第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」を企業理念とし、企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する“水と環境の独創的価値の創造者”」の実現を目指し事業活動を展開しております。また、CSR(Corporate Social Responsibility)に関する方針として「水と環境の問題にソリューションを提供し、未来への責任を果たす」を定め、CSRを経営の中核に位置付け、企業価値の向上と競争優位の創出に邁進しております。そして当社グループは、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対する適正かつ迅速な情報開示を通じ、より透明性の高い経営の実現を目指しております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、2018年4月より5ヵ年の中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)をスタートさせました。成長投資と収益性の改善を重要な課題と捉え、MVP-22計画最終年度(2022年度)の業績目標は以下のとおり設定しております。

 

売上高年平均成長率              3%以上(M&A等による上積みを除いた自律的成長分)

売上高事業利益率                15%(※)

親会社所有者帰属持分当期利益率  10%以上

 

(※)…事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した恒常的な事業の業績を測る当社グループ独自の指標であります。

 

MVP-22計画の策定に先立ち、当社グループの競争力の源泉(バリュープロポジション)を「顧客親密性」と特定しました。顧客親密性とは、単なる顧客との物理的、時間的な密着度ではなく、顧客にとっての必要不可欠なパートナーとしての存在価値の大きさを意味しております。誰よりも顧客を知り、顧客と共に課題解決に取り組むことで、長期的に強固な関係構築を目指していきます。MVP-22計画では「既成概念を壊し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高め、顧客親密性を最大化する」を基本方針として、「社会との共通価値の創造」、「ソリューション提供の高速化」、「収益性のさらなる向上」、「コーポレートガバナンスの強化」、「働き方・意識改革とICT活用」を目指し、次の重点施策にスピードを上げて取組んでおります。

水処理薬品事業では、ビジネスモデルの変革と海外事業基盤の強化を進め、収益性の向上を目指しております。水処理装置事業では、超純水供給事業で培った知見や技術力を、大型のEPC(プラント建設などにおける設計(Engineering)、資材調達(Procurement)、建設工事(Construction)の一連の工程を請け負う案件)を起点とするメンテナンスと運転管理の包括契約提案につなげ、収益性の向上を目指しております。

 

(重点施策)

①CSV(Creating Shared Value)ビジネスの展開

自然環境、産業、人々の生活に貢献する独創性の高い技術・商品・サービスで収益を拡大する。

②総合ソリューションの拡充

水処理薬品、水処理装置、メンテナンスの技術・商品・サービスを駆使した総合ソリューションを顧客に迅速に展開する。

③水処理装置事業の生産体制の再構築

生産体制・プロセスを抜本的に見直し、生産活動の品質とスピードを飛躍的に高める。

④新事業の創出とイノベーション推進

既存の事業領域を拡大・拡充するとともに、新たな収益の柱となる事業領域を創出する。

⑤研究開発の基盤強化と推進

技術立社としての強固な基盤を構築し、先進的な研究開発を推進する。

⑥グループガバナンスの体制整備

グループ各社における内部統制の実効性を向上させる。

 

(3) 会社の対処すべき課題

当社は、企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する『水と環境の独創的価値の創造者』」の実現を目指し、2018年度よりMVP-22計画に取り組んでおります。MVP-22計画では、CSRを経営の中核に据え、社会との共通価値の創造に努めております。また、当社の競争力の源泉が「顧客親密性」であることを明確化し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高めたビジネスプロセスを実行することで、顧客に新たな価値を提供し、高い収益性と持続的な成長を実現することを目指しております。

MVP-22計画の2年目である当期は、総合ソリューションの展開に注力しました。製品・技術・サービスと契約方法を包含した水平展開可能なソリューションモデルの創出を進めたほか、国内の営業体制の再編や米国子会社の統合を進め、今後効率的に総合ソリューションを展開できる体制を構築しました。さらに、M&Aを通して、RO膜薬品・RO膜管理サービスや精密洗浄事業など、総合ソリューションの拡充につながる製品・技術・サービスの強化を図りました。このように、総合ソリューション展開の基盤を継続して強化しておりますが、MVP-22計画の目標達成に向けては、ソリューションモデルの創出とグループ一体となった収益性向上の取り組みを加速させる必要があります。

また、新型コロナウイルスの感染拡大により、各国において都市封鎖や移動制限などの措置が講じられております。経済活動、企業活動の制限により、世界経済への影響は非常に大きく、先行きの不透明な状況が続いております。当社の事業環境についても、電子、食品市場では操業が維持されておりますが、商業施設の営業自粛や閉鎖を受けビル・空調市場などが低調となっております。当社及び国内のグループ会社では、外出の自粛が要請された地域においては原則在宅勤務とし、外出を伴う業務は、感染拡大防止策を講じた上で、顧客及び当社グループの事業継続や社会的要請に応える業務に限り対応してきました。また、海外のグループ会社においても各国の状況に応じた対応を行っております。調達面についても、グループ全体での効率的な原材料の調達や代替調達先への切り替えなどにより、影響の最小化に努めております。

当社グループの対処すべき課題は、このような状況下にあっても、社会課題の解決や顧客事業活動の継続に必要不可欠な製品・技術・サービスの提供により、高い社会価値・顧客価値を継続して提供していくことと捉えております。

これらを踏まえ、MVP-22計画の中間年度となる2020年度は、顧客の「節水」「CO2排出削減」「廃棄物削減」効果に優れ、社会との共通価値創造を促進する「CSVビジネス」の推進、さらなるソリューションモデルの創出、およびIoTやAIを活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変容を加速させ、次の3つの重点施策に取り組みます。

 

①総合ソリューションの展開の加速

顧客市場ごとにマーケティング・営業・技術・開発が連携する体制を強化し、総合ソリューションの展開を加速させます。徹底した社会課題や顧客課題の理解に基づき、高い価値を提供できる顧客への提案活動に注力するとともにCSVビジネスやソリューションモデルをサービス契約型ビジネスとして国内外で展開していくほか、具体的な収益性改善目標を設定し管理します。

 

②ビジネスモデル、ビジネスプロセスの変容

既存のビジネスモデルから脱却し、新たな価値を生み出していくためにデジタル技術を活用する、デジタルトランスフォーメーションの推進に向け、デジタル戦略本部を新設し、当社グループのIT関連部署を統合することで、当社グループの事業の変容を加速します。米国子会社のフラクタが保有する技術やノウハウも活用し、新しい顧客価値の創出につなげていきます。また、AIの活用による設計の自動化やシミュレーション技術の導入により、プラント生産体制の効率化を図ります。

 

③海外における収益性の向上

海外事業においては、これまでM&Aで獲得した事業基盤や技術を活用し、グローバルとローカルの両面で収益性の向上を図ります。具体的には、全世界横断的な取り組みとして、アビスタ・テクノロジーズ社を中心とし、RO膜薬品と関連サービスの開発とグローバルな市場展開を強化していきます。また、各地域においては、米国での子会社統合によるシナジー発揮を目指すほか、東アジアではEPC案件を起点に運転管理やメンテナンスを包括するサービス契約型ビジネスの拡大を図っていきます。

 

2【事業等のリスク】

当社グループに係るリスクの監視およびリスクマネジメントの推進については、経営管理本部長を担当役員として定め、当社及びグループ会社のリスクの分析・評価を定期的に行うとともに監視を継続し、その発生防止に努めております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 新型コロナウイルスのパンデミックによる影響

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、各国において都市封鎖、移動制限、外出自粛要請などの措置が取られ、経済活動が大きく制限されました。当社グループでは、各国当局の指示や要請に基づき、感染拡大防止策を講じたうえで、顧客の事業継続や社会と産業のインフラ維持に貢献する業務を継続しておりますが、感染収束時期や世界経済の回復が不透明な状況にあることから顧客工場の稼働率低下や設備投資の延期などで当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 経済、市場の状況

当社グループの水処理薬品事業、水処理装置事業は、当社グループが事業活動を行っている国内及び海外の国・地域の経済状況の影響を受けております。水処理薬品事業は、主な需要先である鉄鋼、石油精製・石油化学、紙・パルプ産業等の工場操業度により需要が変動し、経営成績に影響を与える可能性があります。また、水処理装置事業は、主な需要先である電子産業分野・一般産業分野の設備投資の動向により需要が変動し、経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、当社グループの事業分野における競合相手との競争激化による商品やサービスの価格下落等により、当社グループの収益性が低下する可能性があります。

 

(3) 海外事業展開に係るリスク

当社グループは海外市場における事業拡大を図っております。これらの海外市場への事業展開にあたっては、国内とは異なる、予期しない法律又は規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 製品・サービスの品質

当社グループは、品質マネジメントシステムを構築し、顧客満足向上のため、継続的な改善活動に取り組んでおりますが、製品・サービスの欠陥による損害補償リスクを完全に排除することは困難であります。

賠償責任保険の適用を超えるような責任が発生した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 資材調達に関する影響

当社グループは商品の製造や製作・建設等のために使用する原材料や部品を当社グループ外から調達しております。また、様々な業務を行ううえで必要な役務サービスを当社グループ外から調達しております。市況の変化により原材料、部品および役務の価格は変動し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 新技術・新商品の開発

当社グループは継続して新技術・新商品等の開発に取り組んでおります。これらの開発は不確実なものであり、顧客ニーズに合致した技術や優位性のある商品・サービス・ソリューションモデルをタイムリーに提案できない可能性や、技術革新や顧客ニーズの変化に追随できない可能性があります。優位性のある新商品・サービス・ソリューションモデルを開発できない場合は、将来の成長と収益性を低下させる等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 情報システム

当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しており、コンピュータウイルスその他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 知的財産権

当社グループは知的財産権の重要性を認識し、国内及び海外において、知的財産の権利化、第三者が保有する知的財産権の侵害防止に継続して取り組んでおります。しかしながら、広範囲に事業を展開する中で、当社グループの知的財産権が侵害される可能性や第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、こうした場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 固定資産の減損損失

①のれんの減損損失

当社グループは、海外事業の基盤獲得や競争力のある技術や事業モデル獲得のため、企業買収を実施し、結果としてのれんの残高が連結総資産の10%を超える金額となっております。のれんは償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。

事業環境の変化等により買収が期待どおりの効果を得られない場合や減損テストにおける将来獲得キャッシュ・フローの見積りと実績に差異が発生した場合は、のれん等の減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②有形固定資産の減損損失

当社グループは、顧客工場に設置する超純水供給事業用設備等の投資決定にあたって、顧客の事業状況、顧客との契約条件および投資対効果などを慎重に検討したうえで実施しておりますが、顧客の事業撤退や工場の休止に伴い固定資産の減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)為替変動

当社グループは、海外での企業買収などにより海外売上比率は40%近くに増加しております。

各海外子会社の現地通貨建の財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。従って、現地通貨と日本円との為替レートの変動が当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11)大規模自然災害等

地震や台風等大規模な自然災害その他の事象を想定したクリタグループBCM(事業継続マネジメント)方針を定め、役員および従業員を対象とした災害対応訓練等を行っておりますが、当社グループの事業遂行に直接的または間接的な混乱が生じた場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは当連結会計年度から、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要な会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

(2) 経営成績

当期における世界経済は、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱問題により中国および欧州の経済成長が減速したことに加え、当期末にかけて新型コロナウイルスの感染が拡大した影響を受け、急速に悪化しました。国内経済も、消費税率引き上げや新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響などから停滞感が強まりました。

当社グループを取り巻く市場環境は、国内においては、輸出の低迷から製造業の生産活動は弱い動きが続き、設備投資も慎重な動きがみられました。海外においては、東アジアの電子産業を中心に設備投資延期の動きがみられるなど、生産活動とともに減速感を強めました。

このような中、当社グループは、中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)の2年目である当期において、水処理薬品、水処理装置、メンテナンス・サービスの製品・技術・サービスを駆使し、顧客や社会が抱える課題を解決する総合ソリューションの展開を加速させました。また、マーケティング・営業・技術・開発が一体となり、製品・技術・サービスと契約方法を包含した水平展開可能なソリューションモデルの創出を進めました。この成果として、製紙工程において機器とIT・センシング技術を組み合わせて水処理薬品の効果を最大化し、工場内の水質改善と生産性向上に寄与するモデルなど、6件のモデルを完成させました。さらに、総合ソリューションを推進する体制として、国内においては、市場別・地域別の営業体制を強化するため、水処理薬品、水処理装置、メンテナンス・サービスの営業機能を一つの営業本部に統合しました。また、水処理薬品及びメンテナンス・サービスの提供を行う新会社「クリタ北関東株式会社」を設立しました。海外においては、前期に買収し米国子会社となったU.S.ウォーター・サービス,Inc.との生産・販売機能面でのシナジーの早期実現を図るため、同社と既存の米国子会社であるクリタ・アメリカInc.、フレモント・インダストリーズ,LLCを合併し、全米での総合ソリューション提供に向けた事業基盤を整備しました。また、RO膜(逆浸透膜)薬品とRO膜管理サービスを提供する米国のアビスタ・テクノロジーズ,Inc.および英国のアビスタ・テクノロジーズ(UK)Ltd.(以下「アビスタ・テクノロジーズ社」という)を買収し、グローバル市場で高い競争力を持つRO膜薬品の技術と事業モデルを獲得し、展開しております。さらに、海外での精密洗浄事業展開と電子産業分野での競争力強化に向けて、米国のペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の株式を追加取得し子会社化する契約を締結しました。

新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、各国の感染状況および都市封鎖や移動規制などを踏まえ、従業員の安全確保を図りながら、顧客への製品・サービスの提供に努めました。

これらの結果、当期の受注高259,545百万円(前期比0.4%増)、売上高264,807百万円(前年同期比2.9%増となりました。利益につきましては、営業利益27,479百万円(前年同期比38.4%増、税引前利益は26,691百万円(前期比31.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益18,287百万円(前年同期比51.8%増となり、大幅な増益となりました。これは、当期において、研究開発拠点の移転決定に伴い固定資産売却損2,305百万円を計上したものの、超純水供給事業用設備の一部売却などに伴う固定資産売却益4,777百万円を計上したことに加え、前期において、クリタ・ヨーロッパGmbHのアルミナ化合物事業譲渡に伴う損失額2,867百万円、栗田水処理新材料(江陰)有限公司ののれんの減損損失1,171百万円などの一時的な損失の計上があったことなどによります。

 

(水処理薬品事業)

MVP-22計画において水処理薬品事業は、ビジネスモデルの変革と海外事業基盤の強化による収益性の向上を目指しております。

国内では、徹底した顧客理解と課題把握に基づく総合ソリューションの展開により、顧客の生産性向上と環境負荷低減を実現し、その価値を顧客と継続的に共有するサービス契約型ビジネスの受注に注力しました。海外では、U.S.ウォーター・サービス,Inc.が子会社に加わり、米国での販売網が拡大しました。また、アビスタ・テクノロジーズ社の買収により、RO膜薬品および関連サービスの拡充とグローバル展開に向けた体制強化を進めました。さらに、提供する製品・サービスの見直しや米国子会社の統合など、各地域で効率化と収益性向上に取り組みました。

製品・サービスにつきましては、製紙工程において機器とIT・センシング技術を組み合わせて水処理薬品の効果を最大化し、工場内の水質改善と生産性向上に寄与するモデルをはじめソリューションモデルの完成と提案に注力するとともに、前期に完成させたモデルである、排水処理における水処理薬品添加量の最適化・自動制御を可能とするIT・センシング技術「S.sensing® CS」によりサービス契約型ビジネスを拡大しました。また、熱交換器の熱伝導率を高める「ドロップワイズテクノロジー」(滴状凝縮技術)などの技術活用も推進し、顧客価値の創出に注力しました。

受注高・売上高につきましては、国内では、受注高は、前期に石油精製・石油化学向けの一時的な受注計上があった反動で減少しましたが、売上高は、顧客工場の省エネルギーや生産性向上に貢献する総合ソリューションの提案により新規顧客の獲得に努めたことなどから、鉄鋼向けプロセス薬品を中心に増加しました。海外では、前期に実施した欧州のアルミナ化合物事業の譲渡による売上高の減少や円高の影響があったものの、U.S.ウォーター・サービス,Inc.の水処理薬品事業の経営成績(12カ月分)とアビスタ・テクノロジーズ社の経営成績(10カ月分)を新規に連結したことなどにより、受注高・売上高はともに増加しました。利益につきましては、前期において欧州のアルミナ化合物事業に係る事業譲渡損失や中国の水処理薬品生産機能の移管を決定したことに伴うのれんの減損などの一時的な損失計上があったことから、営業利益は大幅な増益となりました。

この結果、当社グループの水処理薬品事業全体の受注高113,777百万円(前年同期比10.5%増、売上高113,632百万円(前年同期比11.3%増、営業利益10,127百万円(前年同期比137.8%増となりました。

 

(水処理装置事業)

MVP-22計画において水処理装置事業は、超純水供給事業で培った知見や技術力を、大型のEPC(設計(Engineering)、資材調達(Procurement)、建設工事(Construction))案件を起点とするメンテナンスと運転管理の包括的な契約提案につなげることで、収益性向上を目指しております。

国内では、総合ソリューションの展開を進めるとともに、メンテナンス案件の原価率改善や、AI、IoTおよびセンシング技術の活用による運転管理の効率化を進めました。また、将来の収益につながる超純水供給事業や精密洗浄事業への設備投資を積極的に行いました。海外では、中国を中心に再生水供給サービスの展開に努めたほか、精密洗浄事業の競争力強化に向けて、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.を連結子会社化すべく、同社株式を追加取得する契約を締結しました。

製品・サービスにつきましては、標準型排水回収システムである「CORR®システム(The Customized Optimal Readymade Recycle System)」を活用した再生水供給サービスをソリューションモデルとして展開することや、純水供給サービス「KWSS® (Kurita Water Supply Service)」のラインアップ拡充により適用市場を広げることで、サービス契約型ビジネスを拡大しました。また、生産面では、プラント生産における業務プロセスの改善やリスク管理システムの導入・運用強化により、設計や工事の品質向上に取り組みました。

国内の受注高・売上高につきましては、電子産業分野においては、水処理装置が前期に大型案件の受注・売上の計上があった反動により受注高・売上高ともに減少しましたが、メンテナンス・サービスが顧客工場の生産能力増強のための増設や改造案件の工事進捗により増加しました。一般産業分野においては、水処理装置は受注高が減少しましたが、前期に受注した大型案件の工事進捗により売上高は増加しました。メンテナンス・サービスは、前期が好調であった反動により、受注高は若干の減少、売上高は微増にとどまりました。電力分野向け水処理装置は、前期における大型案件受注の反動で受注高は減少しましたが、売上高は受注済み案件の工事進捗により増加しました。土壌浄化は、大型案件の受注・売上計上が一巡したことから、受注高・売上高ともに減少しました。海外では、受注高は、U.S.ウォーター・サービス,Inc.の水処理装置事業の経営成績(12カ月分)を新規に連結したことなどにより増加しましたが、売上高は、前期に中国・韓国の電子産業分野における大型案件の売上計上があった反動や円高の影響により減少しました。なお、超純水供給事業の国内及び海外を合わせた売上高は、一部顧客との契約変更による減収があったものの、新規案件の契約開始などにより増収となりました。事業全体の利益につきましては、水処理装置の生産における追加原価発生防止の取り組みなどにより原価率が改善したことに加え、超純水供給事業用設備の一部売却等に伴う固定資産売却益の計上などにより、営業利益は増益となりました。

この結果、当社グループの水処理装置事業全体の受注高145,768百万円(前年同期比6.3%減、売上高151,174百万円(前年同期比2.6%減、営業利益17,390百万円(前年同期比12.1%増となりました。

生産、受注および販売の実績は、以下のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

 前年同期比(%)

水処理薬品事業(百万円)

111,535

109.7

水処理装置事業(百万円)

150,524

97.7

合計(百万円)

262,060

102.4

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

水処理薬品事業

113,777

110.5

4,680

103.2

水処理装置事業

145,768

93.7

62,482

92.2

合計

259,545

100.4

67,162

92.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

 前年同期比(%)

水処理薬品事業(百万円)

113,632

111.3

水処理装置事業(百万円)

151,174

97.4

合計(百万円)

264,807

102.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 財政状態

①資産合計  387,749百万円(前連結会計年度末比28,249百万円増加

流動資産162,847百万円なり、前連結会計年度末に比11,782百万円増加ました。これは主に事業買収や設備投資で資金を使用したものの、コミットメントラインの一部実行等により現金及び現金同等物が14,667百万円増加したためであります。

非流動資産224,902百万円なり、前連結会計年度末に比16,468百万円増加ました。使用権資産の増加(5,510百万円)は、主に土地使用権を取得したためであります。また、のれんの増加(3,275百万円)は、北米および欧州における買収(水処理薬品事業)により新たに計上したもので、持分法で会計処理されている投資の増加(6,513百万円)は、新たに持分法適用会社とした関連会社(水処理薬品事業、水処理装置事業)が増加したためであります。

 

②負債合計  143,640百万円(前連結会計年度末比23,325百万円増加

流動負債94,408百万円なり、前連結会計年度末に比20,887百万円増加ました。これは主に営業債務及びその他の債務が14,297百万円減少した一方で、コミットメントラインの一部実行等により借入金が34,986百万円増加したためであります。

非流動負債49,232百万円なり、前連結会計年度末に比2,439百万円増加ました。これは主に土地使用権の取得に伴いリース負債が4,073百万円増加したためであります。

 

③資本合計  244,108百万円(前連結会計年度末比4,924百万円増加

これは主に円高外国通貨安に伴い在外営業活動体の換算差額が減少したことにより、その他の資本の構成要素が4,622百万円減少した一方で、期末配当金および中間配当金の計上を上回る当期利益の計上により利益剰余金が11,796百万円増加したためであります。

 

当連結会計年度末における資産をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)

連結財務諸表

計上額

水処理薬品事業

水処理装置事業

セグメント資産

119,960

209,015

328,975

58,774

387,749

(注)主なものは各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産の内訳は、前連結会計年度43,515百万円、当連結会計年度59,397百万円(現金及び現金同等物等)であります。

 

(4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は50,215百万円(前連結会計年度末比14,667百万円増加)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は37,376百万円(前年同期比3,767百万円減少)となりました。これは主に税引前利益26,691百万円、減価償却費及び償却費18,700百万円などで資金が増加したものの、法人所得税の支払額10,847百万円などで資金が減少したためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動で使用した資金は43,683百万円(前年同期比8,219百万円減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出31,168百万円、事業買収に伴う支出8,501百万円、関係会社株式・出資金の取得による支出5,915百万円などで資金を使用したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動で得られた資金は21,981百万円(前年同期比35,434百万円増加)となりました。これは主に配当金の支払額で6,539百万円資金を使用した一方で、短期借入金の純増減額で35,001百万円の資金を得たためであります。

 

当社グループは事業運営上必要な流動性確保と安定した資金調達体制の確立を基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本とし、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて銀行借入による調達を想定しております。なお、当連結会計年度末において、取引金融機関4社とコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高 35,000百万円、借入未実行残高 35,600百万円)。

(5) 並行開示情報

連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。

なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 

①要約連結貸借対照表(日本基準)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2019年3月31日)

当連結会計年度

(2020年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

149,490

160,958

固定資産

 

 

有形固定資産

109,808

110,885

無形固定資産

54,711

55,577

投資その他の資産

36,819

40,211

固定資産合計

201,338

206,675

資産合計

350,828

367,633

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

68,471

88,260

固定負債

42,704

38,542

負債合計

111,176

126,802

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

233,480

238,337

その他の包括利益累計額

4,182

826

非支配株主持分

1,989

1,666

純資産合計

239,652

240,830

負債純資産合計

350,828

367,633

 

②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

売上高

259,409

264,845

売上原価

176,663

171,936

売上総利益

82,746

92,909

販売費及び一般管理費

58,446

68,823

営業利益

24,300

24,086

営業外収益

2,006

1,632

営業外費用

2,413

3,027

経常利益

23,893

22,691

特別利益

8,676

4,777

特別損失

5,063

3,873

税金等調整前当期純利益

27,506

23,594

法人税等合計

10,207

8,531

当期純利益

17,299

15,062

非支配株主に帰属する当期純利益

△6

25

親会社株主に帰属する当期純利益

17,305

15,037

 

要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

当期純利益

17,299

15,062

その他の包括利益合計

△9,853

△3,356

包括利益

7,445

11,706

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

7,511

11,730

非支配株主に係る包括利益

△66

△24

 

③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自  2018年4月1日  至  2019年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

222,615

16,187

2,049

240,853

当期変動額合計

10,865

△12,005

△60

△1,201

当期末残高

233,480

4,182

1,989

239,652

 

当連結会計年度(自  2019年4月1日  至  2020年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

233,480

4,182

1,989

239,652

当期変動額合計

4,857

△3,356

△323

1,178

当期末残高

238,337

826

1,666

240,830

 

④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

38,478

34,493

投資活動によるキャッシュ・フロー

△51,559

△43,683

財務活動によるキャッシュ・フロー

△11,280

24,864

現金及び現金同等物に係る換算差額

△104

△1,006

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△24,466

14,667

現金及び現金同等物の期首残高

58,917

35,547

連結子会社の決算期変更による

現金及び現金同等物の増加高

1,097

現金及び現金同等物の期末残高

35,547

50,215

 

⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

 

前連結会計年度(自  2018年4月1日  至  2019年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2019年4月1日  至  2020年3月31日)

該当事項はありません。

(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自  2018年4月1日  至  2019年3月31日)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.初度適用」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度(自  2019年4月1日  至  2020年3月31日)

(のれんの償却)

日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が減少しております。

 

(退職給付に係る費用)

日本基準では発生した数理計算上の差異を1~2年で按分し、その発生年度から費用処理しておりました。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として即時認識するとともに、直ちに利益剰余金に振り替えております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が減少しております。

 

(リース)

日本基準では借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりましたが、IFRSでは原則としてすべての借手のリースについて使用権資産およびリース負債を計上しております。この影響により、IFRSは日本基準に比べて使用権資産およびリース負債がそれぞれ増加しております

 

(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画「MVP-22」に対する達成状況については、以下のとおりであります。

 

2020年3月期実績

2023年3月期目標

売上高年平均成長率

M&A等による上積みを除いた自律的成長分

0.7%

3%以上

売上高事業利益率

10.1%

15%

親会社所有者帰属持分当期利益率

7.6%

10%以上

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 連結子会社による持分取得

①当社は、100%子会社であるクリタ・アメリカ・ホールディングス,Inc.を通じて、アビスタ・テクノロジーズ,Inc.の発行済株式の全てを取得する契約を2019年5月13日に締結しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「8.企業結合及び非支配持分の取得」をご参照ください。

 

②当社は、100%子会社であるクリタ・アメリカ・ホールディングス,Inc.を通じて、現在25%の株式を保有するペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の株式を、さらに26%取得する契約を2019年12月26日に締結しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「38.重要な後発事象」をご参照ください。

 

(2) 販売提携

契約会社名

提携先

提携の内容

契約期間

当社

三菱ケミカル株式会社

イオン交換樹脂「ダイヤイオン」の販売に関する代理権の取得

1976年4月1日から

2023年11月30日まで

 

5【研究開発活動】

当社グループは、ボイラ・冷却水処理技術、超純水製造技術、用排水処理技術、水回収技術、土壌・地下水浄化技術といった主力事業の強化に向けた技術開発に加え、当社技術を支える分析技術や解析技術、新素材開発等の基盤技術の深化に取り組んでおります。また、顧客の企業価値・競争力向上と社会的課題の解決に貢献する独創的なソリューションの提供に必要な商品・技術の開発にも積極的に取り組んでおります。

今後も、永年培ってきた“水”の技術にさらに磨きをかけるとともに、企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する水と環境の独創的価値の創造者」の実現に向けて、日本、ドイツ、シンガポールの開発拠点が連携して、産業と社会のニーズに幅広く対応する商品・技術の開発を積極的に進めてまいります。

研究開発は、主に当社の開発本部により推進されており、研究開発スタッフはグループ全体で約180名にのぼり、これは従業員総数の2.7%に当たっております。当連結会計年度の研究開発費の総額は5,693百万(売上高比2.1%)であります。

当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発概要と主な成果および研究開発費は、以下のとおりであります。

 

(1) 水処理薬品事業

顧客の省エネルギー・環境負荷低減・生産性向上に貢献する水処理や環境改善、生産プロセス向けの薬品開発や、薬品処理効果の診断・制御などの技術開発に取り組んでおります。当連結会計年度における主な成果は以下のとおりであります。

・排水処理における汚泥廃棄物の削減と運転管理の省力化を実現するため、独自のセンシング技術により、汚泥の脱水性を高める薬剤の添加量を自動で最適制御する汚泥脱水処理システムを開発しました。

・工場や空調設備の冷却水系およびそのブロー水の回収再利用設備の水処理コストを低減するため、オンサイトで微生物増殖抑制剤を生成するシステムを開発しました。

・新興国を中心に生産量が増加している化粧紙の製造プロセス向けに、紙が濡れても破れにくくする機能を付与し、製造コストの削減にも寄与する薬剤を開発しました。

なお、当事業に係る研究開発費は2,002百万円であります。

 

(2) 水処理装置事業

電子産業の生産性向上に寄与する超純水水質の更なる高度化、環境規制を先取りした排水処理や土壌浄化技術の開発を推進しております。また、排水の回収・再利用、廃棄物の削減やリサイクルによる再生可能エネルギー創出などの循環型社会に対応した技術開発にも取り組んでおります。当連結会計年度における主な成果は以下のとおりであります。

・超純水製造システムの水処理膜ユニットの新規導入時やメンテ交換時における製造ラインの停止期間を大幅に短縮するため、基準水質までの立上げ時間を迅速化する技術を開発しました。

・食品残渣等の廃棄物をメタン発酵してエネルギーとして回収するバイオガス発電施設向けに、多様な廃棄物原料からメタンガスを安定的に発生させる運転制御技術を開発しました。

・工場等の建屋下における土壌・地下水の高濃度汚染源に対して、加熱などにより処理を促進して短期間で浄化する技術と、汚染状況から浄化期間を予測するシミュレーション技術を開発しました。

なお、当事業に係る研究開発費は3,691百万円であります。