当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
〔決算期変更に伴う連結対象期間について〕
前連結会計年度より、当社の決算期(事業年度の末日)は、3月31日から12月31日に変更となりました。上記のとおり、前中間連結会計期間と当中間連結会計期間で連結対象期間が異なりますが、参考情報として対前年同期に対する増減率を記載しています。
当中間連結会計期間における世界の経済は、概ね順調に推移したものの、米国通商政策の影響による不確実性の高まりや中国経済の低迷により、不透明感が増しています。
事業環境としては、日米における一般製造業・流通業では、労働力不足や人件費上昇等を背景として、製造・物流現場における自動化投資が回復基調にあります。半導体産業では、中国におけるレガシー半導体投資が継続しています。また、生成AI向け半導体需要の急増に伴い、後工程における自動化も含めた先端半導体投資の強い需要が続いています。自動車産業では、最終的な関税の決定内容を見極めるため、お客さまの意思決定にやや遅れが生じているものの、米国を中心に引き続き高水準の投資が計画されています。空港においては、航空旅客数の増加に対応するための自動化投資の需要が継続しています。
このような経済・事業環境の下、当中間連結会計期間の受注は、一般製造業・流通業、自動車生産ライン向けシステムが減少したものの、半導体生産ライン、空港向けシステムが増加し、全体としては前年並みの水準となりました。売上は、一般製造業・流通業、半導体生産ライン、自動車生産ライン向けシステムが、豊富な前期末受注残高をベースに順調に推移し、増収となりました。
この結果、受注高は3,344億58百万円(前年同期比0.2%増)、売上高は3,264億89百万円(同7.9%増)となりました。
なお、前連結会計年度までは為替変動に伴う直近期末受注残高の洗い替え増減額を当該期における受注高に含めて開示していましたが、当連結会計年度より受注高に含めず開示することに変更しました。2024年12月期の中間連結会計期間の受注高には、2024年3月期末の受注残高に対する為替変動の影響による増加額281億円が含まれており、本影響額を除いた実質ベースの前年同期比増減率は9.4%増となります。四半期ベースでは、当第1四半期(2025年1~3月)の受注高1,431億23百万円に対して、当第2四半期(2025年4~6月)の受注高は1,913億35百万円となり33.7%増加しました。また、2024年3月期以降の直近期末受注残高の為替変動による洗い替え増減額を含まない四半期ベースの受注高としては、当第2四半期が最高となりました。
利益面では、生産効率化をはじめとするコスト削減への取り組み等が寄与したことや、当中間連結会計期間には収益性が良好なサービス売上高が季節要因により増加する国内1~3月が含まれる(前中間期連結会計期間に含まれる国内は4~9月)ため、利益率が向上しました。
この結果、営業利益は511億3百万円(同34.0%増)、経常利益は525億23百万円(同37.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は376億23百万円(同26.6%増)となりました。
なお、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益は、いずれも中間連結会計期間としては過去最高です。
当中間連結会計期間の当社グループの平均為替レートは、米ドルで147.66円(前年同期154.08円)、中国元で20.36円(同21.26円)、韓国ウォンで0.1038円(同0.1133円)、台湾ドルで4.66円(同4.81円)等となりました。これらの為替の変動により、受注高は約114億円、売上高は約82億円、営業利益は約12億円、それぞれ減少しました。
〔米国通商政策等の影響及び対応〕
米国は、当中間連結会計期間において売上高831億円、構成比25%(前連結会計年度は1,677億円、構成比30%)を占める重点市場の一つです。
米国が導入した相互関税により、米国外から調達する一部の製品・部材が課税対象になるものの、一般製造業・流通業、自動車生産ライン、空港向けシステムは、大部分を米国で生産しています。また、半導体生産ライン向けシステムは、日本・台湾・韓国で生産し米国に輸出していますが、お客さまが輸入者となる契約が大多数です。このため、当社グループが負担する関税は限定的です。
ただし、米国の通商政策が、自動車・半導体産業を中心としたお客さまの今後の投資計画(国・金額・時期)に影響を及ぼす可能性があります。これまで以上にお客さまとのコミュニケーションを深め、投資計画の見直しに対しても、当社グループのグローバルネットワークを活かした最適な提案活動を行って、受注に結び付けていきます。
なお、当社グループは米国を成長市場と位置付け、今後生産能力の不足が見込まれる一般製造業・流通業向けシステムの新工場を建設中であり、2025年10月竣工の予定です。これに伴い、米国における一般製造業・流通業向けシステムの生産能力は従来比約2倍になります。「地産地消」の強みを活かして、米国市場での売上高増加とシェア拡大を図るため、生産能力増強後を見据えた受注活動を強化しています。
〔セグメントごとの業績〕
セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高を、セグメント利益は親会社株主に帰属する中間純利益を記載しています。
報告セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。
受注は、一部案件でお客さまの意思決定に遅れが生じたことにより、一般製造業・流通業、自動車生産ライン向けシステムは減少しました。
売上は、当中間連結会計期間にサービス売上高が季節要因により増加する1~3月が含まれる(前中間連結会計期間は4~9月)ことや、豊富な前期末受注残高をベースにいずれの領域も順調に推移しました。
セグメント利益は、生産効率化をはじめとする各種コスト削減への取り組みや、収益性が良好なサービス売上高の増収効果等により、大幅な増益となりました。
この結果、受注高は959億77百万円(前年同期比8.9%減)、売上高は1,343億6百万円(同10.6%増)、セグメント利益は340億25百万円(同92.6%増)となりました。
受注は、前期に北米の空港セキュリティ分野向けで大口受注があったことから減少しました。売上は、北米の医療分野向けが順調に推移し増加しました。
セグメント利益は、収益性が国内市場で改善したものの、為替変動の影響により減少しました。
この結果、受注高は87億61百万円(前年同期比9.5%減)、売上高は95億73百万円(同3.2%増)、セグメント利益は3億36百万円(同6.9%減)となりました。
受注は、空港向けシステムで大型案件を受注したことにより増加した一方で、半導体生産ライン、自動車生産ライン向けシステムが減少しました。
売上は、一般製造業・流通業、自動車生産ライン向けシステムが豊富な前期末受注残高をベースに順調に推移したものの、一部業務の見直しに伴い全体としては減収となりました。
セグメント利益は、生産効率化をはじめとする各種コスト削減への取り組み等が寄与し、増益となりました。
この結果、受注高は1,135億52百万円(前年同期比2.8%減)、売上高は809億72百万円(同6.3%減)、セグメント利益は81億45百万円(同32.8%増)となりました。
受注は、生成AI向け先端半導体投資の需要拡大により大きく増加しました。売上・セグメント利益は、前期末の受注残高をベースに順調に推移しました。
この結果、受注高は355億48百万円(前年同期比187.3%増)、売上高は188億46百万円(同45.3%増)、セグメント利益は15億円(同62.1%増)となりました。
⑤ 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)
受注は、レガシー半導体向け投資が継続したものの、大型案件の受注時期が下期に繰り延べとなったため、前中間連結会計期間の実績には及びませんでした。
売上・セグメント利益は、受注残高の減少の影響により、減収減益となりました。
この結果、受注高は140億83百万円(前年同期比44.2%減)、売上高は210億30百万円(同16.6%減)、セグメント利益は57億12百万円(同18.5%減)となりました。
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社65社のうち、上記②③④⑤以外の国内外の子会社です。これらの各社は、マテリアルハンドリングシステム・洗車機等の製造・販売・工事・サービスを行っています。主な子会社の状況は、次のとおりです。
国内子会社:
株式会社ダイフクプラスモアは、各種洗車機の販売等を行っています。
海外子会社:
中国、台湾、韓国、タイ、インドなどにマテリアルハンドリングシステム・洗車機の生産拠点があり、最適地生産・調達体制の一翼を担いつつ、販売・工事・サービスも行っています。
また、北中米、アジア、欧州、オセアニアには販売・工事・サービスを行う子会社を幅広く配置しています。
受注は、生成AI向け先端半導体投資の需要拡大に伴い、半導体生産ライン向けシステムを中心に順調に推移しました。売上・セグメント利益についても、前期末受注残高をベースに半導体生産ライン向けシステムを中心に好調に推移しました。
この結果、受注高は665億36百万円(前年同期比3.2%増)、売上高は621億26百万円(同33.7%増)、セグメント利益は59億21百万円(同197.9%増)となりました。
〔当社グループの財政状態〕
資産は、前連結会計年度末に比べ149億90百万円増加し、7,036億97百万円となりました。これは主に原材料及び貯蔵品が54億92百万円減少したものの、現金及び預金が93億16百万円、有形固定資産が91億31百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ23億55百万円増加し、2,926億37百万円となりました。これは主に契約負債が112億98百万円、賞与引当金が49億59百万円減少したものの、未払法人税等が100億42百万円、未払費用等の流動負債その他が79億81百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ126億34百万円増加し、4,110億59百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が123億32百万円減少したものの、利益剰余金が258億42百万円増加したことによるものです。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ94億33百万円増加し、2,298億28百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、443億50百万円となりました(前年同期は680億38百万円の増加)。これは主に売上債権及び契約資産の増加額が124億46百万円あったものの、税金等調整前中間純利益が523億97百万円、棚卸資産の減少額が72億74百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、140億76百万円となりました(前年同期は6億76百万円の増加)。これは主に固定資産の取得による支出が152億89百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、136億71百万円となりました(前年同期は169億75百万円の減少)。これは主に短期借入金の減少額が10億86百万円、配当金の支払額が113億66百万円あったことによるものです。
(3) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況についての分析
当社グループの資金状況は、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しています。また、300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しています。
当中間連結会計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は6,640百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。