文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」を企業理念とし、企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する“水と環境の独創的価値の創造者”」の実現を目指し事業活動を展開しております。また、CSR(Corporate Social Responsibility)に関する方針として「水と環境の問題にソリューションを提供し、未来への責任を果たす」を定め、CSRを経営の中核に位置付け、企業価値の向上と競争優位の創出に邁進しております。そして当社グループは、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対する適正かつ迅速な情報開示を通じ、より透明性の高い経営の実現を目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
①中期経営計画
当社グループは、2018年4月より5カ年の中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)をスタートさせました。成長投資と収益性の改善を重要な課題と捉え、MVP-22計画最終年度(2022年度)の業績目標は以下のとおり設定しております。
売上高年平均成長率 3%以上(M&A等による上積みを除いた自律的成長分)
売上高事業利益率 15%※
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) 10%以上
※事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した恒常的な事業の業績を測る当社グループ独自の指標であります。
MVP-22計画の策定に先立ち、当社グループの競争力の源泉(バリュープロポジション)を「顧客親密性」と特定しました。顧客親密性とは、単なる顧客との物理的、時間的な密着度ではなく、顧客にとっての必要不可欠なパートナーとしての存在価値の大きさを意味しております。誰よりも顧客を知り、顧客と共に課題解決に取り組むことで、長期的に強固な関係構築を目指していきます。MVP-22計画では「既成概念を壊し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高め、顧客親密性を最大化する」を基本方針として、「社会との共通価値の創造」、「ソリューション提供の高速化」、「収益性のさらなる向上」、「コーポレートガバナンスの強化」、「働き方・意識改革とICT活用」を目指し、次の重点施策にスピードを上げて取組んでおります。
水処理薬品事業では、ビジネスモデルの変革と海外事業基盤の強化を進め、収益性の向上を目指しております。水処理装置事業では、超純水供給事業で培った知見や技術力を、大型のEPC(プラント建設などにおける設計(Engineering)、資材調達(Procurement)、建設工事(Construction)の一連の工程を請け負う案件)を起点とするメンテナンスと運転管理の包括契約提案につなげ、収益性の向上を目指しております。
(重点施策)
・CSV(Creating Shared Value)ビジネスの展開
自然環境、産業、人々の生活に貢献する独創性の高い技術・商品・サービスで収益を拡大する。
・総合ソリューションの拡充
水処理薬品、水処理装置、メンテナンスの技術・商品・サービスを駆使した総合ソリューションを顧客に迅速に展開する。
・水処理装置事業の生産体制の再構築
生産体制・プロセスを抜本的に見直し、生産活動の品質とスピードを飛躍的に高める。
・新事業の創出とイノベーション推進
既存の事業領域を拡大・拡充するとともに、新たな収益の柱となる事業領域を創出する。
・研究開発の基盤強化と推進
技術立社としての強固な基盤を構築し、先進的な研究開発を推進する。
・グループガバナンスの体制整備
グループ各社における内部統制の実効性を向上させる。
②価値創造ストーリー
当社グループは、社会と共に持続的、長期的に成長していくための道筋をクリタグループの価値創造ストーリーとして言語化しました。併せて、MVP-22計画における戦略ストーリーを作成しました。当社グループの一人ひとりが価値創造ストーリーの担い手となることで、企業理念の実現を目指してまいります。
(クリタグループの価値創造ストーリー)
私たちクリタグループは、世界の様々な現場で日々変化する水の課題に対しソリューションを提供しております。
現場から得られる水に関する課題や情報は、私たちの知として集約、蓄積されます。私たちはこの知の活用により、お客様の真の課題を理解し、お客様と共有できる形での価値の予測とともに最適なソリューションを提供します。
私たちは、予測した価値の実現により、お客様と社会との共通価値を創造(Creating Shared Value:CSV)し、社会と産業を変えていきます。そして、創造した価値にふさわしい収益を得るとともに、お客様と社会からの信頼を基に更なる現場と新たな知を獲得していきます。
(3) 会社の対処すべき課題
当社は、企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する『水と環境の独創的価値の創造者』」の実現を目指し、2018年度よりMVP-22計画に取り組んでおります。MVP-22計画では、CSRを経営の中核に据え、社会との共通価値の創造に努めております。また、当社の競争力の源泉が「顧客親密性」であることを明確化し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高めたビジネスプロセスを実行することで、顧客に新たな価値を提供し、高い収益性と持続的な成長を実現することを目指しております。
MVP-22計画の3年目である当期は、新型コロナウイルス感染拡大という世界的な社会課題に直面しました。その中で当社グループは、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた今後の事業の在り方を考え、総合ソリューションの展開、ビジネスプロセスの変革とビジネスモデルの変容に注力しました。
また、社会課題への対応として、TCFD(注1)の提言に基づき、CO₂削減に関する長期目標を設定し、気候変動問題への取り組みを開始しました。水資源の問題への取り組みとしては、国連グローバル・コンパクト(UNGC)(注2)における取り組みの一つであるThe CEO Water Mandate(水に関するCEOの任務)(注3)において設立されたWater Resilience Coalition(WRC)に設立会員として参加し、世界各地域の水ストレス下にある流域における水資源の保全の取り組みを開始しました。ダイバーシティ(多様性)に関しては、女性の活躍推進を始めとしたダイバーシティの加速に向け専門組織を設置し、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)ビジョンの策定と働きがいの向上、働きやすさの改善に取り組みました。
これらを踏まえ、当社グループの対処すべき課題は、持続可能な社会の実現に向け、デジタルトランスフォーメーション推進によるビジネスプロセスの変革とビジネスモデルの変容、および気候変動問題への対応を含む社会価値に寄与するソリューションモデルの創出と展開の加速、そしてグループの体質強化と捉えております。MVP-22計画の4年目となる2021年度は、次の3つの重点施策に取り組んでまいります。
①デジタルトランスフォーメーションによるビジネスプロセスの変革とビジネスモデルの変容
デジタル技術やツールの活用によって、内務、開発、生産、営業の各機能が相互に連携し、顧客への価値提供につながるビジネスプロセスを構築するとともに、多様な現場接点で収集したデータを「水に関する知」として活用し、リモートを主とした顧客接点の構築など、新たな顧客提供価値を生み出す体制を構築します。また、メタ・アクアプロジェクトによる設計の自動化や最適化、水処理装置の運転効率化と最適化を推進していきます。
②社会との共通価値創造につなげる顧客提供価値の追求
社会との共通価値に対しインパクトの強いソリューションビジネスを顧客に最速で提供可能な体制を構築し、重点的に展開します。また、2020年度より試行した顧客親密性調査結果に基づき戦略を明確化するとともに、総合ソリューションの実績を水平展開する仕組みを強化し、CSVビジネス、ソリューションモデルを拡大展開します。国内の販売事業会社における水処理薬品とメンテナンスの融合も加速させ、総合ソリューション提案を拡大展開していきます。
③経営資源の最適活用と体質強化
2021年4月に吸収合併した栗田エンジニアリング株式会社の洗浄事業との融合を進め、社会・産業インフラ市場における中核事業の確立に向け、シナジーを創出する体制を具体化します。また、グループ各社が保有する競争優位性の高い技術、ビジネスモデルを活用し、グループ全体で推進するプロジェクトを拡大展開します。さらに、生産プロセスのノンコア業務においてスタートアップ企業等を活用し、当社エンジニアがコア業務に集中する体制を整備することで、エンジニアリングチェーン、サプライチェーンを強化します。また、ダイバーシティへの取り組みを強化することで、多様な視点・背景などからイノベーションが創出される風土の醸成と仕組み・体制の整備を加速させていきます。
(注)1.気候変動関連の情報開示と金融機関の対応について検討するため金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」
2.「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野における企業や団体の自発的取り組みにより持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み。2000年に発足し、2021年4月現在で17,000社を超える企業および団体が署名・参加しております。
3.水利用の目標を定め、水不足と衛生問題に国際的に取り組むイニシアチブ。2007年に発足し、2021年4月現在で190社以上が署名しております。
当社グループに係るリスクについては、経営管理本部長をリスク管理およびリスクマネジメント推進の担当役員として定め、当社およびグループ会社のリスクの分析・評価を定期的に行うとともに監視を継続し、その発生防止に努めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 新型コロナウイルスのパンデミックによる影響
世界的に拡大した新型コロナウイルスの感染は収束の兆しが見えず、感染拡大および医療崩壊を防止するため、各国・地域において外出自粛や飲食業を中心に営業自粛・時短営業の要請などの措置が断続的に取られており、ワクチンの普及まではこの状況が続くことが想定されます。感染収束時期や世界経済の先行きが不透明な状況にあることから顧客工場の稼働率低下や設備投資の延期、当社グループの事業活動の遅延などで当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、事業所、現場等へ行かずに、事業継続に必要な業務を行えるようデジタル技術を活用したリモートによる業務プロセスへの変革や事業継続を観点とした製造拠点のバックアップ体制の構築を進めるとともに、新型コロナウイルス対策ガイドラインを定め、感染拡大防止策を講じたうえで、顧客の事業継続や社会と産業のインフラ維持に貢献する業務を継続しております。
(2) 大規模自然災害等
大規模自然災害等により当社グループの事業遂行に直接的または間接的な混乱が生じた場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは、地震、台風、集中豪雨等大規模な自然災害その他の事象を想定したクリタグループBCM(事業継続マネジメント)方針を定め、事業継続計画の策定、当社グループの各拠点および役員・従業員の自宅の水害リスク調査と対策実施、安否確認システムの構築、建物の耐震化、防災用物資の備蓄、役員および従業員を対象とした災害対応訓練等を行っております。
(3) 海外事業展開に係るリスク
当社グループは海外市場における事業拡大を図っております。これらの海外市場への事業展開にあたっては、国内とは異なる、予期しない法律又は規制の変更、政治・経済の混乱、紛争・テロ等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの事業展開地域においては、外務省やコンサルタントからの治安等の情報入手、現地の弁護士、会計士等の専門家の活用による法律・規制に関する確認等を実施しております。また、海外への出張者に対しては海外出張ガイドブックによる安全管理教育を実施し、海外駐在員に対しては医療・トラブル時の支援サービス、安全に関する情報を提供し役員・従業員の安全確保に努めております。
(4) 新技術・新商品・新サービスの開発、ビジネスプロセスの変革
当社グループは新技術・新商品・新サービス等の開発により、薬品、装置、メンテナンスの技術・商品・サービスを駆使した総合ソリューションの拡充に取り組んでおります。また近年ではデジタル戦略本部を新設し、新商品・新サービスへのIoTやAIの活用、ビジネスプロセスのデジタル化などデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組んでおります。これらの開発・変革は不確実なものであり、顧客ニーズに合致した技術や優位性のある商品・サービス・ソリューションモデルをタイムリーに提案できない可能性や、技術革新や顧客ニーズの変化、デジタル技術の進化に追随できない可能性があります。優位性のある新商品・サービス・ソリューションモデルを開発できない場合やデジタルトランスフォーメーションの取り組みが遅延した場合は、将来の成長と収益性を低下させる等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(5) 経済、市場の状況
当社グループは事業活動を行っている国内および海外の国・地域の経済状況の影響を受けております。水処理薬品事業は、主な需要先である鉄鋼、石油精製・石油化学、紙・パルプ産業等の工場操業度により需要が変動し、経営成績に影響を与える可能性があります。また、水処理装置事業は、主な需要先である電子産業分野・一般産業分野の設備投資の動向、超純水供給契約を締結する顧客の経営状況により需要が変動し、経営成績に影響を与える可能性があります。さらに米中貿易摩擦の加速により制裁関税措置や自国内での相手国企業の活動制限等が強化された場合は、関係する当社顧客の経営状況に影響し、間接的に当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、水と環境に関わる課題にソリューションを提供していることから幅広い業種に多くの顧客を持ち、また、顧客の投資活動の波による当社グループの業績への影響を軽減できる超純水供給事業等のビジネスモデルを展開し、安定した収益の確保に努めております。さらに、当社は、関係会社の月次・四半期での業績や方針・施策の展開状況の確認、および内部監査や財務報告に係る内部統制のモニタリングを行うとともに、当社の決裁・審査規程に基づき関係会社における重要事項を当社が決定するなど、関係会社の事業管理に努めております。また、当社グループの事業分野における競合相手との競争激化による商品やサービスの価格下落等により、当社グループの収益性が低下する可能性がありますが、当社グループは(4)に上述のとおり競争優位性の確保に努めております。
(6) 為替変動
当社グループは、海外での企業買収などにより海外売上比率は39.7%になっております。
各海外子会社の現地通貨建の財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。従って、現地通貨と日本円との為替レートの変動が当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、為替リスクをヘッジする目的で為替予約、通貨スワップ契約等のデリバティブを利用することがあります。
(7) 固定資産の減損損失
①のれん及び無形資産の減損損失
当社グループは、海外事業の基盤獲得や競争力のある技術や事業モデル獲得のため、企業買収を実施し、結果として「のれん」の残高は55,596百万円(連結総資産の13.1%)となっております。「のれん」は償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。事業環境の変化等により買収が期待どおりの効果を得られない場合や減損テストにおける将来獲得キャッシュ・フローの見積りと実績に差異が発生した場合は、「のれん」等の減損損失が発生します。減損テストを実施するにあたり、回収可能価額は使用価値により測定しております。使用価値は将来キャッシュ・フローを資金生成単位の加重平均資本コストを参考に決定した割引率で割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの予測期間は5年であり、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎としております。5年を超える期間については、資金生成単位が属する市場の状況を勘案して決定した長期平均成長率をもとに算定しております。5年のキャッシュ・フロー見積額、その後の期間の成長率および割引率を主要な仮定として使用しており、これら仮定の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社は、当社グループの投融資に関する審査機能を強化するため、経営管理本部長を委員長とする投資委員会を設置しております。同委員会は取締役会や経営会議に付議する投融資案件について、事業計画・投資金額・リスク評価の妥当性、採算性、競争優位性、適法性などの観点から審査を実施し、審査結果や主要論点を取締役会および経営会議に報告することで、当社は十分な検討、議論を経て企業買収の実施を決定しております。また、買収後は(5)に記載の関係会社の事業管理を行っております。
②有形固定資産の減損損失
当社グループは、主に超純水供給事業等で顧客工場に事業用設備を設置しております。顧客の事業撤退や工場の休止に伴い固定資産の減損損失が発生する場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、これらの投資決定にあたっては、顧客の事業状況、顧客との契約条件および投資対効果などを慎重に検討しております。
(8) 不採算工事発生によるリスク
水処理装置事業における水処理設備において、顧客との契約時に設定する原水条件等の当社グループ側での不備や、設計・施工における過失等に起因する製品・サービスの欠陥や事故による追加原価の発生、またはそれにより顧客へ損害が生じた場合の損害補償の発生の可能性があります。当社グループでは、設計・施工要領書に基づく設計・施工の徹底をしており、工事予算交付前にエンジニアリングレビューという会議体を設置し、その場にて工事単位ごとに品質・コスト・納期・安全・環境等に関する設計の妥当性を確認しております。また受注後から引渡しまで毎月ビジネスプロセスレビューという会議体において、工事進捗度の確認、工事単位ごとの収支管理を行い、工事原価総額の見積りにおいても最新の情報に基づいた見積りを行っております。海外のグループ会社でも同様の取組みを実施しており、大型工事については当社より設計や工程管理に関する支援を行っております。このように、問題情報データの共有等により不適合の未然防止を図っております。
(9) 法令・コンプライアンス
当社グループの役員・従業員が法令を遵守できなかった場合や社会倫理に反する行動を起こした場合は、事業活動の制約、罰金、社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、当社取締役を委員長とするE&S(Environmental&Social)委員会およびグループ会社の代表者を委員とするグループE&S委員会を設置し、コンプライアンス活動を単に遵法活動と捉えるのではなく、社会倫理に基づいた行動を全ての企業活動の前提として徹底していくための活動として位置付け、推進しております。
(10)製品・サービスの品質および水処理設備のオペレーションエラー
顧客または当社グループの水処理設備のオペレーションにおける人為的なエラー等により基準に満たない処理水を供給または排出することで損害賠償の発生や社会的信用の失墜につながる可能性があります。賠償責任保険の適用を超えるような責任が発生した場合や社会的信用が失墜した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは(8)で記載したように品質マネジメントシステムを構築し、顧客満足向上のため、継続的な改善活動に取り組んでおります。
(11)知的財産権
広範囲に事業を展開する中で、当社グループの知的財産権が侵害される可能性や第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、こうした場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性がありますが、当社グループは知的財産権の重要性を認識し、国内および海外において、知的財産の権利化、第三者が保有する知的財産権の侵害防止に継続して取り組んでおります。
(12)資材調達に関する影響
当社グループは商品の製造や製作・建設等のために使用する原材料や部品を当社グループ外から調達しております。また、様々な業務を行ううえで必要な役務サービスを当社グループ外から調達しております。これら調達については、クリタグループ行動準則に基づく人権への配慮に加え、クリタグループ調達方針を定め、法令を遵守し、経済・社会・環境に配慮した調達活動を行っておりますが、市況の変化により原材料、部品および役務の価格は変動し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(13)情報システムのセキュリティ
当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しており、コンピュータウイルスその他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは情報システム管理方針を定め、ウイルスチェックソフト導入、標的型攻撃メール訓練等の役員・従業員への情報セキュリティ教育や啓発の実施によりコンピュータウイルス対策を強化しております。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要な会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(2) 経営成績
当期における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた都市封鎖や移動制限などの措置により、各国の経済活動が停滞しましたが、段階的な経済活動の再開を受け、年度後半にかけて回復の動きがみられました。
当社グループを取り巻く市場環境は、国内においては、製造業の生産活動が国内外の需要の落ち込みにより一旦は大幅に悪化しましたが、その後輸出が増加に転じるなど持ち直しの動きがみられました。設備投資は、企業収益の悪化や景気の先行き不透明感の高まりから、投資計画を先送りする動きが広がりました。海外においては、中国の経済活動の正常化が進み、順調な回復となりました。一方で、それ以外の欧米やアジアの景気は、依然として厳しい状況にありますが、徐々に回復に向けた動きが見られました。
このような中、当社グループは、中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)の3年目である当期において、顧客市場ごとにマーケティング・営業・技術・開発が連携する体制を強化し、CSVビジネス、総合ソリューションなどの新規受注による収益性改善目標を設定し展開を加速させました。また、製品・技術・サービスと契約方法を包含した水平展開可能なソリューションモデルの創出に引き続き注力しました。この成果として、工場における節水に貢献するRO運転最適化サービスなど、6件のモデルを完成させました。既存のビジネスプロセス・ビジネスモデルから脱却し新たな顧客価値を創出していくため、デジタル戦略本部を新設しグループ全体でのデジタルトランスフォーメーションを推進する取り組みに対する横串機能を強化し、AIやIoTの活用を推進しました。その一環として子会社である米国AIベンチャー企業フラクタ社と協働でメタ・アクアプロジェクトを推進し、水処理におけるAI・IoTを活用した製品の開発に取り組みました。その成果として、AIにより電力消費量の削減や運転管理コストの削減を図るAI最適運転ソリューションの開発に成功し、現場に設置したプラントでの検証を終え、特許を出願しました。さらに、国内においては、国内大型プラント向けのエンジニアリング洗浄を中心に事業を展開する当社の子会社である栗田エンジニアリング株式会社を2021年4月1日付で吸収合併しました。同社の持つ強固な技術基盤や顧客基盤に当社の財務資本や人的資本といった経営資源を機動的に投入することで、社会・産業インフラ市場のニーズを的確に捉え、最適なソリューションの提供を目指します。海外においては、米国を中心に精密洗浄事業を展開するペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の株式を追加取得し子会社化したほか、中東における事業成長のスピードを加速するため、アラブ首長国連邦(UAE)の水処理薬品事業会社であるアクア・ケミーDMCCと株式譲渡に関する契約を締結しました。
これらの結果、当期の受注高は262,341百万円(前年同期比1.1%増)、売上高は267,749百万円(前年同期比1.1%増)となりました。利益につきましては、事業利益は29,470百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益は31,529百万円(前年同期比14.7%増)、税引前利益は29,150百万円(前年同期比9.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は19,088百万円(前年同期比4.4%増)となりました。なお、持分法適用関連会社であった米国のペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.を連結子会社化し、同社の経営成績を新規に連結しております。
(水処理薬品事業)
MVP-22計画において水処理薬品事業は、ビジネスモデルの変革と海外事業基盤の強化による収益性の向上を目指しております。
国内では、顧客の生産性向上と環境負荷低減を実現する総合ソリューションの展開に注力しました。海外では、各地域において収益性の低い商品・取引からの撤退・縮小と収益性の高い商品・取引への切り替えを進めたほか、各地域におけるグループ会社間の連携強化、各機能の最適化による収益性向上に取り組みました。
製品・サービスにつきましては、当社グループのRO膜薬品に関わる商品・技術を始めとする経営資源を結集したグループ横断プロジェクトの推進により、RO膜薬品のグローバルラインナップが完成し、世界展開を開始しました。また凝集センサーを駆使した排水処理の安定化や、排ガス処理・飛灰処理での廃棄物削減・省力化など、顧客価値を実現するサービス契約型ビジネスの拡大に注力しました。
受注高・売上高につきましては、国内では、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停滞の影響を受け、電子産業などの一部顧客を除き、顧客の工場稼働率が低下したことにより、ともに減少しました。海外では、新型コロナウイルス感染拡大の影響に加え、一部の外国通貨に対して円高が進んだことに伴う海外子会社の円換算額目減りの影響もあり、受注高・売上高はともに減少しました。利益につきましては、減収の影響があったものの、売上原価率改善や経費削減の取り組みにより、事業利益、営業利益は増益となりました。
この結果、当社グループの水処理薬品事業全体の受注高は103,579百万円(前年同期比9.0%減)、売上高は103,231百万円(前年同期比9.2%減)、事業利益は12,287百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は11,816百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
(水処理装置事業)
MVP-22計画において水処理装置事業は、超純水供給事業で培った知見や技術力を、大型のEPC(設計:Engineering、資材調達:Procurement、建設工事:Construction)案件を起点とするメンテナンスと運転管理を包括した契約の提案につなげることで、収益性向上を目指しております。
国内では、水処理薬品と融合した市場別の体制により、顧客の生産性向上と環境負荷低減を実現する総合ソリューションの展開とAI・IoTの活用による水処理設備の運転最適化に取り組みました。海外では、精密洗浄事業の競争力強化に向けて、米国ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.を連結子会社化し、日本で精密洗浄事業を展開する子会社のクリテックサービス株式会社との営業・技術交流を強化しました。また、生産面では、生産性向上に向け社外との幅広い協業を推進し、エンジニアリングチェーン・サプライチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーションを推進したほか、水処理装置設計の自動化に取り組み、一部の装置において設計初期段階からの購入機器の原価積算と機器リスト作成の自動化を実現しました。
製品・サービスにつきましては、お客様の工場敷地内に当社の資産である排水回収設備を設置し、遠隔監視による運転管理からメンテナンスまでを行う再生水供給サービスや、純水供給サービス「KWSS®(Kurita Water Supply Service)」などのサービス契約型ビジネスを拡大するとともに、生産面でもプラント生産における業務プロセスの改善や原価積算精度の改善を図りました。
国内の受注高・売上高につきましては、電子産業分野においては、水処理装置の受注高は増加しましたが、売上高は大型案件の売上計上が一巡し、減少しました。同分野向けのメンテナンス・サービスの受注高は、年度後半にかけて需要が回復し、横ばいとなりました。売上高は前年度に受注した案件の工事が進捗したことに加え、年度後半の需要回復により増加しました。一般産業分野においては、水処理装置の受注高・売上高ともに、大型案件の受注・売上計上により増加しました。
同分野向けのメンテナンス・サービスの受注高・売上高は、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、顧客設備のメンテナンス時期延期の動きがみられ、ともに減少しました。電力分野向け水処理装置は、受注高は前期の大型案件受注の反動で減少しましたが、売上高は増加しました。土壌浄化の受注高・売上高は、大型案件の受注・売上計上の一巡と浄化計画延期の動きがみられたことにより減少しました。海外では、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の経営成績を新規連結したことにより、受注高・売上高は、ともに増加しました。新規連結の影響を除くと、受注高・売上高はともに減少しましたが、東アジアの電子産業向けの売上高は、韓国および台湾の大型案件の工事進捗により伸長しました。なお、超純水供給事業の国内および海外を合わせた売上高は、前期に開始した契約案件があり増収となりました。
この結果、当社グループの水処理装置事業全体の受注高は158,762百万円(前年同期比8.9%増)、売上高は164,518百万円(前年同期比8.8%増)となりました。利益につきましては、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.を新規連結したことに加え、経費削減の取り組みにより、事業利益は17,129百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益は19,634百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
生産、受注および販売の実績は、以下のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
水処理薬品事業(百万円) |
102,224 |
91.7 |
|
水処理装置事業(百万円) |
165,280 |
109.8 |
|
合計(百万円) |
267,504 |
102.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
水処理薬品事業 |
103,579 |
91.0 |
4,769 |
101.9 |
|
水処理装置事業 |
158,762 |
108.9 |
56,985 |
91.2 |
|
合計 |
262,341 |
101.1 |
61,754 |
91.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
水処理薬品事業(百万円) |
103,231 |
90.8 |
|
水処理装置事業(百万円) |
164,518 |
108.8 |
|
合計(百万円) |
267,749 |
101.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態
①資産合計 424,928百万円(前連結会計年度末比37,179百万円増加)
流動資産は176,482百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,635百万円増加しました。これは主に現金及び現金同等物が12,013百万円増加したためであります。
非流動資産は248,445百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,543百万円増加しました。有形固定資産の増加(11,245百万円)は、主に当社が2022年4月に開設を予定している新研究開発拠点(東京都昭島市)の建設工事が進捗したことによるものであります。「のれん」の増加(8,563百万円)および持分法で会計処理されている投資の減少(5,891百万円)は、主に第1四半期連結会計期間より持分法適用関連会社であったペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.(水処理装置事業)を連結子会社化したことによるものであります。その他の金融資産の増加(5,098百万円)および繰延税金資産の減少(1,096百万円)は、主に保有する株式の時価上昇により含み益が増加したためであります。
②負債合計 167,090百万円(前連結会計年度末比23,450百万円増加)
流動負債は74,952百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,456百万円減少しました。これは主に営業債務及びその他の債務が10,826百万円、未払法人所得税等が6,137百万円それぞれ増加した一方で、コミットメントラインの返済などにより借入金が34,926百万円減少したためであります。
非流動負債は92,137百万円となり、前連結会計年度末に比べ42,905百万円増加しました。社債及び借入金の増加(29,902百万円)は、主に第3四半期連結会計期間において無担保社債(30,000百万円)を新規発行したことによるものであります。その他の金融負債の増加(11,141百万円)は、主に当社100%子会社であるクリタ・アメリカ・ホールディングス,Inc.とペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.(水処理装置事業)の非支配株主との間で締結した先渡契約に基づき、将来の株式譲渡見込み価額の現在価値を当初認識したことなどによるものであります。
③資本合計 257,837百万円(前連結会計年度末比13,729百万円増加)
主に前述したペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.株式の先渡契約に係る当初認識などで資本剰余金が10,424百万円減少した一方で、当期利益の計上などにより利益剰余金が12,682百万円、保有する株式の時価上昇に伴いその他の資本の構成要素が8,284百万円、それぞれ増加したためであります。
当連結会計年度末における資産をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
調整額 (注) |
連結財務諸表 計上額 |
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水処理薬品事業 |
水処理装置事業 |
計 |
|||
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セグメント資産 |
123,476 |
233,530 |
357,006 |
67,921 |
424,928 |
(注)主なものは各報告セグメントに配分していない全社資産であります。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は62,228百万円(前連結会計年度末比12,013百万円増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は40,002百万円(前年同期比2,626百万円増加)となりました。これは主に税引前利益29,150百万円、減価償却費及び償却費20,739百万円などで資金が増加したものの、法人所得税の支払額4,541百万円などで資金が減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は10,771百万円(前年同期比32,912百万円減少)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入で8,401百万円の資金を得た一方で、子会社の取得による支出(取得資産に含まれる現金及び現金同等物控除後)4,599百万円、有形固定資産の取得による支出14,055百万円などで資金を使用したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は18,852百万円(前年同期比40,833百万円減少)となりました。これは主に社債の発行による収入で29,882百万円の資金を得た一方で、短期借入金の純増減額35,001百万円、配当金の支払額8,083百万円、リース負債の返済による支出5,033百万円などで資金を使用したためであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性確保と安定した資金調達体制の確立を基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本とし、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて債券市場での調達や銀行借入を想定しております。なお、当連結会計年度末において、当社は取引金融機関1社とコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高 -百万円、借入未実行残高 20,000百万円)。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「MVP-22」に対する達成状況については、以下のとおりであります。
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2020年3月期実績 |
2021年3月期実績 |
2023年3月期目標 |
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売上高年平均成長率 (M&A等による上積みを除いた自律的成長分) |
△0.7% |
△1.1% |
3%以上 |
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売上高事業利益率 |
10.1% |
11.0% |
15% |
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親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) |
7.6% |
7.7% |
10%以上 |
(1) 100%子会社の吸収合併
当社は、2020年10月30日開催の取締役会において、当社の100%子会社である栗田エンジニアリング株式会社の吸収合併を行うことを決議し、その後2020年12月25日に合併契約を締結しました。
本契約に基づき、2021年4月1日付で当社の100%子会社である栗田エンジニアリング株式会社を吸収合併しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「38.重要な後発事象」をご参照ください。
(2) 販売提携
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契約会社名 |
提携先 |
提携の内容 |
契約期間 |
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当社 |
三菱ケミカル株式会社 |
イオン交換樹脂「ダイヤイオン」の販売に関する代理権の取得 |
1976年4月1日から 2023年11月30日まで |
当社グループは、顧客の企業価値・競争力向上と社会的課題の解決に貢献する独創的なソリューションの提供に必要な商品・技術の開発に重点的に取り組んでおります。また、ビジネスモデルのデジタルトランスフォーメーションに必要なセンシング技術、データ解析技術、最適制御技術の開発や、当社商品技術を支える水処理の作用・障害の機構解明、デジタルトランスフォーメーションのベースとなる水処理技術の数理モデル化にも注力して取り組んでおります。
今後も、永年培ってきた“水”の技術にさらに磨きをかけるとともに、企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する水と環境の独創的価値の創造者」の実現に向けて、日本、ドイツ、シンガポール、北米等の開発拠点が連携して、産業と社会のニーズに幅広く対応する商品・技術の開発を積極的に進めてまいります。
研究開発は、主に当社の開発本部により推進されており、研究開発スタッフはグループ全体で約180名にのぼり、これは従業員総数の2.5%に当たっております。当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発概要と主な成果および研究開発費は、以下のとおりであります。
(1) 水処理薬品事業
顧客の節水・省エネルギー・廃棄物削減や、生産性向上・環境負荷低減に貢献する水処理薬品の開発を推進しております。また、センシング技術を用いた薬品処理効果の診断や自動最適制御などの技術開発にも取り組んでおります。当該連結会計年度における主な成果は以下のとおりであります。
・用水設備や排水回収設備における水処理膜を用いた装置の安定稼働・省エネ運転を実現するため、有機物に起因する汚染防止技術を強化し、従来よりも微生物による汚れの抑制力に優れた水処理剤や、従来は洗浄が難しかった有機物の汚れを除去できる高性能洗浄剤を開発しました。
・製鉄所における降雨による原料中の水分上昇に伴う移送ラインの閉塞や燃料使用量アップの抑制や、製紙工場における低品質古紙の利用による乾燥用蒸気の使用量アップの抑制など、製鉄・製紙プロセスの省エネルギーと原料コスト低減に寄与する機能性薬品とそれらの最適添加制御技術を開発しました。
・グローバルにニーズが高まっている工場や空調設備の冷却水系薬品処理における環境負荷低減を実現するため、冷却水設備の立ち上げから通常運転までの工程で、富栄養化の原因となるりんを使用せずに処理することが可能な環境保全型の冷却水処理技術を開発しました。
・排水処理プロセスの汚泥脱水運転を最適化するための独自のセンシング技術を用いた診断制御システムを開発しました。
なお、当事業に係る研究開発費は
(2) 水処理装置事業
排水の回収・再利用、廃棄物の削減やリサイクルによる再生可能エネルギー創出などの循環型社会実現に向けた技術開発に取り組んでおります。また、排水処理システムや半導体など電子産業製品の生産性向上に寄与する超純水製造システムの省エネルギー化、環境規制を先取りした土壌浄化技術の開発などを推進しております。当該連結会計年度における主な成果は以下のとおりであります。
・食品残渣等の廃棄物をメタン発酵させてエネルギーを回収するバイオガス発電施設の安定運転と収益向上に貢献するため、難分解性廃棄物からのメタン生成率を向上させ、受入可能な原料を拡大する前処理技術や、最適な原料投入をサポートするナビゲーションシステムを開発しました。
・超純水製造システムの動力費を削減し、省エネルギー・省コストに貢献するために、顧客の製造プロセスにおける使用水量の変動に追従してオンデマンド運転可能な流量変動運転技術を開発しました。
・水供給設備や排水処理プラントにおける監視業務の省力化や安定運転に貢献するため、AIを活用した画像診断で水槽内のトラブルを早期に自動検知するシステムなどを開発しました。
なお、当事業に係る研究開発費は