文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、経営の基本となる考え方を示す「グループ経営理念」の下に、高品質の商品、素材、サービスを通じ、お客様に最高の利便性と快適性を提供し続ける企業として、技術基盤の向上に挑戦するとともに、資本の論理の経営を徹底し、企業価値の最大化を目指します。また、高い倫理性と公正な競争をベースとしたフェアな企業活動、タイムリーで適切な情報開示と説明責任の遂行、地球環境への積極的対応、地域社会への積極的貢献などを、グループ共通の行動指針とし徹底して実行するとともに、グループ内での情報の共有化の徹底や時々の課題解決に最適な柔構造の組織運営の徹底など、当社の良き伝統である「フラット&スピードの経営」の一層の高度化を図り、グループ全体の収益力向上、事業拡大に全力を尽くしてまいります。
(2)目標とする経営指標
企業価値の最大化を経営の最重要課題のひとつとして位置づけ、FCF(フリーキャッシュフロー)、DVA(ダイキン流経済的付加価値)、ROA(総資本利益率)、ROE(株主資本利益率)など「率の経営」指標を経営管理の重要指標として、積極的な事業展開と経営体質の強化を推進しております。特に企業価値の源泉であり、同時に全ての管理指標を向上させる総合指標としてFCFを最重視し、収益の増加、投資効率向上策にあわせて、売上債権及び在庫の徹底圧縮など運転資本面からもキャッシュフローを創出すべく取り組んでまいります。
(3)中期的な会社の経営戦略
昨年(2018年)、2020年度を目標年度とする戦略経営計画“FUSION20(フュージョン・トゥエンティ)”の後半計画(2018~2020年度)を策定し、さらなる事業拡大に向け、従来の米国・アジアを中心とした既存事業の強化に加えて、IoT・AI技術の進歩普及をチャンスととらえた空調ソリューション事業の拡大や、環境技術の強化等、時代の変化に対応した積極的な投資や具体的な施策を追加しました。
(4)企業集団の対処すべき課題
今後の世界経済については、緩やかに減速する見通しです。中国経済の減速、米国の住宅投資鈍化、欧州の景気下振れのほか、米中貿易摩擦にともなう投資マインド悪化などが世界経済を下押しする見込みです。わが国では、輸出減速や設備投資の調整から下振れすると見込まれます。
このような事業環境のもと、当社グループは、本年(2019年)のグループ年頭方針を「3つの協創を軸として、一人ひとりが迅速果断に行動しよう」と定め、成果創出を目指しております。
具体的には、世界経済の停滞感の強まりに対し、各地域において、引き続き、販売力・営業力の強化、商品開発・生産・調達・品質力の向上、人材力強化、固定費の削減や変動費コストダウンなどに全力を挙げて取り組んでまいります。さらにデジタル技術の進展にともなう産業、社会構造の変化に対応すべく、顧客との双方向のコミュニケーションの実現による新たな商品やサービスの創出、技術開発における産学連携、ベンチャー企業を含む産産連携による差別化技術の獲得や新たな事業の探索などに努めてまいる所存です。
当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、以下に記載の内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 主要市場での政治・経済状況及び製品需給の急激な変動
当社グループは、開発・生産・販売・調達などの事業活動をグローバルに展開しており、事業を展開している各々の地域・市場における政治・経済動向や、より厳しい環境規制の導入、競合他社との競争激化、素材価格の高騰等の事業環境の変化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はグッドマン社(2012年度買収完了)などを始めとする企業買収や海外代理店の買収、生産拠点の設立などの投資・出資を行い、生産・販売網のさらなる拡充とグループ全体の収益向上を図っておりますが、その進捗状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 冷夏及び天候不順に伴う空調需要の変動
当社グループの事業内容は、空調・冷凍機事業が連結売上高の89.6%を占めていることから、世界の主要マーケットでの気象情報や需要動向の把握に努めるとともに、その変化に対して影響を最小限にとどめるべくフレキシブルな生産方式や販売政策を採っておりますが、冷夏及び天候不順に伴う空調需要の変動の大きさによっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場の大幅な変動
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は2019年3月期76.4%であり、今後もグローバル展開の加速により、海外売上高の割合がさらに増加する見込みです。連結財務諸表の作成にあたっては、各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目を円換算しております。従って、換算時の為替レートにより、これらの項目は、各地域の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円換算後の価値が影響を受けることになります。また、部材の調達、商品やサービスについて外貨建てで取引しているものもあり、為替動向によって製造コストや売上高に影響する可能性があります。当社グループでは、これらの為替リスクを回避するため、短期的には為替予約等によりリスクヘッジを行っており、中長期的には為替変動に連動した最適調達・生産分担の構築、通貨毎の輸出入バランス化等により為替変動に左右されない体質の実現に取り組んでおりますが、これにより当該リスクを完全に回避できるものではありません。
(4) 重大な品質クレーム
当社グループでは国内外を問わず生産する全ての商品について、万全の品質管理に努めております。
新商品の開発については、設計・生産技術・購買・サプライヤーを開発の前段階から巻き込んだ四位一体となった同時並行の協業展開へとプロセスの革新を進め、品質、コスト、さらには開発スピードの革新を図っております。また、予期せぬ品質クレームに備え賠償保険に加入しておりますが、重大な品質クレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 重大な生産トラブル
当社グループでは国内外を問わず全ての工場の設備の予防保全に努めるとともに、特に化学事業については、設備の安全審査、保安管理体制等の強化を図っております。また、生産トラブルに関しては、設備の損傷や逸失利益のための保険に加入しておりますが、重大な生産トラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 保有する有価証券の時価の大幅な変動
当社グループの保有する有価証券は、主に取引先との相互の事業拡大や取引関係の強化のために保有しているものでありますが、株式市況の動向や取引先の経営破綻等によって当社グループの業績に影響する可能性があります。
(7) 固定資産の減損
当社グループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形の固定資産を計上しております。これらの資産については、今後の業績動向や時価の下落等によって、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況により、減損処理が必要となる場合があります。これらの処理が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害
地震・台風・洪水等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産、販売、物流拠点に影響が出ることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期の世界経済は、期間前半は緩やかに拡大したものの、期間後半以降は成長鈍化の動きが見られ、先行き不透明感が強まりました。米国経済は住宅投資が減速したものの、大型減税の効果により堅調な個人消費が牽引しました。欧州経済はドイツ経済の停滞や英国の合意なきEU離脱への懸念が影響し、期間後半から成長が鈍化しました。新興国経済は米国の政策金利の利上げを要因とする通貨安の影響から、景気減速の動きが広がりました。中国経済は米中貿易摩擦の本格化、ハイテク製品の在庫調整により、期間後半以降は減速基調となりました。わが国経済は個人消費と設備投資は堅調に推移したものの、輸出が鈍化し、成長ペースは緩やかでした。
このような事業環境のもと、当社グループは、2018年のグループ年頭方針を「一人ひとりが壁を乗り越え、強みを結集して新たなテーマに挑戦しよう」と定め、継続的に取り組んでいる販売力・営業力の強化、商品開発・生産・調達・品質力の向上、人材力強化などに磨きをかけ、さらなる成長に向けたテーマを推進するとともに、固定費の削減など身軽で強靭な体質づくりにも取り組んでまいりました。さらにはテクノロジー・イノベーションセンターを中心に差別化技術の獲得に向けた産学連携・産産連携など外部との協創に取り組むとともに、世界主要拠点での差別化技術・商品の創出を加速していくなど、中長期での持続的発展に向けた事業拡大にも努めてまいりました。また、2020年度を目標年度とする戦略経営計画“FUSION20(フュージョン・トゥエンティ)”の後半計画(2018~2020年度)を策定し、米国・アジアを中心とした空調事業や化学事業など既存事業の強化に加えて、IoT・AIなどのデジタル技術の進歩普及をチャンスと捉えた空調ソリューション事業の推進や、商業用冷設や暖房・給湯など事業領域の拡大、環境技術の強化など、時代の変化に対応した積極的な投資や具体的な施策を追加しました。
当期の経営成績については、売上高は2兆4,811億9百万円(前期比8.3%増)となりました。利益面では、営業利益は2,762億54百万円(前期比8.9%増)、経常利益は2,770億74百万円(前期比8.6%増)となりました。前期に米国における税制改正により法人税等が減少していた影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,890億48百万円(前期比0.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 空調・冷凍機事業
空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比8.2%増の2兆2,221億72百万円となりました。営業利益は、前期比6.3%増の2,376億45百万円となりました。
国内業務用空調機器の業界需要は、設備投資の拡大により堅調に推移しました。当社グループは、店舗・オフィス用市場では、『FIVE STAR ZEAS(ファイブスタージアス)』・『Eco-ZEAS(エコジアス)』をはじめとする「スカイエアシリーズ」、個別運転が可能でスリム設計の『machi(マチ)マルチ』が好調に推移し、販売を拡大しました。また、ビル・設備用市場では、省エネ性能や設置自由度をさらに高めた「VRVシリーズ」の新モデルを発売しました。さらに、事務所・工場などの好調な需要や職場環境の改善ニーズの高まりを背景に、大空間でも個別に温度・風量を制御できる『MULTI CUBE(マルチキューブ)』など、ユーザー用途に沿った提案型商品の販売を拡大し、業務用空調機器の売上高は前期を上回りました。
国内住宅用空調機器の業界需要は、夏季が猛暑であった影響により堅調に推移しました。当社グループは、独自のAIにより湿度までコントロールする機能を搭載した高級機種『うるさら7(セブン)』の新機種の発売に加え、デザイン性と機能性を両立した『risora(リソラ)』の販売が好調に推移し、住宅用空調機器の売上高は前期を上回りました。
米州では、堅調な需要に加えて販売戦略が奏功し、地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器は、ローコストモデルのミニスプリット、インバータ搭載のユニタリー製品などの新製品の発売、新規販売網の開発や売価アップに取り組んだ結果、売上高は前期を上回りました。ライトコマーシャル機器(中規模ビル向け業務用空調機器)は、「VRVシリーズ」の販売が拡大し、売上高は前期を上回りました。大型ビル(アプライド)空調分野は、需要が堅調に推移する中、販売網強化や商品ラインナップ拡充により、ルーフトップを中心にアプライド機器の販売を拡大しました。また、サービス事業も販売を拡大し、売上高は前期を上回りました。
中国では、米中貿易摩擦や政府の新築住宅抑制政策による厳しい市場環境の中、商品戦略の転換、地方都市での拡販により売上高は前期並みを確保しました。同時に、為替・原材料価格上昇の影響を最小限に抑え、固定費削減やコストダウンを推進し、高収益を維持しました。住宅用市場では、中高級住宅向け「ニューライフマルチシリーズ」に加え、市場の変化に対応し、一般住宅を攻略するため「普及型マルチシリーズ」を拡充しました。不動産物件が減少する中、比較的堅調な地方都市を中心に当社グループの専売店である「プロショップ」の販売網を拡大しました。業務用市場では、新築ビルをはじめとする大型物件が減少する中、飲食・医療・情報分野などの伸びている市場に資源を投入しました。大都市ではインターネットを介して顧客と繋がる「インテリジェントVRV」を活用し、更新需要の獲得に注力しました。アプライド空調市場では、インフラ投資などの大型物件から中小物件まで、多様な顧客ニーズにあわせたシステムを提案し、機器の拡販に加え、保守・サービス事業でも販売を拡大しました。
アジア・オセアニアでは、地域全体の売上高は前期を上回りました。東南アジアの住宅用空調機器では、都市部から地方までカバーする独自の販売店網構築により販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。業務用空調機器では、販売店網の拡充やスペックイン活動の強化などにより、売上高は前期を上回りました。インドの住宅用空調機器では、販売店網の拡充や地方都市での拡販により販売が伸び、また、業務用空調機器も販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
欧州では、景気の減速が見られる中、各国での営業力強化と新商品の投入により、特にフランスなど主要国での販売が拡大し、地域全体での売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器では、温暖化係数の低い空調機器(低GWP機)の拡販、欧州北部での猛暑効果の取り込みなどにより、主要各国で販売が増加しました。業務用空調機器では、堅調な建築着工および更新需要の取り込みや、店舗向け市場への低GWP機の訴求などにより売上高は前期を上回りました。また、ヒートポンプ式温水暖房機器は、専任販売体制の強化、暖房販売ルートの開発、新商品の投入効果により、売上高は前期を大きく上回りました。
中東・アフリカでは、イランへの制裁再開など政治情勢が不安定な中、地域全体の売上高は前期を上回りました。中東では、販売網拡充と受注物件管理強化を進め、アフリカでも、住宅用・業務用空調機器の販売を伸ばしました。トルコでは、インフレによる個人消費と建築投資へのマイナス影響が顕在化する中、値上げの実施や比較的堅調な住宅用暖房機器の販売を拡大した結果、現地通貨での売上高は前期を大きく上回りましたが、トルコリラ急落の影響により円貨換算後の売上高は前期を下回りました。
舶用事業は、海上コンテナ冷凍装置の販売台数増加により、売上高は前期を上回りました。
② 化学事業
化学事業セグメント合計の売上高は、前期比9.6%増の2,007億90百万円となりました。営業利益は、前期比27.5%増の325億33百万円となりました。
フッ素樹脂は、米国市場でのLANケーブル用の新商品拡販と、世界各地域での半導体関連需要が好調に推移したことにより、売上高は前期を上回りました。フッ素ゴムについても、国内・米国市場において、自動車関連・半導体関連分野での需要が堅調に推移したことにより、売上高は前期を上回りました。
化成品のうち、表面防汚コーティング剤は、中国での需要が減少した影響が大きく、売上高は前期を下回りました。一方、撥水撥油剤は、国内・中国・アジアでの需要が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。これらの結果、化成品全体では売上高は前期を上回りました。
フルオロカーボンガスについては、原材料価格高騰と需給逼迫に対応した国内・欧州を中心とする価格改定により、ガス全体の売上高は前期を大きく上回りました。
③ その他事業
その他事業セグメント合計の売上高は、前期比6.6%増の581億45百万円となりました。営業利益は、前期比27.5%増の60億65百万円となりました。
産業機械用油圧機器は、国内および米国市場が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。建機・車両用油圧機器は、国内および米国主要顧客向け販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
特機部門では、在宅酸素医療用機器の売上高は堅調に推移しましたが、防衛省向け砲弾の販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。
電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客のニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』と、業務アプリケーション開発システム『Smart Innovator(スマートイノベータ―)』の販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
総資産は、2兆7,008億90百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,251億82百万円増加しました。
流動資産は、受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,123億11百万円増加し、1兆3,176億5百万円となりました。
固定資産は、連結子会社買収により発生した顧客関連資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,128億71百万円増加し、1兆3,832億85百万円となりました。
負債は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,026億54百万円増加し、1兆2,540億40百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて1,225億28百万円増加し、1兆4,468億49百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の52.4%と同率となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の4,433.62円から4,841.15円となりました。
また、有利子負債については、短期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べて312億70百万円増加し、5,856億41百万円となりました。なお、連結子会社買収等により資産も増加しているため、有利子負債比率(有利子負債/総資産)は、22.4%から21.7%となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、税金等調整前純利益の増加等により、前連結会計年度に比べて262億69百万円収入が増加し、2,500億9百万円の収入となりました。投資活動では、連結子会社買収による支出の増加等により、前連結会計年度に比べて383億14百万円支出が増加し、1,657億73百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べて252億33百万円支出が減少し、687億21百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて27億4百万円減少し、102億28百万円のキャッシュの増加となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの製品は、大部分見込み生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
以下に記載の内容については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態
①資産
総資産は、2兆7,008億90百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,251億82百万円増加しました。
流動資産は、受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,123億11百万円増加し、1兆3,176億5百万円となりました。
固定資産は、連結子会社買収により発生した顧客関連資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,128億71百万円増加し、1兆3,832億85百万円となりました。
②負債及び純資産
負債は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,026億54百万円増加し、1兆2,540億40百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて1,225億28百万円増加し、1兆4,468億49百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の52.4%と同率になり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の4,433.62円から4,841.15円となりました。
(3) 経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比8.3%増の2兆4,811億9百万円となった。
空調・冷凍機事業では、米州・欧州・アジアを中心に海外での販売が好調に推移し、売上高は前連結会計年度比8.2%増の2兆2,221億72百万円となりました。
化学事業では、半導体関連や自動車関連等の需要が好調に推移し、売上高は前連結会計年度比9.6%増の2,007億90百万円となりました。
その他事業全体では、産業機械用油圧機器や建機・車両用油圧機器が国内及び米国市場で堅調に推移し、売上高は前連結会計年度比6.6%増の581億45百万円となりました。
②営業費用、営業利益
売上原価は、前連結会計年度比8.1%増加し、1兆6,121億86百万円となりました。
販売費及び一般管理費については、前連結会計年度比8.7%増加し、5,926億68百万円となりました。人件費の増加が主な要因であります。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比8.9%増の2,762億54百万円となりました。
なお、セグメントの営業損益については、空調・冷凍機事業では、前連結会計年度比6.3%増の2,376億45百万円の営業利益となり、化学事業では、前連結会計年度比27.5%増の325億33百万円の営業利益となり、その他事業は前連結会計年度比27.5%増の60億65百万円の営業利益となりました。
③営業外損益、経常利益
営業外損益は、為替差損が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて4億59百万円減少し、8億20百万円のプラスとなりました。
経常利益は、前連結会計年度比8.6%増の2,770億74百万円となりました。
④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別損益は、前連結会計年度に関係会社整理損を計上していたこと等により、前連結会計年度に比べて13億98百万円増加し、17億64百万円のマイナスとなりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に米国における税制改正により法人税等が減少した影響もあり、前連結会計年度比0.0%減の1,890億48百万円となりました。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動では、税金等調整前当期純利益の増加等により、前連結会計年度に比べて262億69百万円収入が増加し、2,500億9百万円の収入となりました。投資活動では、連結子会社買収による支出の増加等により、前連結会計年度に比べて383億14百万円支出が増加し、1,657億73百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べて252億33百万円支出が減少し、687億21百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べ27億4百万円減少し、102億28百万円のキャッシュの増加となりました。
資金の調達は、内部留保の蓄積を基本とし、自己資金中心に行うことを原則としておりますが、必要に応じ、金融機関からの借入や社債等で調達しております。
当連結会計年度では、金融機関からの短期借入によって、1,006億40百万円を調達し、投資資金の一部に充当しました。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
提出会社
(1) 合弁契約
連結子会社
(1) 買収に関する契約
当社グループは、世界規模での地球温暖化やエネルギー問題への関心の高まりを受け、地球環境問題に対して積極的に貢献し事業拡大するべく、テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)を中心に、先端的な研究開発に取り組んでおります。
昨年(2018年)には、東京大学と「産学協創協定」を締結しました。両組織の包括的な共同研究及び人材交流や東京大学関連ベンチャー企業との協業を高度なレベルで推進してまいります。
既に提携している京都大学や中国の精華大学、北京大学等の産学連携や様々な産産連携を推進し、協創することで、イノベーションを生み出し、複雑な社会課題を解決し、新たなビジネスを創出してまいります。
また、「未来のオフィス空間」づくりを目指し、空間から得られる様々なデータを基に、各パートナー企業が持つノウハウを活用しながら、新たな価値やサービスを生み出していくための協創型プラットホーム「CRESNECT」を開設しました。
これらの取組みにより、研究開発の大幅な効率化とスピードアップを図り、グローバル各地域で差別化商品を生み出していきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は、
① 空調・冷凍機事業
住宅用空調機器の壁掛形エアコン『うるさら7』において、天気や季節が変わっても好みの温熱環境を自動で実現する「AI快適自動」運転を新たな機能として開発しました。当社はかねてから湿度が体感温度に及ぼす影響に注目し、加湿・除湿といった湿度コントロール技術を開発してきましたが、本商品では湿度コントロールをはじめとした当社独自の制御技術に、好みの温熱環境を学習するAIを組み合わせることで、年間を通じて快適な室内環境を実現します。
住宅設備機器において、住宅の立地や部屋の用途によっては、湿気が原因で住まいや収納物が傷むことやカビが発生することに着目し、水捨て不要で24時間365日連続運転が出来る住まい向け除湿乾燥機(壁掛形)『カライエ』を2019年2月に発売しました。当社のルームエアコン『うるさら7』が搭載する「無給水加湿」の技術を応用し、室内の空気中に含まれる水分を吸着素材(デシカントエレメント)に吸収させ、高湿度の空気として気体のまま屋外へ排出することで、水捨て作業が不要な除湿を可能にしております。
業務用空調機器において、店舗・オフィス用エアコン『スカイエア』の新機種として、業界で唯一、温度と除湿レベルを同時に設定することで、これまで以上の快適性を実現する『FIVE STAR ZEAS(ファイブスタージアス)』シリーズと『Eco-ZEAS(エコジアス)』シリーズを2018年4月に発売しました。本商品は、新たに搭載した「除湿冷房運転」で、湿度が高く蒸し暑い夏場に、従来よりもさらに快適な空気を実現します。また、当社独自のストリーマ放電技術を応用し、不快なニオイの原因となる室内機内部のカビの成長を抑制する「ストリーマ内部クリーン」、誰もいない夜間に人を検知するとLEDライトやブザーで報せる「夜間みまもり」機能を新たに開発しました。これらを飲食店や病院などに提案してまいります。
また、業務用個別運転マルチエアコンの最高級モデル『VRV X』シリーズと、標準モデル『VRV A』シリーズを2018年7月に発売しました。新開発の室外機にはコンパクトで高効率なオールアルミ製「マイクロチャネル熱交換器」を採用したことにより、銅とアルミ製の熱交換器を搭載した従来機に比べて、設置面積を7%削減しました。屋上の限られたスペースにも有効です。大容量圧縮機の搭載や熱交換効率向上により、外気温41℃まで定格冷房能力を発揮し、外気温50℃でも冷房運転が可能になり、近年の猛暑に対する運転能力を向上させました。
また、業界で初めて低温暖化冷媒HFC-32(R32)を採用し、従来機種より大幅に環境性を高めた業務用個別運転マルチエアコン『GREENマルチ』を、2018年8月より発売しました。HFC-32は従来のR-410Aに比べて地球温暖化係数(GWP)が低く、エネルギー効率に優れ、冷媒充填量が削減できるため、本製品の冷媒による温暖化影響は、従来機に比べて76%の削減を実現します。これはキガリ改正における2029年までの削減目標に相当するものであります。さらに使用期間中においても高い省エネ性でCO2排出量を削減し、環境負荷を低減します。
アプライド機器においては、北米では、屋外設置型の高効率・高気密度エアハンや全熱交機能付き中小型ルーフトップ『Rebel』の発売(2018年5月)を行い、高効率商品・機能の拡充を行いました。
欧州では、Fガス規制、省エネ規制により、低GWP冷媒への需要が高まる中、冷媒R32を採用したノンインバータスクロールチラーを業界に先駆けて2018年7月に発売し、また、フリークリング仕様機も2018年11月に発売しました。
中国では、新GB規格に対応したターボチラー、スクリューチラーの発売や、冷媒R32を採用した寒冷地向け空冷ヒートポンプモジュールチラーを発売しました。
空調・冷凍機事業に係る研究開発費は、
② 化学事業
化学事業の研究開発は、豊富なフッ素素材や多岐にわたるフッ素化学関連技術を元に新商品開発および用途開発を行っております。
フッ素樹脂、ゴムではフッ素材料の得意とする耐熱性や耐薬品性、誘電特性などを活かし、自動車・半導体・ワイヤー&ケーブル(IT分野)などでの差別化新商品研究を行っております。フッ素の非粘着性、耐薬品性を活かしたコーティング材料開発、撥水撥油性を活かしたテキスタイル処理剤、カーペット処理剤の開発、さらには含フッ素化合物の機能性を活かした液晶関連材料の開発や、医薬中間体の受託合成研究など、フッ素に関する幅広い研究開発を行っております。冷媒分野では、人工知能等を活用し環境規制対応の次世代冷媒の開発を加速しております。
これらの開発に加え、周辺事業領域の研究開発や用途開発としてはフィルム等の加工品や他素材との複合材料開発を行い、先端材料研究としてはメディカル分野、光学分野、環境分野、電池エネルギー分野などで新たな部材・デバイスビジネスの探索を進めることによってフッ素化学グローバルNo.1、オンリーワンのケミカルソリューション事業展開を目指しております。
特に、次世代パワー半導体分野では、独自のフッ素樹脂を用いることで、ポリプロピレンと比べ誘電率が約5倍となるフィルムコンデンサー用の新素材を開発しました。
これらの研究開発を加速・推進するべく、化学事業部では新商品開発の確実な実行を担い、TICにおいては、化学事業につながる次世代テーマの探索を実施しております。
化学事業に係る研究開発費は、
③ その他事業
油機関連では、油圧技術とインバータ技術を融合させた商品であるハイブリッド油圧システムの特徴を活かし、従来の油圧システムではなし得ない省エネ性と高機能を実現しております。また、国内外での採用拡大に取り組む中低圧・小容量市場に加え、高圧・大容量市場への用途開発を進めております。
プレスなどの産業機械向けの「スーパーユニット」は工場の電力削減の切り札として省エネ性で高い評価を得ており、低騒音、発熱低減、タンク油量削減による作業環境改善や環境負荷低減にも寄与しております。
また、電動に匹敵する高い応答性と省エネ性を実現した成形機向けの大型システムも市場に投入し、異電圧電源対応などアジア各国、その他の地域特性に合わせた機種シリーズを拡充し、各地域での採用が進んでおり、プレスなど、他の用途でのグローバル展開、拡販も進めております。
さらに、特殊車両用の省エネシステムについても開発を進めており、車両向けの油圧ハイブリッドシステムが実機採用されております。
このように従来の油圧システムに加えて、その枠を超えた先進的な環境対応商品をグローバルに提供する商品と技術の開発を進めております。
特機関連では、主に防衛省向け砲弾・誘導弾弾頭と在宅酸素医療用機器に関する研究を行っております。
その他事業に係る研究開発費は、