文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「人にふれあう技術を育て人と共に伸びるディ・アイ・ディ」を経営理念とし、誠意あふれる技術で人・自然を大切にした商品を創造し、社員一人一人の個性と、企業の成長によって明日の社会づくりに貢献していきたいと考えております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
ものづくり企業としての原点に立ち返り、既存商品・新商品の競争力を徹底的に磨き上げ、事業領域・技術領域の拡大にたゆまぬ挑戦を継続して行きます。
国内を含むグローバル事業は、成長市場・成長分野を取込み拡大することを目指し、全世界を俯瞰し、進化した技術と経営資源を戦略的に投下することで取り込みを急ぎます。
これらの挑戦をカタチにするために、次世代を担う多様性を持った人材を育て、活用するしくみの構築を急ぎ、継続的に躍進できる企業づくりを進めます。
当社グループは、第11次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)において、下記の方針を定めています。
1.成長市場・成長分野を取り込み事業を拡大する
・アジア二輪市場、北米四輪市場など成長市場の取り込みを強化する。
・包装・食品・窯業・物流市場への活動を強化する。
・国内・海外のグループ会社一体となって戦略課題に取組む。
2.技術の進化で新たな市場を開拓する
・高度塑性加工による新製品を市場に投入する。
・次世代自動車分野での新規事業基盤を開発する。
・将来のコア事業化につながる戦略的な新製品・新技術・新サービスを開発する。
3.多様な人材を育成し活用する
・新たな人材育成カリキュラムを実施する。
・多様な人材が活躍できる仕組みづくりを実施する。
・柔軟性のある雇用制度を構築する。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第11次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)において、事業の成長性をはかる『売上高』、事業の収益性をはかる『営業利益』及び『営業利益率』、株主資本の効率性をはかる『自己資本利益率(ROE)』を目標数値として掲げ、更なる企業価値の向上に努めてまいります。
(4) 経営環境
当期における当社グループを取り巻く環境は、海外においては、米中貿易摩擦による中国経済の減速や英国のEU離脱問題の影響等はあるものの、欧米先進国をはじめとして世界経済は底堅さを保ち回復基調で推移しました。国内においても、企業の設備投資や個人消費の持ち直し等を背景に、景気は依然堅調を維持しております。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、日本を含む世界経済の成長はやや減速感はあるものの、米国内需要の底堅い成長や個人消費は底堅さを保つと見込まれます。しかし、各国の金融政策の不確実性による影響や、中国経済の成長率低下など、引き続き予断を許さない状況が続くと予想されます。
本年、当社は『切り拓こう たゆまぬ挑戦で 未来を!』をスローガンとする第11次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)の2年目となります。ものづくり企業としての原点に立ち返り、既存商品の競争力を磨き上げながら事業と技術領域の拡大に向けて挑戦を続け、多様な人材を育成し活用することで、今後も発展を続けてまいります。
(6) 株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ 基本方針の内容の概要
当社取締役会は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかし、当社がお客様のニーズを満たす技術の徹底追求を行い、高機能、高品質の製品をお届けすることにより、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるためには、当社の企業価値の源泉である①お客様のニーズに応える技術力、②グローバルな供給体制、③取引先との強固な信頼関係、④「D.I.D」の世界的なブランド力、⑤地域経済・社会への貢献及び⑥各事業間の相互補完関係の確保を踏まえ中長期的視点に立った施策を実行することが必要不可欠であると考えております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりこうした中長期的視点に立った施策が実行されない場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。
当社は、当社株式の適正な価値を株主及び投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めておりますものの、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど買付者による大規模な買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。更に、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社グループに与える影響や、買付者が考える当社グループの経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料となると考えます。
以上を考慮した結果、当社としましては、大規模な買付行為を行う買付者において、株主の皆様の判断のために、当社が設定し事前に開示する一定のルール(詳細につきましては、Ⅲをご参照下さい。以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って、買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社に事前に提供し、当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ当社取締役会又は株主総会が新株予約権の無償割当て実施の可否について決議を行った後にのみ当該買付行為を開始する必要があると考えております。
また、大規模な買付行為の中には、当該買付行為が企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるものもないとは言えません。当社は、かかる大規模な買付行為に対して、当社取締役会が本対応方針に従って適切と考える方策をとることが、企業価値ひいては株主共同の利益を守るために必要であると考えております。
Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、基本方針の実現に資する特別な取組みとして、上述した当社の企業価値の源泉を更に維持・強化するために、①成長市場・成長分野の取り込みによる事業の拡大、②技術の進化による新たな市場の開拓及び③多様な人材の育成と活用に取り組んでおります。
また、当社は、一層の経営の効率性、透明性を高めるため、公正な経営を実現することを最優先し、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することを基本的な方針として取り組んでおります。具体的には、2005年6月より執行役員制度を導入し、経営の意思決定及び監督機能と業務執行の機能を分離しつつ、2008年6月27日開催の定時株主総会において、取締役の員数の上限を15名から12名に減少する旨の定款変更を行ったうえで、2013年6月27日開催の定時株主総会において、取締役を9名から7名に減員したことで、経営のスリム化と意思決定の迅速化を図り、経営全体の効率性の向上を実現しております。更に、2015年6月26日開催の定時株主総会において、社外取締役を2名(いずれも独立役員)選任し、経営に対する監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの更なる向上を図り、経営の健全性の維持と透明性の確保を実現しております。
加えて、法令順守の徹底を図るため、2008年4月1日より内部統制監査室を新たに設置し、必要に応じて基本方針の改定を含めた内部統制システムの継続的な整備を行うとともに、企業の社会的責任を果たすうえで重要な活動を統括・推進するため、CSR委員会を設置し、活動上の重要課題について適宜所要の審議及び方針決定を行っております。
更に、2017年6月27日開催の株主総会においては、株主総会の集中日を避け(総会日程の早期化)、議決権行使の電子化(議決権電子行使プラットフォームへの参加)を実現しております。
Ⅲ 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2017年5月15日開催の当社取締役会において、Ⅰで述べた会社支配に関する基本方針に照らし、2014年5月14日付当社取締役会決議及び2014年6月27日付第121期定時株主総会決議に基づき導入した「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」の一部を変更したうえで継続することを決議いたしました。(以下変更後の対応方針を「本対応方針」といいます。)
本対応方針は、(ⅰ)特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、(ⅱ)結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。)又は、(ⅲ)結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社の他の株主との合意等(以下かかる買付行為又は合意等を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為又は合意等を行う者を「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ③当社取締役会又は株主総会が新株予約権の無償割当て実施の可否について決議を行った後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を新株予約権の無償割当てを利用することにより抑止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることを目的とするものです。
当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社代表取締役宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。
更に、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する必要情報リストに基づき株主の皆様の判断並びに当社取締役会及び独立委員会の意見形成のために必要な情報の提供を求めます。
次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の必要情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家等の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会としての意見をとりまとめて公表します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。なお、当社取締役会は、独立委員会の勧告に基づき、必要な範囲内で取締役会評価期間を最大30日間延長することができるものとします。
当社取締役会は、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を防止するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者の中から選任された委員からなる独立委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため新株予約権の無償割当てを実施すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため新株予約権の無償割当てを実施すべきか否か等の本対応方針にかかる重要な判断に際しては、独立委員会に諮問することとします。独立委員会は、新株予約権の無償割当ての実施若しくは不実施の勧告又は新株予約権の無償割当ての実施の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告等を当社取締役会に対し行います。
当社取締役会は、前述の独立委員会の勧告を最大限尊重し、新株予約権の無償割当ての実施若しくは不実施の決議又は株主総会招集の決議その他必要な決議を行います。新株予約権の無償割当て実施の可否につき株主総会において株主の皆様にお諮りする場合には、株主総会招集の決議の日より最長60日間以内に当社株主総会を開催することとします。新株予約権の無償割当てを実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会又は株主総会が新株予約権の無償割当てを実施することを決定した後も、新株予約権の無償割当ての実施が適切でないと判断した場合には、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、新株予約権の無償割当て実施の停止又は変更を行うことがあります。当社取締役会は、前述の決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。
本対応方針の有効期限は、2017年6月27日開催の定時株主総会においてその継続が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとし、以降、本対応方針の更新(一部修正したうえでの継続も含みます。)については当社株主総会の承認を経ることとします。なお、本対応方針の有効期間中であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から、関係法令の整備や、金融商品取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、本対応方針の変更を行うことがあります。なお、本対応方針の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.did
-daido.co.jp/)に掲載する2017年5月15日付プレスリリースをご覧ください。
Ⅳ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
Ⅱに記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、Ⅱに記載したとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。
また、Ⅲに記載した本対応方針も、Ⅲに記載したとおり、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるために継続されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置し、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、必要に応じて新株予約権の無償割当ての実施につき株主総会に諮ることとなっていること、本対応方針の有効期間は3年であり、その更なる継続についても株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの経営成績、株価及び財政状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のものがあります。なお、文中の将来に関する事項の記載については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)景気変動について
当社グループは、国内のほか海外市場にも製品を販売しており、各国の市場における急激な景気変動や需要変動が、業績に影響を与える可能性があります。
(2)有利子負債依存度について
当社グループは設備投資に要する資金を主に金融機関からの借入金等により調達しており、総資産に対する有利子負債の割合が高くなっております。近年は低金利の状況が続いておりますが、今後の金利変動によって業績に影響を与える可能性があります。
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
|
(百万円) |
(百万円) |
(百万円) |
|
|
総資産(A) |
58,478 |
62,811 |
61,262 |
|
有利子負債額(B) |
18,236 |
17,514 |
17,747 |
|
(B)/(A) % |
31.2 |
27.9 |
29.0 |
|
売上高(C) |
43,572 |
47,155 |
47,543 |
|
支払利息(D) |
240 |
186 |
224 |
|
(D)/(C) % |
0.6 |
0.4 |
0.5 |
(3)原材料の市況変動の影響について
当社グループが製造販売しているチェーン、コンベヤ、リム、ホイール、スポーク・ボルト等は主に鋼材、アルミ材を原材料としております。従って、鋼材、アルミ材の市況が変動する局面では、取引先より価格変更の要請の可能性があります。随時市況価格を注視し取引先との価格交渉にあたっておりますが、今後、原材料価格が急激に変動した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外での事業活動について
当社グループの海外売上高比率は、2017年3月期51.9%、2018年3月期52.3%、2019年3月期52.8%とおおむね半分を占めております。当社グループが行う輸出取引は、商社等を通じて行う円建取引と直接行う外貨建取引がありますが、外貨建取引が増加しており、為替変動の影響が大きくなってきております。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、そのリスクを全て排除することは不可能であり、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの生産拠点において、地震、火災、洪水等の災害の発生並びに法律、規制の変更及び政治、経済要因の変動等により生産活動に支障が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(5)品質不良の影響について
当社グループの製品に対する欠陥や品質不良によりクレーム又はリコールが発生した場合には、当社グループ製品に対する顧客の信頼が低下し、業績に影響を与える可能性があります。また、欠陥や品質不良により多額の損害賠償が発生し、製造物責任保険等で賠償額を十分に補填できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(6) 競争激化について
現状、複数の企業による激しい価格競争が生じておりますが、より品質の高い低コストの商品を供給できる競合先が台頭し、市場でのシェアを急速に獲得した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは付加価値の高い商品を開発するために、投資を積極的に行っているものの、競合他社との激しい競争において、十分な効果が反映されない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(7)有価証券投資の影響について
当社グループは、取引金融機関、取引先の銘柄を中心に株式を保有しております。保有株式の個々の銘柄の価格変動が業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期における当社グループを取り巻く環境は、海外においては、米中貿易摩擦による中国経済の減速や英国のEU離脱問題の影響等はあるものの、欧米先進国をはじめとして世界経済は底堅さを保ち回復基調で推移しました。国内においても、企業の設備投資や個人消費の持ち直し等を背景に、景気は依然堅調を維持しております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、フィリピンにおける組立生産の開始や、インドにおいて二輪車用チェーンの生産能力の増強を行う等、海外拠点の強化を進め、グローバルな生産活動と拡販活動を推進してまいりました。国内においては、生産活動の改善や新製品の開発を進めるとともに、高度塑性加工技術による事業領域の拡大を進めてまいりました。
収益面につきましては、生産効率の改善やコスト削減に努めるとともに、資産の効率化等を目的として当社が保有する上場有価証券の一部を売却し、特別利益として投資有価証券売却益を計上したものの、鋼材・副資材価格、運賃及び電力料等の高騰や新興国通貨安の影響等を受けたことに加えて、継続して営業損益の悪化となっている連結子会社の一部の固定資産(設備機械等)について特別損失として減損損失を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,548百万円減少し、61,262百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,440百万円減少し、31,461百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ108百万円減少し、29,801百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高47,543百万円(前期比0.8%増)、営業利益1,440百万円(前期比50.5%減)、経常利益1,612百万円(前期比49.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益844百万円(前期比40.3%減)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
(日本)
付加価値の高い産業機械用チェーンや海外のプラント向けの生産設備の受注が好調に推移したものの、二輪車用アルミリムにおいて、前年同期に新機種の立上により売上が大きく伸びていたことに加えて完成車メーカーの生産工場移転に伴う生産減少の影響を受けたこと等により、売上高は前期比0.6%減少の24,693百万円となりました。
(アジア)
補修市場向けの二輪車用チェーンの受注が中東向けにおいて低調に推移したものの、中国において日系自動車メーカー向けの四輪車用チェーンの受注が好調に推移するとともに、中国及びタイの搬送関連設備の受注が堅調に推移したこと等から、売上高は前期比0.4%増加の13,959百万円となりました。
(北米)
四輪車用チェーンにおいて、当社製品採用車種の販売不振の影響を受け受注が低調に推移したものの、産業機械用チェーンの受注が内需拡大を背景に堅調に推移したこと等により、売上高はほぼ前期並みの4,101百万円となりました。
(南米)
ブラジルレアル安の影響を受けたものの、産業用・農業用チェーンの受注が好調に推移するとともに、二輪車用チェーンにおいて、完成車メーカー向けの受注が好調に推移したことから、売上高は前期比4.6%増加の2,578百万円となりました。
(欧州)
補修市場向けにおいて、付加価値の高い二輪車用チェーンの受注が西欧・北欧向けを中心に好調に推移したことから、売上高は前期比19.8%増加の2,210百万円となりました。
なお、「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2018年2月16日改正)及び「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ827百万円減少し、7,145百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,575百万円(前期は5,457百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,820百万円(前期は2,661百万円)、減価償却費2,568百万円(前期は2,306百万円)、投資有価証券売却益687百万円を計上し、たな卸資産が1,334百万円増加(前期は923百万円の増加)、法人税等の支払額932百万円(前期は426百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,714百万円(前期は4,119百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の預入による支出2,400百万円(前期は1,222百万円の支出)、定期預金の払戻による収入2,361百万円(前期は786百万円の収入)、投資有価証券の売却による収入859百万円(前期は0百万円の収入)、有形固定資産の取得による支出4,527百万円(前期は3,385百万円の支出)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,559百万円(前期は1,200百万円の使用)となりました。これは主に、借入金の増加額が634百万円(前期は496百万円の減少)、株式の発行による収入1,621百万円、配当金の支払額332百万円(前期は329百万円)、非支配株主への配当金の支払額222百万円(前期は199百万円)等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
22,501 |
2.9 |
|
アジア |
13,507 |
2.1 |
|
北米 |
1,764 |
△2.2 |
|
南米 |
2,578 |
4.6 |
|
合 計 |
40,352 |
2.5 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
24,627 |
△4.3 |
4,267 |
△1.5 |
|
アジア |
14,657 |
4.2 |
3,946 |
21.5 |
|
北米 |
4,094 |
3.5 |
1,074 |
△0.6 |
|
南米 |
2,567 |
0.8 |
630 |
△1.7 |
|
欧州 |
2,264 |
9.7 |
756 |
7.7 |
|
合 計 |
48,211 |
△0.3 |
10,676 |
6.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
24,693 |
△0.6 |
|
アジア |
13,959 |
0.4 |
|
北米 |
4,101 |
0.0 |
|
南米 |
2,578 |
4.6 |
|
欧州 |
2,210 |
19.8 |
|
合 計 |
47,543 |
0.8 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当期における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に繰延税金資産・負債、退職給付に係る負債等であり、継続して評価を行っております。また、見積り評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、商品及び製品が648百万円増加、機械装置及び運搬具が1,167百万円増加したものの、現金及び預金が798百万円減少、投資有価証券が2,618百万円減少したことなどにより1,548百万円減少し、61,262百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、支払手形及び買掛金が484百万円減少、繰延税金負債が1,094百万円減少したことなどにより1,440百万円減少し、31,461百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、資本金及び資本剰余金が810百万円それぞれ増加したものの、その他有価証券評価差額金が1,835百万円減少したことなどにより108百万円減少し、29,801百万円となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、47,543百万円(前期比0.8%増)となりました。これは主に、欧州補修市場向け二輪車用チェーンや、中国での四輪車用チェーン、南米における産業用チェーンの受注が好調に推移したことによるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、8,706百万円(前期比11.8%減)となりました。また、売上総利益率は18.3%(前期比2.6%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は7,265百万円(前期比4.4%増)となりました。これは主に、運賃及び電力料等の高騰の影響を受けたことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は1,440百万円(前期比50.5%減)、営業利益率は3.0%(前期比3.2%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は777百万円(前期比6.3%減)、営業外費用は605百万円(前期比12.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は1,612百万円(前期比49.7%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、資産の効率化等を目的として当社が保有する上場有価証券の一部を売却し投資有価証券売却益を計上したものの、経営環境の変化等の影響を受け継続して営業損益の悪化となっている連結子会社の一部の固定資産(設備機械等)について減損損失を計上したこと等により、844百万円(前期比40.3%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績、株価及び財政状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは市場動向、為替動向、資材費動向、金利動向等があります。詳細は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
今後の見通しにつきましては、日本を含む世界経済の成長はやや減速感はあるものの、米国内需要の底堅い成長や個人消費は底堅さを保つと見込まれます。しかし、各国の金融政策の不確実性による影響や、中国経済の成長率低下など、引き続き予断を許さない状況が続くと予想されます。
本年、当社は『切り拓こう たゆまぬ挑戦で 未来を!』をスローガンとする第11次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)の2年目となります。ものづくり企業としての原点に立ち返り、既存商品の競争力を磨き上げながら事業と技術領域の拡大に向けて挑戦を続け、多様な人材を育成し活用することで、今後も発展を続けてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの動力伝動搬送関連製品等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要としては、製造設備投資に加え、情報処理のための無形固定資産投資等があります。
財政政策
当社は、当連結会計年度において、2018年7月18日を払込期日とする公募による1,300千株の新株式発行(一般募集)及び10千株の自己株式の処分により1,425百万円、2018年8月15日を払込期日とするオーバーアロットメントによる売出しに関連して行った第三者割当による190千株の新株式発行により206百万円の資金調達を行いました。
その他、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は17,747百万円であります。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物は7,145百万円であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第11次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)において、最終年度の2021年3月期に売上高550億円、営業利益50億円、営業利益率9%、自己資本利益率(ROE)10%の達成を目標としております。
当連結会計年度における売上高、営業利益、営業利益率については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであり、自己資本利益率(ROE)は3.5%であります。
引き続き上記目標数値の達成及び指標の改善に邁進していく所存であります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
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相 手 方 の 名 称 |
国 名 |
契約品目 |
契 約 内 容 |
契 約 期 間 |
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D.I.D ASIA CO.,LTD |
タイ |
スプロケットキット |
スプロケットキットに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2009年5月14日 至 2019年5月14日 (以後、5年毎に自動更新) |
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大同鏈条(常熟)有限公司 |
中国 |
チェーン・コンベヤ |
チェーン及びコンベヤに関する技術・製造のノウハウの供与 |
自 2010年9月28日 至 2020年9月27日 (以後、5年毎に自動更新) |
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DAIDO INDUSTRIAL E |
ブラジル |
チェーン |
商標の使用許諾 |
自 2018年12月31日 至 2019年12月31日 (以後、1年毎に自動更新) |
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DAIDO INDUSTRIA DE CORRENTES DA AMAZONIA LTDA. |
ブラジル |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2016年12月12日 至 2021年12月11日 (以後、5年毎に自動更新) |
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P.T.DAIDO INDONESIA |
インドネシア |
チェーン・リム |
チェーン及びリムに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2010年9月13日 至 2020年9月12日 (以後、5年毎に自動更新) |
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相 手 方 の 名 称 |
国 名 |
契約品目 |
契 約 内 容 |
契 約 期 間 |
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DAIDO SITTIPOL |
タイ |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2011年3月4日 至 2021年3月3日 (以後、5年毎に自動更新) |
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P.T.FSCM MANUFACTURING INDONESIA |
インドネシア |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与 |
自 2016年5月1日 至 2019年4月30日 |
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INTERFACE SOLUTIONS CO.,LTD. |
タイ |
コンベヤ |
コンベヤに関する技術・製造ノウハウの供与 |
自 2012年11月13日 至 2022年11月12日 (以後、5年毎に自動更新) |
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DAIDO INDIA PVT.LTD. |
インド |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2012年11月7日 至 2022年11月6日 (以後、5年毎に自動更新) |
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DAIDO CORPORATION OF AMERICA |
米国 |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2015年2月19日 至 2025年2月18日 (以後、5年毎に自動更新) |
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D.I.D VIETNAM CO.,LTD. |
ベトナム |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2017年9月26日 至 2027年9月25日 (以後、5年毎に自動更新) |
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Atlas Autos (Private) Limited |
パキスタン |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2017年11月13日 至 2020年11月12日 (以後、3年毎に自動更新) |
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D.I.D PHILLIPINES INC. |
フィリピン |
チェーン |
チェーンに関する技術・製造ノウハウの供与、商標の使用許諾 |
自 2019年1月9日 至 2029年1月8日 (以後、5年毎に自動更新) |
(注)1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を受け取っております。
2 上記の技術援助契約及び商標の使用許諾契約は提出会社が締結しているものであります。
(吸収合併契約)
当社は、2017年6月5日開催の取締役会において、当社の完全子会社である㈱社D.I.Dとの間で、当社を合併存続会社、㈱D.I.Dを合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、2017年6月5日付で合併契約を締結し、2018年4月1日付で吸収合併いたしました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
当社グループの研究開発活動は、新製品の研究開発及び既存商品の基礎研究、用途開発であります。グループ全体の研究開発活動を日本において当社が一括して担っており、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1)動力伝動搬送関連製品
①タイミングチェーン周辺部品への取り組みとして樹脂射出成型機による量産化技術を確立し、国内自動車メーカーへの量産納入を開始いたします。
今後更に、研究を進め、自動車メーカー各社の低燃費要求に対応する技術の構築を行ってまいります。
②樹脂射出成形機を活用し、樹脂材料メ-カー協力の下、低フリクション樹脂の研究・開発を継続してまいります。2019年には国内自動車メ-カーへの量産納入を予定しており、量産化技術を確立し、安定供給体制を構築してまいります。
③持分法非適用関連会社の㈱スギムラ精工と協力し、高度塑性加工によるスプロケットの量産技術を確立しました。国内自動車メーカーの海外生産拠点への量産納入をすでに開始しております。
今後は、スプロケットのみならず、様々な製品を取込み、事業を拡大してまいります。
(2)その他
継続して新製品及び既存製品の研究、開発に取り組んでおります。