(1)業績
当連結会計年度における国内経済は、政府や日銀の各種政策を背景に、企業収益、雇用・所得環境は改善しており、日経平均株価の上昇に伴う株式市場の活況など、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方、海外経済におきましても、米国は着実に回復しており、欧州、アジアも緩やかな回復が続いております。
当社グループの主力事業である農林業用機械業界におきましては、機械の出荷・生産実績は、前年に比べ輸出向けが減少したものの、国内向けが増加したことにより、全体では増加いたしました。また、国内におきましては、米価の上昇や、農業収入から経費を控除した農業所得が増加傾向となりましたが、国内の農業は成熟市場であり、高齢化などにより農業従事者が減少するなど、市場を巡る企業間競争は引き続き厳しいものとなっております。
このような状況のもと、当社グループは、国内におきましては、当社の強みである独自の技術力や提案力と全国に展開する営業組織を活かし、新製品を中心に積極的な営業活動を展開することにより販売の拡大に努めてまいりました。一方、海外におきましては、それぞれの地域に合った新製品を開発、投入することにより、販売の拡大に取り組んでまいりました。
これらの結果、国内におきましては、前連結会計年度に各種政策の効果などにより増加した高性能防除機が減少しましたが、動力噴霧機、刈払機及び部品が増加したことにより、国内売上高は27,652百万円(前期比1.9%増)となりました。一方、海外におきましても、アジア向けが減少したものの、円安の影響もあり、北米、欧州向けが増加したことにより、海外売上高は7,855百万円(前期比9.3%増)となり、売上高合計は35,508百万円(前期比3.5%増)となりました。利益面では、売上高の増加により売上総利益が増加し、物流費の増加はありましたが、固定費の削減に努めたことにより、営業利益は973百万円(前期比37.6%増)となりました。経常利益は、円安に伴う為替差益の計上などにより1,036百万円(前期比126.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は750百万円(前期比237.3%増)となりました。
また、財務体質の強化のため、在庫削減をキーワードに業務の効率化、有利子負債の削減に取り組んだ結果、キャッシュ・フローが改善いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 農林業用機械
国内におきましては、動力噴霧機、刈払機及び部品が増加いたしました。また海外におきましては、林業機械が増加した結果、国内外の農林業用機械の売上高合計は27,683百万円(前期比4.3%増)、営業利益は1,211百万円(前期比29.0%増)となりました。
② 工業用機械
国内におきましては、前期並みとなりました。また海外におきましては、円安の影響もあり、北米、欧州向けを中心に工業用ポンプが増加した結果、国内外の工業用機械の売上高合計は5,390百万円(前期比3.8%増)、営業利益は979百万円(前期比4.4%増)となりました。
③ その他の機械
消防機械を主なものとする、その他の機械の売上高は2,234百万円(前期比5.6%減)、営業利益は85百万円(前期比1.4%減)となりました。
④ 不動産賃貸他
不動産賃貸他の売上高は514百万円(前期比1.4%減)、営業利益は295百万円(前期比10.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、短期借入金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益の増加、たな卸資産の減少などにより前連結会計年度に比べ488百万円増加し、2,481百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果、得られた資金は3,865百万円(前期比3,105百万円増)となりました。これは、前連結会計年度に比べ、売上債権の増加はありましたが、税金等調整前当期純利益の増加、たな卸資産の減少、仕入債務の増加などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は1,222百万円(前期比261百万円減)となりました。これは、前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、使用した資金は2,215百万円(前期比2,758百万円増)となりました。これは、前連結会計年度に比べ、短期借入金の減少、長期借入金の返済による支出が増加したことなどによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
農林業用機械 |
16,780 |
91.9 |
|
工業用機械 |
4,181 |
123.3 |
|
その他の機械 |
610 |
112.0 |
|
合計 |
21,572 |
97.2 |
(注)1 金額は、各機種ごとの当該期間中の平均販売価格によって計算しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
農林業用機械の一部を除き、原則として、受注生産を行っておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
農林業用機械 |
27,683 |
104.3 |
|
工業用機械 |
5,390 |
103.8 |
|
その他の機械 |
2,234 |
94.4 |
|
不動産賃貸他 |
514 |
98.6 |
|
調整額(セグメント間取引) |
△315 |
- |
|
合計 |
35,508 |
103.5 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
全国農業協同組合連合会 |
4,691 |
13.7 |
4,822 |
13.6 |
|
㈱クボタ |
4,771 |
13.9 |
4,751 |
13.4 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来122年にわたり、創業製品である消火器に加え、高圧ポンプ技術、2サイクルガソリンエンジン技術の三つをコア・コンピタンスとして、農林業用機械・緑化管理機器、産業機械・環境衛生機器、防災関連の分野において、生産性、安全性、快適性の向上を目指した製品、サービスを提供することにより、社会に貢献してまいりました。その間、変わることなく持ち続けてきたのが、当社グループの社是である「誠意をもって人と事に當ろう」という精神です。これからもこの精神を変えることなく、三つのコア技術を更に深めながら新しい用途開発を追求・開発し企業価値の向上に努めてまいります。
(2)会社の経営環境及び対処すべき課題
今後につきましては、国内では、政府の農業政策の変化、海外では各国の政策の不確実性の影響、為替変動などにより、当社グループの事業を取巻く環境は大きく変動しております。
今期は中期経営計画の2年目であり、当社グループとしては、次の事項を重点課題として全社員で取り組み、収益力の向上並びに経営体質の強化に努めてまいります。
① 人材の育成
丸山グループでは、社内における研修制度を更に充実させ、専門知識の向上、自己啓発など、社員一人ひとりが自発的に、また自立的に成長していくことを支援し、行動指針である「丸山のこころ」を実践できる社員の育成に積極的に取り組んでまいります。
② 成長事業の創出
丸山グループのコア・テクノロジーであるポンプ技術を活用した新しい用途に対応する新製品を開発・投入することによって、農林業機械市場のみならず、産業機械市場、海外市場の売上拡大に努めてまいります。
また、アクセサリー・部品の販売強化、アフターサービスの更なる充実など、丸山グループとして新しいサービス事業の構築に取り組んでまいります。
③ 財務体質の強化-在庫削減と業務改革
前期、丸山グループでは、在庫削減をキーワードとして、全部門で業務プロセスの見直しを実施し、業務改革に取り組んでまいりました。
今期も引き続き在庫削減活動を継続し、更に進化させることで、財務体質を強化し、収益力の向上に取り組んでまいります。
当社グループの事業、業績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、次のとおりです。かかるリスクの要因によっては、当社グループの事業、業績、株価及び財務状況等に著しい影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 経済状況について
当社グループの主要な事業である農林業用機械部門では、減反政策の見直し等の政府が策定する農業政策方針の内容により、当社製品に対する需要が低下した場合は、当社グループの製品売上高が減少し業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、工業用機械部門、その他の機械部門においても、景気動向の悪化により民間設備投資、公共投資等が減少した場合は、当社グループの製品売上高が減少し業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 為替レートについて
当社グループの売上高の約2割を海外市場に依存しております。為替レートの変動リスクを軽減する手段を講じておりますが、海外売上高の約半分がアメリカ市場への輸出であることから、特に対ドルレートが大幅に円高へ振れた場合に、当社グループの業績及び財務状況に著しい影響を与える可能性があります。
③ 天候、災害リスク
当社グループの製品売上高の7割以上を農林業用機械部門が占めているため、台風、冷夏、地震等の自然災害の発生により、農業施設、農産物等が被害を受け農業収入が減少した場合には、農家の購買意欲の減退により売上高が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
自然災害の発生により当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷に支障をきたし、その影響が長期化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループに被害が無い場合でも、仕入先工場の被災による生産能力の低下により、原材料等の入荷遅延や調達困難が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 資金調達、運用
当社は、運転資金の効率的な調達、運用を行うため、取引銀行8行とコミットメントライン契約、タームローン契約及びe-Noteless利用契約(電子記録債権買取)を締結しております。これらの契約には財務制限条項があり、各年度の決算日の連結及び単体の貸借対照表における純資産の部の金額を基準となる決算日の連結及び単体の貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上に維持すること、各年度の決算日の連結及び単体の損益計算書における経常損益が2期連続して損失にならないようにすることの取り決めがなされております。
これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除の恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
特記すべき事項はありません。
お客様から「次も丸山」と言われる商品を提供するため、当社技術部門では基礎技術の研究を推進するとともに、グループ各社の技術部門と連携を取りながら新規又は既存分野の製品開発を行っております。また、国際競争力の強化に向け、海外市場で通用する製品開発を目指した研究開発活動を行っております。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は1,109百万円であり、開発活動の概要は次のとおりであります。
① 農林業用機械部門
・ブーム水平制御機構を搭載し、高効率な作業を可能にした北海道向けマウント式ブームスプレーヤBSM-70LTシリーズを開発いたしました。
・国内排ガス3次規制に対応したエンジンを搭載し、アルミニウム製フレームを使用することで、軽量、かつ、背負い時の重量バランスを見直した、業界最軽量背負い刈払機GKBS2202を開発いたしました。
・オリジナルのカセット式リチウムイオンバッテリーとピストンポンプを搭載した、アジア市場向けの低価格、かつ、高性能なバッテリー噴霧機MSB205Liシリーズを開発いたしました。
・当部門に係る研究開発費は、927百万円となっております。
② 工業用機械部門
・超純水洗浄装置用として、新たに特殊シールを開発して高水量(50~70L/min)に対応し、大型洗浄装置での使用も可能となり、洗浄効率の向上が期待される超純水用ポンプTMC1570及びTMC2050を開発いたしました。
・支柱掘削及び配管・下水道洗浄ユニットの市場に特化した高圧・高水量ポンプMODEL7CP6160及び大型ポンプMODEL67070を開発いたしました。
・当部門に係る研究開発費は、131百万円となっております。
③ その他の機械部門
・現在の主流である蓄圧式消火器は業務用途では点検が困難であるという問題点に対応し、従来の加圧式粉末消火器から機能性を向上させた6KGタイプの業務用消火器AHB-20Sを開発いたしました。
・当部門に係る研究開発費は、49百万円となっております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債の評価及び収益・費用の認識については、重要な会計方針に基づき継続して見積り及び判断を行っております。特に、貸倒引当金、繰延税金資産及び退職給付に係る負債は、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の見積り及び判断に重要な影響を及ぼすものと認識しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産総額は33,513百万円となり、前連結会計年度末より568百万円減少いたしました。
流動資産は20,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ638百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の増加(539百万円)、電子記録債権の増加(567百万円)はありましたが、商品及び製品の減少(1,244百万円)、原材料及び貯蔵品の減少(447百万円)によるものであります。
固定資産は12,532百万円となり、前連結会計年度末に比べ70百万円増加いたしました。これは主に、減価償却の進行などによる有形固定資産の減少(451百万円)はありましたが、期末日にかけての時価の上昇による投資有価証券の増加(694百万円)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は18,168百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,065百万円減少いたしました。
流動負債は11,301百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,218百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金の減少(1,098百万円)、1年内返済予定の長期借入金の減少(3,649百万円)によるものであります。
固定負債は6,867百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,152百万円増加いたしました。これは主に、社債の減少(332百万円)、退職給付に係る負債の減少(374百万円)はありましたが、長期借入金の増加(2,810百万円)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産総額は15,344百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,497百万円増加いたしました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによる利益剰余金の増加(603百万円)、期末日にかけての時価の上昇によるその他有価証券評価差額金の増加(481百万円)、退職給付に係る調整累計額の増加(306百万円)によるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、国内におきましては、前連結会計年度に各種政策の効果などにより増加した高性能防除機が減少しましたが、動力噴霧機、刈払機及び部品が増加したことにより増加いたしました。また、海外におきましても、アジア向けが減少したものの、円安の影響もあり、北米、欧州向けが増加したため、前連結会計年度に比べ1,191百万円(3.5%)増収の35,508百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、売上高の増加により、前連結会計年度に比べ305百万円(3.5%)増益の9,009百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、売上高の増加により売上総利益が増加し、物流費の増加はありましたが、固定費の削減に努めたことにより、前連結会計年度に比べ265百万円(37.6%)増益の973百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、営業利益の増加や、当連結会計年度末の為替が円安に転じたことによる為替差益の計上などにより、前連結会計年度に比べ579百万円(126.8%)増益の1,036百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、経常利益の増加や、固定資産処分損の減少などにより、前連結会計年度に比べ654百万円(172.6%)増益の1,033百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前連結会計年度に比べ528百万円(237.3%)増益の750百万円となりました。
なお、セグメント別の売上高の分析は、1「業績等の概要」(1)業績に記載のとおりであります。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。