第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における国内経済は、政府や日銀の継続的な各種政策の効果などにより、生産には持ち直しの動きがみられ、雇用情勢にも改善がみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外経済におきましては、米国、欧州は緩やかに回復しており、中国でも各種政策効果もあり持ち直しの動きがみられました。しかしながら、国内では、円高・株安の影響や、海外では、英国のEU離脱問題に伴う金融市場の動向など、景気の下振れリスクが残っております。

当社グループの主力事業である農林業用機械市場全体での出荷・生産実績は、国内・輸出向けとも、前年に対し減少しており、国内におきましては、農業収入の増加を上回る経費の増加、農業従事者の減少や高齢化などにより減少しており、市場を巡る企業間競争は引き続き厳しいものとなっております。

このような状況のもと、当社グループは、国内におきましては、新製品を中心に積極的な営業活動を展開するとともに、当社の強みである独自の技術力や提案力と全国に展開する当社グループの営業組織を活かすことにより販売の拡大に努めてまいりました。一方、海外におきましては、現地の販売会社、駐在事務所を中心に、新たな海外販路の開拓と販売の拡大に取り組んでまいりました。

これらの結果、国内におきましては、前連結会計年度の米価下落からの回復に伴う設備投資意欲の回復や、各種政策の効果などにより、国内売上高は27,128百万円(前期比2.9%増)となりました。一方、海外におきましては、円高の影響などにより、北米向けが大幅に減少し、欧州やその他の地域についても減少したことにより、海外売上高は7,187百万円(前期比18.5%減)となり、売上高合計は34,316百万円(前期比2.5%減)となりました。利益面では、売上高の減少や、生産高の減少に伴う生産効率悪化による原価率上昇などにより、売上総利益が減少したため、営業利益は707百万円(前期比43.4%減)となりました。経常利益は、円高に伴う為替差損の計上などにより457百万円(前期比51.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は222百万円(前期比65.6%減)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 農林業用機械

 国内におきましては、米価下落からの回復に伴う設備投資意欲の回復や、各種政策の効果、及び、保守・点検や整備などを中心としたアフターマーケットに注力したことなどにより、高性能防除機、刈払機、部品が増加いたしました。また海外におきましては、林業機械が減少した結果、国内外の農林業用機械の売上高合計は26,548百万円(前期比0.2%増)、営業利益は939百万円(前期比24.4%減)となりました。

② 工業用機械

 国内におきましては、工業用ポンプの増加などにより売上高は増加いたしました。また海外におきましては、円高の影響などにより、北米向けを中心に工業用ポンプが減少した結果、国内外の工業用機械の売上高合計は5,194百万円(前期比8.9%減)、営業利益は938百万円(前期比22.9%減)となりました。

③ その他の機械

 消防機械を主なものとする、その他の機械におきましては、利益重視の販売に転換したことなどにより、売上高は2,368百万円(前期比14.8%減)、営業利益は86百万円(前期は18百万円の損失)となりました。

④ 不動産賃貸他

 不動産賃貸他の売上高は522百万円(前期比2.3%減)、営業利益は268百万円(前期比6.1%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の減少はありましたが、仕入債務の減少などにより前連結会計年度に比べ238百万円減少し、1,992百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果、得られた資金は760百万円(前期比62百万円増)となりました。これは、前連結会計年度に比べ、仕入債務の減少はありましたが、売上債権の減少、為替差損を計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は1,484百万円(前期比566百万円増)となりました。これは、前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出が増加したこと、投資有価証券の売却による収入がなかったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果、得られた資金は542百万円(前期比854百万円増)となりました。これは、前連結会計年度に比べ、長期借入れによる収入は減少しましたが、短期借入金が増加したこと等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

農林業用機械

18,259

101.1

工業用機械

3,391

84.8

その他の機械

545

69.5

合計

22,196

97.1

(注)1 金額は、各機種ごとの当該期間中の平均販売価格によって計算しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 農林業用機械の一部を除き、原則として、受注生産を行っておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

農林業用機械

26,548

0.2

工業用機械

5,194

△8.9

その他の機械

2,368

△14.8

不動産賃貸他

522

△2.3

調整額(セグメント間取引)

△316

合計

34,316

△2.5

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱クボタ

4,318

12.3

4,771

13.9

全国農業協同組合連合会

4,584

13.0

4,691

13.7

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループは、厳しく変化する経営環境の下、「我々の変革が明るい未来を作る」をキーワードに、次の事項を重点課題として、全社員が丸山のこころである「責任感とチーム力」によって、収益力の向上並びに経営体質の強化に努めてまいります。

 

① 海外事業の強化

 海外につきましては、丸山のコアであるポンプ技術を活用し、それぞれの地域に合った新製品を開発・投入することによって、海外市場の売上拡大に努めてまいります。

 また、国内外の生産工場において、市場に合わせた設計、最適場所での生産、海外調達を含めた購買力の強化、生産性の向上などによってコストダウンを図り、国際競争力のある製品を提供してまいります。

② 国内の市場変化への対応

 国内の農業は成熟市場であり、市場としても縮小傾向が予想されますが、全てが縮小するわけではなく、農業の大規模化、大型化、IT化といった面では成長が見込まれ、ビジネスチャンスが生まれることが予想されます。

 そのような国内市場環境の変化に迅速かつ適切に対応し、生産販売が一体となってお客様に喜ばれる新製品を開発し、当社の強みである独自の技術力や提案力と全国に展開する丸山グループの営業組織を活かした営業展開によって販路拡大を推進してまいります。

③ 財務体質の強化-在庫削減と業務改革

 丸山グループでは、在庫削減をキーワードとして、全部門において業務プロセスの見直しを実施することによって、在庫の削減、有利子負債の削減に取り組んでまいります。更に丸山グループをあげて現場改善運動、ムダ取り運動の展開により、企業体質を強化し、収益力の向上に取り組んでまいります。

④ コーポレート・ガバナンス体制の強化

 当社は、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会の立場を踏まえた上で、経営の透明性・公正性を更に向上させ、加えて迅速・果断な意思決定を行うために、コーポレートガバナンス体制の強化に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業、業績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、次のとおりです。かかるリスクの要因によっては、当社グループの事業、業績、株価及び財務状況等に著しい影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 経済状況について

当社グループの主要な事業である農林業用機械部門では、減反政策の見直し等の政府が策定する農業政策方針の内容により、当社製品に対する需要が低下した場合は、当社グループの製品売上高が減少し業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、工業用機械部門、その他機械部門においても、景気動向の悪化により民間設備投資、公共投資等が減少した場合は、当社グループの製品売上高が減少し業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

② 為替レートについて

当社グループの売上高の約2割を海外市場に依存しております。為替レートの変動リスクを軽減する手段を講じておりますが、海外売上高の約半分がアメリカ市場への輸出であることから、特に対ドルレートが大幅に円高へ振れた場合に、当社グループの業績及び財務状況に著しい影響を与える可能性があります。

③ 天候、災害リスク

当社グループの製品売上高の7割以上を農林業用機械部門が占めているため、台風、冷夏、地震等の自然災害の発生により、農業施設、農産物等が被害を受け農業収入が減少した場合には、農家の購買意欲の減退により売上高が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

自然災害の発生により当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷に支障をきたし、その影響が長期化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループに被害が無い場合でも、仕入先工場の被災による生産能力の低下により、原材料等の入荷遅延や調達困難が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 資金調達、運用

当社は、運転資金の効率的な調達、運用を行うため、取引銀行8行とコミットメントライン契約、タームローン契約及びe-Noteless利用契約(電子記録債権買取)を締結しております。この契約には財務制限条項があり、コミットメントライン契約につきましては、各年度の決算日の連結及び単体の貸借対照表における純資産の部の金額をそれぞれ平成26年9月期の決算日の連結及び単体の貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上に維持すること、各年度の決算日の連結及び単体の損益計算書における経常損益が2期連続して損失にならないようにすることの取り決めがなされており、タームローン契約及びe-Noteless利用契約につきましては、各年度の決算日の連結及び単体の貸借対照表における純資産の部の金額をそれぞれ平成23年9月期の決算日の連結及び単体の貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上に維持すること、各年度の決算日の連結及び単体の損益計算書における経常損益が2期連続して損失にならないようにすることの取り決めがなされております。

これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除の恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 お客様から「次も丸山」と言われる商品を提供するため、当社技術部門では基礎技術の研究を推進するとともに、グループ各社の技術部門と連携を取りながら新規又は既存分野の製品開発を行っております。また、国際競争力の強化に向け、海外市場で通用する製品開発を目指した研究開発活動を行っております。

 なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は1,087百万円であり、開発活動の概要は次のとおりであります。

 

① 農林業用機械部門

・従来のラジコンヘリコプターによる空中防除に対し、中山間地にも対応し、コスト面、操作面でより手軽に防除を行える産業用マルチローターを提案し、スカイマスターMMC940AC及び搭載用の散布装置S-1510MCを開発いたしました。

・大規模農家のニーズに対応した高効率、高精度な作業を可能とする自走式ブームスプレーヤBSA-3000Cを開発いたしました。

・新たな自走式ラジコンセット動噴として、ホースの泥落とし機構とドラムストッパ機構を追加した4CHラジコンとして、MS415R4C-RVシリーズを開発いたしました。更に、エンジンの始動・停止とスロットルの遠隔操作機能を追加し8CHとしたMS415R8C-RVシリーズを開発いたしました。

・北米排ガス規制(EPA Phase3)に対応したエンジンCER800を搭載した大排気量背負式ブロワーBL9000を開発いたしました。CER800エンジンは従来の排ガス規制値削減対策に加え、新たにCCSシステム採用によるエンジン内部の冷却により、エンジンの耐久性を改善いたしました。

・国内排気ガス3次規制対応で業界最軽量の新型溝切機MKF-A415の開発を行いました。

・当部門に係る研究開発費は、921百万円となっております。

 

② 工業用機械部門

・小型化、軽量化により持ち運びが容易で、圧力を17MPaにした家庭用エンジン式小型洗浄機TSW17Bを開発いたしました。

・海外向けカーウォッシュやRO市場向けポンプとして、新作の低騒音型シールを組込んだMODEL350QとMODEL5CPQ6221を開発いたしました。

・国内液晶ガラス洗浄の特殊用途向けとして、機械の大型化による高圧高水量の要望に対応したTMC3030Cを開発いたしました。

・当部門に係る研究開発費は、120百万円となっております。

 

③ その他の機械部門

・消火器の操作に慣れない使用者でも容易に操作ができ、誤操作時にも確実な初期消火活動が行えるよう、放射時間を長めに設定した、1.5Lタイプの住宅用強化液消火器LB-2PHを開発いたしました。

・枯れ草や藁等が出火源となる農作業中の火災に対応した、農業機械に取り付け可能で、燃焼物に浸透することで再燃しにくい強化液消火器KLB-2PAを開発いたしました。

・当部門に係る研究開発費は、45百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債の評価及び収益・費用の認識については、重要な会計方針に基づき継続して見積り及び判断を行っております。特に、貸倒引当金、繰延税金資産及び退職給付に係る負債は、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の見積り及び判断に重要な影響を及ぼすものと認識しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産総額は34,081百万円となり、前連結会計年度末より367百万円減少いたしました。

 流動資産は21,619百万円となり、前連結会計年度末に比べ752百万円減少いたしました。これは主に、たな卸資産の増加(274百万円)はありましたが、現金及び預金の減少(338百万円)、受取手形及び売掛金の減少(632百万円)によるものであります。

 固定資産は12,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ384万円増加いたしました。これは主に、設備投資による有形固定資産の増加(258百万円)、無形固定資産の増加(139百万円)によるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債総額は20,234百万円となり、前連結会計年度末に比べ167百万円増加いたしました。

 流動負債は15,519百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,864百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少(596百万円)、未払金の減少(575百万円)はありましたが、短期借入金の増加(1,138百万円)、1年内返済予定の長期借入金の増加(3,769百万円)によるものであります。

 固定負債は4,714百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,696百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少(4,029百万円)によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産の合計は13,847百万円となり、前連結会計年度末に比べ535百万円減少いたしました。

 これは主に、退職給付に係る調整累計額の減少(365百万円)、期末日にかけての時価の下落によるその他有価証券評価差額金の減少(102百万円)によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、国内におきましては、前連結会計年度の米価下落からの回復に伴う設備投資意欲の回復や、各種政策の効果などにより増加いたしました。また、海外におきましては、円高の影響などにより、北米向けが大幅に減少し、欧州やその他の地域についても減少したため、前連結会計年度に比べ862百万円(△2.5%)減収の34,316百万円となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は、売上高の減少や、生産高の減少に伴う生産効率の悪化による原価率上昇などにより、前連結会計年度に比べ521百万円(△5.7%)減益の8,704百万円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、売上総利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ541百万円(△43.4%)減益の707百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は、営業利益の減少や、当連結会計年度末の為替が円高に転じたことによる為替差損の計上などにより、前連結会計年度に比べ489百万円(△51.7%)減益の457百万円となりました。

(税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、経常利益の減少や、固定資産処分損の増加などにより、前連結会計年度に比べ635百万円(△62.6%)減益の379百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ425百万円(△65.6%)減益の222百万円となりました。

 

 なお、セグメント別の売上高の分析は、1「業績等の概要」(1)業績に記載のとおりであります。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。