第2 【事業の状況】

 

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期におけるわが国経済は、企業収益の改善や個人消費の持ち直しなどにより、緩やかながら回復基調で推移しました。また米国経済においては、雇用環境や企業業績の改善を背景に順調な回復を続け、欧州経済においても堅調な回復基調が継続していること、中国経済については財政政策の下支えによる持ち直しの動きなどから、総じて緩やかな改善が続いています。

一方、国内農業環境につきましては、担い手への農地集積や畑作・野菜作への作付転換など農業の構造的な変化が進む中、農機市場は回復に向けて底を打ちつつあります。

 

このような状況の中、当社グループは、国内においては新商品の投入や顧客対応の充実を図るなど、農業構造変化への対応強化、海外においては主力市場である北米、欧州、中国、アセアンでの販売強化に努めてまいりました。結果、当社グループの連結経営成績は以下のとおりとなりました。

〔当期連結業績〕

当期の売上高は、前期比52億8千4百万円増加し、1,583億8千2百万円(前期比3.5%増加)となりました。国内においては、農機製品全体では前期比微減ながらトラクタが好調に推移し、作業機・補修用部品・修理収入の増加や施設工事の増加などにより、国内売上高は前期比20億9千4百万円増加の1,231億3千6百万円(前期比1.7%増加)となりました。海外においては、取引条件変更による影響があった北米の減少があったものの、欧州における新商品投入効果や現地子会社の為替換算影響、アセアンでのインドネシアやタイ向けトラクタ・コンバインの出荷増などで、海外売上高は前期比31億8千9百万円増加し、352億4千5百万円(前期比10.0%増加)となりました。
営業利益は、施設工事における工事損失の引当計上があったものの、国内直系販売会社の収支構造改善効果やインドネシア事業の収益改善などにより、前期比14億8千3百万円増加の39億5千3百万円(前期比60.1%増加)となりました。
経常利益は、持分法投資損益や為替差損益の好転などにより、前期比26億1千4百万円増加の42億5千万円(前期比159.8%増加)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、熊本震災にかかる補助金収入や施設違約金等の特別損益の計上に加え、法人税等9億9千3百万円の負担により、前期比19億4千8百万円増加の28億7百万円(前期比227.0%増加)となりました。

〔当期個別業績〕

当期の売上高は929億1千3百万円(前期比3.1%減少)、営業利益は5億1百万円(前期比45.6%減少)、経常利益は21億2千6百万円(前期比22.6%減少)、当期純利益は20億1千3百万円(前期比24.1%減少)となりました。

 

 商品別の売上状況につきましては、次のとおりであります。

〔国内〕

整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は282億円(前期比2.3%増加)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は84億8千6百万円(前期比7.0%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は203億9千8百万円(前期比2.4%減少)、作業機、補修用部品、修理収入は397億6千6百万円(前期比3.1%増加)、その他農業関連(施設工事など)は262億8千4百万円(前期比5.6%増加)となりました。

〔海外〕

整地用機械(トラクタなど)は252億2百万円(前期比2.8%増加)、栽培用機械(田植機など)は41億7千4百万円(前期比27.2%増加)、収穫調製用機械(コンバインなど)は17億3百万円(前期比336.1%増加)、作業機・補修用部品は26億2千1百万円(前期比25.6%増加)、その他農業関連は15億4千3百万円(前期比13.4%減少)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ61億1千3百万円減少し77億9千5百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益38億3千8百万円、減価償却費70億5百万円、退職給付に係る負債の減少額11億9千5百万円、たな卸資産の増加額38億5百万円、仕入債務の減少額19億円などにより33億8百万円の収入(前期比49億7千5百万円の収入減)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出56億4千6百万円などにより52億7千3百万円の支出(前期比4億6千2百万円の支出減)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少などにより42億9千4百万円の支出(前期比69億1千5百万円の支出増)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。なお、当社は「農業関連事業」のみの単一セグメントであるため、「農業関連事業」の製品別生産実績を記載しております。

製品区分

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

整地用機械

57,313

△3.4

 

栽培用機械

15,066

25.2

 

収穫調製用機械

24,065

8.6

 

作業機・補修用部品

2,327

16.8

 

その他農業関連

6,930

26.9

 

合計

105,704

4.6

 

(注) 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

主として需要見込みによる生産方式であり、受注生産はほとんど行っていないため記載をしておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は「農業関連事業」のみの単一セグメントであるため、「農業関連事業」の製品別販売実績を記載しております。

製品区分

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

整地用機械

53,403

2.5

 

栽培用機械

12,660

2.1

 

収穫調製用機械

22,101

3.9

 

作業機・補修用部品・修理収入

42,387

4.3

 

その他農業関連

27,828

4.3

 

合計

158,382

3.5

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合。

相手先

前連結会計年度

(自  2016年1月1日

至 2016年12月31日)

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

全国農業協同組合連合会

17,520

11.4

17,193

10.9

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

当社グループは、創業者の「農家を過酷な労働から解放したい」という熱い想いを起業の原点に、1926年の会社創立以来、農業機械の総合専業メーカーとしてわが国農業の近代化に貢献してまいりました。その間、一貫して農業の効率化、省力化を追求し続け、その過程のなかで数々の農業機械を他に先駆けて開発し、市場に供給してまいりました。世界人口の増加と食糧問題、食糧自給率や国土保全、地球環境問題などを考えると、農業の果たす役割は大きく、農業機械メーカーの社会的使命はますます重要になると考えております。

当社グループは「お客様に喜ばれる製品の提供」を通して、今後もわが国ならびに世界の農業に貢献することを経営の基本理念として活動を続けるとともに、一層の企業価値向上に努めてまいります。

 

【社是】

 

 

当社は、

1.需要家には喜ばれる製品を

 

    

2.従業員には安定した職場を

 

    

3.株主には適正な配当を

 

 経営理念とし、もって社会的使命を達成する

 

当社は、2025年に創立100周年を迎えます。
創立100周年までにグローバルマーケットでも農機専業メーカーとして確固たる地位を築き上げるため、農機専業メーカーとしての強みを発揮し、世界の市場で競争力のある商品づくりと提案力により、国内農業構造変化への対応強化と海外事業の拡大、ならびに組織、ガバナンスの強化にグループを挙げて取り組んでまいります。

1) 激変する国内農業への対応強化

国内農業は、農業従事者の高齢化や担い手不足を背景とした大規模化、主食用米から畑作・野菜作への作付転換など、農業の構造変化が加速しています。
当社は、すでに「国内農業の変化への対応」を重点課題として取り組んできましたが、より一層スピードを上げ、激変する国内農業への対応強化をハードとソフトの両面で推進してまいります。

農家数減少、大規模化する市場への対応のため、大型整備センターを核とした営業拠点の整備と人員再配置により、広域化した体制に転換し効率化を推進します。また、地域マーケットの変化を踏まえ、担い手、畑作・野菜作市場への推進強化を図るとともに、売上拡大や営業費圧縮による収支構造の改善を進め、市場動向に左右されない収益基盤の構築に努めます。
ハード面では、低価格シンプル機や先端技術、野菜作機械など、当社の高い技術力を活かした市場ニーズに対応した商品開発への取組みを強化します。

ソフト面では、先進的営農技術の研究・実証や担い手への普及支援を行う「夢ある農業総合研究所(夢総研)」、2017年に設立した「ISEKI グローバルトレーニングセンター」を中心に、市場ニーズに対応できる人材を育成し、サービス力、提案力、サポート力の強化を図ります。
ハードとソフトの両面から、日本の農家の「夢ある農業」を応援することを通じて、「激変する国内農業への対応強化」を図ってまいります。

2) 海外事業の拡大

海外は、北米・欧州・中国・アセアン市場を4極の柱とし、2020年度には持分法適用会社を含むグローバル海外売上高比率40%以上を目指します。
北米市場は、OEM先との協業を一層強化し、顧客ニーズに合わせた「新たな戦略商品」を投入することで更なる売上の拡大を目指します。

欧州市場は、ISEKI France S.A.Sを事業展開の核に据え、欧州における「ISEKI」ブランドの構築を図るとともに、品揃えの拡充とサービス・サポート体制を強化し、売上・シェア拡大に注力してまいります。

成長エンジンとして位置付ける、中国・アセアン事業は、合弁先パートナーとの協業を一層強化し業容の拡大に取り組みます。

中国市場では、東風井関農業機械有限公司の新工場での生産性向上を強化し、品揃えの拡充を図ると共に、中国国内だけでなくアセアン市場へも商品を供給することにより業容を拡大してまいります。

タイ市場では、2013年に設立したISEKI SALES (THAILAND)CO.,LTD.での販売を通じて「ISEKI」ブランドの構築を図ってきました。また、2016年にはタイ市場だけでなくアセアン全域における当社製品の販売・サービス力の更なる強化のため、ISEKI (THAILAND) CO.,LTD.を設立しました。今後、合弁先パートナーとの協業を一層強化することにより、タイでの事業を確立するとともにタイ周辺国への販路拡大を目指します。
地域の特性を活かした商品開発、生産、販売ならびにサービス体制を強化するとともに、それらを支える人材の育成強化に取り組み、海外事業の拡大を図ります。

3) 開発・生産最適化による収益力の強化

当社グループは、内外の市場で激しさを増す販売競争に競争力ある商品を投入すべく、開発製造部門を中心にコスト構造改革を推進しております。設計の標準化・共通化による開発のスピードアップや原価低減、製造現場における工数低減や間接業務改善など、徹底的な効率化による生産性向上に向けた取組みを強化するほか、生産負荷変動への対応力の強化を図ってまいります。また、フル操業となったアセアン市場における生産拠点の核、PT.ISEKI INDONESIAにおいては、調達先の適正化や現場改善を図るなど収益改善の取り組みを強化するとともに、生産能力を増強することにより更なる事業拡大を図ってまいります。2017年に新設した「グローバル戦略商品プロジェクト推進部」が、海外商品の収益向上に向けた取組みを総括管理するとともに、今後もグループを挙げてコスト構造改革を継続し収益構造の改革に取り組んでまいります。

4)成長に向けた積極的な設備投資

国内マーケットにおいては、整備センターの大型化・充実をはじめ、営業拠点の整備を進めております。今後、激変する市場への対応を図るため更なる強化が必要となります。
拡大する海外マーケットにおいても、北米・欧州・アセアン向け戦略機の生産拠点であるPT.ISEKI INDONESIAでの能力増強投資を図ってまいります。
また、国内生産拠点についても、商品競争力向上に向けた設備や技術革新による効率化を企図した生産設備の増強等、内外の成長に向けた積極的な設備投資に取組んでまいります。

5)人材・ガバナンス強化による企業価値向上

激変する国内農業への対応強化、海外事業の拡大など、開発・生産・営業各部における事業活動を支える人材確保と育成が課題となっております。

当社は、開発の若手設計者を育成する「設計基本技術トレーニングセンター」、国内外の生産現場で活躍する人材を育成する「ISEKI テクニカルトレーニングセンター」、国内外の販売・サービス人材を育成する「ISEKI グローバルトレーニングセンター」を整備し、人材育成強化に努めております。
また、企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の順守はもとより、役職員一人ひとりの高い倫理観と社会的良識を持った責任ある行動を目指し、啓蒙活動や社内教育等を徹底してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいる所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

1)経済情勢及び農業環境の変化

国内外の景気の低迷、農業政策の転換等により農機需要が減少し、業績が悪化する可能性があります。

2)為替レートの変動

外国為替相場の急激な変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

3)原材料の価格高騰、調達難、サプライチェーンの混乱

当社グループは、多数の取引先より原材料や部品を調達しており、これらの価格が予想を大きく上回る急激な高騰や供給逼迫の長期化により、当社グループの業績が悪化する可能性があります。

また、サプライチェーンの停滞に起因する生産減等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

4)特定の取引先、調達先への依存

特定の取引先や調達先の方針変更や業績不振、倒産等により業績が悪化する可能性があります。

5)他社との競争

市場では競合他社との厳しい競争が展開されており、サービスを含めた商品競争力を強化しなければ、業績が悪化する可能性があります。

6)商品やサービスの重大な瑕疵や欠陥の発生

商品やサービスに重大な瑕疵や欠陥が発生し、業績が悪化する可能性があります。

7)株式市場の動向

当社グループは有価証券を保有しており、株価の下落により、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

8)環境問題等の公的規制や問題の発生

商品や事業活動に関し、環境問題等の公的規制への対応や、問題発生時の是正措置、訴訟等により、業績が悪化する可能性があります。

9)国際的な事業活動に伴うリスク

当社グループは、海外事業展開を進展させていますが、国際的な事業活動をする上で、各国の税・法制度の予期せぬ変化や政情不安により業績が悪化する可能性があります。

また、当社グループはアジア地域への事業展開に注力しておりますが、主に同地域における人材確保の困難性、未成熟な技術水準や不安定な労使関係などが、当社グループの事業展開を阻害する可能性があります。

10)法令違反リスク

当社グループは、法令順守と倫理に基づいた「井関グループ倫理行動規範」を定め、内部統制の体制を整え、グループ一丸となって法令順守及び倫理行動規範の徹底に努めております。それにもかかわらず、当社グループの役職員が法令に違反する行為を行った場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績が悪化する可能性があります。

11)自然災害や事故に関するリスク

地震、台風、水害等の自然災害、予期せぬ事故等が発生し、業績が悪化する可能性があります。

12)他社との業務提携、合弁事業及び戦略的投資

当社グループは、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行うことがあります。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに開発、生産、販売するうえで有効な手段であると当社グループは考えております。

しかしながら、業務提携や合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、商品及び人材などの統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり時間や費用などが想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社グループ事業に重大な影響を及ぼし、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

13)借入金のリスク

当社は、取引金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結しており、これらの契約に付されている財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済義務が生じる可能性があり、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、借入金利の上昇により業績が悪化する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、創業以来「お客様に喜ばれる製品」の提供を企業理念の一つに掲げ、お客様に満足して使っていただける、お求めやすい商品をタイムリーに提供することをモットーに研究開発活動を展開しております。お客様のニーズに応えるため、徹底した調査に基づき開発初期段階から、省エネ・低コスト農業、安全作業・環境保全への配慮など積極的に取り組んでおります。
国内においては、主力である稲作機械のほか、省力化ニーズの高い畑作・野菜作分野への機械化に注力しております。また、農業の大規模化等に伴い、農業のICT化や農業機械のロボット化、植物工場など先端技術開発にも積極的に取り組んでおります。海外においては、北米や欧州コンパクトトラクタ市場の低価格ニーズへの対応や、アセアン・中国への日本で培った稲作技術を活用した商品展開など、地域のニーズに対応した商品展開に積極的に取り組んでおります。

また、毎年、技術研究発表会を開催し、研究開発の成果や発明情報の共有とともに、討論を重ねグループ全体のスキルアップを図っています。

なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は3,363百万円であり、主たる研究成果は次のとおりであります。

 

農業関連事業

 

(トラクタ)

・国内市場では、生産資材費低減に向けて低価格機へのニーズがますます高まっています。このたび、シンプル・低価格トラクタとして好評をいただいていますTJXシリーズをモデルチェンジし、低価格機のコンセプトは継承しつつ特殊自動車排出ガス4次規制適合エンジンを搭載、外観デザインを一新しました。低価格と基本装備の充実で低コスト農業を応援します。

・海外では、欧州のプロ用景観整備市場で、高馬力で集草作業性、傾斜地適応性に優れたリヤディスチャージフロントモーアの要望が高まっていることから、好評をいただいていますフロントモーアSFHシリーズの後継機として「SF224・235」を市場投入しました。

(田植機)

・当社は業界に先駆け可変施肥田植機を投入し、スマート田植機の普及に取り組んできました。このたび、スマート田植機第二弾として「直進アシストシステム Operesta 搭載さなえ NP80」を追加しました。GNSSとステアリングモータで構成される「直進アシスト機能」で、オペレータの疲労や運転技術の習熟にかかる時間コストを低減できます。

・個人農家の利用者が多い4条田植機は、使いやすく、安心して作業ができるだけでなく、旋回時にできる枕地の凹凸ならしや、肥料散布の軽労化が求められています。このたび、さなえロータによる枕地ならし(R型)、中山間地や都市近郊での運搬に必要な軽トラック積載可能サイズ(C型)、フロント集中操作など、「安全安心・省力作業・簡単操作」を追求した乗用田植機「P40」を市場投入しました。

 

(野菜作商品)

・急速に伸びつつある野菜作市場では、簡単・軽快操作と高速植付けを実現した、全自動野菜移植機「ナウエルエース」PVZ1シリーズが好評をいただいています。野菜の栽培体系は作物や地域によって様々であり、各地から適応性拡大の要望を頂いておりました。このたび、アルミ鎮圧輪を装備したクローラ仕様や、大苗(72穴セルトレイ)仕様など、様々な地域に対応した仕様を投入しました。

(その他商品)

・農業就業人口の減少による大規模化の進展に伴い、ロボット技術やICTの活用による、超省力農業やデータを駆使した戦略的な農業経営が求められています。その対応の一つとして、規模拡大に伴うオペレータ不足や疲労軽減を解消し生産性向上を目的に、有人監視下での無人による自動運転作業を可能にした、ロボットトラクタを2018年度に商品化する予定です。

・当社は農林水産省の推進する「農業女子プロジェクト」に、2013年の発足当初より参画し、2015年には農業女子コラボ第一弾としてトラクタ「Z15(しろプチ)」、2016年にはミニ耕うん機「ちょこプチ」を商品化しました。このたび、農業女子コラボ第三弾として、農業女子の声を反映した力強いカラーリングと、分かりやすさ、使いやすさ、楽しさが感じられる歩行型草刈機「プチもあ」を投入しました。

 

当社は2004年度より「知的財産報告書」において当社グループの研究開発の考え方、活動、成果としての知的財産の活用等について情報開示を行っております。「特許行政年次報告書」(特許庁編)によれば、日本における分野別公開数は、2000年から2006年の「農水産分野」で7年連続1位、分野編成が変更された2007年から2014年の「その他の特殊機械分野」で8年連続1位となりました。また、昨年より公表内容が分野別登録数となり、2016年の同分野での分野別登録数は1位となりました。

また、当社は、全産業を対象とした特許査定率で2004年から2010年まで7年連続1位、2011年は2位でしたが、2012年から2016年まで連続して1位となりました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 (1)重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産・負債の評価及び収益・費用の認識について、重要な会計方針に基づき見積り及び判断を継続して行っております。実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため見積りと異なる可能性があり、特に貸倒引当金、退職給付に係る負債、法人税等は、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の見積りと判断に重要な影響を及ぼすものと認識しております。

 (2)当連結会計年度の経営成績の分析

1)業績

業績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

2)財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20億8百万円減少し2,013億4千8百万円となりました。資産の部では、流動資産が前連結会計年度末に比べ11億8千2百万円減少し、固定資産が8億2千5百万円減少しました。主に現金及び預金の減少59億5千4百万円、商品及び製品の増加33億7千9百万円、建物及び構築物の増加7億7千万円、リース資産の減少 11億5千5百万円、投資有価証券の増加8億2千6百万円によるものであります。

 負債の部は、前連結会計年度末に比べ57億7千3百万円減少し1,304億3千2百万円となりました。主に短期借入金及び長期借入金の減少18億6百万円、仕入債務の減少17億4千7百万円、リース債務の減少13億2千1百万円、退職給付に係る負債の減少11億7千8百万円によるものであります。

 純資産の部は、前連結会計年度末に比べ37億6千4百万円増加し、709億1千6百万円となりました。主に利益剰余金の増加24億8千4百万円、その他有価証券評価差額金の増加5億9千万円、為替換算調整勘定の増加3億1千7百万円、退職給付に係る調整累計額の増加3億7千4百万円によるものであります。

なお、自己資本比率は34.4%となっております。

3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。