第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」の精神に基づき、先進的なエネルギー・物流技術を軸に未来の社会インフラ高度化に貢献することを目指しております。

この方針のもと、「株主」「顧客・取引先」「社員」「地域社会」等全てのステークホルダーの視点に立った経営を行い、グループの持続的成長と企業価値向上を実現してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、上記方針の実現に向けて、グループ中期経営計画(2016~2018年度)を策定しております。本計画では、期間中に予想されるエネルギー需給の緩和や、ネット通販の拡大等の環境変化等に対処するため、従来の事業領域やビジネスプロセスに囚われない"Challenge & Change"のスローガンの下、以下の4つを経営方針として設定しております。

①事業領域の拡大

②更なる高収益体質への転換と競争力の強化

③既存事業の強みを生かした新規事業の立上げ

④適切なリスクテイクを可能とするコーポレート・ガバナンス体制の構築

なお、主要事業の戦略・対処すべき課題は、以下の通りであります。

 

・機械・プラント事業

エネルギー需給緩和の長期化の影響によるプラント設備投資案件の延期・中止などに伴い、短期的には受注案件は限定的に推移する見通しであります。一方、長期的には新興国の人口増加や経済成長の伸びに同調し、石油・天然ガス需要が伸張、それに伴う新増設案件の増加が想定されることから、以下の事業戦略により今後の受注力強化と事業領域の拡大に努めてまいります。

①東南アジア・中東案件の取り込み

②設備企業とのアライアンス戦略

③小型タンク市場への参入

④業務生産性の向上

⑤プロジェクト工程短縮と標準化

⑥メンテナンス事業の拡大

 

・物流システム事業

スマートフォンの普及等によるネット通販市場の拡大、訪日外国人の増加による空港設備需要拡大や、アジア新興国の経済発展による物流市場拡大などにより、物流システム需要は今後も増加が見込まれ、その中で配送時間短縮など更なる効率化や、国内における労働人口減少の影響で省力化・省人化技術への期待が益々高まっております。

こうした事業環境下、以下の事業施策によりハイレベルな顧客ニーズに対応した製品・サービスを提供しながら、更なる高収益体質の構築に挑戦してまいります。

①優位性の高いシステムの拡販

②冷凍・冷蔵等分野への強化

③アライアンスによる事業領域の拡大

④営業~メンテナンスまでのバリューチェーン強化

⑤メンテナンス事業の強化

⑥次期戦略製品の開発

 

・新製品・サービスの開発/既存事業の強みを生かした新事業の立上げ

機械・プラント事業においては、低炭素社会への要請に応えるため、CO2を一切排出せず環境負荷低減に大きな役割を果たすと考えられている水素エネルギーの貯蔵に向けた、大型液体水素タンクの開発には目処がつきつつあります。

物流システム事業では、eコマースの急拡大や労働人口減少問題に対応するため、IoTやロボットなどを活用した物流システムの改良に取り組んでまいります。

また、エネルギー産業との親和性、これまで培ってきた豊富な販売チャネルを活用し、電力関連ビジネスへの参入を進めてまいります。

・全社的重点施策

"Challenge & Change" の企業風土を醸成し、持続的な成長・発展を目指すため、適切なリスクテイクを可能とするコーポレート・ガバナンス体制の構築に向けて、次の施策を遂行してまいります。

①ガバナンス・ガイドラインの実践と取締役会の機能強化

②タイムリーな情報発信と企業イメージ・認知度の向上

③決算説明会開催等、株主との対話の強化

④ESG(環境・社会・企業統治)への取組み強化

⑤中長期経営課題と事業環境を踏まえたグループ最適編成の検討

⑥資本効率と経営安定性の両立を目指した資金調達の最適化

⑦"Challenge & Change"の企業風土の醸成

⑧次世代経営人材の育成・強化

⑨女性の職場における活躍の推進

 

なお、当中期経営計画期間最終年度にあたる2018年度、及び本計画の延長線上にある2020年度の連結業績目標の詳細は、以下の通りであります。

(単位:百万円)

連結業績目標

2017年度

2018年度

 

2020年度

平成30年3月期

平成31年3月期

平成33年3月期

実績

目標

目標

売上高

41,758

48,200

55,000

機械・プラント事業

10,030

20,800

23,000

物流システム事業

25,939

20,000

22,000

その他・調整額ネット

5,788

7,400

10,000

営業利益

2,265

3,100

3,500

機械・プラント事業

△178

1,000

1,150

物流システム事業

1,931

1,600

1,800

その他・調整額ネット

512

500

550

海外売上比率

5.2%

15.0%

25.0%

ROE

6.5%

7.2%

8.0%

配当性向

39.8%

30%以上

総還元性向

102.9%

100%以上

新事業売上比率

4.7%

(注)なお、平成30年5月11日に開示致しました平成31年3月期の連結業績予想は、売上高52,500百万円、営業利益3,020百万円であります。

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

(1)世界経済・エネルギー市場動向等による影響

 当社グループの主要事業である機械・プラント事業は、世界的な景気動向の他、産油・産ガス国や消費国の経済・社会情勢、各国のエネルギー・環境政策の動向、原油・LNG価格の動向等により、顧客の投資計画の中止・延期・見直し等が発生し、当事業の受注動向や当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループでは、機械・プラント事業を中心に海外でも事業を展開しております。また、当社子会社がインドネシアにおいてタンク材料の加工を行っております。これらの海外事業には以下に掲げるようなリスクが内在しており、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

①法律又は規制の予期せぬ変更

②政治経済の不安定性

③人材確保の困難性

④不利な税制改正

⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

(3)為替レートの変動

 当社グループの事業活動には、外国における製品の生産、資材の販売、建設工事等が含まれております。売上、費用、資産を含む外国通貨建での項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。受払いの大半は米ドルあるいはユーロ建となっており、最終的には円高になると当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。

 当社グループでは、海外生産拠点の活用や原材料の海外調達等の構造的対応を図るとともに、為替先物予約・オプション等の機動的な活用により、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。しかしながら、予想外の変動が生じた場合には、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)プロジェクトの遂行

 顧客の理由でプロジェクト計画が中止又は延期並びに内容の変更などが発生することにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす場合があります。また一括請負契約の形態を取り、経済情勢の急激な変化による資機材価格、輸送費、工事費等の予想外の高騰、自然災害、疾病の発生、及び重大な事故などが発生した場合には、プロジェクトの採算が悪化することや、取引先の理由で特定の製品や技術等の利用が妨げられた場合には業績に悪影響を与える可能性があります。

(5)受注競争の激化

 当社グループの主要事業は何れも受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されております。場合によっては、採算度外視で価格競争を挑んでくる競合先が現れることも予想されます。当社グループでは、あらゆるコストの削減を進め、価格競争力の強化に努めておりますが、これら採算面での不合理な下方圧力に直面した場合には、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)災害の発生

 当社グループでは、火災や地震、大規模な自然災害等の発生に備え、情報システムを含む業務継続対策(BCP)の策定と連絡体制の整備、災害対策マニュアルの作成、安否確認システムの導入、日常点検や訓練など事業継続に必要な対策を講じておりますが、これらの災害により深刻な物的・人的被害を受けた場合、損害保険の付保による適切なカバーを行なっているものの、直接的・間接的損害や復旧費用などが予想以上に多額となり、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善や、良好な雇用環境を背景とした個人消費の底堅い推移など、緩やかな回復基調となりました。また海外においても欧米主要国での景気回復、中国の堅調な経済成長、新興国経済の持ち直しなど景気の拡大が続きました。

 このような中、機械・プラント事業は、原油価格の上昇や景気回復に牽引されたエネルギー需要の増加などにより、大型プラントの開発が再開する兆しが一部で見られるものの、依然として厳しい受注環境が継続しております。

 物流システム事業は、インターネット通販の拡大や人手不足を背景とした物流関連の設備需要が依然として高く、また2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け訪日外国人の更なる増加が見込まれることもあり、空港向けの設備需要も堅調に推移しております。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りになりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ30億70百万円増加し、562億98百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億85百万円増加し、196億32百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億85百万円増加し、366億66百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は物流システム事業で増収となったものの、機械・プラント事業における案件数の減少などにより417億58百万円(前連結会計年度比0.4%減)、営業利益は22億65百万円(同26.5%減)、経常利益は26億46百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は23億62百万円(同36.9%減)となりました。また受注高につきましては、393億66百万円(同5.3%増)となりました。

  セグメントごとの経営成績は次の通りであります。

 機械・プラント事業の売上高は100億30百万円(前連結会計年度比27.6%減)、セグメント損失は1億78百万円(前連結会計年度はセグメント利益6億33百万円)となりました。

 物流システム事業の売上高は259億39百万円(前連結会計年度比19.5%増)、セグメント利益は19億31百万円(同2.5%減)となりました。

 上記に属さないその他の事業の売上高は57億88百万円(前連結会計年度比9.1%減)、セグメント利益は9億14百万円(同4.6%減)となりました。

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて56億9百万円増加し、124億20百万円になりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は37億26百万円(前連結会計年度は21億31百万円の支出)になりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上29億71百万円、売上債権の減少33億75百万円、仕入債務の減少12億72百万円、前受金の減少7億73百万円、法人税等の支払額8億72百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動に用いた資金は85百万円(前連結会計年度は17億14百万円の支出)になりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出6億34百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入5億円、固定資産の取得による支出4億36百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により得られた資金は20億32百万円(前連結会計年度は28億20百万円の支出)になりました。主な要因は、短期借入金の純増額22億50百万円、長期借入れによる収入20億円、自己株式の取得による支出10億13百万円、配当金の支払11億45百万円等によるものです。

 ③生産、受注及び販売の実績

 1.受注実績

 当連結会計年度における各事業の受注実績を示すと、次の通りであります。

 なお一部の見込生産を除き、受注生産を行っております。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械・プラント事業

8,331

101.8

6,007

78.0

物流システム事業

29,717

104.3

20,482

122.6

報告セグメント計

38,048

103.8

26,489

108.5

その他

1,317

181.3

606

803.1

合計

39,366

105.3

27,095

110.7

 

 2.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械・プラント事業

10,030

72.4

物流システム事業

25,939

119.5

報告セグメント計

35,969

101.1

その他

5,788

90.9

合計

41,758

99.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アスクル株式会社

2,204

5.3

8,354

20.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 a.経営成績等

  1)財政状態

  (資産合計)

  当連結会計年度末における流動資産は305億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億91百万円増加しました。これは主に現金及び預金が56億9百万円増加し、受取手形及び売掛金が34億37百万円減少したことによるものです。固定資産は257億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億78百万円増加しました。これは主に投資有価証券が14億5百万円増加し、土地が2億57百万円減少したことによるものです

この結果、総資産は562億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億70百万円増加しました。

  (負債合計)

  当連結会計年度末における流動負債は126億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億6百万円減少しました。これは主に短期借入金が22億6百万円増加し、未払費用が9億43百万円、前受金が7億56百万円、受注損失引当金が4億90百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債は69億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億91百万円増加しました。これは主に長期借入金が19億85百万円増加したことによるものです

  この結果、負債合計は196億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億85百万円増加しました。

(総資産合計)

  当連結会計年度末における純資産合計は366億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億85百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益23億62百万円、剰余金の配当11億50百万円、自己株式の取得10億13百万円及びその他有価証券評価差額金の増加10億3百万円によるものです。

  この結果、自己資本比率は65.1%(前連結会計年度末は66.7%)となりました

  2)経営成績

    当連結会計年度の売上高は物流システム事業で増収となったものの、機械・プラント事業における案件数の減少などにより417億58百万円(前連結会計年度比0.4%減)、売上総利益は75億85百万円(同8.31%減)、営業利益は22億65百万円(同26.5%減)、経常利益は26億46百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は23億62百万円(同36.9%減)となりました。

  3)キャッシュ・フローの状況

    当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「2 事業等のリスク」に記載した、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼすリスクに対し、下記の通り認識・分析し、対処する方針であります。

 1)世界経済・エネルギー市場動向等による影響

原油・LNG取引価格の動向や、再生可能エネルギーへの期待の高まりを反映した各国のエネルギー政策の変化は、主要事業である機械・プラント事業の主力となる製品である各種貯蔵タンクの受注状況にも影響を与えております。

  当社グループは引き続き貯蔵タンクに対するメンテナンス業務を強化するとともに、海外を中心とした中・小型規模の案件の取り込みやCO2排出量が少なく、供給も安定的なLNG関連の大型貯蔵タンクの受注に注力してまいります。

 2)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

近年は、海外施工実績も減少傾向にあり、いわゆる『海外関連リスク』は過去と比較すると低位にあるものと認識しておりますが、インドネシアやマレーシア子会社を中心に、引き続き潜在的なリスクは存在しております。

 当社グループとしましては、現地の顧問税理士等から継続的に最新情報を入手し、法制度の予期せぬ変更に対処するとともに、海外緊急事態対応マニュアルを作成し、かつ定期的に危機管理ワークショップを実施するなど、国際的活動に対する各種リスクに対応しております。

 3)為替レートの変動

 海外生産拠点の活用や原材料の海外調達等の構造的対応を図るとともに、為替先物予約・オプション等の機動的な活用により、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。

 4)プロジェクトの遂行

 実務上の経験則として、顧客理由によるプロジェクトの中止又は延期ならびに内容の変更等が生じる可能性は非常に低いものと認識しております。もし万一そのような事象が発生し業績への悪影響が予想される場合は、顧客との誠実な話し合いにより、影響を最小限にとどめるべく粘り強く折衝する方針です。

また、資機材や輸送費、工事費の予期せぬ上昇については、できるだけプロジェクト受注の早い時点で予算額を確定するとともに、工期の短縮化等に着手し、顧客の理解を得ながらプロジェクトを進め、影響を損失を最小限に抑える方針です。

 5)受注競争の激化

 厳しい受注競争による採算低下への対応は、あらゆるコストの削減を進め、地道に競争力を強化することが最善の策と認識しておりますが、どのような方策をとっても採算が取れない見込みとなる案件の場合は、受注を見送ることもやむをえないと考えております。

 6)災害の発生

 当社グループでは、火災や地震、大規模な自然災害等の発生に備え、情報システムを含む業務継続対策(BCP)の策定と連絡体制の整備、災害対策マニュアルの作成、安否確認システムの導入、日常点検や訓練など事業継続に必要な対策を講じております。

 c.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保するため、手元資金を活用するほか、必要に応じて金融機関より短期借入金及び長期借入金による資金調達を行っております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は7,699百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,420百万円であります。

 d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を重要な指標として位置づけております。当連結会計年度におけるROEは6.5%と、前年同期比4.2ポイント減少しました。また、平成31年3月期は、7.2%のROEの達成を目指しております。今後も、当該指標の一層の上昇に向け、努力してまいります。

 e.セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)機械・プラント事業

  大型タンク新増設案件が限られる中、中小規模の海外案件や国内メンテナンス案件の受注体制の強化、小型タンク製造の検討、徹底したコスト削減などにより、事業構造を大幅に見直してまいりましたが、低調な設備投資環境の影響は大きく、厳しい状況が継続しております。

  この結果、当事業の売上高は100億30百万円(前連結会計年度比27.6%減)、セグメント損失は1億78百万円(前連結会計年度は営業利益6億33百万円)、受注高は83億31百万円(同1.8%増)となりました。

 2)物流システム事業

  拡大基調のネット通販向けに、当社の主力製品である「マルチシャトル」を使用し、作業員が集めに行かなくても集品作業が可能になるシステム「GTP:歩行レスピッキング」を採用した案件などが売上計上されました。更なる成長の布石として人員の再配置を実施し、また設計・製造・購買を一体とした生産性改革のための諸費用の増加などにより、利益は若干減少しました。

  この結果、当事業の売上高は259億39百万円(前連結会計年度比19.5%増)、セグメント利益は19億31百万円(同2.5%減)、受注高は297億17百万円(同4.3%増)となりました。

 3)その他

  上記に属さないその他の事業は、それぞれの事業特性に応じ業績の向上に注力した結果、売上高は57億88百万円(前連結会計年度比9.1%減)、セグメント利益は9億14百万円(同4.6%減)、受注高は13億17百万円(同81.3%増)となりました

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、主力事業の機械・プラント事業及び物流システム事業を中心に行われております。

 平成28年度を初年度としたグループ中期経営計画(2016~2018年度)記載の事業戦略のうち、新製品・サービスの開発や既存事業の強みを生かした新事業の立ち上げのため、以下のような研究開発活動を重点的に行ってまいります。

 なお、当連結会計年度において、研究開発関連の人件費176百万円を含む653百万円を投入しました。

 ・機械・プラント事業

1. 世界最大の液体水素タンク建設を目指し、東工大と共同開発

   当社は、昨年度に引き続き、東京工業大学(東工大)との間で、世界最大の液体水素タンク建設を目指した共同開発を行っています。現在、考案した主要部位(側部、底部、屋根部、アンカーストラップ)の断熱構造に対し、強度確認試験、並びに断熱性能確認試験を実施し、概ね良好な結果が得られ、試設計を実施中です。来年度は、業界発表をする予定です。

2.液化天然ガス(LNG)タンク側板周継手用遠隔機能付きサブマージアーク溶接機の開発

    タンクの建設においては、各部材の組立て、溶接、非破壊検査が互いに干渉しないように最適な作業工程の管理が行われております。

    しかしながら、安全上の観点からそれぞれの作業が並行して施工出来ない場合も発生します。そこで当社ではそのような場合を想定して作業現場に人員を配置することなく並行作業を可能にするために、遠隔操作機能を付加した試作機を製作し、実用に向け施工試験を進めてきました。現在は、試作機の問題点を抽出し、実際の作業用の遠隔機能付きサブマージアーク溶接機の製作を行っております。来年度早々には試運転・調整行う予定となっており、次期受注案件への導入を目指しております。

 なお、当事業に係る研究開発費は344百万円であります。

・物流システム事業

  1.基本的考え方

 お客様のニーズにきめ細かく対応した最適なソリューションの提供を通じて更なる社会貢献を目指すことを基本

方針として、研究開発を推進しています。

 マテリアルハンドリングシステムの主要構成要素であるマルチシャトル、コンベヤ機器の更なる高度化とともに、省人化・省力化、IoT、AI技術を用いた予知保全の導入による、コンベヤ機器の安定稼働に寄与できる研究開発を推進し、最適ソリューションの提供に向けての技術基盤を構築します。

  2.研究開発状況と成果

   (1)マルチシャトルシステムについては、eコマースをはじめ広範囲な業種のユーザー様向けに実績を重ねて参りました。同システムは、保管機能、高速入出庫、順立て出庫機能を有しており、これらの機能の高度な運用を通じてピッキング、仕分け機能等の多機能の複合的運用を可能としました。

     機器のアップグレードと新機能を組み込んだシステムのアップグレードを推進し、保管効率、入出庫能力の向上により、更なる省スペース化及びコスト競争力強化による多様なニーズに対応したフレキシブルなソリューションを提供してまいります。

   (2)空港手荷物搬送に於けるコンベヤついては、各納入先において順調に稼働しており、お客様から高い評価を得ています。更なる信頼性・能力・機能の向上を図るべくDCT(destination coded tray)システムの研究・開発を進めております。

   (3)省人・省力化技術としてロボット技術を組み込んだシステム機器の開発を進めており、コア技術を蓄積しています。当社の周辺機器に含まれるコア技術を組合せ、物流機器メーカーならではのロボット応用システムの研究・開発を進めております。

   (4)IoT、AIを駆使した予知保全向け機器情報をIoT技術にて収集、そのデータを人工知能(AI)で解析し、お客様の安定稼働をサポートする。測定機器選定、開発、集計技術の向上にまい進しております。

   (5)RFIDシステムについては、アパレル流通市場向けに開発したRFIDトンネルゲートシステム(ケース内の複数商品タグの一括読取り検品システム)を納入しました。高い評価を受けており、新技術導入による更なる市場拡販を強化してまいります。

   (6)AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を利用したHMDシステム(ヘッドマウントディスプレイシステム)の開発を継続しています。

 なお、当事業に係る研究開発費は282百万円であります。