文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、確約されたものではありません。
当社グループの使命は、社是である創業の精神「誠心(まことのこころ)」のもとに、役員・従業員が一丸となって、お客様のご要望にお応えする魅力あふれる製品とサービスを適切な品質と価格で真心を込めて提供することにあります。
市場のニーズを確実に捉え、未開拓なソリューションを実現することによって、革新的な技術・製品を生み出す「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」を目指してまいります。
当社グループの持続的な成長に向けた投資とリスクの許容を可能とする健全な財務基盤を備える為の適切な水準として、株主資本当期純利益率(ROE)10%以上を目指します。その上で2016年度から2018年度までの中期経営計画におきましては、ROE12%以上を目指してまいります。
当社グループは、「100年企業」へ向けて以下の「グループ経営ビジョン」を定めております。
・お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる、活力と新規性に満ちた
開発型企業となる。
・コストダウンや社内コア技術を中心とした改良型商品開発から、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業となる。
・世界No.1を目指して、グループの全従業員が一丸となり、お客様満足度の最大化に努め、革新的な技術・製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指す。
今後の見通しにつきましては、米国をはじめ欧州、日本を含めたアジアにおいて緩やかな景気回復の基調が続くと思われる一方で、一部の保護主義的なの動きや地政学リスク等不確定要素も内在することから、海外販売比率が高まっております当社グループは、地域の偏りによるリスクを回避しつつ以下に掲げる方針に基づき企業活動に努めてまいります。
・「アネスト岩田フィロソフィ」の浸透
社是や経営理念をはじめ、経営の根幹を永続的に支える精神を「アネスト岩田フィロソフィ」としてまとめ直しました。すべての役員・従業員は、1926年の創業より大切に受け継がれてきた伝統を継承し、「100年企業」を目指します。
・人材の確保と育成
当社グループを支える人材を広く世界に求め、柔軟な視野でビジネスを考え行動できる人材の確保と育成に努めます。また、従業員の能力と適性を尊重し、海外拠点との双方向的な人材交流によって、企業風土の国際化と人材配置体制の最適化に取り組みます。
・ライフワークバランスの向上
子育て・介護の負担を抱えるなど、従業員個々のライフスタイルに応じ、「1~2時間単位の有給休暇」や「介護のために退職した従業員に対して退職前と同一条件で復職を認める」など、柔軟な勤務体系の整備を推進しています。少子高齢化による生産年齢人口の減少が深刻さを増し、いわゆる「働き方改革」の必要性が高まりを見せる状況下において、今後もライフワークバランスの向上に努めます。
・事業部門別の指針
圧縮機・真空機器事業は、空圧・膨張・真空に関わる「社会必須のエネルギー」を効率的、かつ安定的に供給するエアエナジー総合事業として、そのノウハウの構築と蓄積、人材の育成、必要とされるサービスの開発、効率的エネルギー管理に関わる製品開発を進め、「空圧・膨張・真空エネルギーの総合マネジメント事業」への転換を継続推進します。
塗装機器・塗装設備事業は、世界中のお客様に満足していただける、最適な塗膜作成技術を有する世界トップクラスのコーティングメーカになることを目指します。塗装機器というハードに留まらず、塗装・塗布方法や塗装・塗布技術などのソフトの提供と共に「高効率、作業環境改善、地球環境保全」を更に追求します。
・ガバナンス体制
当社グループは、監査等委員会設置会社へ移行後、経営の監督と執行の分離を念頭に置き、モニタリング型取締役会への変革を進め、取締役会の諮問機関として、代表取締役と社外取締役全員で構成し委員長を社外取締役とする指名・報酬委員会を設け、代表取締役や取締役会の独断を牽制し、統治機能の強化を図り、また、内部統制委員会とCSR委員会を設置し、取締役会の機能を補完する体制としておりますが、さらなるガバナンスの強化と共に取締役会の活性化に努めます。
1. 当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の取り組み
当社は、1926年に創業以来、「誠心」を社是として、常に「お客様の立場に立ち、誠心を込め製品やサービスをお届けする。」ことを実行してまいりました。品質向上・技術革新に努め、お客様のご支持をいただき、塗装機器・塗装設備・圧縮機・真空機器の専門メーカとして、世界No.1を目指す企業へと成長してまいりました。
当社グループは、社是の具体化を目指して以下の「グループ経営理念」を定め、事業規模の拡大・社会への貢献を実行することが、当社の企業価値を長期にわたり向上させ、株主共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。
①私たちは常にお客様の視点でものごとを考え、お客様の期待にお応えすることで誠の信頼関係を築いてまい
ります。
②私たちは常にグローバルな視野を持ち、環境の変化を見据えた新規性のある技術の研究と開発に努めます。
③私たちはお客様のご要望にお応えする魅力あふれる製品とサービスを適切な品質と価格で真心をこめて提供
いたします。
④私たちは挑戦の精神を重んじ、公平公正を旨とし、社員の個性と能力を生かす、明るく一体感がある企業風
土と、変化に柔軟に対応できるたくましい企業体質を作り上げ、心の幸福と豊かな生活を実現します。
⑤当社グループの全社員が、個人や文化の違いを尊重し、あらゆる関係者と協力し合うことを基本とし、個人
の創造力とチームワークを最大限に高める企業風土を確立します。
2. 本方針の目的と基本的な考え方
当社取締役会は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者の大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、株式の大規模買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大規模買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に反するものも少なくありません。
そのため、2007年5月15日の取締役会にて、企業価値・株主共同の利益の保護及び株主の皆様に買い付けに応じるか否かを適切に判断して頂く時間を確保することを目的として大規模買付行為に関するルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を導入いたしました。
なお、現時点において、当社株式について具体的な大規模買付行為の兆候があるとの認識はありません。
3.大規模買付ルールの内容
大規模買付ルールとは、①大規模買付者が事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②それに基づき当社取締役会が当該大規模買付行為について評価・検討を行うための期間が経過した後に、又は株主総会を開催する場合には株主の皆様に発動の可否を判断いただくための検討期間が経過した後に大規模買付行為が開始されるというものです。
大規模買付ルールの概要は、以下のとおりです。
(イ)対象となる大規模買付行為
本方針は以下の①または②に該当する当社株券の買付けまたはこれらに類似する行為(ただし、当社取締役会が承認したものを除きます。当該行為を、以下「大規模買付行為」といいます。)がなされる場合は適用対象とします。大規模行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)は予め本方針に定める手続に従わなければならないものとします。
①当社が発行者である株券等(注1)について、保有者(注2)の株券等保有割合(注3)が20%以上となる買付け
②当社が発行者である株券等(注4)について、公開買付け(注5)に係る株券等の株券等保有割合(注6)及びその特別関係者(注7)の株券所有割合の合計が20%以上となる買付け
注1 金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。以下別段の定めがない限り同じとします。
注2 金融商品取引法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者とみなされる者を含むものとします。以下同じとします。
注3 金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。以下同じとします。
注4 金融商品取引法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。以下②において同じとします。
注5 金融商品取引法第27条の2第6項に規定されます。以下同じとします。
注6 金融商品取引法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。以下同じとします。
注7 金融商品取引法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。ただし、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。以下同じとします。
(ロ)大規模買付情報の提供
大規模買付行為を実施しようとする大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対し、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示した大規模買付ルールに従う旨の「意向表明書」をご提出いただいたうえで、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を提供していただきます。当社取締役会は、意向表明書の受領後10営業日以内に、大規模買付者から当初提供いただくべき本必要情報のリストを当該大規模買付者に交付します。当初提供していただいた情報を精査した結果、それだけでは不十分と認められる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して本必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めます。本必要情報の具体的内容は大規模買付者の属性及び大規模買付行為の内容によって異なりますが、一般的な項目は以下のとおりです。
①大規模買付者及びそのグループ(共同保有者、特別関係者及び(ファンドの場合は)各組合員その他の構成員を含みます。)の概要(大規模買付者の事業内容、資本構成、当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)
②大規模買付行為の目的及び内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等及び関連する取引の実現可能性等を含みます。)
③当社株式の取得対価の算定根拠及び取得資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
④当社及び当社グループの経営に参画した後に想定している経営者候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、経営方針・経営理念、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等
⑤当社及び当社グループの取引先、顧客、従業員等のステークホルダーと当社及び当社グループとの関係に関し、大規模買付行為完了後に予定する変更の有無及びその内容
⑥その他大規模買付行為の妥当性及び適法性等を判断するために当社取締役会または独立委員会が合理的に必要と判断する情報
注8 独立委員会は、当社取締役会から独立した第三者機関として、本方針が取締役の保身のために利用されることがないよう監視するとともに、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に反する買付けを抑止するという働きを担います。独立委員会は、公正で合理的な判断を可能にするために、当社の業務執行を行う経営陣から独立し、当社及び当社取締役会との間に特別の利害関係を有していない当社社外取締役、弁護士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通している者、実績ある会社経営者等の中から選任され、計4名以上の委員で構成されます。
なお、大規模買付行為の提案があった事実及び当社取締役会に提供された本必要情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。
(ハ)取締役会による評価期間
当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を当社取締役会による評価・検討・交渉、取締役会としての意見形成及び取締役会による代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として与えられるべきものと考えます。取締役会評価期間中、当社取締役会は、独立委員会に諮問し、また、必要に応じて外部専門家等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として当社株主の皆様に対し代替案を提示することもあります。なお、当社取締役会は、本必要情報の提供が完了した場合には、速やかにその旨及び取締役会評価期間が満了する日を公表いたします。
(ニ)取締役会の決議及び株主総会の開催
当社取締役会は、対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討したうえで対抗措置発動または不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。
また、当社取締役会は、独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本方針による対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下「株主検討期間」といいます。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催することがあります。
当社取締役会において、株主総会の開催及び基準日の決定を決議した場合、取締役会評価期間はその日をもって終了し、ただちに、株主検討期間へ移行することとします。
当該株主総会の開催に際しては、当社取締役会は、大規模買付者が提供した本必要情報、本必要情報に対する当社取締役会の意見、当社取締役会の代替案その他当社取締役会が適切と判断する事項を記載した書面を、株主の皆様に対し、株主総会招集通知とともに送付し、適時・適切にその旨を開示いたします。
株主総会において対抗措置の発動または不発動について決議された場合、当社取締役会は、当該株主総会の決議に従うものとします。当該株主総会が対抗措置を発動することを否決する決議をした場合には、当社取締役会は対抗措置を発動いたしません。
当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主に以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があります。従いまして事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
①技術革新と事業戦略に関するリスク
当社グループは、独自の技術とノウハウを基にお客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスを提供することで、顧客価値の向上に努めております。しかしながら、経済や市場状況の変化、また、昨今の技術革新スピードの速さや世界各所で進む法規制等の外的要因により、当社グループの製品やサービスの革新スピードが追従できない事態が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②海外での事業活動に関するリスク
当社グループは、日本はもとより、アジア、ヨーロッパなど世界各国で顧客と密着した営業を更に進めるために、海外生産工場を含めた事業拠点の体制強化を行っております。海外売上高比率は当連結会計年度実績で約45%を占めており、国際情勢の変化、海外諸国の経済動向と規制等の変化、及び、当社グループのグローバル戦略の進捗によって、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③為替変動に関するリスク
当社グループは、販売や資材調達等の取引の一部において米ドルやユーロ等での外貨取引を行っており、予期しない急激な為替変動は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④退職給付債務に関するリスク
当社及び一部の子会社の従業員を対象に、退職給付債務と年金資産の資金を会計基準に基づき拠出しております。株式や債券市場等の予期せぬ市場変動により、年金資金の収益性が低下し、追加資金拠出と費用負担が必要になる可能性があります。2009年度より確定拠出年金を導入し、従業員は2012年度に確定拠出年金へ全面移行しリスクの低減を図りましたが、企業年金受給者及び待機者への追加資金の拠出と費用負担はリスクとして残り、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤製品の品質に関するリスク
当社グループは、ISO9001に基づいた品質保証体制のもと製品の品質確保に細心の注意を払っておりますが、欠陥が発生した場合には、欠陥に起因する損害に対し製造物責任保険で補償されない賠償責任を負担する可能性があります。また、当社グループ内でのクレームに対する処理、製品回収及び交換等による多大な費用の支出が生じる可能性があり、当社グループの企業イメージの毀損を含め、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥人材の確保と育成に関するリスク
当社グループは、海外に37社の子会社、関連会社を有しており、持続的な成長と健全な組織運営のために、多角的な視点でビジネスを考え自律的に行動できる人材をグローバル規模で確保し、育成すべく努めております。しかしながら、日本では少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、また、海外では労働市場の急速な変動が予測されており、当社グループに在籍している従業員の流出防止や優秀な人材が獲得できない場合には、当社グループの将来の成長及び事業の見通しに悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦自然災害等の発生リスク
当社グループはグローバルに生産、販売活動を展開しており、事前に予測できない自然災害、戦争、テロ、暴動及び社会犯罪等の非常事態が発生した場合には、当社グループや仕入先、顧客の主要設備への被害等により事業活動に支障が生じ、また、これらの災害等が経済不安や政治不安を引き起こすことにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧情報の流出に関するリスク
当社グループは、事業活動を展開する過程で技術開発や営業に関する機密情報及び個人情報を保持しております。これらの情報の取り扱いには万全を期し、漏えいや不正な持ち出しを未然に防ぐため、セキュリティ対策を継続的に推進するとともに、従業員に対する啓発教育をおこなっております。しかしながら予期しない事態が発生した場合には、当社グループの社会的信用が損なわれ、関係先への損害賠償の義務が生じること等により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨M&Aを含めた他社との業務提携に関するリスク
当社グループは、事業基盤の強化を加速し持続的な成長を確保するために、海外企業の買収を含めた協働先との包括的な業務提携を積極的に推進しております。しかしながら、技術やノウハウの獲得や販売網の共有などによるシナジーが当初の想定どおりに実現しない場合には、期待した収益性を維持できず、また減損処理が拡大することなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①概要
当連結会計年度における世界経済は、一部の保護主義的な動向や地政学リスクは内在するものの、米国、ヨーロッパでの着実な景気回復と中国の安定した成長及び新興国の緩やかな成長などにより、堅調に推移いたしました。同時に、国内経済も雇用の回復や積極的な設備投資などを背景に、引き続き景気回復の基調にあります。
そのような経営環境の中、当社グループは「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」を目指し、2016年度からスタートしております中期経営計画の2年目である当年度では、最終年度に掲げた指標の達成に向けた事業活動に取り組んでまいりました。圧縮機製品では、堅調な国内販売に比してさらに海外販売が伸長いたしました。インドやブラジル等の新興国における医療向けユニットの浸透及び販売の増加や、中国及び米国、ヨーロッパを主とした鉄道車両や電動バス等公共交通機関向けの車両搭載用圧縮機ユニットの販売、またオーストラリアでの中形圧縮機を主としたサービス・販売事業などが伸長しております。真空機器製品では、国内における一般工業市場向け新型モデルの上市や圧縮機の販路を活用した拡販活動を継続してまいりました。海外におきましても米国での装置メーカ開拓やロシアを主としたヨーロッパでの拡販活動をすすめております。塗装機器製品では、設計から見直した工業塗装用スプレーガンWS200シリーズをはじめ、国内の自動車補修塗装用として新型スプレーガンを上市いたしました。今後より一層の強化が進むと見込まれる環境規制を視野に入れた新製品開発を継続してまいります。塗装機器製品に含まれる塗料以外の液体を扱う液圧機器製品では、国内外を問わず、食液塗布専用スプレーガン、液体供給ユニットや自動車内装品などに向けた接着剤塗布専用スプレーガンの販売が好調に推移しております。塗装設備製品では、引き続き自動車部品や建機、電子機器製造向けの引合、受注が堅調に推移しております。また、こうした事業活動と共にグループ経営機能の強化として、海外子会社の再編も継続してすすめてまいりました。中国では、塗装機器における製造拠点の集約や当社に不足していた中形圧縮機製品レンジを補いさらなる事業拡大を目的としたスクリュー圧縮機製造・販売会社の連結子会社化したこと、ヨーロッパでは、圧縮機製造・販売拠点をドイツに集約したことなどにより、各エリアにおける一層の効率化を進めてまいりました。
当連結会計年度末の資産合計は、47,307百万円(前連結会計年度比21.6%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、14,530百万円(前連結会計年度比41.2%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、32,777百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高32,817百万円(前連結会計年度比11.1%増)、営業利益3,824百万円(同2.4%
増)、経常利益4,352百万円(同5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,809百万円(同17.4%減)となりま
した。日本では、外部への売上高17,875百万円(前連結会計年度比1.1%増)、セグメント利益4,026百万円(同
2.9%増)の増収増益となりました。ヨーロッパでは、外部への売上高3,892百万円(同21.3%増)、セグメント
利益214百万円(同33.3%減)の増収減益となりました。一方、アジアでは、外部への売上高6,641百万円(同
30.6%増)、セグメント利益668百万円(同89.7%増)の増収増益となりました。
セグメントの業績の詳細については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメ
ント情報等)」に記載のため省略しております。
また、製品別売上高は次のとおりであります。
(単位:千円)
|
製品区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比増減 |
|||
|
2016年4月1日~ |
2017年4月1日~ |
|||||
|
売上高 |
構成比(%) |
売上高 |
構成比(%) |
増減額 |
増減率(%) |
|
|
圧縮機 |
14,336,586 |
48.5 |
16,283,690 |
49.6 |
1,947,103 |
13.6 |
|
真空機器 |
1,754,152 |
6.0 |
1,850,694 |
5.6 |
96,542 |
5.5 |
|
塗装機器 |
11,323,764 |
38.3 |
12,073,690 |
36.8 |
749,925 |
6.6 |
|
塗装設備 |
2,134,023 |
7.2 |
2,609,406 |
8.0 |
475,382 |
22.3 |
|
計 |
29,548,526 |
100.0 |
32,817,481 |
100.0 |
3,268,954 |
11.1 |
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
|
セグメント |
金額(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
日本 |
16,456 |
△2.3 |
|
ヨーロッパ |
1,261 |
14.2 |
|
アジア |
3,539 |
22.7 |
|
その他 |
450 |
13.2 |
|
合計 |
21,707 |
2.2 |
(注) 1.金額は販売価格であり、消費税等は含まれておりません。
2.アジアの生産の伸長は、主に2017年3月期第一四半期に台湾と中国の持分法適用関連会社2社を連結子会社化したことにより、生産高が増加したことによるものです。
当連結会計年度における塗装設備の受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメント |
受注高(百万円) |
前期比増減率(%) |
受注残高(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
日本 |
1,137 |
△30.1 |
124 |
△65.6 |
|
ヨーロッパ |
0 |
― |
― |
― |
|
アジア |
1,249 |
20.7 |
78 |
△37.6 |
|
その他 |
207 |
― |
201 |
― |
|
合計 |
2,594 |
△3.0 |
404 |
△19.0 |
(注) 1.金額は販売価格であり、消費税等は含まれておりません。
2.この受注及び受注残高は、塗装設備製品のものです。塗装設備製品以外は受注から販売までが短期間であり、受注及び受注残高の管理対象としておりません。
3.日本では自動車生産に関連した設備物件が継続して受注となっていますが、今期の受注及び受注残分の多くはアジア納入となり、日本納入分は減少しました。
4.アジアの受注残高の減少は、主に中国の自動車生産に関連した設備投資の減少によるものです。
5.その他の受注及び受注高の増加は、主に米国の自動車生産に関連した設備投資の増加によるものです。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメント |
金額(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
日本 |
17,875 |
1.1 |
|
ヨーロッパ |
3,892 |
21.3 |
|
アジア |
6,641 |
30.6 |
|
その他 |
4,407 |
23.6 |
|
合計 |
32,817 |
11.1 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び該当販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱ 海 南 |
3,063 |
10.4 |
3,120 |
9.5 |
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 アジアの売上高増加は、主に中国の圧縮機製造・販売会社による販売額が増加したことなどによるものです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したも
のです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社及び国内子会社は会計システムを統一し、データの一元化をしております。
また、海外を含めた関係会社につきましては本社経理部門によって、収集資料の統一とマニュアル化を行い、定期的に情報を入手する仕組み作りをしました。これにより、タイムリーかつスピーディーにグループ全体の財政状態及び経営成績の検証を実施しております。
(イ)資産
流動資産は、26,116百万円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。これは主に、「受取手形及び売掛金」が1,696百万円増加したことによるものです。固定資産は、21,191百万円(同23.2%増)となりました。これは主に、「建物及び構築物」を取得したことにより「有形固定資産」が2,943百万円増加したことや「のれん」の増加等により「無形固定資産」が1,720百万円増加したことなどによるものです。その結果、総資産は47,307百万円(同21.6%増)となりました。
(ロ)負債
流動負債は、10,829百万円(同50.0%増)となりました。これは主に、「短期借入金」が1,260百万円増加したこと、及び「支払手形及び買掛金」が1,156百万円増加したことなどによるものです。固定負債は、3,700百万円(同20.6%増)となりました。これは主に、設備投資の増強により「リース債務」が234百万円増加したことなどによるものです。その結果、負債合計は14,530百万円(同41.2%増)となりました。
(ハ)純資産
純資産は、32,777百万円(同14.6%増)となりました。これは主に、「利益剰余金」が1,933百万円増加したことなどによるものです。また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は29,006百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の68.7%から61.3%と7.4ポイントの減少となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ13百万円増加
し、当連結会計年度末には7,692百万円(同0.2%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フ
ローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①概要
(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金収支は4,079百万円の収入(同20.1%増)となり、前連結会計年度末に比べ682百万円の収入
の増加となりました。これは主に、「補助金収入」である未収であった福島県の補助金(406百万円)の受け取りが
完了したことなどによるものです。
(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金収支は3,485百万円の支出(同562.6%増)となり、前連結会計年度末に比べ2,959百万円の支
出の増加となりました。これは主に、中国の圧縮機製造販売会社及びその子会社を買収したことに伴う「出資金の
払込による支出」が1,346百万円増加したことなどによるものです。
(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金収支は666百万円の支出(同49.5%減)となり、前連結会計年度末に比べ653百万円の支出の
減少となりました。これは主に、「短期借入金」が286百万円増加、及び「長期借入による収入」が291百万円増加
したことなどによるものです。
(d)経営成績の分析
・売上高
売上高は32,817百万円となり、前連結会計年度に比べ3,268百万円増加しました。
・売上原価
売上原価は売上高構成比56.0%となり、前連結会計年度に比べ原価率の変動はございませんでした。
・販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は10,608百万円となり、前連結会計年度に比べ1,351百万円の増加となりました。これは主に
持続的な成長に向けたM&Aの推進と投資活動を積極的に展開したことによるものです。
・営業利益
以上により、営業利益は3,824百万円となり、前連結会計年度に比べ91百万円増加しました。
・経常利益
経常利益は4,352百万円となり、前連結会計年度に比べ213百万円増加しました。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は2,809百万円となり、前連結会計年度に比べ590百万円の減少とな
りました。
当社グループの当連結会計年度末の資金の流動性は、短期借入金期末残高1,396百万円に対して現金及び現金同等物
の期末残高7,692百万円と必要な手許流動性を確保し、必要な流動性水準を維持しております。
さらに、当座貸越限度額及び貸出コミットメント契約は海外子会社分を含め総額7,826百万円を保有しており、この
契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高はございません。
当社グループを取り巻く経済環境・経営環境は、資源価格の高騰や為替変動、また国際情勢の変化などによる影響
から、先行きの予測が難しい状況にあります。
詳しくは「第2事業の状況」の「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」ならびに「2.事業等のリスク」
に記載しております。
次期連結会計年度における世界経済は、一部の政策や地政学リスクなど景気下押しの要素を抱えながらも、米国、中国を主としたアジア、ヨーロッパそして日本などにおいて緩やかな景気回復が継続すると予測されます。このような経営環境の中、当社グループは、変化の著しい市場ニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションしながら革新的な技術や製品を生み出し、国内外を問わず、自動車・鉄道等の輸送機器市場、医療市場や食品・飲料市場等、人々の生活基盤を支える各種市場へ投入してまいります。お客様の視点で、さらなる高品質化、生産の効率化を推進し、最終年度となる中期経営計画の達成に向けた取り組みを継続いたします。
当社グループの経営陣は、圧縮機製品、真空機器製品、塗装機器製品、塗装設備製品を企業のコア事業として捉
えていますが、既存の技術に慢心することなく、さらなる成長のため、新規事業の開拓にも積極的に取り組んでま
いります。
お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な商品をご提供できる活力と新規性に満ちた開発型企業と
なり、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業を目指します。
そして、世界No.1シェアを目指し当社グループの全従業員が一丸となり、お客様に満足いただける革新的な技術・
製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指します。
当社は、2017年9月27日開催の取締役会において、中国の圧縮機製造・販売会社である上海斯可絡圧縮機有限公司より、出資持分の過半数を取得することを決議いたしました。その後、契約条件の詳細を協議の上、2017年11月2日付で合弁契約及び持分譲渡契約を締結しました。
なお、上記に関する詳細は、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(企業結合等関係)に記載のとおりです。
当社グループの研究開発活動は、当社が主体となり関係会社と共同推進する形をとっており、環境保全を技術開発の大きな目的にするとともに、固有技術の進化と先端技術の応用展開を進めながら、顧客ニーズに応えるための新製品開発と既存製品の改良を積極的に進めております。
なお、当期の研究開発費の総額は521百万円です。その他に製品の改良・改造に使用した557百万円を製造経費としております。報告セグメントは全て日本です。