当連結会計年度における我が国経済は、良好な企業収益を背景に雇用や所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国をはじめとする新興国経済の景気減速の影響により輸出が弱含みとなり、不透明な状況が続きました。
当社グループの事業環境において、国内は防災、震災復興等のインフラ整備や排出ガス規制車への買い替え需要が堅調に推移しましたが、海外は中国をはじめとする新興国経済の景気減速や円高により需要は大幅に減少しました。
当連結会計年度の成績につきましては、売上高は771億8千3百万円(前年同期比95.5%)、営業利益47億4千8百万円(前年同期比57.3%)、経常利益51億2千4百万円(前年同期比59.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億9千6百万円(前年同期比65.7%)となりました。
日本における建設用クレーン及び油圧ショベル等は防災・震災復興等のインフラ整備や排出ガス規制車への買い替え需要が堅調に推移し売上高は、前年同期に比べ24億円増加し、海外向けは、中国経済の減速の影響で東南アジアの資源国の経済も減速したため、需要は大幅に減少し、売上高は前年同期に比べ41億円減少しました。よって、日本の売上高は695億3千1百万円(前年同期比97.6%)となり、セグメント利益(営業利益)は41億5千6百万円(前年同期比77.1%)となりました。
中国における油圧ショベルは、中国経済の減速に伴い地方都市の公共事業が抑制され需要は減少しました。このような状況の中、旧型排出ガス規制車の販売規制に向け在庫削減に努めましたが、売掛金の増加に伴い貸倒引当金を積み増ししたことでセグメント利益(営業利益)が減少しました。よって、中国の売上高は88億7千6百万円(前年同期比74.4%)となり、セグメント利益(営業利益)は4億7千9百万円(前年同期比16.6%)となりました。
海外子会社 KATO WORKS (THAILAND) CO.,LTD.をタイ王国に設立しましたが、工場建設中につき、現在のところ製造・販売は行っておりません。
国内は、防災、震災復興等のインフラ整備や排出ガス規制車への買い替え需要が堅調に推移し、小型・中型機種を中心に売上高は前年同期に比べ12億2千7百万円増加しました。海外は、東南アジア資源国の経済が減速したことにより需要は大幅に減少し、売上高は前年同期に比べ30億2千3百万円減少しました。よって、建設用クレーンの売上高は538億8千3百万円(前年同期比96.8%)となりました。
国内は、震災復興や首都圏を中心とした防災・耐震建て替え工事等で需要が増加したことやレンタル業者への販売強化により、売上高は前年同期に比べ12億2千5百万円増加しました。海外は、中国において地方都市の公共事業が抑制され需要が減少する中、旧型排出ガス規制車の販売規制に向け在庫削減に努めましたが、売上高は前年同期に比べ30億7千5百万円減少しました。よって油圧ショベル等の売上高は218億5千4百万円(前年同期比92.2%)となりました。
③路面清掃車等
路面清掃車等の売上高は14億4千5百万円(前年同期比103.6%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は136億8千2百万円となり、前連結会計年度末と比べ49億2千6百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、75億7千5百万円の減少となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益51億2百万円の増加要因と、売上債権の増加57億8千万円、たな卸資産の増加26億9千1百万円、仕入債務の減少45億5百万円、法人税等の支払額19億2千4百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、20億4百万円の減少となりました。その主な要因は、工場関係の機械設備等の取得21億1千8百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、50億円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金の純増37億円、長期借入による収入99億円の増加要因と、長期借入金の返済73億6千9百万円ならびに配当金の支払12億2千9百万円の減少要因によるものであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 |
自己資本比率(%) | 38.2 | 41.5 | 42.4 | 45.6 | 45.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 26.7 | 21.3 | 35.0 | 46.5 | 24.5 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | 18.1 | 1.8 | 19.2 | - |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | 3.5 | 30.2 | 3.4 | - |
(注)自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。
※平成24年3月期,平成28年3月期におきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)、インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)の表記を省略しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 77,832 | △0.6 |
中国 | 5,908 | △47.3 |
合計 | 83,740 | △6.4 |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 68,307 | △0.8 |
中国 | 8,876 | △25.4 |
合計 | 77,183 | △4.5 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
天津長久恒力工程机械有限公司 | 11,599 | 14.4 | 8,769 | 11.4 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の見通しにつきましては、国内では自然災害に対する復旧復興やインフラの老朽化対策、更には東京オリンピックに向けた工事の本格化など、建設需要は堅調に推移するものと見込まれております。一方海外では、中国の景気減速が継続するものと予想され、ASEAN諸国においても、その影響により減速感が強まるものと想定されます。
この度当社グループは、新中期経営計画2016-2018を策定いたしました。
売上目標860億円、営業利益率8%、ROE10%以上を2018年度の達成目標としております。
当社グループの中長期的な経営戦略として、収益性の改善とグローバル化の推進を最大の課題として位置づけ、原価低減プロジェクトチームを中心に、設計、調達、製造の各部門を横断的に組織し、利益確保のための体質改善を推し進めております。また、中国およびタイをはじめとしたASEAN地域など新興国の市場開拓および販路の拡充を優先目標とし、国内においても買い替え需要確保に留まらず、新製品の投入、部品やメンテナンスなど多方面からの利益向上を目指してまいります。
当社グループは、未来に向けたあらゆるイノベーションに取り組んでまいりました。そしてさらに、次なるステージに進化することを誓って“Progress To The Next Stage”をスローガンに掲げ、全社一丸となって目標に向かってベクトルを合わせるとともに、日々変貌する経済環境に的確に対応するべく、より一層の経営のスピード化と効率化を高め、関係する全ての方々からさらに信頼される会社となるため、コーポレート・ガバナンス体制を充実し、経営の健全性確保に努めてまいります。
技術優先のメーカーとして国内外に信頼をいただいておりますグローバル・ブランド「KATO」をさらに確固たるものにするため、社会における存在価値を高め、企業価値の向上を図ってまいる所存でございます。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは製品原価において調達部品の比率が比較的高いため、素材需要の逼迫による原材料価格の高騰が、原価高を生じ経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、仕入先企業の部品や資材の供給不足、状況変化等により予期せぬ調達難が生じ、生産に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの製品は、日本をはじめ輸出先各国の様々な法令、規制等の適用を受けます。特に、環境保全のための排出ガス規制やクレーン関連及び自動車関連の法規制などがあります。また、その他にも、各国の政策による輸入制限等の可能性もあり、これらが業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの製品は、ISO9001の品質管理基準に従って製造しておりますが、将来において予期せぬ不具合が発生しないとも限りません。大規模なリコールや製造物賠償責任が生じると、多額の費用が必要になるとともに、会社の信用にも重大な影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループは、為替レートの変動による影響を最小限に止めるよう留意しておりますが、為替変動による影響をすべて排除することは困難であり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
地震等の自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの製造拠点等の設備が重大な被害を被った場合、操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し返済請求を受けた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
技術導入契約
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 契約日 | 契約期間 |
株式会社 | ブッシャーシェル | ドイツ | シェルリング式ストリートスイーパー(路面清掃車)の製造ならびに販売権に関する提携 | 昭和38年12月17日 | 20年間 |
(注) 上記についてはロイヤルティーとして販売台数に契約上定められた一定額を乗じた額を支払っております。
当社グループは、荷役機械、建設機械及びその他の産業機械の新技術、新製品の開発と新規分野開拓のための研究に重点をおき、積極的に研究開発活動を推進しております。
研究開発活動の中心課題は、電子・制御工学ならびに新素材等の最先端技術の導入による製品の効率化、多機能化、環境保全及び安全性の向上であります。当連結会計年度における研究開発費は総額12億9千4百万円であります。
研究開発活動は日本セグメントで行っており、次のとおりであります。
オールテレーンクレーンでは、最大つり上げ荷重130tの「KA-1300R」(国内仕様)、「KA-1300RX」(輸出仕様)を開発しました。ワイドキャブの5軸キャリヤは、電子制御リアステアリングシステムを採用して走行機能向上を図った他、全装備状態での構内走行が可能です。
また、最長52mのフルパワーブームと最長26.6mのスーパーラフィングジブを装備、サイドカウンターウエイト採用による安定域性能の向上など、多彩な作業に対応することができる使い勝手が良い移動式クレーンとなっています。
輸出仕様のラフテレーンクレーンでは、最大つり上げ荷重13tと35tの2軸スラントブーム型の「CR-130Ri」、「CR-350Ri」を開発しました。この2機種の開発により、13t、20t、35tの輸出仕様都市型ラフテレーンクレーン3機種のラインナップが完了しました。
なお、大型機種であるオールテレーンクレーンや輸出専用機種につきましても引き続き開発中であります。
先進国向けとして、最新の日米欧排ガス規制に対応した「12t~30tクラスの新型機」の開発を行い、来年度発売を目指し、鋭意開発を進めています。
また、現行機の応用型機種として、HD513MR-6ショートリーチ機をベースとし、低空頭工法に対応した「ケーシングハンドリング仕様機」、および「12t、20tクラスの解体ロングフロント仕様機」の開発を行ないました。
また、中国の新たな排ガス規制に対応した「8t~30tクラスの新型機」の開発を行いました。
その他の産業機械では、大型ブロワと高性能ブラシを搭載し、効率よく除雪可能な空港専用自走式スノースイーパー「S-380CⅢ」及び「S-380CⅤ」を開発いたしました。
また、万能吸引車MVシリーズに、大風量かつ高真空型の大型機を開発中であります。
今後とも、市場要求に積極的にかつ迅速に対応して参ります。
当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における売上高は771億8千3百万円(前年比35億9千6百万円減)となりました。これは、国内において防災、震災復興等のインフラ整備や排出ガス規制車への買い替え需要が堅調に推移しましたが、海外において、中国をはじめとする新興国経済の景気減速や円高により需要は大幅に減少したことによります。利益については、中国における油圧ショベルは旧型排出ガス規制車の販売規制に向け在庫削減に努めましたが、売掛金の増加に伴い貸倒引当金を積み増ししたことにより、売上総利益は121億4千1百万円(前年比23億7千6百万円減)となり、営業利益は47億4千8百万円(前年比35億4千万円減)となりました。経常利益は51億2千4百万円(前年比35億円減)となり、税金等調整前当期純利益は51億2百万円(前年比34億5千3百万円減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は34億9千6百万円(前年比18億2千1百万円減)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて19億5千9百万円(1.9%)増加し、1,043億3千1百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金の増加47億9千万円、たな卸資産の増加21億4千9百万円と現金及び預金の減少49億2千6百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億7千1百万円(2.8%)増加し、572億6千4百万円となりました。これは主として、短期・長期借入金の増加62億3千1百万円と支払手形及び買掛金の減少46億2千9百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ3億8千8百万円(0.8%)増加し、470億6千7百万円となりました。これは、利益剰余金の増加22億6千5百万円と為替換算調整勘定の減少17億5千9百万円等によるものであります。
キャッシュ・フローの分析については、第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。