第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、事業等のリスクについて新たに発生した事項または重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~12月31日)の世界経済は、経済活動の制限の緩和が進み、各国で景気回復の兆しが見られましたが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレの進行、多くの国での急速な利上げにより先行きの不透明感が強まりました。米国経済は、長引くインフレが景気の重石となりましたが、良好な雇用・所得環境、コロナ禍で積み上がった貯蓄による活発な個人消費やエネルギー関連輸出の増加が景気を下支えしました。欧州経済は、長引くロシア・ウクライナ情勢に伴うエネルギー価格高騰や利上げにより景気減速が鮮明になりました。アジア・新興国経済は、急速なインフレが経済の下押し要因となる中、活動制限の緩和により個人消費やサービス輸出が持ち直したことに加え物品輸出も好調に推移し、景気は緩やかに回復しました。中国経済は、長引くゼロコロナ政策の影響で消費・投資マインドが減退する中、欧米景気の減速や活動制限による工場稼働率の低下により輸出が減少し、経済活動は停滞感が強まりました。わが国経済は、行動制限の緩和による活発な個人消費や、旺盛な設備投資、供給制約の緩和による輸出や生産の増加が景気を下支えしました。

当社グループでは、2021年度に策定した戦略経営計画「FUSION25」の完遂に向けて、成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめとした重点9テーマの施策に取り組んでおります。

上記のような事業環境のもと、それぞれの地域・事業の進捗状況をきめ細かくフォローしながら臨機応変に課題に対応することで、環境変化による当社事業への影響を極小化する一方、堅調な地域・事業でのさらなる販売の拡大・収益力の向上に努めました。具体的には、次に挙げるテーマへの取り組みを継続・強化しました。

・市場・顧客にその価値を認めていただける、差別化商品の投入による販売価格政策の推進

・業務用空調をはじめとした各事業における、販売力・営業力の強化

・原材料市況の悪化や資源価格の高騰に対応するための、変動費コストダウンの推進

・物流経費のさらなる高騰への対応としての、物流効率化策の推進

・積極的な投資と収益性向上の両面を意識した、固定費の効率化

・次年度以降も見据えた、中期的な調達・供給力の強化

・大型設備投資の成果創出・収益化の加速

また、世の中の変化を機会と捉え、カーボンニュートラル実現の加速やデジタル技術の活用など、当社グループの強みを活かし、次の飛躍につなげる挑戦テーマを設定し、強靭な企業体質の構築と成果創出に取り組みました。

当第3四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は2兆9,856億67百万円(前年同期比29.7%増)となりました。利益面では、営業利益は3,037億57百万円(前年同期比17.1%増)、経常利益は2,992億55百万円(前年同期比12.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,089億52百万円(前年同期比16.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

①空調・冷凍機事業

空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前年同期比29.9%増2兆7,332億35百万円となりました。営業利益は、前年同期比13.3%増2,661億69百万円となりました。

国内空調では、業務用市場の需要は、経済活動の回復に伴う設備投資の持ち直しの動きがみられ、前年同期を上回りました。一方、中国でのロックダウンによる供給面での影響や昨年の巣ごもり需要からの反動もあり、住宅用市場の需要は、前年同期を下回りました。このような状況の中、当社グループは、省エネ機器需要の高まりに対する提案強化や、強靭なサプライチェーンによる安定供給に努め、販売の拡大に取り組みました。業務用空調機器市場に向けては、高い省エネ性能を持つ「FIVE STAR ZEAS」・「VRV X」シリーズなどの空調機器と、全熱交換器『ベンティエール』や『UVストリーマ除菌ユニット』など換気・除菌機器を組み合わせることで、エネルギーコスト削減と空気質改善を両立する提案を拡大しました。これらにより、業務用空調機器の売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器市場に向けては、無給水加湿や給気・排気換気など独自の機能を搭載するルームエアコン『うるさらX(エックス)』、細部までデザインにこだわったルームエアコン『risora(リソラ)』など、当社独自の商品特長を活かしたユーザー訴求を強化し、また、電気料金の上昇によりニーズの高まる省エネ機器の訴求力を高めました。これらにより、住宅用空調機器の売上高は前年同期を上回りました。

米州では、一部機種で部品不足に起因した供給逼迫等の問題がある中でも、生産性の向上に努め、生産・販売ともに堅調に推移しました。住宅用空調機器については、長引くインフレや住宅金利上昇等により業界需要の伸びが停滞しましたが、供給力の強化や顧客開発等の営業努力によりシェアは堅調に推移しました。また、買収による販売網強化や価格政策の実施に努め、売上高は前年同期を大きく上回りました。大型ビル(アプライド)空調分野は、市場が堅調に推移する中、市場の伸びを上回る空調機器の拡販とサービス事業での拡大に取り組んだことや、買収した販売会社を活用した販路拡大の効果もあり、売上高は前年同期を大きく上回りました。

中国では、4月・5月は上海でのロックダウンにより生産・物流が停止し、製品供給が滞り販売が減少しました。6月のロックダウン解除後は、いち早く生産・物流をフル稼働させ、上期の販売は前年同期を超えるまで回復しました。下期に入り感染対策による厳しい行動制限に加え、12月はゼロコロナ政策急転換による感染者の急増などがあり、第3四半期(10月~12月)は販売活動が停滞しましたが、為替のプラス効果もあり地域全体の売上高は前年同期を上回りました。利益面では、販売減速の影響を受けましたが、高付加価値商品の拡販、コストダウン・固定費削減に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、顧客訪問が制限される中、カスタマーセンターやライブ放送を活用したオンライン販売を強化し、新規引合い情報の獲得に注力しました。顧客の空気・環境への関心は高まっており、空気・換気関連商品やエネルギー消費量可視化商品、カーボンニュートラル加速に向けたヒートポンプ式温水暖房機器などのシステム商品の品揃えを強化しました。業務用空調機器市場では、換気・洗浄を切り口に顧客との接点を拡大し、機器の更新や追加購入の需要を取り込みました。カーボンニュートラル政策の推進を機会と捉え、大型物件市場ではエネルギーソリューション・空気質改善などの提案を行い、工場向け市場では省エネ空調による電力削減提案などを強化しました。アプライド空調機器市場では、インフラ・半導体関連など成長分野に経営資源をシフトしたことに加え、保守・メンテナンス事業を強化しました。

アジア・オセアニアでは、第3四半期(10月~12月)に入り、インドでは経済成長を背景に引き続き好調な販売を維持したものの、各国でのインフレの進行による消費低迷、天候不順等の影響を受け、住宅用空調機器の販売がやや減速しました。一方、コロナ禍での行動制限の緩和に伴い、物件の遅延等の状況が改善傾向にある業務用空調機器の販売は堅調に推移しました。電子部品等の供給逼迫が継続する中でも製品を安定的に供給し、各国で価格政策を実施した結果、地域全体の売上高は住宅用・業務用ともに前年同期を上回りました。

欧州では、ロシア・ウクライナ情勢の悪化によるエネルギー価格高騰、高インフレやコロナ影響に伴う中国からの部材供給の逼迫等、厳しい事業環境が続きました。しかしながら、生産・販売・供給部門の連携強化、各販社での販売力・営業力強化の取り組みにより、地域全体の売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器は、暖房シーズンの第3四半期(10月~12月)には、ドイツやフランス等を中心に暖房商品として訴求しました。省エネ性に優れる高級機を拡販し、住宅用空調機器の売上高は前年同期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器は、各国政府のグリーンディール政策を背景とした補助金制度が追い風となり、ガスやオイルボイラーからの更新需要は引き続き拡大しました。販売店開発や補助金申請支援などの販売力強化と商品ラインナップの拡充、最寄り工場での生産・供給力強化で需要を最大限に取り込みました。これらにより、住宅用暖房機器の売上高は前年同期を大きく上回りました。業務用空調機器においては、各国のコロナ禍での行動制限の緩和に伴い、オフィスや店舗等の一時的な反動需要(ペントアップ需要)を着実に取り込みました。欧州中央銀行の金利引上げ影響により、第2四半期以降は需要回復の鈍化が見られましたが、引合いの徹底フォローで販売を最大化しました。その結果、業務用空調機器の売上高は前年同期を上回りました。低温事業は、食品スーパーの新店・改築投資の手控え等、事業環境が悪化し、売上高は前年同期を下回りました。

中近東・アフリカでは、サウジアラビア・エジプト・カタールでの販売強化が牽引し、売上高は前年同期を大きく上回りました。トルコでは、現地で生産を開始した業務用空調機器において短納期対応を強みに販売を拡大したことにより、前年同期を大きく上回りました。

 

フィルタ事業では、需要は緩やかな回復基調が続きました。米国は、業務用ハイエンド用途向けの事業拡大に力を入れているとともに、ユーザー直売の新規顧客開発、8月に事業買収した代理店を積極的に活用した拡販や価格政策の実施により、販売を大きく伸ばしました。欧州は、エネルギー制約や記録的な物価上昇、利上げ影響等により景気後退局面にあるものの、省エネや空気質ニーズの底堅い広がりを背景にハイエンド市場での販売が好調となりました。アジアは、中国のゼロコロナ政策による景気減速及びその後の感染急拡大による混乱の影響もあり販売が落ち込みましたが、国内は、引き続き半導体市場向けに高性能フィルタの販売が堅調に推移しました。また、ガスタービン・集塵機事業は、前期に引き続き海上油田向け特殊フィルタの販売が好調なこともあり、フィルタ事業全体の売上高は前年同期を大きく上回りました。

舶用事業では、海上コンテナ冷凍装置は、中国でのロックダウンの影響を受け、部品不足による生産の減少や物流の混乱による4月・5月の販売減少の影響が大きく、販売台数は前年同期を下回りました。しかし、舶用エアコン・冷凍機は販売を伸ばしたことなどもあり、舶用事業全体の売上高は前年同期を上回りました。

 

②化学事業

化学事業セグメント合計の売上高は、前年同期比25.2%増1,939億10百万円となりました。営業利益は、前年同期比61.5%増327億10百万円となりました。

フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を中心に広範囲での堅調な需要に加え、原材料市況高騰を背景とする価格政策を実施したことにより、売上高は前年同期を大きく上回りました。

フッ素樹脂は、世界的な半導体・自動車関連需要の堅調な推移に伴い、売上高は前年同期を上回りました。また、フッ素ゴムについても、自動車関連を中心に需要が堅調であること、原材料市況高騰を背景とした価格政策を実施したことにより、売上高は前年同期を大きく上回りました。

化成品のうち、表面防汚コーティング剤や撥水撥油剤の需要に停滞が見られたものの、半導体向けエッチング剤などの需要が堅調に推移したことにより、化成品全体の売上高は前年同期を上回りました。

フルオロカーボンガスについては、原材料市況高騰に対応した価格政策の実施に努め、売上高は前年同期を大きく上回りました。

 

③その他事業

その他事業セグメント合計の売上高は、前年同期比35.3%増585億22百万円となりました。営業利益は、前年同期比11.6%増48億97百万円となりました。

油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場では工作機械向けを中心に販売が増加したことに加え、当期に買収した会社が欧米向けの販売の増加に寄与し、売上高は前年同期を上回りました。また、建機・車両用油圧機器は、国内市場及び米国市場向けの販売が増加したことにより、売上高は前年同期を上回りました。

特機事業では、新型コロナウイルスに伴う需要が一巡したことによる酸素濃縮装置及びパルスオキシメータ(採血することなく血中酸素飽和度を簡易に測定できる医療機器)の販売が減少した一方で、防衛省向け砲弾の販売が増加したことにより、売上高は前年同期を上回りました。

電子システム事業では、大手企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるIT投資が増加したことにより、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』と『Smart Innovator(スマートイノベーター)』の販売は堅調に推移しました。しかし、ゲーム市場向けCG制作ソフトの販売が減少したことにより、売上高は前年同期を下回りました。

 

 

(2) 財政状態の状況

総資産は、4兆1,741億78百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,501億79百万円増加しました。流動資産は、商品及び製品の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,916億61百万円増加2兆3,572億85百万円となりました。固定資産は、のれんの増加や円安による為替換算の影響を受けたこと等により、前連結会計年度末に比べて1,585億17百万円増加1兆8,168億92百万円となりました。

負債は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,614億80百万円増加1兆9,773億69百万円となりました。有利子負債比率は、前連結会計年度末の21.6%から21.5%となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて1,886億99百万円増加2兆1,968億9百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動では、棚卸資産の増加等により、前年同期に比べて942億15百万円収入が減少し、1,245億98百万円の収入となりました。投資活動では、子会社株式の取得による支出の増加等により、前年同期に比べて412億52百万円支出が増加し、1,834億11百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の増加等により、前年同期に比べて154億72百万円支出が減少し、750億82百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、前年同期に比べて1,353億58百万円減少し、1,311億72百万円のキャッシュの減少となりました。

 

(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は730億95百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。