文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、経営の基本となる考え方を示す「グループ経営理念」の下に、高品質の商品、素材、サービスを通じ、お客様に最高の利便性と快適性を提供し続ける企業として、技術基盤の向上に挑戦するとともに、資本の論理の経営を徹底し、企業価値の最大化を目指します。また、高い倫理性と公正な競争をベースとしたフェアな企業活動、タイムリーで適切な情報開示と説明責任の遂行、地球環境への積極的対応、地域社会への積極的貢献などを、グループ共通の行動指針とし徹底して実行するとともに、グループ内での情報の共有化の徹底や時々の課題解決に最適な柔構造の組織運営の徹底など、当社の良き伝統である「フラット&スピードの経営」の一層の高度化を図り、グループ全体の収益力向上、事業拡大に全力を尽くしてまいります。
(2)目標とする経営指標
企業価値の最大化を経営の最重要課題のひとつとして位置づけ、FCF(フリーキャッシュフロー)、DVA(ダイキン流経済的付加価値)、ROA(総資本利益率)、ROE(株主資本利益率)など「率の経営」指標を経営管理の重要指標として、積極的な事業展開と経営体質の強化を推進しております。特に企業価値の源泉であり、同時に全ての管理指標を向上させる総合指標としてFCFを最重視し、収益の増加、投資効率向上策にあわせて、売上債権及び在庫の徹底圧縮など運転資本面からもキャッシュフローを創出すべく取り組んでまいります。
(3)中期的な会社の経営戦略
2018年には、2020年度を目標年度とする戦略経営計画“FUSION20(フュージョン・トゥエンティ)”の後半計画(2018~2020年度)を策定し、さらなる事業拡大に向け、従来の米国・アジアを中心とした既存事業の強化に加えて、IoT・AI技術の進歩普及をチャンスととらえた空調ソリューション事業の拡大や、環境技術の強化等、時代の変化に対応した積極的な投資や具体的な施策を追加しました。
(4)企業集団の対処すべき課題
新型コロナウィルスは3月に入り世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言する事態に発展し、国内外で感染拡大に歯止めがかかっておりません。外出・商業活動の制限や、各国間の移動制限が世界的に強化される中で、消費マインドの低迷やサプライチェーンの分断などから経済活動全般が急収縮しております。
今後の世界経済については、新型コロナウイルス感染拡大の影響が長引く恐れがあり、厳しい経済情勢が続くものとみられますが、当社グループへの影響の極小化及び終息時の速やかな回復に向けた、生産・調達・販売などの事業運営面での取り組みに注力してまいります。また、空調メーカーとして世の中に一層貢献するために新たな市場・機会を見出してまいります。
その上で、当社グループは、本年(2020年)のグループ年頭方針を「3つの協創を加速して、変化の時代を勝ち抜こう」(3つの協創:顧客との協創、外部との協創、グループ内の協創)と定め、成果創出を目指しておりますが、各地域において、引き続き販売力・営業力の強化、商品開発・生産・調達・品質力の向上、人材力強化、固定費の削減や変動費コストダウンなどに全力を挙げて取り組んでまいります。さらにグローバル競争の激化及びデジタル経済化の進展に伴う経済・社会構造の変化に対応すべく、顧客との双方向のコミュニケーションの実現による新たな商品やサービスの創出、技術開発における産学連携、ベンチャー企業を含む産産連携による差別化技術の獲得や新たな事業の構築などに努めてまいる所存です。
また、IEA(国際エネルギー機関)によると、新興国の発展に伴って空調需要は2050年に現在の3倍以上になると予測されております。主力事業が空調事業である当社グループにとってこれは大きな機会である一方、地球温暖化やこれに伴う気候変動が世界的な課題となり、「脱炭素」が求められる中、空調に伴う電力消費の抑制や化石燃料の使用低減、温室効果を有する冷媒の漏洩防止などにより、温室効果ガスの排出を抑制するとの課題に併せて対応するのでなければ逆に当社グループにとってリスクとなりかねません。このため、当社グループでは、低温暖化冷媒の開発・普及、高効率空調機の開発・普及のほか、建物全体でエネルギーを効率的に活用するソリューションの創出などにより、環境影響の低減に取り組んでおります。2018年には、2050年に向けて安心で健康な空気環境を提供しながら温室効果ガス排出実質ゼロを目指す「環境ビジョン2050」を掲げました。さらに、2019年5月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同しました。気候変動を事業継続に影響を及ぼす重要課題として、事業に与えるリスク・機会を分析し、経営戦略に反映するとともに、気候変動をはじめとした社会課題の解決に貢献しながら、さらなる成長を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与え、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると経営者が認識している主なリスクは以下のとおりであります。
なお、以下に記載の内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 市場環境に関連するリスク
①市場環境の変化に関連するリスク
当社グループは、空調をはじめとする各事業領域において、開発・調達・生産・販売・サービスなどの事業活動をグローバルに展開しております。世界の主要国・地域では、販売網強化によるシェア向上、競争力ある商品・サービスの提供、固定費削減などにより、事業拡大と収益性向上に努めております。
しかしながら、政治情勢の不安定化、景気の後退、天候不順、感染症のまん延などの市場環境悪化などが起こった場合、当社グループが事業展開する国・地域や製品の需要が低迷し、事業拡大・収益性向上が計画通りに進まない可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②為替相場・資金調達環境の変動に関連するリスク
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は高く、今後もグローバル展開の加速により、海外売上高の割合がさらに増加する見込みです。連結財務諸表の作成にあたっては、各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目を円貨換算しております。従って、換算時の為替レートにより、これらの項目は、各地域の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円貨換算後の価値が影響を受けることになります。また、部材の調達、商品やサービスについて外貨建てで取引しているものもあり、為替動向によって製造コストや売上高に影響する可能性があります。当社グループでは、これらの為替リスクを回避するため、短期的には為替予約などによりリスクヘッジを行っており、中長期的には為替変動に連動した最適調達・生産分担の構築、通貨毎の輸出入バランス化等により為替変動に左右されない体質の実現に取り組んでおります。
また、当社グループでは事業活動に必要となる資金を、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債によって調達しており、経済環境が変動した際に、金融機関の貸出姿勢や資金調達市場の状況が変化し、必要な資金が調達できないリスク及び調達金利が上昇するリスクがあります。これらのリスクに備え、コミットメントラインの設定、金利スワップ等による金利の固定化などの取り組みを行っておりますが、資金調達コストが上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響する可能性があります。
③有価証券の時価の変動に関連するリスク
当社グループは、戦略的観点から当社の企業価値の向上が期待できる企業の株式を保有しておりますが、株式市況の動向によっては、評価額が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響する可能性があります。
(2) 事業活動に関連するリスク
①技術・商品・サービスに関連するリスク
当社グループは、顧客価値・社会的価値の創出を目指し、常にお客様に満足頂ける技術・商品・サービスの開発に注力しております。しかしながら、当社グループの想定とは異なる新たな技術・商品・サービスの出現や、新規参入を含む競合激化などの急激な環境変化により、技術・商品戦略の修正や転換が必要となる可能性があります。
このような場合、新商品・サービスの投入や新たな事業の立ち上げが遅れ、競合他社や新規参入企業に対する優位性が低下し、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②買収・他社との提携等に関連するリスク
これまで当社グループは、事業のグローバル展開や品揃え・販売体制の強化などのために、既存の経営資源を活用した自前での成長に加えて、企業買収を活用してきました。今後、事業領域の拡大や事業構造の転換を加速させるためにも、提携・連携・M&Aを積極的に行ってまいります。案件の検討段階では、事業拡大に向けた戦略に留まらず、事業運営上のリスクについても検証を行うなど、案件の実行後には事業統合が円滑に進むように努めております。しかしながら、案件の実行後に、市場環境の悪化や、対象企業の経営資源が十分に活用できない、対象企業との連携が円滑に進まないなど、統合が計画通りに進まない可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③商品・サービスの品質と責任
当社グループでは、世界150カ国以上で事業を展開しており、現地のニーズに合致した商品・サービスの提供に努めております。また、各地域において厳格な設計審査と品質検査を実施し、品質・安全性の確保に万全を期しております。しかし、万一商品の安全性に関する問題が発生した場合には、顧客の安全を第一に考え、事故の発生や拡大を防止するため、修理・交換、新聞などでの告知、販売事業者等社外の関係者への情報開示など、製造物責任法に基づく責務を果たします。
これらの対策には多額の費用が発生する可能性があるため生産物賠償責任保険等に加入していますが、保険の補償限度額を超える場合やブランドイメージの低下により売上が減少する場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④調達に関連するリスク
当社グループでは、サプライヤーの経営状況の悪化、自然災害や事故の発生等の状況下においても、原材料や部品等が安定的かつタイムリーに、また合理的な価格で供給されることを確保するため、サプライヤーの複数化・地域的分散、部品の共通化・標準化等の対応を進めております。しかしながら、上記のような対応が短期的には困難な場合があるほか、想定を超えるような甚大な事象が発生した場合には、原材料や部品等の供給不足、納入遅延等が発生し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループとサプライヤーは、契約により原材料や部品等の価格を決定しております。長期契約の活用など安定した価格で調達できるよう努めておりますが、急激な需給環境の変化や為替相場の変動等により、調達価格の高騰が避けられないこともあります。
このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制
当社グループは、世界150カ国以上で事業を展開しており、競争法・贈賄防止法・労働関係法・安全規制関連法・環境規制関連法等の世界各国・各地域の法律や規制の適用を受けております。各国において、より厳格な法規制の導入や当局の法令解釈や運用指針の変更により、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンスの徹底に向け、各種教育を実施するとともに、年1回、法令・規程どおりに日々の業務を行っているかをセルフチェックする「自己点検」を導入し、コンプライアンス意識を高めるとともに、監査を実施し、遵守状況を確認しております。
しかしながら、法令違反が生じた場合には、課徴金等の行政処分を受ける可能性があります。また、ブランドイメージの低下により売上が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報セキュリティ
当社グループは、事業を展開するにあたり、第三者の機密情報や顧客の個人情報を取得することがあり、また、当社独自の機密情報も扱っております。このため、ハッカーによる不正アクセスやサイバー攻撃を受け、個人情報や機密情報が外部へ流出したり、各拠点の生産ラインや物流システムが停止したりするなど、事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
これらの事象の発生を防ぐため、情報セキュリティシステムの強化、秘密表示の徹底、外部からのアクセス制限、社内規程の整備や教育研修などの対策を講じておりますが、そのような事態が生じた場合、多額の損害賠償金や制裁金の支払を要する場合があります。さらに、多大な対策費用を支払うことになり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 気候変動等の環境に関連するリスク
当社グループは、「環境社会をリードする」とのグループ経営理念に基づき、省エネ高効率空調機や低温暖化冷媒の開発・普及、建物全体でエネルギーを効率的に利用するソリューションの創出などにより、温室効果ガス(CO2・フロン)の排出を抑制し、地球環境保全に積極的に取り組んでおります。しかしながら、地球環境問題の深刻化などにより、温室効果を有する冷媒ガスの使用・排出規制や省エネルギー規制がさらに強化される場合、規制に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。また、仮にこれらへの十分な対応が困難であったり、遅れが生じた場合には、製品の販売に支障が出るなど、円滑な事業活動に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グルーブでは、事業活動による環境汚染の発生を防止すべく、規制の遵守は当然のこと、より厳しい自主基準を設けるなど万全を期しております。しかしながら、当社が排出した化学物質等に起因して結果的に環境問題が発生した場合には、これに対して浄化処理、損害賠償等の対応を行う必要が生じ、そのための費用が発生する可能性があります。
以上のようなリスクの顕在化により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(4) その他
①固定資産の減損
当社グループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形の固定資産を計上しており、これらの資産については、減損損失の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があるとされた場合には、割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積り、減損損失の有無を判定しております。判定に必要な割引前将来キャッシュ・フローは経営計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積っております。今後の業績変動等により減損損失を認識する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、継続的な業績のモニタリングを行っており、投資に対する回収が困難となる前に対策を講じるように努めております。
②自然災害等
当社グループは、世界中に研究開発・製造・販売・サービスの拠点を有しております。近年わが国では、地震・津波・台風・豪雨などの自然災害に見舞われております。当社では、このような自然災害に備え、各事業場で施設の耐震化を進めるほか、津波・大雨・洪水等に対する対策を進めております。また、自然災害に関する防災規程を制定し、定期的に防災訓練を実施するなどにより、自然災害による影響の極小化を図っております。しかしながら、甚大な自然災害により、当社グループの従業員・生産設備・システム等に被害が発生し、事業活動に大きな影響を受ける可能性があります。海外においても、各種の自然災害のほか、テロや暴動・戦争等によって、当社グループの事業拠点だけではなくサプライチェーンや顧客が被害を受けることも考えられ、これらにより当社グループの事業活動に障害や遅延が発生する可能性があります。
さらに、近年では、感染症の拡大が当社グループの事業にとっての大きなリスクとなっております。本年においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を受け、当社グループでは、海外の一部の工場の操業停止、製品倉庫の封鎖や物流の遅延、販売の落ち込みなどの大きな影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の終息時期は依然として見通せておらず、当社グループの事業活動への今後の影響の程度を現時点で予測することは困難ですが、当社グループでは、従業員の健康と安全の確保を第一に、在宅勤務の推進や職場衛生管理の強化等を進めるとともに、感染症拡大の影響を極小化し、その沈静化に応じて迅速に事業活動を回復させるべくさまざまな対策を講じております。
以上のような自然災害や感染症の拡大等に見舞われた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期の世界経済は、期間前半は緩やかに拡大しました。当社グループは、2019年のグループ年頭方針を「3つの協創を軸として、一人ひとりが迅速果断に行動しよう」と定め、各地域において、販売力・営業力の強化、商品開発・生産・調達・品質力の向上、人材力強化、固定費の削減や変動費コストダウンなどに全力を挙げて取り組みました。また、デジタル技術の進展に伴う産業・社会構造の変化に対応すべく、顧客との双方向のコミュニケーションの実現による新たな商品やサービスの創出、技術開発における産学連携、ベンチャー企業を含む産産連携による差別化技術の獲得や新たな事業の探索などに注力しました。
しかしながら、第4四半期に入ると、新型コロナウイルス感染拡大から世界経済は急減速しました。米国経済は、個人消費が失速し、2020年1月~3月がマイナス成長となったほか、欧州経済も自動車産業を中心に深刻な景気の悪化に見舞われました。中国経済は、米中貿易摩擦と新型コロナウイルスの影響で景気が失速したほか、中国依存度の高いアジア・新興国経済も大幅な景気減速を余儀なくされました。わが国経済は、昨秋以降、景気減速基調が強まる中での消費増税に加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響により消費・投資マインドが冷え込み、景気は後退局面に入りました。当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大に対応し、販売・生産・調達などの事業運営面での影響の極小化に取り組みました。
当期の経営成績については、第3四半期まで堅調に推移していたこともあり、売上高は2兆5,503億5百万円(前期比2.8%増)となりました。しかし、利益面では、新型コロナウイルスの影響もあり、営業利益は2,655億13百万円(前期比3.9%減)、経常利益は2,690億25百万円(前期比2.9%減)となりました。また、投資有価証券の売却益はありましたが、減損損失を計上した影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,707億31百万円(前期比9.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 空調・冷凍機事業
空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比3.9%増の2兆3,091億16百万円となりました。営業利益は、前期比0.6%減の2,361億84百万円となりました。
国内業務用空調機器の業界需要は、公立小中学校施設の空調整備需要が堅調であったこともあり、前期を上回りました。当社グループは、店舗・オフィス用市場では、「スカイエアシリーズ」の室内機バリエーションの拡充、個別運転が可能でスリム設計のマルチエアコン「machi(マチ)マルチシリーズ」の提案強化など、販売の強化に取り組みました。また、ビル・設備用市場では、職場環境の改善ニーズの高まりを背景に、高い省エネ性能と設置自由度を持つ「VRVシリーズ」や、工場などの大空間でも快適な個別空調を実現する『MULTI CUBE(マルチキューブ)』など、ユーザー用途に沿った提案型商品の販売を拡大し、業務用空調機器の売上高は前期を上回りました。
国内住宅用空調機器の業界需要は、9月に消費増税の駆け込み需要がありましたが、その後の反動による需要の落ち込みや、暖冬影響による需要の減少もあり、前期を下回りました。このような需要の中、当社グループ独自の無給水加湿技術を搭載する「うるるとさららシリーズ」の発売20周年を機に、同技術を応用し清潔性を高めた『うるさらX(エックス)』、寝室や子ども部屋に適した『うるさらmini(ミニ)』、『うるるとさらら空気清浄機』の新発売など、商品ラインナップの強化を行いました。さらに、デザイン性と機能性を両立した『risora(リソラ)』の商品ラインナップを拡充するなど、商品価値の向上と訴求の強化を進めましたが、住宅用空調機器の売上高は前期並みとなりました。
米州では、3月から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けましたが、年間を通じての影響は限定的であり、堅調な需要に加えて販売戦略が奏功し、地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器は、ローコストモデルのミニスプリット、業界初の横吹き型インバータユニタリー『FIT(フィット)』などの新製品の販売、新規販売網の開拓や売価アップに取り組んだ結果、売上高は前期を上回りました。大型ビル(アプライド)空調分野は、堅調な市場の伸びを背景に、販売網強化や商品ラインナップ拡充により、ルーフトップを中心に機器の販売を拡大するとともにサービス事業も拡大し、売上高は前期を上回りました。
中国では、急速な市場環境変化に対応する商品・販売戦略を展開し、原材料市況軟化の効果を取り込み、内作拡大などコストダウンを推進したことにより、第3四半期までは前期を上回る業績で推移しておりました。しかしながら、第4四半期に入ると新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、2月は生産・販売が停止し、3月は生産は回復するものの市場が停止状態のため、販売が減少しました。その結果、売上高は前期を下回りました。住宅用市場では、市場の変化に対応するため、成長が見込める地方都市を中心に販売資源をシフトし、独自の専売店「プロショップ」を強化しました。さらに、住宅用マルチエアコンでは、中高級住宅向け「ニューライフマルチシリーズ」に加え、一般住宅向けの商品ラインナップを拡充し、販売拡大に努めました。業務用市場では、大型不動産投資が減少する中、飲食店などの店舗物件や中小物件のリニューアルといった堅調な需要への対応に加え、成熟市場である大都市でインターネットを活用して顧客とつながる「インテリジェントVRV」を展開し、更新需要の獲得に努めました。アプライド空調機器市場では、データセンター向けなど、需要が拡大する分野での提案営業を推進しました。
アジア・オセアニアでは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国政府の発令により、マレーシア、フィリピン、インド等で事業活動が停止・制限されたことで、3月の売上高は前年同月を下回りました。一方、年間を通じては、都市部から地方までカバーする独自の販売店網構築や、サービス技術力向上による他社との差別化などの販売拡大の取り組みにより、地域全体の売上高は前期を上回りました。
欧州では、地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器では、夏季の猛暑効果と販売力強化で、フランス北部やベルギー、オランダ、ドイツなどの北部欧州地域への販売が好調であったこともあり、売上高は前期を上回りました。住宅用暖房機器では、各国でCO2排出量削減に効果的なヒートポンプ式温水暖房機器が奨励されていることを追い風に、売上高は前期を大きく上回りました。業務用空調機器においても、各国での設備店・設計事務所への訪問、スペックイン活動や物件引合い管理の強化に加え、環境に配慮した再生冷媒を使用した差別化商品やR32冷媒機のさらなる訴求により、店舗・事務所・ホテル向けへの拡販につなげ、売上高は前期を上回りました。なお、イタリアをはじめとする欧州全域で新型コロナウイルスの感染が拡大し、各国で非常事態宣言の発表や国境閉鎖により経済活動が制限されたこともあり、3月の売上高は前年同月を下回りました。
中東・アフリカでは、主要市場のドバイで景気が減速する中、自前の販売体制を強化してきたエジプト、サウジアラビアが牽引し、現地通貨での売上高は前期並みとなりましたが、為替の影響により円貨換算後の売上高は前期を下回りました。トルコでは、2018年8月のトルコリラ急落以降の景気後退の影響により空調機器の需要は低迷しているものの、暖房機器の販売が好調であったため、現地通貨での売上高は前期を上回りました。しかし、トルコリラ下落の影響により、円貨換算後の売上高は前期を下回りました。
舶用事業は、海上コンテナ冷凍装置の販売台数増加により、売上高は前期を上回りました。
② 化学事業
化学事業セグメント合計の売上高は、前期比10.4%減の1,798億83百万円となりました。営業利益は、前期比26.9%減の237億70百万円となりました。
フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を中心とする世界的な需要減少と欧州のガス市場の落ち込みによる影響、さらには第4四半期以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響も加わり、全般的に厳しい状況となりました。
フッ素樹脂は、LANケーブル関連の需要は比較的堅調に推移したものの、半導体及び自動車関連の世界的な需要が落ち込んだことなどにより、売上高は前期を下回りました。また、フッ素ゴムについても、米国・欧州・中国などの市場において、自動車関連分野の需要が落ち込んだ影響を受け、売上高は前期を下回りました。
化成品のうち、表面防汚コーティング剤は、アジアなどで販売が伸びず、売上高は前期を下回りました。また、撥水撥油剤についても、中国・米国の需要が伸びず、売上高は前期を下回りました。これらの結果、化成品全体の売上高は前期を下回りました。
フルオロカーボンガスについては、前年度の旺盛な需要の反動を受けた欧州市場で、流通在庫の滞留などに伴う販売の落ち込みの影響が大きく、ガス全体の売上高は前期を大きく下回りました。
③ その他事業
その他事業セグメント合計の売上高は、前期比5.4%増の613億4百万円となりました。営業利益は、前期比8.5%減の55億48百万円となりました。
産業機械用油圧機器は、国内及びアジア市場に加え、欧州・米国市場の需要停滞の影響により、売上高は前期を下回りました。一方、建機・車両用油圧機器は、国内主要顧客向け販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
特機部門では、防衛省向け砲弾の販売が増加したことにより、売上高は前期を上回りました。また、在宅酸素医療用機器についても、酸素濃縮装置の販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
電子システム事業では、品質課題解決・設計開発期間短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』、それに関連した新商品『Smart Innovator(スマートイノベーター)』と、CG制作システムの販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
総資産は、2兆6,675億12百万円となり、前連結会計年度末に比べて333億78百万円減少しました。
流動資産は、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べて131億77百万円減少し、1兆3,044億27百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券の売却による減少等により、前連結会計年度末に比べて202億円減少し、1兆3,630億85百万円となりました。
負債は、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べて491億19百万円減少し、1兆2,049億21百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて157億41百万円増加し、1兆4,625億91百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の52.4%から53.8%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の4,841.15円から4,904.46円となりました。
また、有利子負債については、短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べて318億35百万円減少し、5,538億6百万円となり、有利子負債比率(有利子負債/総資産)は、21.7%から20.8%となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、売上債権の増加幅の減少等により、前連結会計年度に比べて521億57百万円収入が増加し、3,021億66百万円の収入となりました。投資活動では、連結子会社買収による支出の減少等により、前連結会計年度に比べて95億85百万円支出が減少し、1,561億87百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べて1,012億12百万円支出が増加し、1,699億33百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて562億12百万円減少し、459億83百万円のキャッシュの減少となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの製品は、大部分見込み生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
以下に記載の内容については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。
なお、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであり、その他の重要な会計方針等は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(固定資産の減損)
固定資産の減損損失の認識判定に必要な割引前将来キャッシュ・フローは、経営計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積もっております。割引前将来キャッシュ・フローの見積りにおける重要な仮定は、営業利益・運転資本増減・設備投資及び減価償却の見積りであり、その金額は、主として売上成長及び収益性改善の予測の影響を受けます。
(2) 財政状態
①資産
総資産は、2兆6,675億12百万円となり、前連結会計年度末に比べて333億78百万円減少しました。
流動資産は、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べて131億77百万円減少し、1兆3,044億27百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券の売却による減少等により、前連結会計年度末に比べて202億円減少し、1兆3,630億85百万円となりました。
②負債及び純資産
負債は、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べて491億19百万円減少し、1兆2,049億21百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて157億41百万円増加し、1兆4,625億91百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の52.4%から53.8%になり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の4,841.15円から4,904.46円となりました。
(3) 経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比2.8%増の2兆5,503億5百万円となりました。
空調・冷凍機事業では、第4四半期に入ると新型コロナウィルス感染拡大により販売に大きな影響を受けましたが、第3四半期まで堅調に推移していたことにより、売上高は前連結会計年度比3.9%増の2兆3,091億16百万円となりました。
化学事業では、半導体関連や自動車関連等の需要減少と欧州のガス市場の落ち込みにより売上高は前連結会計年度比10.4%減の1,798億83百万円となりました。
その他事業全体では、建機・車両用油圧機器が国内市場で堅調に推移し、売上高は前連結会計年度比5.4%増の613億4百万円となりました。
②営業費用、営業利益
売上原価は、前連結会計年度比3.3%増加し、1兆6,654億7百万円となりました。
販売費及び一般管理費については、前連結会計年度比4.5%増加し、6,193億84百万円となりました。人件費の増加が主な要因であります。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比3.9%減の2,655億13百万円となりました。
なお、セグメントの営業損益については、空調・冷凍機事業では、前連結会計年度比0.6%減の2,361億84百万円の営業利益となり、化学事業では、前連結会計年度比26.9%減の237億70百万円の営業利益となり、その他事業は前連結会計年度比8.5%減の55億48百万円の営業利益となりました。
③営業外損益、経常利益
営業外損益は、為替差損が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて26億92百万円増加し、35億12百万円のプラスとなりました。
経常利益は、前連結会計年度比2.9%減の2,690億25百万円となりました。
④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別損益は、当連結会計年度に減損損失を計上したこと等により、前連結会計年度に比べて110億81百万円減少し、128億45百万円のマイナスとなりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比9.7%減の1,707億31百万円となりました。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動では、売上債権の増加幅の減少等により、前連結会計年度に比べて521億57百万円収入が増加し、3,021億66百万円の収入となりました。投資活動では、連結子会社買収による支出の減少等により、前連結会計年度に比べて95億85百万円支出が減少し、1,561億87百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べて1,012億12百万円支出が増加し、1,699億33百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べ562億12百万円減少し、459億83百万円のキャッシュの減少となりました。
当社グループでは、投資は成長の基盤と考えており、投資によって事業拡大を図るとともに、財務体質の強化、企業価値の一層の向上と株主への利益還元の向上を図ってまいります。具体的には、新製品に対応した設備投資、生産性向上・生産能力拡大のための投資などに加え、各戦略的投資を実行し、グローバルでの事業拡大及び競争力強化を図ってまいります。戦略的投資の重点は、時代の変化に合わせた、デジタル革命への備え(デジタルトランスフォーメーション)、AI・IoTを中心に外部との協創、M&A、提携・連携などであり、これらの投資に必要な資金は内部留保の蓄積を基本とした自己資金に加え、必要に応じ、金融機関からの借入や社債等で調達します。当連結会計年度では、営業活動によるキャッシュ・フロー(3,021億66百万円)が、投資活動によるキャッシュ・フロー(1,561億87百万円)を上回りました。
株主への配当は、安定的かつ継続的に実施していくことを基本に、連結純資産配当率(DOE)3.0%を維持するように努めるとともに、連結配当性向についてもさらに高い水準を目指していくことで、株主への還元の一層の拡充に取り組んでおります。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
提出会社
(1) 合弁契約
当社グループは、世界規模での地球温暖化やエネルギー問題への関心の高まりを受け、地球環境問題に対して積極的に貢献し事業拡大するべく、テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)を中心に、先端技術の研究開発に取り組んでおります。
2018年には、東京大学と「産学協創協定」を締結しました。両組織間の包括的な提携により、共同研究に留まらず両者で掲げる未来ビジョン作りや、相互の人材交流、東京大学関連ベンチャー企業との協業など、幅広く協業を推進してまいります。また、情報科学分野を中心にAI人材の養成などを行う「包括連携契約」を締結した大阪大学や、京都大学、中国の清華大学、北京大学などとの産学連携や様々な産産連携を推進し、協創することで、イノベーションを生み出し、複雑な社会課題を解決し、新たなビジネスを創出しております。
また、空間から得られる様々なデータを基に、各パートナー企業が持つノウハウを活用しながら、新たな価値やサービスを生み出していくための協創型プラットホーム「CRESNECT」の第1弾プロジェクトである「未来のオフィス空間」実現のための会員型コワーキングスペース『point 0 marunouchi』を2019年に開設し、実証実験に取り組んでおります。
これらの取組みにより、研究開発の大幅な効率化とスピードアップを図り、グローバル各地域で差別化商品を生み出していきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は、
① 空調・冷凍機事業
住宅用、業務用空調機器において、健康で快適な空間づくりに欠かせない湿度コントロール技術に優れた空調商品をラインナップしたブランドライン「うるるとさららシリーズ」を新たに立ち上げました。壁掛形ルームエアコン『うるさらX(エックス)』『うるさらmini(ミニ)』、除加湿ストリーマ空気清浄機『うるるとさらら空気清浄機』、店舗・オフィスエアコン『うるるとさららZEAS(ジアス)』を2019年11月より順次発売しております。
当社は空気・空間における湿度の重要性にいち早く着目し、1999年に世界初の湿度コントロール技術を搭載したルームエアコン『うるるとさらら』を発売しました。発売20周年を機に立ち上げた本ブランドの展開で、湿度に対する生活者の意識を高めるとともに、人々の暮らしの空間であるリビングルームや寝室、子ども部屋、オフィスや店舗、病院など、あらゆる場所の年間を通じた健康・快適な空間づくりを提供してまいります。
『うるさらX』においては、加湿・除湿といった湿度コントロール技術を活用し、室内機の熱交換器を洗浄する技術を開発しました。夏、冬問わず年間を通じて室内機を清潔に保ちます。また給気方式での換気機能を搭載しており、外の空気を入れながら、部屋を空調することで快適な室内環境を実現します。
『うるさらmini』においては、加湿能力が『うるさらX』と同等でありながら、室内機を薄型設計しました。寝室、小部屋に向けたうるるとさららエントリーモデルとして開発しております。
『うるるとさらら空気清浄機』においては、加湿、除湿、空気清浄、脱臭機能を搭載。更に当社壁掛形エアコンとの連動機能を新たに開発し、湿度制御技術を持たない機器でも除湿、加湿制御を可能にしております。
また、住宅用空調機器において、インテリアとの調和を追求した壁掛形エアコン『risora』では、室内機正面パネルを好みの色に変更でき、また、木目・大理石・レザーなどの質感を再現できる有料オプションサービス『risora custom style』を2019年6月に株式会社サンゲツと共同で企画しました。内装イメージに合わせた壁紙やルームエアコンの組合せを楽しみながら選ぶことができ、自分だけのこだわりの空間づくりに貢献します。
業務用空調機器において、店舗・オフィス用エアコン「スカイエア」の新機種として、清潔性や省エネ性の向上を実現する「FIVE STAR ZEAS(ファイブスタージアス)」シリーズと「Eco-ZEAS(エコジアス)」シリーズを2020年4月に発売します。本商品は、新たに搭載した「水内部クリーン」で、冷房や除湿冷房の運転終了後、結露水で熱交換器のホコリを洗い流し、送風運転と加熱乾燥運転によって内部を乾燥させることでエアコン内部を清潔にします。2018年4月に発売した不快なニオイの原因となる室内機内部のカビの成長を抑制する「ストリーマ内部クリーン」と組み合わせることでより健康に配慮したクリーンな空間の実現を目指します。
大容量タイプ(8・10馬力)においては、業界で初めて地球温暖化への影響が少ない冷媒R32を採用し、環境性を向上させました。省エネ性も従来機と比べて約20%向上し、19kgの軽量化(8馬力)も実現することで、使用者だけでなく施工者への負担も軽減します。
中~大規模ビルで使用される「VRV X」シリーズを2020年4月に発売します。近年、猛暑や台風などによる自然災害が増加し、室外機が置かれる環境はますます過酷になっていることに着目し、室外機のフレーム構造を強化することで、耐震性・耐風性を向上させました。震度7相当の振動試験、風速60 m/s相当の試験をクリアしています。
また、熱交換効率の高いマイクロチャネル熱交換器により、外気温41℃まで定格冷房能力を維持し、酷暑の過酷な環境においても安定した冷房能力を発揮します。
近年の設備施工者の人手不足に対しては、室内機の施工で負担の大きかったドレン配管工事の作業を容易にする「勾配フリー方式」を「VRV X」「スカイエア」ともに採用し、設置工事の作業負荷を軽減しました。
さらに当社は、エアコンの設備設計、施工、試運転に至るまでの工程で作業効率の向上を目指します。空調負荷の計算、選定、資料作成を自動化するクラウド型空調設計支援アプリケーション『DK-BIM』や、『空調工事完成図書作成支援アプリ(仮称)』などの業務支援サービスを利用いただくことで、空調設備が完成するまでのあらゆる工程において、大幅な工数削減を目指しております。
工場・倉庫等の大空間で使用する設備用エアコンにおいては、従来機と比べて省エネ・省施工・省メンテナンスを実現する「ベルトレスタイプ」を開発しました。従来の設備用エアコンでは、熟練技術者による調整やメンテナンスが必要で、費用と工数がかかっていましたが、本商品ではファンとモーターを直結した「ダイレクトドライブ方式」を採用することで、それらを大幅に軽減する事が可能です。また、市場の大部分を占める既設機からの入れ替え工事でも、風量を自動で調整する機能を搭載しており、大幅な施工時間短縮につながります。近年の人手不足による施工・メンテナンスにおける課題は空調業界全般に共通するものであり、今後、空調メーカーとしても継続的にこの課題を解決できる商品を創出してまいります。
アプライド機器においては、北米では、効率、カスタマイズ性を改善した新しい中大型ルーフトップを2019年9月に上市しました。また、急成長するデータセンター冷却市場向けに最適設計を行い、省エネ性能の高いフリークーリング機能を搭載した空冷チラーを2020年3月に上市しました。
欧州では、Fガス規制が強化される中、2019年12月に冷媒R513Aを採用したターボチラーを、2020年1月に冷媒R32を採用したスクロールヒートポンプチラーを矢継ぎ早に市場に投入し、昨年に引き続き低GWP冷媒の採用を拡大しました。
中国では、新型圧縮機を搭載し、用途範囲も一般空調から高温ヒートポンプ、氷蓄熱まで拡大する大型ターボチラーを2019年12月に上市しました。また、東南アジアなどの海外市場から要求がある環境負荷の低い低圧冷媒を採用した磁気軸受ターボチラーも2019年11月に上市しました。
空調・冷凍機事業に係る研究開発費は、
② 化学事業
化学事業の研究開発は、豊富なフッ素素材や多岐にわたるフッ素化学関連技術を元に新商品開発及び用途開発を行っております。
フッ素樹脂・ゴムではフッ素材料の得意とする耐熱性や耐薬品性、誘電特性などを活かし、自動車・半導体・ワイヤー&ケーブル(IT分野)などでの差別化新商品研究を行っております。フッ素の非粘着性、耐薬品性を活かしたコーティング材料開発、撥水撥油性を活かしたテキスタイル処理剤、カーペット処理剤の開発、さらには含フッ素化合物の機能性を活かした液晶関連材料の開発や、医薬中間体の受託合成研究など、フッ素に関する幅広い研究開発を行っております。冷媒分野では、人工知能等を活用し環境規制対応の次世代冷媒の開発を加速しております。
これらの開発に加え、周辺事業領域の研究開発や用途開発としてはフィルム等の加工品や他素材との複合材料開発を、先端材料研究としてはメディカル分野、光学分野、環境分野、電池エネルギー分野などで新たな部材・デバイスビジネスの探索を進めることによってフッ素化学グローバルNo.1、オンリーワンのケミカルソリューション事業展開を目指しております。特に車載電池分野では、グローバルで連携し市場の更なる開拓に注力します。
これらの研究開発を加速・推進するべく、化学事業部では新商品開発の確実な実行を担い、TICにおいては、化学事業につながる次世代テーマの探索を実施しております。
化学事業に係る研究開発費は、
③ その他事業
油機関連では、油圧技術とインバータ技術を融合させた商品であるハイブリッド油圧システムの特徴を活かし、従来の油圧システムではなし得ない省エネ性と高機能を実現しております。また、国内外での採用拡大に取り組む中低圧・小容量市場に加え、高圧・大容量市場への用途開発を進めております。
プレスなどの産業機械向けの『スーパーユニット』は工場の電力削減の切り札として省エネ性で高い評価を得ており、低騒音、発熱低減、タンク油量削減による作業環境改善や環境負荷低減にも寄与しております。
また、電動に匹敵する高い応答性と省エネ性を実現した成形機向けの大型システムも市場に投入し、異電圧電源対応などアジア各国、その他の地域特性に合わせた機種シリーズを拡充し、各地域での採用が進んでおり、プレスなど、他の用途でのグローバル展開、拡販も進めております。
さらに、特殊車両用の省エネシステムについても開発を進めており、車両向けの油圧ハイブリッドシステムが実機採用されております。
このように従来の油圧システムに加えて、その枠を超えた先進的な環境対応商品をグローバルに提供する商品と技術の開発を進めております。
特機関連では、主に防衛省向け砲弾・誘導弾弾頭と在宅酸素医療用機器に関する研究を行っております。
その他事業に係る研究開発費は、