文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、確約されたものではありません。
当社グループは、100年企業へ向けて以下の「グループ経営ビジョン」を定めております。
・お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる、活力と新規性に満ちた開発型企業となる。
・コストダウンや社内コア技術を中心とした改良型商品開発から、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業となる。
・世界No.1を目指して、グループの全従業員が一丸となり、お客様満足度の最大化に努め、革新的な技術・製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指す。
3ヶ年にわたる新たな中期経営計画に基づく事業活動を2023年3月期より開始しております。
この計画に基づき、成長市場を海外と位置付け、「真の開発型企業」として、「全ての顧客に感動を与える商品開発」と「高性能・高品質」を提供し続けてまいります。
②コンセプト
専業メーカである当社にとって、対象市場において社会課題の解決に貢献しうる製品・技術を創造し、社会に幅広く提供することは使命であり、そのように社会的価値を追求し、新たなビジネスチャンスを獲得することが当社の成長につながる。
③基本戦略
1)世界で各地域に見合った「ONLY ONE」の商品をつくり、「NUMBER ONE」のシェアを獲得
2)子会社間のシナジーを最大限に活用し効果を発揮
3)日本におけるサービスビジネス拡大とビジネスモデルの変革
4)新規事業の開発
5)サステナビリティ経営の強化
a.専業メーカである当社がE,S,Gのそれぞれを大切にしてきたことが2021年度の最高収益達成の原動力であり、その継続・強化が「500&Beyond」の中心にある考え方。「VISION 2030(液体と気体で世界を彩り社会を豊かに)」を掲げマテリアリティの考察、サステナブル・ゴールを設定
b.人材への投資と育成
・今中計期間には人材への投資を重視し、総人件費マネジメントの採用により「一人ひとりが稼ぐ」力を強化、労働生産性の向上
・企業価値向上に向けた、働き方改革の進化と健康経営の継続
c.SDGsの観点に立った製品開発と社会への貢献
次期連結会計年度においては、新中期経営計画をもとに、新型コロナウイルス感染症や地政学的リスクに左右されない強力な経営基盤の確立を実現してまいります。事業拡大の主戦場を海外市場と位置付け、エリアの特性に対応した成長戦略を個別に策定し、世界的に不確実性が高まる状況においてもグループ全社を挙げて経営資源の有効活用を進めます。
このような経営環境の中、当社グループは、持続的な成長を確保するため多角的な投資を強化してまいります。新たなニーズを開拓する新規事業の開発や、グローバル展開を推進する多様な人材を育成すべく人的投資や開発投資を拡大し、100周年を超え全てのお客様に感動を提供する「真の開発型企業」を目指してまいります。
エアエナジー事業では、当社が世界で初めて発売したオイルフリースクロールコンプレッサの技術を応用してスクロール膨張機の開発を進めています。当社が蓄積してきたノウハウによって、工場の余剰エネルギーとして排出される水蒸気の再利用の可能性を追求することで、CO2の排出削減に貢献してまいります。また、オイルフリー機の販売比率を高めることで、工業用潤滑油の使用量を削減し環境負荷の低減を目指してまいります。
コーティング事業では、ほぼ100%の塗着効率を実現する新たな霧化方式であるエレクトロスプレー法の実用化や、VRやIoTなど完全自動化技術を活用した塗装設備の提案などを通じて、環境にやさしいコーティング技術の普及に努めています。さらに、環境負荷の少ない「VOC(揮発性有機化合物)排出ゼロ」の塗装設備の開発に注力してまいります。
新型コロナウイルス感染症を含む様々な不確実性によるサプライチェーンの分断を回避するため、サプライヤーごとのBCPを策定し、特に特殊な材料や加工、処理を必要とする部品や海外における一国集中生産等に関しては、サプライヤーへの取引条件の支援等とともに、サプライヤー並びに生産地の追加等を進めています。
また、かねてより、生産効率の向上とサプライチェーンの安定化を目指した生産計画改革を進めてまいりましたが、安定した生産と製品供給を実現するため、この改革をさらに強力に推進してまいります。
ITの急速な進展により事業環境が大きく変化している状況に対応するため、多様なデジタル経路から製品・サービスに関する情報に容易にアクセス可能な環境を構築することで、世界のお客様に最適な接点を築きブランドの浸透・強化を推進します。加えて、デジタルでお客様とつながる環境の構築を通じて、多様化するニーズに応える製品開発をより一層強化してまいります。
当社グループが持続的な成長を遂げる豊かな社会の実現に貢献するためには、従業員とその家族の健康を維持・増進させることが必要不可欠な要素であると認識しています。当社は、代表取締役社長執行役員を健康経営推進最高責任者(CHO:Chief Health Officer)とし、健康経営推進委員会をはじめとした関連部署が一体となり、ヘルスリテラシーの向上やライフワークバランスの確保に向けた働き方改革に取り組んでいます。
当連結会計年度には、一連の活動が評価され、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人2022(ホワイト500)」に、経済産業省と東京証券取引所から「健康経営銘柄2022」に認定されました。今後とも従業員とその家族の健康増進に取り組み、「機械セクタにおけるホワイト企業トップ」を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、経営者が当社グループの企業価値並びに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、経営成績)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループは創業以来、塗装機器及び空気圧縮機といった製品とそれらに付随するサービスを市場へ提供することにより、世界のモノづくりに貢献してまいりました。その結果、海外販売比率が過半となり、人財、製品・サービス、資金の流れが多様化する中で、目まぐるしく変化する事業環境の影響を受ける割合がますます増加しております。
このため、既存の市場や製品、ビジネスモデルなどに固執したままでは、市場構造の変化を要因とした現行製品の需要減などの理由から持続的な成長を遂げられなくなり、その結果として当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
また、グローバルな事業を展開する上で、当社グループにおける販売や資材調達等の取引には外貨建取引が含まれており、予期しない急激な為替変動についても当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、グローバルな事業を展開する上で、当社グループにおける販売や資材調達等の取引には外貨建取引が含まれており、予期しない急激な為替変動についても当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを未然に防止するため、既存の事業において品質向上への絶え間ない努力、グローバルな視点でのモノづくりを通じて社会的な課題解決につながる製品開発を継続することはもとより、新規の事業開拓を行い、柱となる事業構築をしていく必要があること、そのためには、失敗を恐れず、果敢に挑戦する企業文化を育むと同時に、全従業員の意識・行動改革を推進し、様々な外部企業とのコラボレーションを行います。また、当社グループはグループ間での交流や情報収集をさらに強化し、市場ニーズの把握に努め、国や市場ごとの重要性を見極めた上で、事業環境の変化に対して柔軟かつ素早い対応を可能とする体制の構築と経営戦略の確立を目指してまいります。加えて、需要の増加や物流コストの上昇が発生した場合でも製品を安定供給する体制を確保するため、複数購買の実施や物流網の見直しなどサプライチェーンの強化に努めております。
なお、持続的な成長が遂げられず、経営成績等へ悪影響を及ぼすような状況に陥った場合には、取締役会及び経営会議などを通じて速やかに協議を行い事業戦略の立て直しを図ります。
当社グループにおいて、製品の調達、加工、組立等における欠陥が看過されたまま品質基準を満たさない製品が市場に供給され、欠陥に起因する損害が発生した場合、賠償による損失やクレームに対する処理、製品回収及び交換等によって多額の費用が発生するとともに、製品に対するお客様の信頼を失い、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社グループは、かかる事態の発生を未然に防止するために、原材料規格、製品規格などの必要な規程を順守し、製品開発の初期段階から品質保証部門が客観的見地に立ち介在することで潜在的課題の撲滅をはかっています。さらに、国内のみならず海外の生産拠点に対しても、ISO9001を推進する上での手法等を活用し、適切な品質管理体制を整備することにより、各国における市場要求や品質基準を満たす製品の品質を確保しております。
なお、不測の事態が発生した際は、当社の取締役会並びに経営会議に速やかに報告がなされるとともに、品質保証部門により、リコールを含めた必要な処置を迅速に講じてまいります。
当社グループは事業基盤の強化を加速し持続的な成長を確保するために、必要と認識した企業への資本参加や買収を含めた協働先との包括的な業務提携を積極的に推進しております。
しかしながら、その後の方向性の共有が順調に進まなかったことに起因して、その販売エリアにおけるお客様の信用を失うこと、または当初想定した効果や利益を得られなかったことによる対象企業の業績低迷のほか、期待した収益性を維持できず実質の価値が著しく低下した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
このため、M&Aにあたっては確認項目を明確化しており、事前にリスクやリターン、対象企業の財務内容や契約関係等に関する慎重な検討、及びデューデリジェンスを経て、十分なシナジー効果が得られるとの判断をもとに実施しております。またPMIを適切に行い、経営陣や担当の事業部門より経営支援をしていくことでリスクの未然防止に努めております。
やむを得ずリスクが実現した場合は、契約継続に関する可否判断や損失の確定などを行い、速やかに経営判断をいたします。
当社グループは、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、企業価値・株主共同の利益に資するものである限り、当社株式の大規模買付行為を一概に否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付の中には、その目的などから見て企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるものも少なからず見受けられます。こうした行為があった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を与えたり、事業分割や譲渡により持続的な成長を大きく毀損したりする可能性があります。そのため、企業価値・株主共同の利益の保護及び株主に買い付けに応じるか否かを株主が適切に判断する時間を確保することを目的として、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」を導入しております。なお同方針は、定時株主総会に諮り、毎年承認を得ることを条件に、株主共同の利益を担保しております。
当社グループは、持続的な成長と市場環境の変化に対応するためには多様な個性と能力をもつ人財を確保・育成することが不可欠と認識しております。そのため、国内では全従業員の正社員化を原則として、通年にわたり採用活動を行っております。
しかしながら、現有の採用戦略や採用した人財に対する育成方針、人事評価制度にこだわり続け、事業環境の変化などを踏まえた改善を行わない場合、将来の持続的な成長に向けた十分な人財確保ができず、事業活動の停滞を招き持続的な成長ができなくなる可能性があります。
このため、適法な労務管理の下、適所に適材を配置するための人財開発やグローバル視点での人事評価制度の構築によるダイバーシティ・マネジメントの整備、多国籍人材の採用強化並びに評価者への教育などを重点的に行います。併せて、各種業務の自動化・デジタル化を推進することによって労働力の有効活用に取り組み、業務改革を加速してまいります。
当社グループ従業員の過半数は、海外拠点に勤務する外国人によって構成されています。
各国の社会情勢、労働環境に応じた働き方が求められる状況下では、国内外における労働組合等の団体との間に、勤務条件等をめぐる労働問題が提起される可能性があります。労働争議が提起され早期に収拾できない事態に至ると、事業運営の安定性及び継続性が損なわれ、深刻化することで製品の供給に重大な影響を与えるとともに、お客様からの信頼を失うことで企業価値並びに経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社は、社是「誠心(まことのこころ)」を中核とする「アネスト岩田フィロソフィ」の浸透推進により、当社グループへの帰属意識の向上を図るとともに、海外拠点の代表者の職務権限に基づいて、各国の制度・実情に適合した雇用条件や評価制度に基づく裁量を認めることで、勤務条件や労働環境に対する不満の発生を未然に防止するよう努めています。
グローバル展開における競争力の強化を着実に推進するためには、絶え間ない革新が続いているITを導入することによって、ビジネスモデルの改革や高付加価値の製品開発、業務効率の向上を実現することが不可欠であると考えています。
しかしながら、不測の事態によって、ITに対する知見やノウハウが社内から喪失することでIT戦略の実行が滞った場合、又は最新のITトレンドに合致した製品開発に遅れが生じた場合は、市場における競争力が低下したり、経営効率が損なわれたりすることで、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社グループでは、経営計画と合わせて、中長期的なIT戦略を策定し、IT投資を会社の成長を牽引する重要な要素に位置付けるとともに、企業成長への貢献度を継続的に検証しています。
なお、当該リスクが実現した際は、積極的な人材登用や新たなパートナー企業との提携を開始するとともに、陳腐化したIT資産を償却することによって経営基盤の建て直しを図ってまいります。
事業活動を安定的かつ持続的に推進するために、情報システムの安全性・信頼性を維持していくことに対する重要性はますます高まってきております。当社は、事業活動を展開する過程で取得した技術開発や営業に関する機密情報、及び個人情報について厳重な管理を施しています。
しかしながら、自然災害や予期しないサイバー攻撃、又はコンピュータウイルスの侵入を原因とする不正アクセス等による情報漏えいや改ざん及びシステムの障害の発生、並びに従業員の故意又は過失により情報が流出、これらの情報が悪用された場合における損害賠償の責任等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社グループは、適切な情報セキュリティ体制を整備し、重要なデータの適切なバックアップを取得するなど必要かつ十分なセキュリティ対策を講じるとともに、従業員に対する教育をおこなっています。
なお、当該リスクが実現した際は、その要因・経緯を速やかに把握し適切な対処を実行する体制を構築するとともに、必要に応じて被害内容を開示することで二次被害の最小化と信頼の回復に努めてまいります。
地球環境、気候変動に関する意識が世界的に向上する中、日本及び諸外国では環境に対する法規制の新設や厳格化が行われる傾向にあります。規制対応やこれらの規制を満たした製品の投入に遅れが生じた場合には事業活動の制限や収益機会の損失に繋がり、当社グループの事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。
規制の内容には国や地域によって差異があるため、各国に点在する現地子会社が情報収集及びその対応を行えるよう、必要な機能を移管するなど体制の整備を進めています。将来において予期しない法規制の改正やさらなる厳格化等が行われた場合には、経済的合理性をもって、当該項目に関する追加投資や撤退の要否を判断します。
また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づく情報開示の重要性を認識し、適切な情報開示を実施すべく、サステナビリティ・CSR委員会を中心として必要な取り組みを行ってまいります。
近年、企業の不祥事などについて報道されることが増えております。当社グループにおいて、万が一そのような行為が行われた場合には、賠償責任の発生といった短期的な経営成績等への影響のみならず、当社グループの信用が著しく失墜することにより販売活動や採用活動に支障を来すなど、長期間にわたって当社グループの企業価値が悪化する、あるいは企業の存立を揺るがす事態に陥る可能性があります。
そのため、当社グループでは役員及び従業員が不正行為を行わないための体制構築や仕組みづくり、グループ会社に対する健全な経営支援を推進するとともに、海外子会社を含めた内部通報制度の策定や監査等委員や内部監査部門による監査の実施等のモニタリング体制を築くことで、法令等違反行為が発生しないように努めています。
かかる事態が発生した場合には、当社の取締役会へ速やかに報告され、第三者による調査や、事実の開示、該当者に対する適切な処分等の対応を行い、再発防止策の立案とその開示を迅速に行える体制を整えています。
当社グループは、世界中のお客様に対して、高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる活力と新規性に満ちた開発型企業を目指しています。この結果、当社グループが現在保有する、あるいは将来にかけて開発する製品及び技術やビジネスモデルなどにおいて、第三者から模倣される、あるいは、意図せずに第三者の知的財産権や特許権、商標を侵害してしまうリスクがあります。その場合、損害賠償や訴訟の発生により費用面のみならず技術自体を使用できない、あるいは不利な状態での使用を余儀なくされることなどに起因して、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼすことが考えられます。
そのため、当社グループでは製品の機能やデザインに関する知的財産権や特許権、商標権を取得して管理を強化するとともに、関係する外部機関の協力を得ながら、その影響を受けない、あるいは影響を最小限とする体制を構築してまいります。
当社グループは、世界の主要な地域に子会社を有し、グローバルな事業活動を展開しております。グループ会社間取引におきましては、移転価格税制などの法規制の遵守に努め、適正な取引価格を設定するなど国際税務リスクには細心の注意を払っていますが、見解の相違から税務当局より指摘を受けた場合は、追徴課税などが発生するほか、当社グループの経営成績等に悪影響を与える可能性があります。
当社グループでは国際財務の動向に注視しつつ、外部機関の協力を得ながら正しい法的理解の下、税務当局との見解の相違が生じないよう努めてまいります。
固定資産の減損損失等の適切な会計処理のためには、将来キャッシュフローを適切に見積った事業計画が必要になります。当社グループでは、(1)③で触れましたようにM&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っておりますので、特に以下の会計処理を判断する場合において、各子会社等の適切な事業計画が必要となります。
・当社の個別財務諸表における関係会社株式等の減損損失の判定
・連結財務諸表の基礎データとなる子会社等の保有する固定資産の減損損失の判定
・連結財務諸表におけるのれんの計上時の償却年数の算定、及び、減損損失の判定
これらの判断時点における事業計画が適切なものではない場合には、結果として不適切な会計処理をおこなったことになり、当社の信用が著しく失われるリスクがあるものと理解しております。
このため、各子会社等の事業計画の策定にあたっては、主管である当社の事業部門及び経理部門が積極的に関与しております。また、これらの事業計画は経営及び会計に知見のある社外取締役が過半数を占める取締役会に報告されており、その指導・監督を受けております。これらの透明性のある手続きにより、事業計画の適切性を確保しております。
2019年末から現在に至るまで、全世界に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して、取引先様及びグループ従業員に感染が確認された場合、関係先の営業停止や一時閉鎖等により事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、お客様や従業員の安全を最優先として、行政の指針に基づいて感染予防に努めるとともに、ITツールを活用したリモート商談の推進や在宅勤務(テレワーク)の拡充、時差出勤の徹底を実施しております。同時に、生産体制への影響を最小限にとどめるため、在庫の拡充や特定の調達先に対する依存度を低下させるなどの対応策を継続しております。
また、世界的な流行に歯止めがかからない状況が長期化した場合には、当社グループの企業価値並びに経営成績等に深刻な影響を与える可能性があります。
このため、社長執行役員を委員長とする危機管理委員会を開催し、BCP(事業継続計画)の最適化を図るとともに、当社グループを取り巻く経営環境を迅速かつ適切に把握することにより、必要な対策を講じてまいります。
当社グループは世界各国に事業を展開しております。これらの国や地域において、予測のできない政治的・経済的変動、覇権主義の台頭による戦争・テロ行為の勃発など地政学的リスクの顕在化、感染症の流行、大規模な地震や台風といった自然災害の発生などが起こった場合、事業所の損壊、原材料調達や物流の停滞などにより、世界各地への製品供給に甚大な影響が生じることが考えられます。かかる事態が長期化した場合や、発生可能性の増加に対する対応が不十分だった場合、固定資産の減損や収益性の低下などに伴い当社グループの経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性が高まります。
当社グループではBCPを策定するとともに、生産機能を分散、グループ間での製品調達の可能性を模索するなど、上記の事態による影響を最小限にとどめる供給体制を確立できるよう、事業活動の強靭化に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度の業績は、売上高42,337百万円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益4,780百万円(同38.8%増)、経常利益5,572百万円(同31.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,541百万円(同35.0%増)となりました。
(単位:百万円)
(注)事業部別の連結営業利益は、当社グループ独自の基準により算定しております。
資産は、流動資産が、34,326百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。これは主に、「商品及び製品」が1,858百万円増加したことや、「受取手形及び売掛金」が1,368百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、21,492百万円(同4.5%増)となりました。これは、主にIT投資の強化により 「ソフトウェア」が429百万円増加したことなどによるものです。その結果、総資産は55,818百万円(同12.9%増)となりました。
負債は、流動負債が、11,616百万円(同20.9%増)となりました。これは主に、「支払手形及び買掛金」が1,120百万円増加したことなどによるものです。固定負債は、3,992百万円(同7.4%増)となりました。これは主に、「長期借入金」が283百万円発生したことなどによるものです。その結果、負債合計は15,608百万円(同17.1%増)となりました。
純資産は、40,210百万円(同11.3%増)となりました。これは主に、「利益剰余金」が2,487百万円増加したことなどによるものです。また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は35,623百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の65.2%から63.8%と1.4ポイントの減少となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は、前連結会計年度末に比べ1,273百万円増加し、当連結会計年度末には12,916百万円(同10.9%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、資金収支は3,889百万円の収入(同15.5%減)となり、前連結会計年度末に比べ712百万円の減少となりました。これは主に、「売上債権の増減額」の変動により収入が2,038百万円減少したことなどによるものです。
投資活動の結果、資金収支は1,078百万円の支出(同1.0%増)となり、前連結会計年度末に比べ10百万円の支出の増加となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」が354百万円増加したことなどによるものです。
財務活動の結果、資金収支は2,103百万円の支出(同7.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ145百万円の支出の増加となりました。これは主に、「非支配株主への配当金の支払額」が214百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1.アジアの増加は、主に圧縮機及び塗装設備を製造している中国の子会社実績等によるものです。
2.その他の増加は、主に圧縮機及び真空機器を製造しているアメリカ及びブラジルの子会社実績等によるものです。
当連結会計年度における塗装設備の受注状況は、次のとおりであります。
(注) 1.この受注及び受注残高は、塗装設備製品のものです。塗装設備製品以外は受注から販売までが短期間であり、受注及び受注残高の管理対象としておりません。
2.日本の受注及び受注残高の増加は、主に自動車生産に関連した設備投資が増加したことなどによるものです。
3.アジアの受注残高の減少は、主に中国における木工品生産に関連した設備投資が減少したことなどによるものです。
4.その他の受注高の減少は、主にメキシコにおける自動車生産に関連した設備投資が減少したことなどによるものです。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.ヨーロッパの増加は主にフランス、イタリアの塗装機器の販売が増加したことなどによるものです。
2.アジアの増加は、主に中国の圧縮機及び塗装設備の販売が増加したことなどによるものです。
3.その他の増加は、主にアメリカの圧縮機の販売が増加したこと、及び同国の連結子会社にて事業を譲り受けたことにより塗装機器の販売が増加したことなどによるものです。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進み、回復基調が続きました。一方で、米国金利の上昇、ヨーロッパ東部における紛争など地政学的リスクの顕在化や継続する半導体不足、資源価格の高騰などにより、景気悪化への懸念が高まっています。日本経済においては、継続する原材料費や物流費の高騰、半導体不足などに伴う生産計画の見直しなどを受けて、回復は力強さを欠く状況が続きました。
このような状況の中、当連結会計年度の業績は、売上高42,337百万円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益4,780百万円(同38.8%増)、経常利益5,572百万円(同31.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,541百万円(同35.0%増)となりました。これらの結果により、当連結会計年度のROEは10.4%(同2.1ポイント増)となり、売上高及び全ての利益指標で創業以来の過去最高実績を実現いたしました。自己資本比率は63.8%と1.4ポイント減少しております。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等の適用により、売上高は457百万円減少、営業利益、経常利益はそれぞれ80百万円減少しております。
当社グループで採用しております地域別セグメントの状況は以下のとおりです。なお、セグメントの業績の詳細については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-〔注記事項〕」の(セグメント情報等)をご参照ください。
売上高は22,967百万円(前連結会計年度比9.5%増)、セグメント利益は3,304百万円(同26.2%増)となりました。
圧縮機製品では、電動機及び電装機器等における供給遅延の影響を受けましたが、購買部門による粘り強い部材調達や顧客離れ防止を目的とした販売キャンペーンの実施などが売上を下支えしました。
真空機器製品では、依然として半導体需要の拡大が続いており、半導体製造関連装置向け真空ポンプの売上が大きく伸長しました。
塗装機器製品では、塗料メーカ各社に対する認証取得活動を進め、自動車補修市場向けスプレーガンの売上伸長を図りました。塗装ブースについては、技術者が営業員とともにWEBを活用したリモート商談へ参画したことで受注促進となり、売上は回復基調となりました。
塗装設備製品では、新型コロナウイルス感染症により営業活動が停滞した影響から売上は減少しましたが、活動制限の緩和に伴い商談が活発化してきたことから来期物件の引合獲得及び受注残は増加傾向にあります。
(ヨーロッパ)
売上高は5,841百万円(前連結会計年度比31.3%増)、セグメント利益は447百万円(同48.5%増)となりました。
圧縮機製品では、ドイツを中心としたEU諸国において、販路開拓が進展したことでオイルフリー圧縮機の需要が拡大し、売上は伸長しました。
真空機器製品では、回復基調が続く経済に支えられ、売上は底堅く推移しました。
塗装機器製品では、変異株の感染拡大下でも、デジタルツールを活用した販促策の実施や塗料販売店との連携強化といった積極的な営業活動の成果により、主に自動車補修市場向けスプレーガンの売上が伸長しました。また、エアーブラシについては、ECサイトを経由した販売が拡大するなど、需要は引き続き好調に推移していま
す。
売上高は16,557百万円(前連結会計年度比28.4%増)、セグメント利益は1,475百万円(同41.1%増)となりました。
圧縮機製品では、年度末にかけて中国子会社の輸出やインド子会社の医療向け圧縮機における販売の拡大には一服の兆しが見られましたが、受注状況は高水準を維持しており、売上は伸長しました。
真空機器製品では、第3四半期連結会計期間に引き続き中国や東アジアにおいて半導体製造関連市場における需要の拡大や短納期を評価されたことによる受注の獲得などにより、売上が伸長しました。
塗装機器製品では、東南アジアにおいて新型コロナウイルス感染症の影響により停滞が続いていましたが、規制緩和を受けて回復基調に転じています。
塗装設備製品では、中国において工事計画が延期されていた案件を着実に納入したことで、売上は伸長しました。東南アジアにおいては、設備投資への慎重な姿勢が続いたことから、受注状況は停滞しています。
(その他)
売上高は6,414百万円(前連結会計年度比30.2%増)、セグメント利益は728百万円(同67.2%増)となりました。
圧縮機製品では、医療向けや一般工業向け圧縮機の売上が伸長しました。
真空機器では、新規顧客開拓の奏功や値上げ前の駆け込み需要により、売上が伸長しました。
塗装機器製品では、第1四半期連結会計期間に実施した事業の譲受によって新規顧客を開拓できたことで、自動車補修市場向けハンドスプレーガンの売上が伸長しました。また、エアーブラシについては、依然として好調に推移しております。
当社グループの財源については自己資本を基本としつつも、一部、金融機関等からの借り入れにより調達しています。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、海外子会社を含む設備投資、M&A等によるものであります。
また、当社グループの当連結会計年度末において、短期借入金856百万円に対して現金及び現金同等物の期末残高12,916百万円と資金の流動性を確保しています。なお、当座貸越限度額及びコミットメントライン契約額約15,446百万円を結んでおり、これらの契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は377百万円です。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。当社が採用する重要な会計方針については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-〔注記事項〕」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)をご参照ください。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、権限を明確に定め、適切な情報に基づく判断に努めていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症に関する仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の (追加情報)に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の (重要な会計上の見積り)をご参照ください。
固定資産の減損損失の認識の判定においては、将来キャッシュフローを見積もった事業計画をもとに行っております。当社グループは事業拡大を目的としてM&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っているため、特に関係会社株式等や子会社等の保有する固定資産、のれんの減損損失の判定、及びのれん計上時の償却年数の算定は当社グループの業績等に重要な影響を及ぼすと認識しており、その際に使用される見積りや前提条件については慎重に検討し取締役会が監督することで適切性を確保しています。しかしながら、市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの見積りの前提条件が変化した場合には、減損損失が認識されるか否かの判定及び減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
詳細は、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(企業結合等関係)に記載のとおりです。
当社グループの研究開発活動は、当社が主体となり関係会社と共同推進する形をとっており、環境保全を技術開発の大きな目的にするとともに、固有技術の進化と先端技術の応用展開を進めながら、顧客ニーズに応えるための新製品開発と既存製品の改良を積極的に進めております。
なお、当期の研究開発費の総額は