文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、「物流・エネルギー分野のソリューションイノベーター」となることを経営ビジョンに掲げ、社会が直面する課題を革新的・先駆的な技術を以って解決することに果敢に取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に貢献することを目指しております。
その経営理念と経営ビジョンの下、当社グループの各事業における「安定領域」、「成長領域」、さらには、2030年を見据えた「将来の領域」を見極め、安定的収益源を確保した上で新たな成長ポテンシャルを追求し、グループ連結売上高700億円を目指すことを、長期ビジョンとして設定致しました。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
前グループ中期経営計画(2016~2018年度)の期間においては、物流ソリューション事業において売上高及び営業利益を伸長させ目標を達成した一方で、機械・プラント事業においては新設大型案件の受注に至らず営業赤字となり、グループ全体としては中期経営目標未達となりました。
このような結果を真摯に受け止め、また昨今の厳しい事業環境を踏まえ、当社グループは2019年4月からスタートするグループ中期経営計画(2019~2021年度)を策定致しました。本計画期間の3カ年を、長期ビジョンの実現のための飛躍に向けた基盤確立の時期として位置付け、経営基盤の強化を図りつつ、物流ソリューション事業における収益性の向上、機械・プラント事業における事業再構築、その他グループ会社の事業における選択と集中、そして新事業における早期収益化の4点を、新たな中期経営方針として設定致しました。
なお、本計画期間において当社グループが認識すべき事業環境、及びそれらを踏まえた戦略は、以下の通りです。
・物流ソリューション事業
一般物流につきましては、Eコマース市場のさらなる伸長や、労働人口の減少及び労働者の多様化による、省力化・省人化技術への需要が継続するものの、景気が低迷した場合、需要が減速する可能性も予測されます。
また、空港物流においては、LCC市場の拡大や、東南アジア諸国の経済発展に伴う空港拡張需要が想定される一方で、ポスト2020による国内空港需要の減速が見込まれます。
このように不確実性の高い事業環境の下、以下の事業戦略により高収益体質を実現できる体制を構築するとともに、競争力の強化や事業領域の拡大を進め、高成長事業となる基盤を固めてまいります。
戦略①:プロジェクト管理・遂行能力の向上による競争力の強化
戦略②:オープンイノベーションによるオンリーワン・ソリューションの提供
戦略③:AI、IoT技術を活用したメンテナンス事業の拡充
戦略④:東南アジアにおける海外展開の加速
・機械・プラント事業
国内市場に関しましては、石油業界の再編、石油製品需要の減少の影響もあり厳しい市場も危惧される反面、設備の老朽化に伴う安定的なメンテナンス需要が見込まれております。また、海外市場では、今後の新興国におけるLNG需要の増大に伴う需給逼迫などが見込まれるなか、新規大型プロジェクトの始動も期待され、一部に市場回復の兆しがあることを見込んでおります。
そのような環境の下、以下の事業戦略により事業の再構築を図ることで安定的黒字体質を実現するとともに、大型プロジェクトの受注獲得を目指してまいります。
戦略①:安定収益源の確保による受注変動に強い事業体質の確立
戦略②:技術力向上による受注力の強化
・その他事業
当社グループ関連会社においては、建築、産業用機械、環境調査等の分野で事業展開を図っております。建築事業の市場では、建築原価の高騰などで苦戦が予測される一方で、産業用機械事業の市場においては、2020年を超えても底堅い建設工事需要や少子高齢化の進展による省力化ニーズなどにより、需要は継続することが予想されております。また、環境調査市場においては、建造物の解体に伴うアスベスト調査の継続的な需要拡大などが想定され、概して良好な事業環境が続くことが見込まれます。
そのような環境を踏まえ、以下の事業戦略により選択と集中を図り、成長分野を見出し伸長させるとともに、安定収益の確保を目指してまいります。
戦略①:成長分野への積極的なリソース投入による事業収益の拡大
戦略②:事業体制の整備・安定化・全社的重点施策
・新規事業
当社グループが今後さらなる成長を遂げるためには、新たな事業の創出が不可欠と認識し、以下の戦略により、新規事業が早期にグループ収益へ貢献することを目指しております。
戦略①:既存事業の領域拡大とグループ収益への貢献を実現するM&Aの推進
戦略②:ベンチャー企業とのアライアンスによるオープンイノベーションの実現
・経営基盤強化策
当社グループは、社員一人ひとりが生き生きとして変革と成果を実現する"Challenge & Change"の企業風土を引き続き創り上げるとともに、グループとしてのガバナンスを一層強化し、持続的な企業価値向上を図るべく、以下の施策を遂行してまいります。
施策①:変革と事業成果の継続的な創出を実現する企業風土への改革
施策②:グループ組織運営の強化
施策③:ESG視点に立った企業価値の向上とガバナンス体制の一層強化
(3)目標とする経営指標
当中期経営計画期間の最終年度にあたる2021年度の連結業績目標として、売上高543億円、営業利益39億50百万円、ROE(自己資本利益率)8.0%の達成を目指してまいります。
(単位:百万円)
|
連結業績目標への推移 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
|
売上高 |
44,700 |
48,500 |
54,300 |
|
物流ソリューション事業 |
27,000 |
27,500 |
28,000 |
|
機械・プラント事業 |
10,300 |
13,000 |
15,500 |
|
その他事業 |
7,600 |
8,200 |
8,500 |
|
新規事業 |
- |
- |
2,500 |
|
営業利益 |
1,780 |
2,800 |
3,950 |
|
物流ソリューション事業 |
2,200 |
2,500 |
3,000 |
|
機械・プラント事業 |
△650 |
0 |
300 |
|
その他事業 |
980 |
1,000 |
1,100 |
|
新規事業 |
- |
- |
250 |
|
ROE |
3.7% |
5.2% |
8.0% |
(注)上記における各事業の売上高・営業利益の目標数値はセグメント間の内部売上高及び振替高の調整額が含まれておりません。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
(1)世界経済・エネルギー市場動向等による影響
当社グループの主要事業である機械・プラント事業は、世界的な景気動向の他、産油・産ガス国や消費国の経済・社会情勢、各国のエネルギー・環境政策の動向、原油・LNG価格の動向等により、顧客の投資計画の中止・延期・大幅見直し等が発生し、当事業の受注動向や当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループでは、機械・プラント事業を中心に海外でも事業を展開しております。また、当社子会社がインドネシアにおいてタンク材料の加工を行っております。これらの海外事業には以下に掲げるようなリスクが内在しており、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
①法律又は規制の予期せぬ変更
②政治経済の不安定性
③人材確保の困難性
④不利な税制改正
⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
(3)為替レートの変動
当社グループの事業活動には、外国における製品の生産、資材の販売、建設工事等が含まれております。売上、費用、資産を含む外国通貨建での項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。受払いの大半は米ドルあるいはユーロ建となっており、最終的には円高になると当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。
当社グループでは、海外生産拠点の活用や原材料の海外調達等の構造的対応を図るとともに、為替先物予約・オプション等の機動的な活用により、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。しかしながら、予想外の変動が生じた場合には、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)プロジェクトの遂行
顧客の理由でプロジェクト計画が中止又は延期並びに内容の変更などが発生することにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす場合があります。また一括請負契約の形態を取り、経済情勢の急激な変化による資機材価格、輸送費、工事費等の予想外の高騰、自然災害、疾病の発生、及び重大な事故などが発生した場合には、プロジェクトの採算が悪化することや、取引先の理由で特定の製品や技術等の利用が妨げられた場合には業績に悪影響を与える可能性があります。
(5)受注競争の激化
当社グループの主要事業は何れも受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されております。場合によっては、採算度外視で価格競争を挑んでくる競合先が現れることも予想されます。当社グループでは、あらゆるコストの削減を進め、価格競争力の強化に努めておりますが、これら採算面での不合理な下方圧力に直面した場合には、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害の発生
当社グループでは、火災や地震、大規模な自然災害等の発生に備え、業務継続対策(BCP)の策定と連絡体制の整備、災害対策マニュアルの作成、安否確認システムの導入、日常点検や訓練など事業継続に必要な対策を講じておりますが、これらの災害により深刻な物的・人的被害を受けた場合、損害保険の付保による適切なカバーを行なっているものの、直接的・間接的損害や復旧費用などが予想以上に多額となり、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)機密情報の漏洩等
当社グループは事業を通じて顧客、技術情報等さまざまな機密情報を取り扱っております。これら情報の管理強化のため、情報セキュリティ委員会を組織し社員教育の実施等、その重要性の周知徹底を行うとともに、情報システムのセキュリティ対策を行っておりますが、コンピュータウイルスなど予期せぬサイバー攻撃により、かかる情報システムの機能に支障が生じ、不適切な形で機密情報が消失、漏洩した場合には、当社グループの信頼性を損なうこととなり、事業活動そのものに影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、米中の貿易摩擦や中国経済の景気減速、消費税の引き上げによる景気悪化懸念などにより、先行き不透明な状況が継続しております。
このような中、物流ソリューション事業は、ネット通販の拡大による物量の急増や人手不足を背景とした物流自動化の設備への需要が依然として高く、一方で2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け訪日外国人の更なる増加が見込まれることもあり、空港向けの設備需要も堅調に推移しております。
なお、当連結会計年度より、従来の報告セグメントである「物流システム事業」を「物流ソリューション事業」に名称を変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
機械・プラント事業では、世界的な環境規制強化に対し温室効果ガス削減が期待できるLNGへの注目度は高まっているものの、LNG市場は米国・豪州における大型プラントの稼働が進んだこともあり、需給緩和状態が継続しております。一部、エネルギー輸入国においてLNG関連設備投資の動きが出ているものの力強さには欠け、国内においても石油業界再編等の影響により市場の不透明感が増すなど、想定以上の厳しい事業環境となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りになりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ89億38百万円増加し、647億56百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ103億70百万円増加し、295億22百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億32百万円減少し、352億34百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は物流ソリューション事業の増収により451億88百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は機械・プラント事業における受注案件数の低迷の影響などにより14億6百万円(同37.9%減)、経常利益は17億71百万円(同33.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億25百万円(同56.6%減)となりました。また受注高につきましては、432億86百万円(同10.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
物流ソリューション事業の売上高は292億74百万円(前連結会計年度比12.9%増)、セグメント利益は19億7百万円(同1.2%減)となりました。
機械・プラント事業の売上高は84億21百万円(前連結会計年度比16.0%減)、セグメント損失は12億21百万円(前連結会計年度はセグメント損失1億78百万円)となりました。
上記に属さないその他の事業の売上高は74億92百万円(前連結会計年度比29.4%増)、セグメント利益は11億8百万円(同21.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて48億10百万円減少し、76億9百万円になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に用いた資金は66億98百万円(前連結会計年度は37億26百万円の収入)になりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上15億99百万円、売上債権の増加137億49百万円、仕入債務の増加37億14百万円、前受金の増加16億21百万円、法人税等の支払額4億49百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に用いた資金は13億15百万円(前連結会計年度は85百万円の支出)になりました。主な要因は、固定資産の取得による支出10億80百万円、投資有価証券の取得による支出7億17百万円、有価証券の売却及び償還による収入5億0百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は32億49百万円(前連結会計年度は20億32百万円の収入)になりました。主な要因は、短期借入金の純増額32億17百万円、長期借入れによる収入20億0百万円、自己株式の取得による支出10億4百万円、配当金の支払9億26百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
1.受注実績
当連結会計年度における各事業の受注実績を示すと、次の通りであります。
なお一部の見込生産を除き、受注生産を行っております。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
物流ソリューション事業 |
30,486 |
102.6 |
21,693 |
105.9 |
|
機械・プラント事業 |
11,438 |
137.3 |
9,023 |
150.2 |
|
報告セグメント計 |
41,924 |
110.2 |
30,717 |
116.0 |
|
その他 |
1,362 |
103.4 |
452 |
74.7 |
|
合計 |
43,286 |
110.0 |
31,170 |
115.0 |
2.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
物流ソリューション事業 |
29,274 |
112.9 |
|
機械・プラント事業 |
8,421 |
84.0 |
|
報告セグメント計 |
37,696 |
104.8 |
|
その他 |
7,492 |
129.4 |
|
合計 |
45,188 |
108.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
アスクル株式会社 |
8,354 |
20.0 |
989 |
2.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は389億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億41百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が138億79百万円増加し、現金及び預金が47億55百万円減少したことによるものです。固定資産は258億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円増加しました。
この結果、総資産は647億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ89億38百万円増加しました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は219億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億24百万円増加しました。これは主に未払費用が41億53百万円、短期借入金が32億44百万円、前受金が16億3百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は75億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億46百万円増加しました。これは主に長期借入金が15億47百万円増加し、繰延税金負債が3億24百万円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は295億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億70百万円増加しました。
(総資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は352億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億32百万円減少しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益10億25百万円、剰余金の配当9億30百万円、自己株式の取得10億4百万円及びその他有価証券評価差額金の減少3億74百万円によるものです。
この結果、自己資本比率は54.4%(前連結会計年度末は65.7%)となりました。
2)経営成績
当連結会計年度の売上高は物流ソリューション事業の増収により451億88百万円(前連結会計年度比8.2%増)、売上総利益は69億94百万円(同7.8%減)、営業利益は機械・プラント事業における受注案件数の低迷の影響などにより14億6百万円(同37.9%減)、経常利益は17億71百万円(同33.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億25百万円(同56.6%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「2 事業等のリスク」に記載した、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼすリスクに対し、下記の通り認識・分析し、対処する方針であります。
1)世界経済・エネルギー市場動向等による影響
原油・LNG取引価格の動向や、再生可能エネルギーへの期待の高まりを反映した各国のエネルギー政策の変化は、主要事業である機械・プラント事業の主力となる製品である各種貯蔵タンクの受注状況にも影響を与えております。
当社グループは引き続き貯蔵タンクに対するメンテナンス業務を強化するとともに、海外を中心とした中・小型規模の案件の取り込みやCO2排出量が少なく、供給も安定的なLNG関連の大型貯蔵タンクの受注に注力してまいります。
2)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
近年は、海外施工実績も減少傾向にあり、いわゆる『海外関連リスク』は過去と比較すると低位にあるものと認識しておりますが、インドネシアやマレーシア子会社を中心に、引き続き潜在的なリスクは存在しております。
当社グループとしましては、現地の顧問税理士等から継続的に最新情報を入手し、法制度の予期せぬ変更に対処するとともに、海外緊急事態対応マニュアルを作成し、かつ定期的に危機管理ワークショップを実施するなど、国際的活動に対する各種リスクに対応しております。
3)為替レートの変動
海外生産拠点の活用や原材料の海外調達等の構造的対応を図るとともに、為替先物予約・オプション等の機動的な活用により、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。
4)プロジェクトの遂行
実務上の経験則として、顧客理由によるプロジェクトの中止又は延期並びに内容の変更等が生じる可能性は非常に低いものと認識しております。もし万一そのような事象が発生し業績への悪影響が予想される場合は、顧客との誠実な話し合いにより、影響を最小限にとどめるべく粘り強く折衝する方針です。
また、資機材や輸送費、工事費の予期せぬ上昇については、できるだけプロジェクト受注の早い時点で予算額を確定するとともに、工期の短縮化等に着手し、顧客の理解を得ながらプロジェクトを進め、影響を損失を最小限に抑える方針です。
5)受注競争の激化
厳しい受注競争による採算低下への対応は、あらゆるコストの削減を進め、地道に競争力を強化することが最善の策と認識しておりますが、どのような方策をとっても採算が取れない見込みとなる案件の場合は、受注を見送ることもやむをえないと考えております。
6)災害の発生
当社グループでは、火災や地震、大規模な自然災害等の発生に備え、情報システムを含む業務継続対策(BCP)の策定と連絡体制の整備、災害対策マニュアルの作成、安否確認システムの導入、日常点検や訓練など事業継続に必要な対策を講じております。
7)機密情報の漏洩等
当社は 機密情報の漏洩等に対して、情報セキュリティ委員会を組織し社員教育等、その重要性の周知徹底を行うとともに、情報システムのセキュリティ対策を行っております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保するため、手元資金を活用するほか、必要に応じて金融機関より短期借入金及び長期借入金による資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は129億90百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は76億9百万円であります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ROEを重要な指標として位置づけております。当連結会計年度におけるROEは2.9%と、前年同期比3.6ポイント減少しました。また、2020年3月期は、3.7%のROEの達成を目指しております。また、2019年4月からスタートしたグループ中期経営計画(2019~2021年度)における各年度のROE目標は以下のとおり定めております。
2019年度 3.7%
2020年度 5.2%
2021年度 8.0%
今後も、当該指標の一層の上昇に向け、努力してまいります。
e.セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)物流ソリューション事業
ネット通販向けに加え生協向けにも「マルチシャトル」を組み込んだ庫内自動化設備案件や空港向け設備案件を中心に売上計上されました。一部不採算案件の発生、事業の更なる拡大のための人的リソース強化に伴うコスト増などにより利益は若干減少しました。
この結果、当事業の売上高は292億74百万円(前連結会計年度比12.9%増)、営業利益は19億7百万円(同1.2%減)、受注高は304億86百万円(同2.6%増)となりました。
2)機械・プラント事業
海外における中小規模案件の受注の積み上げなど各種施策を実行してまいりましたが、目指していた新設大型案件の受注獲得には至らず、国内メンテナンス案件においても売上の減少や一部工事での採算悪化により、営業損失が拡大することとなりました。
この結果、当事業の売上高は84億21百万円(前連結会計年度比16.0%減)、営業損失は12億21百万円(前連結会計年度は営業損失1億78百万円)、受注高は114億38百万円(同37.3%増)となりました。
3)その他
主に、子会社それぞれの特性を生かして産業用機械や一般建築、環境調査などへの事業展開に注力した結果、人口構造の変化による省人化製品や、法規制強化等によるアスベスト調査の需要増などを追い風に、売上高は74億92百万円(前連結会計年度比29.4%増)、営業利益は11億8百万円(同21.3%増)、受注高は13億62百万円(同3.4%増)となりました。
なお、従来「物流システム事業」として開示してきた報告セグメントを当連結会計年度より「物流ソリューション事業」に名称を変更致しました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
グループの主要事業である物流ソリューション事業及び機械・プラント事業における知的財産の共有、人的リソースの適正配置及び共有資産の有効活用などを通じて、グループ全体の企業価値の更なる向上を図るため、2018年5月11日開催の取締役会において、当社の完全子会社であるトーヨーカネツソリューションズ株式会社を吸収合併することを決議し、同日付で両社は合併契約を締結し、2019年4月1日付にて吸収合併しております。
合併の概要は、次のとおりであります。
(1)合併の方法
当社を存続会社とし、トーヨーカネツソリューションズ株式会社を消滅会社とする吸収合併です。
(2)合併期日
2019年4月1日
(3)合併に際して発行する株式及び割当
当社の完全子会社との合併であるため、新株式の発行及び割当は行いません。
(4)合併比率の算定根拠
当社の完全子会社との合併であるため、合併比率の取り決めはありません。
(5)引継資産・負債の状況(2019年3月31日現在)
|
資産 |
金額(百万円) |
負債 |
金額(百万円) |
|
流動資産 |
22,213 |
流動負債 |
17,500 |
|
固定資産 |
4,440 |
固定負債 |
354 |
|
合計 |
26,653 |
合計 |
17,855 |
(6)吸収合併存続会社となる会社の概要
|
商号 |
トーヨーカネツ株式会社 |
|
代表者 |
代表取締役社長 柳川徹 |
|
本店所在地 |
東京都江東区南砂二丁目11番1号 |
|
資本金 |
18,580百万円 |
|
主な事業内容 |
物流システム機器の製造・販売、貯蔵用タンクの製造・販売、不動産賃貸 |
当社グループの研究開発活動は、主力事業の物流ソリューション事業及び機械・プラント事業を中心に行われております。これらの事業では、新製品・サービスの開発、技術力向上及び既存事業の強みを生かした新事業の立ち上げのため、以下のような研究開発活動を重点的に行ってまいりました。
なお、当連結会計年度において、研究開発関連の人件費202百万円を含む543百万円を投入しました。
・物流ソリューション事業
1.基本的考え方
お客様のニーズにきめ細かく対応した最適なソリューションの提供を通じて更なる社会貢献を目指すことを基本
方針として、研究開発を推進しています。
マテリアルハンドリングシステムの主要構成要素であるマルチシャトル、コンベヤ機器の更なる高度化とともに、省人化・省力化、IoT、AI技術を用いた予知保全の導入による、コンベヤ機器の安定稼働に寄与できる研究開発を推進し、最適ソリューションの提供に向けての技術基盤を構築します。
2.研究開発状況と成果
(1)マルチシャトルシステムについては、Eコマースをはじめ広範囲な業種のユーザー様向けに実績を重ねて参りました。同システムは、保管機能、高速入出庫、順立て出庫機能を有しており、これらの機能の高度な運用を通じてピッキング、仕分け機能等の多機能の複合的運用を可能としました。
a)マルチシャトル冷凍
以前より研究開発を行っておりました。マルチシャトルシステム初の-25℃冷凍環境化でのフレックスサイズ(マルチサイズダンボール)荷合わせ出荷機能を有する冷凍センターが昨年稼動しました。マルチシャトルの特徴である省スペースと高機能は、冷凍環境下における限られたスペースの中で自動化・省人化を実現し、作業者のQOL(Quality of Life)が改善されます。更に機能を向上させ、今後積極的に拡販してまいります。
b)マルチシャトル、オートストアの複合システム
マルチシャトルGTP(Goods to Person:商品補充・保管・ピッキング)の機能強化のため、オートストアを組み合わせた更なる省スペース、商品保管量を大幅拡大した複合システムの開発を行っております。特にロングテール商品の保管の強化及び定番商品の保管、マルチシャトルへの効率的な商品補充を行う事で相互の弱点を補完、機能強化したシステムを導入します。
マルチシャトルシステムは更なる機器のアップグレードと新機能を組み込んだシステムのアップグレードに邁進し、入出庫能力の向上による、省スペース化、コスト競争力強化とともに多様なニーズに対応したフレキシブルなソリューションを提供してまいります。
(2)空港手荷物搬送に於けるコンベヤついては、各納入先において順調に稼働しており、お客様から高い評価を得ています。更なる信頼性・能力・機能の向上を図るべくDCT(Destination Coded Tray)システム及び3次元画像認識、AIによる不適合搬送手荷物検知、バゲージ追跡システム及び照合システムの実証試験を含めた、研究・開発を進めております。
(3)省人・省力化技術としてロボット技術を組み込んだシステム機器の開発を進めて参りました。スマート工場EXPOに出展致しました、ロジボ(ミックスパレタイジングロボット)は好評を博し、ユーザーの関心が非常に高い事を実感しました。早期にマルチシャトルシステムと組み合わせたシステムの開発及び実機導入する事により自動化・省人化市場の拡販を強化します。
(4)IoT、AIを駆使した予知保全向け機器情報をIoT技術にて収集、そのデータを人工知能(AI)で解析し、お客様の安定稼働をサポートし、測定機器選定、開発、集計技術の向上にまい進しております。
また、マルチシャトルシステムにAIを採用し、蓄積されたデータを元にシャトル、リフタの最適化動作、入出庫保管の効率化を導き出す事により、更なるマルチシャトルシステムの生産性向上を目論む取り組みを進めております。
なお、当事業に係る研究開発費は299百万円であります。
・機械・プラント事業
1. 世界最大の液体水素タンク建設を目指し、東工大と共同開発
世界最大の液体水素タンク建設を目指した東京工業大学(東工大)との共同開発は、昨年度末に終了しました。考案した主要部位(側部、屋根部、底部、アンカーストラップ)の断熱構造について、強度確認試験並びに断熱性能確認試験を行い、概ね良好な結果が得られております。今年度上期は、得られたデータを基に試設計を行い、目標蒸発量以下になることを確認しました。今年度下期は、研究成果の業界発表を致しました。
2.液化天然ガス(LNG)タンク側板周継手用遠隔機能付きサブマージアーク溶接機の開発
タンクの建設においては、各部材の組立て、溶接、非破壊検査が互いに干渉しないように最適な作業工程の管理が行われております。
しかしながら、安全上の観点からそれぞれの作業が並行して施工出来ない場合も発生します。そこで当社ではそのような場合を想定して作業現場に人員を配置することなく並行作業を可能にするために、遠隔操作機能を付加した試作機を製作し、実用に向け施工試験を進めてきました。既に試作機の問題点の抽出を完了し、実際の作業用の遠隔機能付きサブマージアーク溶接機の製作が完了しました。今後は、試運転・調整を行い、次期受注案件への導入を目指しております。
なお、当事業に係る研究開発費は