当第2四半期連結累計期間において、事業等のリスクについて新たに発生した事項または重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年4月1日~9月30日)の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済活動が停滞し、景気が大きく減速しましたが、一部の国では持ち直しの動きが見られました。米国経済は、前半は個人消費の減少から景気が減速しましたが、後半からは政府の経済対策や金融緩和が消費を下支えし、景気回復の兆しを見せました。欧州経済は、輸出が持ち直しつつあるものの、雇用・所得環境の悪化により個人消費が減少し、景気を下押ししました。アジア・新興国経済は、外国人旅行客の急減によるサービス輸出の低迷や、各国政府による活動制限措置により内需が低迷し、成長率は大幅に低下しました。中国経済は、いち早く経済活動が再開されたほか、輸出の増加や政府の新型インフラ投資もあり、景気回復傾向が持続しました。わが国経済は、輸出が持ち直しつつあるものの、外出制限による個人消費の低迷が景気を下押ししました。
このような事業環境のもと、当社グループへの影響の極小化及び収束時の速やかな回復に向けて、部門横断のプロジェクトを立ち上げるなど、生産・調達・販売などの事業運営面での取り組みに注力しました。とりわけ、空気・空間の安全・安心に対する意識の高まりを捉え、空気清浄機や換気商材などの空気関連商品の拡販に取り組みました。また、各国で販売網・生産拠点・サプライヤーからの調達が影響を受ける中でも、商品の供給体制維持に努めました。新型コロナウイルスの感染状況や市場の回復ペースは地域や市場により異なるものの、売上は住宅用空調機器を中心に回復基調を取り戻しつつあります。
さらに、当社グループでは、本年(2020年)のグループ年頭方針を「3つの協創を加速して、変化の時代を勝ち抜こう」(3つの協創:顧客との協創、外部との協創、グループ内の協創)と定め、成果創出を目指しており、各地域において、販売力・営業力の強化、商品開発・生産・調達・品質力の向上、人材力強化、固定費の削減や変動費コストダウンなどに取り組みました。
当第2四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は1兆2,292億49百万円(前年同期比9.2%減)となりました。利益面では、営業利益は1,316億27百万円(前年同期比21.8%減)、経常利益は1,318億54百万円(前年同期比22.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は846億8百万円(前年同期比28.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
①空調・冷凍機事業
空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前年同期比8.3%減の1兆1,316億93百万円となりました。営業利益は、前年同期比18.4%減の1,244億59百万円となりました。
国内業務用空調機器の業界需要は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策に伴う経済活動の収縮により、店舗市場をはじめとして大きく減退しました。当社グループは、リモートワークを活用した販売業務の維持、遠隔からの提案営業活動など、営業機能の維持の取り組みを進め、また、市場で関心が高まる換気・除菌商材の提案に取り組みましたが、業務用空調機器の売上高は前年同期を下回りました。
国内住宅用空調機器の業界需要は、在宅時間増加に伴う空調需要の増加、換気・除菌への関心の高まり、政府の給付金効果による需要の下支えに加え、8月以降の猛暑効果もあり、前年同期を上回りました。当社グループは、換気機能を持つ『うるさらX(エックス)』や『ストリーマ空気清浄機』など、独自技術を活かした空気質改善の価値が市場から評価されたこともあり、住宅用空調機器の売上高は前年同期を上回りました。
米州では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、地域全体の売上高は前年同期を下回りました。住宅用空調機器は、天候に恵まれたことや、巣ごもり・リモートワークによる需要のプラス効果がありました。しかし、米国全域での新型コロナウイルスの影響や、感染拡大を防止するために工場を一時的に閉鎖し、供給が逼迫したことなどにより売上高は前年同期を下回りました。また、業務用空調機器は、小売業や飲食業など特定の業種におけるプロジェクトの見直し・中止などにより、売上高は前年同期を下回りました。大型ビル(アプライド)空調分野は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により市場が停滞しましたが、販売網強化や新型コロナウイルスの影響が出る前に受注を確保したエアハンドリングユニット(業態や部屋用途によって異なる多彩な空調ニーズに応える大型の業務用空調機器)とパーツを中心に販売を拡大し、売上高は前年同期を上回りました。
中国では、4月・5月は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、市場が完全に回復せず、第1四半期(4月~6月)の売上高は前年同期を下回りました。しかし、6月に入り市場が本格的に動き出したこともあり、第2四半期(7月~9月)の売上高は前年同期を上回りました。このように、6月以降の販売は回復しましたが、第2四半期累計(4月~9月)の売上高は前年同期を下回りました。利益面では、販売の回復に加え、原材料市況軟化の取り込み、固定費削減・コストダウンを推進し、高水準を維持しました。住宅用空調機器では、需要は回復傾向にあり、従来の当社グループの強みである独自の専売店「プロショップ」によるオフライン販売に、インターネットを介したオンライン販売を組み合わせた新たなビジネスモデルにより、新規顧客の探索、オンライン販売の推進などを実行し、6月以降に主力商品である住宅用マルチエアコンの販売を伸ばしました。業務用空調機器では、公共投資をはじめ動き出した大型物件への販売を強化するため、大手デベロッパーとのエネルギー・空気関連商品に関する協業推進、商品力の強化を図りました。また、需要の回復が遅れている業務用小売(店舗市場など)では、換気・洗浄・除菌を切り口に顧客との接点を拡大し、更新需要などの掘り起こしに取り組み、第2四半期(7月~9月)の売上高は前年同期並みを確保しました。アプライド空調機器市場では、インフラ関連、データセンターなどの情報関連、保守・メンテナンスなどの需要が伸びている分野での販売を強化しました。
アジア・オセアニアでは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国政府の発令により、4月は多くの国で事業活動が停止し、販売が大きく落ち込みました。住宅用空調機器については、5月以降事業活動への制限は残るものの、制限緩和が進み、事業活動が停止していた4月の需要減少の反動や、在宅時間増加による巣ごもり需要を取り込みました。また、事業活動の制限により家電量販店が入るショッピングモールが各国で閉鎖される中、当社グループの独自販売店ルートを通じた販売促進を行いました。業務用空調機器では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、建設現場での労働者不足やコロナウイルス検査義務付けのため、市場全体で着工遅れ・工期遅延が発生する厳しい状況が続きました。このように、新型コロナウイルスの影響による景気減速や個人消費の落ち込みにより、住宅用・業務用空調機器ともに、地域全体の売上高は前年同期を下回りました。
欧州では、新型コロナウイルス感染拡大の影響による販売の落ち込みがありましたが、ロックダウンが段階的に解除された5月以降の販売強化で売上が急回復し、地域全体の売上高は前年同期並みとなりました。住宅用空調機器では、チェコやトルコの最寄りの工場を活かした生産・供給対応により需要を最大限に取り込みました。さらに、住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器は、欧州グリーンディールによる補助金制度を追い風に、新機種の投入効果などで販売を伸ばしました。これらの結果、住宅用空調機器全体の売上高は前年同期を上回りました。業務用空調機器においては、ロックダウン解除後もホテル・レストラン・店舗向けの需要が減少し、また、各国でのリモートワークの推奨により、オフィス向け需要が低調であったため、業務用空調機器の売上高は前年同期を下回りました。
中近東・アフリカでは、新型コロナウイルスに加え、原油価格の下落による景気悪化の影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。トルコでは、住宅用空調機器の販売を伸ばし、現地通貨での売上高は前年同期を上回りましたが、トルコリラ下落の影響により円貨換算後の売上高は前年同期を下回りました。
フィルタ事業は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、換気ニーズの高まりを受け、米国では病院や住宅用フィルタの販売が拡大し、アジア・欧州では病院・クリーンルーム向け高機能フィルタの販売が拡大しました。さらに、患者の病室からウイルスが外部に広がらないようにする陰圧機などの販売にも取り組みました。しかしながら、電力需要減退によるガスタービン向け販売の落ち込みなどもあり、フィルタ事業全体の売上高は前年同期を下回りました。
舶用事業は、海上コンテナ冷凍装置の販売台数は減少しましたが、売上高は前年同期並みとなりました。
②化学事業
化学事業セグメント合計の売上高は、前年同期比17.0%減の746億42百万円となりました。営業利益は、前年同期比54.1%減の59億38百万円となりました。
フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を含め広範囲での新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要減少や、欧州ガス市場の需要の落ち込みなどにより、全般的に厳しい状況となりました。
フッ素樹脂は、世界的な半導体及び自動車関連の需要減少に加え、米国での建築・航空機関係の需要の落ち込みもあり、売上高は前年同期を下回りました。また、フッ素ゴムについても、自動車関連分野の需要は中国市場を中心に回復してきているものの、国内・米国・欧州・アジアでの需要の落ち込み影響が大きく、売上高は前年同期を下回りました。
化成品のうち、撥水撥油剤は、中国・米国・欧州における医療関係用途などでの拡販により、売上高は前年同期を上回りました。また、表面防汚コーティング剤は、中国での販売が順調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。需要環境は厳しい状況となりましたが、これら販売を伸ばした商品もあり、化成品全体の売上高は前年同期並みとなりました。
フルオロカーボンガスについては、グローバルでの販売の落ち込みの影響が大きく、ガス全体の売上高は前年同期を大きく下回りました。
③その他事業
その他事業セグメント合計の売上高は、前年同期比23.2%減の229億13百万円となりました。営業利益は、前年同期比56.6%減の12億24百万円となりました。
油機部門では、産業機械用油圧機器は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国内設備投資抑制、アジア・欧米市場の需要減少の影響により、売上高は前年同期を下回りました。また、建機・車両用油圧機器は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国内・欧米市場の需要減少の影響により、売上高は前年同期を下回りました。
特機部門では、在宅酸素医療機器は、パルスオキシメータ(採血することなく血中酸素飽和度を簡易に測定できる医療機器)の需要を取り込んだことにより販売が拡大しましたが、防衛省向けの砲弾の販売が減少したことにより、売上高は前年同期を下回りました。
電子システム事業では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う投資抑制により、製造業を中心に販売している設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』の販売が減少し、売上高は前年同期を下回りました。
(2) 財政状態の状況
総資産は、2兆9,921億83百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,246億71百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて3,124億22百万円増加の1兆6,168億49百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の時価変動による増加等により、前連結会計年度末に比べて122億48百万円増加の1兆3,753億33百万円となりました。
負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,455億50百万円増加の1兆4,504億71百万円となりました。有利子負債比率は、前連結会計年度末の20.8%から26.2%となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて791億20百万円増加の1兆5,417億12百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動では、たな卸資産の減少等により、前年同期に比べて417億42百万円収入が増加し、2,191億11百万円の収入となりました。投資活動では、定期預金の増加等により、前年同期に比べて135億51百万円支出が増加し、720億36百万円の支出となりました。財務活動では、長期借入れによる収入の増加等により、前年同期に比べて2,762億71百万円収入が増加し、1,954億13百万円の収入となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、前年同期に比べて3,311億96百万円増加し、3,466億86百万円のキャッシュの増加となりました。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更を行っております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)(新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積り)をご参照下さい。
(5) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は330億6百万円であります。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。