文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は伝動用ローラチェーンを主体とした、各種チェーン、スプロケット類等の製造・販売を通して、国内外の産業に貢献する「伝動と搬送の総合メーカー」を目指しております。
このために、多様化する顧客の品質、用途に対するニーズを掌握し、十分な研究・開発した製品を供給して、顧客から安心、安全な会社だと評価を受ける努力を続けてまいります。
今後とも当社製品は「世界一の品質」を目指して弛まぬ研究を行いグローバルな市場の要望に応えてまいります。
当然のことながら、企業としての責務であります企業倫理、法令遵守、環境保護活動への取り組みを強化し、社会の信頼に応えてまいります。
(2)経営戦略等
当事業年度より平成32年3月期までの「第5次3か年経営計画」を実施しております。
この計画の大きな目標は当社が景気動向に左右されない持続的な成長を成し得る企業となるための施策と、企業発展の基盤をより確かなものに築きあげるためのものです。
この3か年で、限りある当社の経営資源を適切に拡大すべき事業分野に集中させ、企業体質の改善を行い、企業の質的な向上を図り、継続して利益を生み出す企業にしてまいります。
既存製品をより高品質化し差別化した製品を顧客に供給して行くことと、生産性の向上、より効率的な多品種、小ロットの生産システムを構築してコストの低減、納期の短縮を図ってまいります。
顧客と共同で開発する新製品、市場のニーズを汲み上げた新製品、オンリーワン製品の開発を積極的に行ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針及び経営戦力等に則り「第5次3か年経営計画」の最終年度である平成32年度において営業利益率8%以上を目標に設定し、復配を目指しております。
(4)経営環境
日本経済は、緩やかな回復基調にあるとみられますが、世界情勢の不安は依然として残り、先行きは厳しい状況が続くと思われます。成熟産業であるチェーン業界においては国内での新規需要開拓は厳しい状況であり、国内の設備投資も足踏み状態が継続すると見られます。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
チェーン事業部門においては、既存商品の中心である伝動用ローラチェーンの更なる高品質化への取組みにより商品の差別化を図るとともに、多品種、小ロットの生産体制を改良・構築し各種機械産業へのシェアアップを図ります。さらに中国製チェーンの取扱いを拡大し価格競争にも対応してまいります。
金属射出成形事業部門においては既存の自動車・医療機器・精密機器分野からの安定した受注量を確保するため、また、新しい分野の開拓のため、より積極的な営業活動を進めてまいります。
これらの他、生産性向上への取組み等によるコストの削減を継続し、有利子負債の削減のためたな卸資産の圧縮を継続的に推し進めてまいります。
当社の経営成績及び財政状態の変動要因について、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあります。なお、以下における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)売上高の変動について
当社の売上高は、伝動用ローラチェーンを主体とした既存製品及びその他関連製品チェーン事業と金属射出成形法による運搬機器関連や医療機器関連の製品売上等から構成されております。これらは以下により変動し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・チェーン事業は、成熟製品の域にあり、安価なアジア製品の影響を受け受注価格の変動や輸入品の増加により、工場の生産高減少に伴う付加価値が減少する場合があります。
・チェーン事業の主体である伝動用ローラチェーンについては、海外の経済の減退による影響を受け輸出売上高が減少する場合があります。
・金属射出成形事業の製品は軌道に乗りましたが、製品自体のライフサイクルの短さやモデルチェンジの激しさから、これに係る製品の受注は大きく変動する場合があります。
(2)仕入価格の高騰について
当社が製造する製品の主原材料は、国内の鉄鋼メーカーが生産する特殊鋼を使用しておりますが、鉄鉱石や鉄スクラップの原料価格の上昇、中国の需要増加等により大幅に上昇する場合には、当社の経営に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替変動のリスクについて
当社の事業は、海外市場に当社売上高の15%程を販売しており、為替の変動に影響を受けます。取引の多くはドル建てであるため、外国為替リスクを回避、軽減するために種々手段を講じておりますが、為替相場の変動によって業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)金利変動リスクについて
当社は有利子負債を減少させるべく資産の効率化を進めておりますが、市場金利の上昇は支払利息を増加させ、利益を減少させるリスクがあります。
(5)財務制限条項について
当社の有利子負債の一部には財務制限条項があり、当社はこれを遵守する必要があります。万が一当社がこれに抵触し、当該有利子負債の一括返済を求められた場合、資金繰りが悪化する可能性があります。
(6)品質不良のリスクについて
当社は製造業であり、万が一製品のクレーム、リコール等の発生により損害金を製造物責任保険等で補てんできない場合、事業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ48百万円減少し、3,466百万円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ93百万円減少し、2,055百万円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ45百万円増加し、1,411百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、政府の継続的な経済政策等の効果もあり、企業の設備投資や雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移したとみられます。また、米国経済や欧州経済の回復が持続し、新興国も総じて持ち直しの動きがみられ、輸出関連産業は堅調に推移したとみられます。一方、米中貿易摩擦の動向や中東・東アジア地域における地政学リスク等不安定な海外情勢が続いており、先行きは依然として不透明な状況が見込まれます。
このような状況下にあって当社は、市場の多様なニーズへの対応力を高め、受注拡大に向けての製品の差別化や、工場の生産性を高める取組みを継続・強化してまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高は3,413百万円(前期比4.9%増)となり、営業利益100百万円(前期比21.5%増)、経常利益92百万円(前期比7.3%増)、当期純利益57百万円(前期比63.2%減)となりました。当期純利益につきましては、前事業年度より法人税等調整額を計上したことにより前期比減少となっております。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
チェーン事業
チェーン事業は、国内では、搬送機械業界、工作機械業界向けが好調に推移しましたが、運搬機械業界、食品機械業界向けが減少しました。一方、輸出においては、北米、アジア向けの販売が増加しました。これらの結果、売上高は3,233百万円(前年同期比8.6%増)営業利益は274百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
金属射出成形事業
金属射出成形事業は、医療機器分野を中心に受注拡大に努めましたが、モデルチェンジによる自動車用部品の販売が大きく減少しました。その結果、売上高は179百万円(前年同期比28.7%減)、営業利益は18百万円(前年同期比46.0%減)となりました。
その他事業
その他事業につきましては、賃貸ビルの改修工事により、売上高はなく(前年同期は24百万円)、営業損失は7百万円(前年同期は営業利益16百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、売上債権や仕入債務等増加しましたが、長期借入金が減少したこと等により、前事業年度末より102百万円減少し、当事業年度末には153百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は205百万円(前期は292百万円の収入)となりました。これは、仕入債務の増加66百万円、税引前当期純利益92百万円、減価償却費135百万円、退職給付引当金の増加18百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は80百万円(前期は140百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出69百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は227百万円(前期は150百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の増加25百万円、長期借入金の返済による支出212百万円、社債の償還による支出34百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメント |
当事業年度 (自 平成29年 4月1日 至 平成30年 3月31日) |
前年同期比(%) |
|
チェーン事業 (千円) |
2,695,304 |
107.9 |
|
金属射出成形事業 (千円) |
164,159 |
73.0 |
|
報告セグメント計 (千円) |
2,859,463 |
105.0 |
|
その他 (千円) |
- |
- |
|
合 計 (千円) |
2,859,463 |
105.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.セグメント間の取引はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメント |
当事業年度 (自 平成29年 4月1日 至 平成30年 3月31日) |
前年同期比(%) |
|
チェーン事業 (千円) |
426,004 |
105.2 |
|
金属射出成形事業 (千円) |
17,593 |
85.8 |
|
報告セグメント計 (千円) |
443,597 |
104.2 |
|
その他 (千円) |
7,260 |
86.4 |
|
合 計 (千円) |
450,858 |
103.9 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメント |
当事業年度 (自 平成29年 4月1日 至 平成30年 3月31日) |
前年同期比(%) |
|
チェーン事業 (千円) |
3,342,581 |
110.2 |
|
金属射出成形事業 (千円) |
195,673 |
80.4 |
|
報告セグメント計 (千円) |
3,538,255 |
107.9 |
|
その他 (千円) |
- |
- |
|
合 計 (千円) |
3,538,255 |
107.1 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.セグメント間の取引はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメント |
当事業年度 (自 平成29年 4月1日 至 平成30年 3月31日) |
前年同期比(%) |
|
チェーン事業 (千円) |
3,233,512 |
108.6 |
|
金属射出成形事業 (千円) |
179,783 |
71.3 |
|
報告セグメント計 (千円) |
3,413,296 |
105.7 |
|
その他 (千円) |
- |
- |
|
合 計 (千円) |
3,413,296 |
104.9 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主にたな卸資産の評価、繰延税金資産等であり、見積り評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる基準等に基づき行っております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
当社の当事業年度の経営成績等は、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」①財政状態及び経営成績の状況に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は3,466百万円で、前事業年度末に比べ48百万円減少しました。これは、前事業年度末と比べ、電子記録債権が65百万円、売掛金が78百万円増加し、現金及び預金が102百万円、受取手形が97百万円、たな卸資産が5百万円減少したことを主要因として、流動資産が2,274百万円と57百万円減少したこと、また、有形固定資産が11百万円、繰延税金資産が5百万円増加し、投資有価証券が10百万円減少したこと等により、固定資産が1,191百万円と9百万円増加したことによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、2,055百万円で、前事業年度末に比べ93百万円減少しました。これは、前事業年度末に比べ支払手形が48百万円、買掛金が18百万円、短期借入金が25百万円、未払金が27百万円、設備支払手形が19百万円増加し、一年内返済予定の長期借入金が31百万円、未払法人税等が10百万円減少したことを主要因として流動負債が1,538百万円と102百万円増加したこと、また、退職給付引当金が18百万円増加し、社債が30百万円、長期借入金が181百万円減少したこと等により、固定負債が516百万円と196百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、1,411百万円で、前事業年度末に比べ45百万円増加しました。主な要因は、当期純利益57百万円の計上とその他有価証券評価差額金の減少12百万円によるものです。
この結果、自己資本比率は、前事業年度末の38.9%から、当事業年度末は40.7%になりました。
b.経営成績
(売上総利益)
当事業年度の売上高は3,413百万円(前年同期比4.9%増)となりました。これは、輸出の売上が前年同期比26.5%増加となり、国内向けの売上も前年同期比で1.8%増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は593百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は493百万円(前年同期比2.6%増)となりました。これは主として、売上増加に伴う発送費、梱包費の増加によるものであります。この結果、営業利益は100百万円(前年同期比21.5%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は11百万円(前年同期比54.7%減)となりました。減少の主要因は前事業年度の助成金収入が減少したことによるものであります。また、営業外費用は19百万円(前年同期比9.6%減)となりました。この減少は主として借入等による支払利息が減少したことによるものであります。この結果、経常利益は92百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
(当期純利益)
当期純利益は57百万円(前年同期比63.2%減)となりました。減少の要因は前事業年度より法人税等調整額を計上したことによります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2「事業の状況」2「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、設備投資に必要な資金ならびにその他の所要資金には手元資金を充当することを基本的な方針とし、必要な都度、金融機関からの借入による資金調達を行うこととしております。当事業年度におきましては、財務体質の健全化に向けて借入の返済を主として行ってきましたが、翌事業年度におきましては、生産性向上に向けて老朽化した設備の更新を行う予定であり、賃貸ビルの改修費用も含め、金融機関より借入を行う予定であります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第5次3ヵ年経営計画」の最終年度である平成32年度において営業利益率8%以上を目標としております。初年度につきましては2.9%(前年同期比0.4%増)と厳しいスタートとなりましたが、引続き生産性の向上等企業体質の改善を行い、継続して利益を生み出す企業体質を構築し、復配を実現したいと考えております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討事項につきましては、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。
チェーン事業につきましては、市場の多様なニーズにより多く・迅速に対応するため、老朽化した設備を更新してまいります。
金属射出成形事業につきましては、既存分野からの安定的な受注量を確保し、新たな分野の開拓に向けて積極的に営業活動を行ってまいります。
その他事業につきましては、老朽化したビルを改修し、新たなテナントの獲得を目指します。
当社が技術援助等を受けている契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱小松製作所 |
日本 |
金属射出成形技術 |
平成14年1月30日 |
実施許諾に関する契約 |
平成14年1月30日から 平成19年1月29日まで 以後1年ごとの自動更新 |
(注) 上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
当社の主力製品でありますチェーン事業につきましては、軽量化や疲労強度の向上及び耐環境性能を高めるための研究を、また、金属射出成形事業におきましては、顧客の要望に合わせるための研究を継続しております。これらに関する研究開発費は16,536千円であります。