(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日~12月31日)の世界経済は、引き続き堅調に拡大した。米国経済は底堅い個人消費や設備投資の拡大により堅調に推移し、欧州経済は旺盛な個人消費が景気を下支えした。新興国経済は先進国の景気拡大により輸出が回復し、総じて安定した成長が継続した。中国経済についてもインフラ投資や輸出が拡大し、安定的に成長した。わが国経済は雇用環境が改善し、個人消費や設備投資の回復基調が続いた。
このような事業環境のもと、当社グループは、平成32年度を目標年度とする戦略経営計画“FUSION20(フュージョン・トゥエンティ)”の2年目の成果創出に向け、より一層の販売拡大やコストダウン、商品競争力の強化などに全社を挙げて取り組んでいる。また、原材料市況の高騰などのマイナス要因をはね返すべく、世界各地域での空調主要商品の販売拡大や半導体関連需要増に伴う化学事業での増販などにより、売上高・利益の拡大に努めた。
当第3四半期連結累計期間の業績については、売上高は1兆7,224億40百万円(前年同期比13.3%増)となった。利益面では、営業利益は2,011億73百万円(前年同期比8.0%増)、経常利益は2,042億81百万円(前年同期比8.5%増)となった。また、米国における税制改正により法人税等が減少した影響もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,539億37百万円(前年同期比22.8%増)となった。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりである。
①空調・冷凍機事業
空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前年同期比13.0%増の1兆5,573億44百万円となった。営業利益は、前年同期比5.0%増の1,806億62百万円となった。
国内業務用空調機器の業界需要は、設備投資と建築着工が堅調に推移したことにより、前年同期を上回った。当社グループは、店舗・オフィス用では、個別運転が可能でスリム設計のマルチエアコン『machi(マチ)マルチ』を新たにラインナップし、主力商品である『Eco-ZEAS(エコジアス)』をはじめとするスカイエアシリーズとともに同市場の需要を取り込んだ。また、ビル用マルチエアコンでは、事務所ビルと製造業での好調な更新需要を獲得し、売上高は前年同期を上回った。
国内住宅用空調機器の業界需要は、夏季前半が猛暑であった上期に加え、第3四半期も堅調に推移し、前年同期を上回った。当社グループは、省エネ・高付加価値商品『うるさら7(セブン)』に加え、中級機種の販売拡大に取り組み、前年同期を上回る売上高となった。
米州では、堅調な需要に加えて、販売戦略が奏功し、地域全体の売上高は前年同期を上回った。住宅用空調機器は、ハリケーンによる影響はあったが、販売網の拡大・強化に取り組んだ結果、売上高は前年同期を上回った。ライトコマーシャル機器(中規模ビル向け業務用空調機器)は、ビル用マルチ商品でシリーズ別、ルート別の販売施策を展開した結果、売上高は前年同期を上回った。大型ビル(アプライド)空調分野は、前年同期を上回る需要の中、チラーやインバータルーフトップ等のアプライド機器の販売を拡大した。また、サービス事業及び中南米での販売も伸ばし、売上高は前年同期を上回った。
中国では、個人消費・民間需要は依然として堅調であり、当社グループは小売・街売を重点に、全地域・全商品で販売を拡大し、売上高は前年同期を上回った。原材料価格高騰の影響はあるが、部品の内作化や生産性向上などコストダウンを推進し、営業利益も前年同期を上回った。住宅用市場では、独自専売店「プロショップ」を中心に提案力・工事力を強化し、顧客に新たな生活スタイルを提案する住宅用マルチエアコン「ニューライフマルチシリーズ」で中高級住宅市場を重点に有望な市場を掘り起こし、販売を拡大した。業務用市場では、省エネ性・設計自由度の高い業務用マルチエアコン『VRV-X』を重点に販売を拡大した。顧客の多様なニーズに対応した独自のシステム提案や新商品の投入により、ビルから一般店舗、新築から更新まで幅広く市場を攻略し、さらに設計事務所・デベロッパーへのスペックイン活動を強化し、引合いの拡大を図った。アプライド空調機器市場では、商品ラインナップの拡充、サービス事業の強化により、大型物件から中小物件まできめ細かな営業活動を展開し、販売を拡大した。
アジア・オセアニアでは、地域全体の売上高は前年同期を上回った。東南アジアの住宅用空調機器は、第2四半期・第3四半期ともに販売は前年同期を上回ったものの、第1四半期の天候不順により販売が落ち込んでいた影響により、第3四半期累計期間の現地通貨での売上高は前年同期並みとなった。一方、東南アジアの業務用空調機器では、販売店網の拡充等により、売上高は前年同期を上回った。インドでは、販売店網の拡充等により、住宅用空調機器及び業務用空調機器ともに売上高は前年同期を大きく上回った。
欧州では、堅調な景気を背景に、特に業務用空調機器と暖房機器の販売が伸長し、売上高は前年同期を上回った。住宅用空調機器は、堅調な景気を背景に第3四半期の販売は好調に推移し、最大市場のイタリアにおいても流通在庫が適正化するなど事業環境も好転しているが、上期での売上高は前年同期を下回っていたため、第3四半期累計期間の現地通貨での売上高は前年同期を下回った。業務用空調機器は、販売店網の更なる強化が奏功し、欧州主要各国において店舗用機器の販売が伸長した。特に新商品の小型店舗向け新冷媒(R32)機器が販売拡大に寄与した。また、ヒートポンプ式温水暖房機器の欧州主要各国における販売拡充に加えて、南欧などにおいて燃焼暖房機器の販売が大きく伸長し、売上高は前年同期を大きく上回った。
中東・アフリカでは、原油価格の低迷による中東地域での公共投資引き締めの影響により、プロジェクトの減少・遅延の影響を受けているものの、ドバイでの大型民間物件の受注強化、販売網強化による小型物件の受注拡大が進み、地域全体では前年同期を上回る売上となった。販売拡大中のエジプト及び新商品効果で販売が拡大したアプライド事業も地域の売上高拡大に大きく寄与した。トルコでは住宅用空調機器、業務用空調機器ともに販売を伸ばし、売上高は前年同期を大きく上回った。
舶用事業は、海上コンテナ冷凍装置の販売台数増加により、売上高は前年同期を上回った。
②化学事業
化学事業セグメント合計の売上高は、前年同期比18.6%増の1,304億99百万円となった。営業利益は、前年同期比45.1%増の178億44百万円となった。
フッ素樹脂は、米国市場でのLAN電線用途需要が減少したものの、国内・中国・アジアを中心に半導体関連需要が堅調に推移し、フッ素樹脂全体での売上高は前年同期を大きく上回った。また、フッ素ゴムについても、世界各地域で自動車関連分野での需要が堅調に推移し、売上高は前年同期を大きく上回った。
化成品のうち、撥水撥油剤は中国・アジア地域で新商品への切替えが進み、売上高は前年同期を大きく上回った。表面防汚コーティング剤は、中国での大手顧客向けの販売が減少した影響により、売上高は前年同期を下回った。半導体洗浄用途向けのエッチャントは、関連需要が好調なアジアでの販売が伸長し、売上高は前年同期を大きく上回った。これらの結果、化成品全体では売上高は前年同期を上回った。
フルオロカーボンガスについては、米州でのアフターサービス向け販売が伸長したことに加え、原料高騰及び需給逼迫に対応した欧州での価格改定により、ガス全体の売上高は前年同期を大きく上回った。
③その他事業
その他事業セグメント合計の売上高は、前年同期比7.5%増の345億97百万円となった。営業利益は、前年同期比41.6%増の26億59百万円となった。
産業機械用油圧機器は、国内及び米国市場が堅調に推移し、売上高は前年同期を上回った。建機・車両用油圧機器は、国内及び米国主要顧客向け販売が堅調に推移し、売上高は前年同期を上回った。
特機部門では、防衛省向け砲弾・誘導弾用部品の売上高は前年同期を下回った。在宅酸素医療用機器の売上高は前年同期並みとなった。
電子システム事業では、主力商品の設計・開発分野向けデータベースシステムにおいて、グローバルでの品質管理や設計開発期間の短縮といった顧客ニーズに合致する商品開発を進め、売上高は前年同期並みとなった。
(2) 財政状態の分析
総資産は、2兆5,886億34百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,324億85百万円増加した。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,462億2百万円増加の1兆3,060億87百万円となった。固定資産は、投資有価証券の時価変動による増加等により、前連結会計年度末に比べて862億82百万円増加の1兆2,825億46百万円となった。
負債は、コマーシャル・ペーパーの増加等により、前連結会計年度末に比べて297億9百万円増加の1兆2,502億49百万円となった。有利子負債比率は、前連結会計年度末の25.9%から24.5%となった。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて2,027億75百万円増加の1兆3,383億84百万円となった。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動では、法人税等の支払額の増加等により、前年同期に比べて283億35百万円収入が減少し、1,915億52百万円の収入となった。投資活動では、連結子会社買収による支出の減少等により、前年同期に比べて75億42百万円支出が減少し、939億29百万円の支出となった。財務活動では、短期借入金の増加幅の減少等により、前年同期に比べて251億82百万円支出が増加し、228億73百万円の支出となった。これらの結果に為替換算差額を加えた当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、前年同期に比べて214億37百万円減少し、979億46百万円のキャッシュの増加となった。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はない。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は459億32百万円である。