する可能性が高く、より信頼性の高い設備となるよう開発を進めるとともに、当連結会計年度は安定稼働の維持を重要課題とし、稼働状態をIoTで収集、異常検知・寿命予測につなげる取り組みを進めました。2019年後半には手軽に後付可能な無線タイプのデータ収集装置をリリースし、客先工場での導入を開始しました。
4) 洗車機
セルフSS市場での拡販を目指し、2020年2月に新型ドライブスルー機「ファブリカ NEO」と「アバンテ NEO」を発売しました。新たな機能は、高密度ガラス系コーティング「プロストコート」、静音スポンジブラシ、防犯対策等に有効なセキュリティーカメラなどです。「プロストコート」は新開発のシリコン樹脂を多層構造とすることで、手がけコーティング同様の高い流水性や光沢性などを実現します。併せて業界初となる洗車機用スマートフォンアプリ「@Wash System」(アットウォッシュ システム)の運用を開始しました。アプリ会員は、キャッシュレス決済や洗車の定額制サービスなどが受けられます。
以上に記載の1)~4)を中心に、当社が支出した研究開発費の金額は
② コンテックグループ
IoT機器製品では、機器からのセンサー情報をさまざまな通信ネットワークに接続できる製品「IO-Link マスタ」を開発し、2019年6月から販売を開始しました。また、工場設備のモニタリング用に、設備の稼働監視を簡単に実現できる「積層信号灯計測機CPS-PAVシリーズ」を開発し、11月から販売を開始しました。
産業用コンピュータ製品では、マイナス40度からプラス70度の環境下でも連続動作が可能な「ボックスコンピュータ BX-R100」を開発し、8月から販売を開始しました。また、名刺2枚サイズで限られた空間にも設置可能な小型コンピュータ「BX-R200 シリーズ」を開発し、2020年1月から販売を開始しました。
当グループが支出した研究開発費の金額は
③Daifuku North America Holding Company(DNAHC)グループ
空港向け手荷物搬送システムでは、お客さまのニーズ、競争力向上に即した改良を進めるとともに、生産・工事の両面からコストダウンに取り組んでいます。
一般製造業・流通業向けシステムでは、ピッキングやソーティングシステムの開発に力を入れています。
当グループが支出した研究開発費の総額は
④Clean Factomation, Inc.(CFI)
株式会社ダイフクが開発した半導体生産ライン向けクリーンルーム内搬送システムに付帯する関連装置の改良・改善に関する開発および半導体後工程に関する機器の開発を行っています。
当子会社が支出した研究開発費の総額は