文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考え、高性能、高品質の製品を開発し、国内外の顧客に供給することによって、豊かな社会作りに貢献するとともに、会社の限りない繁栄を実現することを経営の基本方針としております。
・経営理念
優秀な製品による社会への貢献
・経営の基本方針
① 当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考える。
② 当社に関係するすべての方々から信頼される会社となるため、コーポレートガバナンス、コンプライアンス体制を充実し、会社の持続的な成長と経営の健全性確保をはかることにより、更なる企業価値の向上に努めるものとする。
③ 技術優先のメーカーとして、信頼性の高い製品を世界に供給し続けるグローバルブランド「KATO」を、更に確固たるものにする。
(2) 当社グループの経営環境
当社グループは、当社を中心に国内外にある子会社及び関連会社とともに、「建設用クレーン」、「油圧ショベル等」及び「その他の建設機械」の製造・販売を主要事業とする企業構造となっております。当社グループは構成単位ごとの独立性や採算性をもとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価を定期的に行っております。
当社グループの主要な市場は先進国・開発途上国を問わず、当社製品を必要とするあらゆる地域でありますが、「日本国内」、「中国」及び「その他の海外諸地域」(東南アジア、ヨーロッパ、北米)を当社グループの主要な市場として捉えており、日本国内においては当社が、中国及びその他海外諸地域では当該地域の子会社が製造・販売活動を行っております。当該地域の製造・販売拠点を基礎として報告セグメントを決定しております。
現在の市場環境及び経営環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、国内外の経済が大きく減速すると想定されます。新型コロナウイルス感染症の今後の動向は見通すことが困難であり、収束時期によっては当社グループの翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
① 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの将来の事業環境は、国内の建設機械の需要は大きな伸びは期待できないものの、海外は新興国の都市化など今後も一定の伸びが期待できます。建設機械導入時の選択肢は、新車購入のみならず、リース、レンタル、中古販売など多様化しております。建設現場の課題としては労働力不足、高齢化、技術伝承の遅れが挙げられます。技術の進展は著しく、自動化、IoT化が進められており、建設機械の安全性や生産性の向上のニーズも高まりを見せております。社会に目を転じますと企業によるESG、SDGsへの評価の高まりが見られ、今後も時代のニーズは大きく変化していくものと考えられます。
当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念としてあらゆるイノベーションに取り組んでまいりましたが、この事業環境におきまして、さらに成長していくため、「収益性の向上」「事業規模の拡大」「人財育成」「技術力の強化・革新」「業務プロセス改革」を基本戦略とした「中期経営計画2019-2021」を策定し、この基本戦略のもと、全社一丸となって業績ならびに企業価値の向上に邁進しております。
経営数値目標 : 売上高920億円、営業利益率5%、ROE5%
※経営数値について
先進国向け販売が旧IHI建機㈱との販売シナジー効果により増加していくものの、当該地域での競争が激化することと利益率の高い中国市場が緩やかに後退していくことを想定しており、さらに坂東工場の新設及び群馬工場の増設による償却負担の増加を加味しております。
財務戦略 :
売上債権及びたな卸資産回転率の改善に取り組むことにより事業収入を拡大し、「新製品開発及びM&Aなどの戦略的な投資」を実施する。
株主還元 :
安定配当を基本としながら、企業体質の強化を図るため内部留保に留意しつつ、経営環境や収益状況等を総合的に勘案したうえで決定する。
② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループといたしましては、「中期経営計画2019-2021」に掲げた基本戦略(収益性の向上、事業規模の拡大、人財育成、技術力の強化・革新、業務プロセス改革)による収益基盤及び企業体質の強化を図るとともに持続的な成長と更なる企業価値の向上を目指し、本年度は次の経営方針に沿った施策を推進してまいります。
③ 新型コロナウイルス感染症に伴う事業の影響
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、海外工場において生産停止、稼働調整等を行い、また、国内工場においても生産調整、一時休業等を実施しており、厳しい経営環境が続いております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難であります。このような状況下、当社グループは今後の事業環境の推移に注視しつつ、上記②に掲げた経営方針を進めてまいります。
なお、入手可能な情報により適正かつ合理的であると判断する一定の条件に基づき事業計画を策定しておりますが、今後の事業環境の推移に注視し、見直しが必要と判断した場合には適時開示してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは製品原価において調達部品の比率が比較的高いため、素材需要の逼迫による原材料価格の高騰が、原価高を生じ経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、仕入先企業の部品や資材の供給不足、状況変化等により予期せぬ調達難が生じ、生産に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、仕入先企業とのコミュニケーションを強化するとともに、仕入先企業とともに原価低減活動を推進することなどにより、納期の確保、安定的な供給体制の構築、最適な価格の維持に努めています。また、リスクの高い調達部品、調達に長期の日数を要する部品などについては特に在庫管理の徹底を図っております。
当社グループの製品は、日本をはじめ輸出先各国の様々な法令、規制等の適用を受けます。特に、環境保全のための排出ガス規制やクレーン関連及び自動車関連の法規制などがあります。また、その他にも、各国の政策による輸入制限等の可能性もあり、これらが業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、それら規制等の情報の入手に関して規程に定め、対応できる体制を構築しております。
当社グループの製品は、ISO9001の品質マネジメントシステムを取り入れて製造しておりますが、将来において予期せぬ不具合が発生しないとも限りません。大規模なリコールや製造物賠償責任が生じると、多額の費用が必要になるとともに、当社グループの信用にも重大な影響を及ぼすリスクがあります。
当社は、品質保証部門が中心となり、お客様により安心・満足していただける製品を提供するため、品質マネジメントシステムの継続的改善・品質の維持向上に努めております。また、製品事故による賠償責任が発生した際の損害の軽減として、製造物責任賠償保険による保障を図っております。
当社グループは、為替レートの変動による影響を最小限に止めるよう留意しておりますが、為替変動による影響をすべて排除することは困難であり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社は、為替の変動リスクを回避するため、円建てによる輸出取引や、外貨建債権に係る為替予約取引を部分的に行っております。また、輸出取引において回収した外貨にて、輸入取引の決済を行う事により、為替変動によるリスクを相殺しております。
当社グループは、海外販路の拡大を図っており、中国、アジア、欧州、北米においても生産・販売の事業活動を展開しております。これらの地域では、政治または経済の著しい変化や、労働環境の違いによる労働争議等の発生、紛争・テロ・自然災害の発生による影響を受けた場合は、需要の減少や、操業の中断などを引き起こし、当社グループの事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクを回避するために、海外子会社に対してその独立性を保ちつつも、当社より適切な管理者の派遣を行うとともに、定期的に所在国・地域のリスク分析及びモニタリングを実施するなど一定の管理・統括を行うことによりリスク管理を図っております。
地震等の自然災害あるいは火災などの事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱の発生によって、当社グループの製造拠点等の設備が重大な被害を被った場合、また、主要取引先の事業活動の停止、事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、自然災害等の被害の最小化と早期の復旧を図るため、災害時対応マニュアルを策定し、定期的に地震等に備えた訓練や、必要に応じて対策本部を設置する事としております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、国内外の事業環境に大きな影響を及ぼしており、その収束の時期も不透明な状況です。当社グループの事業は、国内外でその影響を受けることが予想されるため、当該事象が長期化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、資金調達の機動性及び安定性を向上するために金融機関との良好な関係を維持しながら、銀行借入に加え社債の発行などによる資金調達手段の多様化やコミットメントライン契約の締結を行っております。コミットメントラインの総額は前連結会計年度4,000百万円、当連結会計年度7,500百万円であります。これらの借入債務の一部には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し、返済請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、建設機械等の販売を行うにあたり、取引先の信用状態を継続的に確認し、与信設定を行い、債権管理にあたっておりますが、取引先の予期せぬ財政状況の悪化等により貸倒れリスクが発生し、追加的な引当の計上が必要になる場合、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、債権状況のモニタリングなどの管理体制を強化しております。これにより、個別の貸倒引当金を適切に見積り、計上することで、信用リスクの高まりに対する業績への急激な影響を防いでおります。また、カントリーリスクが大きい国との取引では、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクの低減を図っています。
当社グループでは、原材料及び完成品等棚卸資産について、過去の実績などから需要予測を行うことによって在庫水準の適正化に努めています。しかしながら、需要の減少、販売価格の下落や在庫期間の長期化が生じ、評価損の計上を余儀なくされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 設備投資について
当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力向上を目指し、当連結会計年度において横浜工場の生産機能を群馬工場へ移転するとともに、国内各工場の部品供給機能を集約した坂東工場を新設し、生産・部品供給体制の再構築を行いました。また、生産及び物流の効率化を図るため、完成品の組立作業等を行う拠点として常陸那珂工場を建設中であり、大規模な設備投資を継続的に実施しております。今後、市況や事業環境の悪化により想定しているような生産規模拡大を図れない場合には、減価償却費を主とした製造固定費の負担による利益率の低下等が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存設備や賃貸等不動産の稼働率の低下及び遊休化等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 経済、市場環境等の変動について
当社グループの事業は、景気循環の影響を強く受ける産業であり、先進国市場でのインフラへの公共投資、民間設備投資の動向や新興国市場での原油価格、通貨価値の急激な変動等のコントロール不能な要因が当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。
また、世界的規模で経済・市場環境が急激に悪化した場合には、取引先からの受注の減少、キャンセルの増加及び滞留在庫の増加等が当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、スローガンとして“Progress To The Next Stage”「次なるステージに進化」を掲げるとともに、3ヵ年の「中期経営計画2019-2021」を策定し、グループ一体となって取り組んでおりますが、国内外の経済・景気動向、顧客企業の需要、政治・社会情勢、テロや地域紛争、天災やパンデミックなど様々な要因により、目標に向けた施策が計画どおりに進まない可能性や、期待される効果の実現に至らない可能性があります。
当社グループは、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、目標達成に努めてまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が見られたものの、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減や中国経済の減速による輸出の減少により、緩やかな景気減速局面となりました。加えて、年度末に感染拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、景気の先行きが極めて厳しい状況になりました。
当社グループの事業環境におきましては、国内では建設用クレーンの構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要や消費税増税前の駆け込み需要があったものの、それらの駆け込み需要の反動減により需要は減少しました。海外では、欧州地域は需要が増加したものの、その他の地域は新型コロナウイルス感染症の影響もあり需要は減少しました。
このような状況下、当社グループは、横浜工場の生産機能を群馬工場へ移転し、生産体制の再構築を行いました。また、部品供給体制の効率化を図るため、国内各工場の補修部品を新設した坂東工場へ集約しました。
なお、非連結子会社であったKATO IMER S.p.A.とKATO EUROPE B.V.及びICOMAC,INC.は当連結会計年度より重要性が増したため連結の範囲に含めております。また、持分法非適用関連会社であったCOMPACT EXCAVATOR SALES,LLCを当連結会計年度より重要性が増したため持分法適用の範囲に含めております。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は778億9千4百万円(前年同期比91.2%)、営業損失2億8千2百万円(前年同期は営業利益44億6千2百万円)、経常損失4億4千4百万円(前年同期は経常利益47億9千4百万円)となりました。さらに、生産体制等の再構築を図ったことにより工場移転費用5億6百万円を計上し、また連結子会社であるKATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.の業績悪化により減損損失4億1千2百万円を計上したたため、親会社株主に帰属する当期純損失は13億2千9百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益30億3千4百万円)となりました。
国内向けの建設用クレーンは、当期の前半は構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要等により順調に推移したものの、後半にかけては駆け込み需要の反動減や消費税増税による影響により売上高が大幅に減少しました。また、前年同期比では小型機種を中心とした販売構成となったため、製品ミックスの変化により利益率は悪化しました。海外向けの建設用クレーンは、中国経済の減速が東南アジア経済にも影響し、インドネシアを中心に売上高は減少しました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた原油安や新興国の通貨安の影響により年度末にかけて売上高は急速に減少しました。
国内向けの油圧ショベル等は、消費税増税の影響が見られたもののクローラキャリアの拡販に注力し、売上高は前年並みに推移いたしました。海外向け油圧ショベル等は、工場移転の影響により工場稼働率が低下し一部製品に出荷遅れが生じたため売上高が減少しました。
その結果、日本の売上高は670億3千万円(前年同期比88.7%)となりました。生産体制及び部品販売体制の再構築に伴う工場新設等の影響により減価償却費が大幅に増加し、さらに海外で開催された大規模展示会の出展費用が発生したことにより、セグメント損失は13億5百万円(前年同期はセグメント利益20億6千8百万円)となりました。
中国においては、中国経済が減速し始めたことによりインフラ投資が鈍化しつつあるなかで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により春節明けの需要もなくなり、売上高及びセグメント利益は前年同期から大幅に減少しました。中国の売上高は98億2千3百万円(前年同期比69.9%)となりました。セグメント利益は11億8千5百万円(前年同期比49.5%)となりました。
タイで建設用クレーンを製造販売している連結子会社KATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.の売上高は増加しました。また、イタリアでミニショベル等を製造販売しているKATO IMER S.p.A.及びオランダで建設用クレーンや油圧ショベル等を販売するKATO EUROPE B.V.を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことにより、その他の売上高は49億1千5百万円(前年同期比673.2%)となりました。セグメント損失は6億4千4百万円(前年同期はセグメント損失3億1百万円)となりました。
(資産の状況)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末の1,255億5千7百万円に比べ1億6千3百万円減少し、1,253億9千3百万円となりました。これは主として、たな卸資産の増加27億3千5百万円、有形固定資産の増加38億9千8百万円、現金及び預金の減少31億5千4百万円、受取手形及び売掛金の減少36億3千3百万円によるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末の670億6千万円に比べ27億6千4百万円増加し、698億2千4百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加47億6千4百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加32億1千1百万円、支払手形及び買掛金の減少24億4千2百万円及び電子記録債務の減少15億4千3百万円によるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末の584億9千6百万円に比べ29億2千7百万円減少し、555億6千9百万円となりました。これは主として、利益剰余金の減少19億4千万円及び為替換算調整勘定の減少8億5千3百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は111億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ31億5千4百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、21億円の減少となりました。その主な要因は、減価償却費21億3百万円及び売上債権の減少42億4千5百万円の増加要因と、仕入債務の減少50億6千7百万円及びたな卸資産の増加23億5千9百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、65億6千2百万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出64億8千7百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、56億2千9百万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金の純増額34億8千1百万円及び長期借入れによる収入84億4千5百万円の増加要因と、長期借入金の返済による支出57億3千2百万円及び配当金の支払7億3千3百万円の減少要因によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。
※2016年3月期及び2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、表記を省略しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響及び収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難でありますが、繰延税金資産の回収可能性の判断等の会計上の見積り項目について、新型コロナウイルス感染症の影響はしばらく続くものの、2021年3月期の第2四半期以降、通常の事業活動が再開し始めるとともに、その後、徐々に売上高が回復していくものと仮定して、見積りを行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は778億9千4百万円(前年同期比91.2%)となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
建設用クレーン
国内向けの建設用クレーンは、当期の前半は構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要等により順調に推移したものの、後半にかけては駆け込み需要の反動減や消費税増税による影響により売上高が大幅に減少しました。また、小型機種を中心に販売台数は前年同期比で増加したものの、中・大型機種の販売台数は減少し売上高は伸び悩みました。国内建設用クレーンの売上高は426億6千7百万円(前年同期比96.4%)となりました。海外向けの建設用クレーンは、中国経済の減速が東南アジア経済にも影響し、インドネシアなどを中心に売上高は大幅に減少しました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた原油安や新興国の通貨安の影響により年度末にかけて売上高は急速に減少しました。海外建設用クレーンの売上高は51億4千5百万円(前年同期比67.8%)となりました。よって、建設用クレーンの売上高は478億1千3百万円(前年同期比92.3%)となりました。
油圧ショベル等
国内の需要は、消費税増税の影響が見られたもののクローラキャリアの拡販に注力し、売上高は前年並みに推移いたしました。国内油圧ショベル等の売上高は122億4千4百万円(前年同期比97.9%)となりました。海外向け油圧ショベル等は、中国経済が減速し始めたことによりインフラ投資が鈍化しつつあるなかで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により春節明けの需要がなくなり、売上高が大幅に減少しました。海外油圧ショベル等の売上高は167億8千5百万円(前年同期比85.5%)となりました。よって、油圧ショベル等の売上高は290億2千9百万円(前年同期比90.3%)となりました。
その他
路面清掃車や万能吸引車の需要が減少し、国内売上高は10億3千1百万円(前年同期比73.7%)となりました。海外売上高は1千9百万円(前年同期比46.1%)となりました。よって、その他の売上高は10億5千1百万円(前年同期比72.9%)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ39億7千4百万円減少し、92億8千7百万円(前年同期比70.0%)となりました。また、売上総利益率は利益率の高い中国での販売減少及び主力である建設用クレーンの製品ミックスの影響により3.6ポイント減少し11.9%となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、新設工場稼働に伴う償却負担増加と展示会費用の増加により前連結会計年度と比較し47億4千5百万円減少し、2億8千2百万円(前年同期は営業利益44億6千2百万円)の営業損失となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、2億6千8百万円減少し、4億9千3百万円(前年同期比64.8%)となりました。営業外費用は、為替差損の増加により2億2千5百万円増加し、6億5千4百万円(前年同期比152.5%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ52億3千8百万円減少し、4億4千4百万円(前年同期は経常利益47億9千4百万円)の経常損失となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ5千2百万円増加し、2億3千万円となりました。これは、土地売却等による固定資産売却益2億3千万円を計上した影響によるものであります。特別損失は、生産拠点再編に伴う工場移転費用5億6百万円及び子会社の収益性悪化により減損損失4億1千2百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ9億4千3百万円増加し、10億1千6百万円となりました。法人税等合計は、前連結会計年度に比べ16億6千9百万円減少し、8千9百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は13億2千9百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益30億3千4百万円)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。
長期運転資金及び設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。
短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及びコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は433億5千7百万円、現金及び現金同等物の残高は111億1百万円となり、よってネット有利子負債は322億5千6百万円(前年同期比156.3%)となりました。
当社グループは「中期経営計画2019-2021」を策定し、売上目標920億円、営業利益率5%、ROE5%を2022年3月期までの達成目標としております。中期経営計画の初年度である当連結会計年度の当該指標の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高
日本は、国内における消費税増税による影響及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大による年度末にかけての売上高減少により計画未達となりました。また、中国は中国経済の減速及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大により春節明けの需要がなくなったことにより計画未達となりました。
また、2020年3月期の営業利益率は△0.36%、ROE(自己資本利益率)は△2.37%となりました。これは、主として日本及び中国における売上高の減少及び工場新設の影響による減価償却費負担の大幅な増加により営業損失計上となったことと工場移転費用、減損損失等の特別損失の計上によるものです。
d.経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響及び収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難でありますが、以下の要因等で、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。
・取引先の財政状態悪化、信用不安による貸倒リスクの増加
・取引先からの受注の減少、キャンセルによる製品販売台数の減少、滞留在庫の増加
・製品の需給バランスが崩れることによる製品販売価格の下落
・仕入先企業からの部品や資材の調達難による生産の見合わせ
・国内及び海外工場の生産調整、生産停止による稼働率の低下
技術導入契約
(注) 対価として一定料率のロイヤリティーを支払っております。
当社グループは、建設用クレーン、油圧ショベル等及びその他の製品の新技術、新製品の開発と新規分野開拓のための研究に重点をおき、積極的に研究開発活動を推進しております。
研究開発活動の中心課題は、電子・制御工学ならびに新素材等の最先端技術の導入による製品の効率化、多機能化、環境保全及び安全性の向上であります。当連結会計年度における研究開発費は総額
研究開発活動は主として日本セグメントで行っており、次のとおりであります。
国内向けのオールテレーンクレーンでは、110t吊の「KA-1100R」を開発しました。クレーン主要装置を分解することなく公道走行が可能な国産初のオールテレーンクレーンです。カウンターウエイトは、最大組合せ質量29.8tで8分割5種類の設定があります。カウンターウエイトをキャリヤ中央部に搭載した状態でメインブームを水平まで伏せることができる独自の構造を有しており、全装備状態での現場内移動も可能です。キャリヤはワイドキャブを装備した4軸車で、様々な操向モードが選択可能な電子制御リヤステアリングを装備しています。制動装置にABS(アンチロックブレーキシステム)を採用した他、タイヤ空気圧モニタリングシステムも装備しており、走行時の安全性向上にも配慮しています。メインブームは、ロックピン方式で最伸長時51.3mになります。ジブは油圧により伸縮起伏が可能な方式を採用し、最伸長時20.4mで60°までオフセットさせることができます。メインブームの最起立角度を84°として手前の吊荷を取りやすくし、旋回後端半径を3.7m(カウンターウエイト7.4t以下では3.3m)、車体の全幅を2.75mとして、80tクラスのラフテレーンクレーンよりコンパクトな機体サイズになっています。本機種は、現場間移動が頻繁で、スペースに制限がありながら高い能力を求められる荷役作業現場において威力を発揮する移動式クレーンです。
国内向けのラフテレーンクレーンでは、25t吊の「MR-250Rf」を開発しました。走行姿勢時にブーム先端を前下がりにするスラントブーム方式で走行時の前方視界が良好です。メインブームはフルパワー方式で最伸長時29mになります。ジブは油圧により伸縮起伏が可能な方式を採用し、最伸長時8.2mで60°までオフセットさせることができます。メインブームを起立・伸長した状態でジブを振り出す(空中振出)ことが可能で、特にスペースに制限がある住宅建築現場などで威力を発揮する移動式クレーンです。また、キャリヤ部の前後左右にカメラを配置し、機体の全周を俯瞰した映像で確認できるサラウンドビューシステムや上部旋回体の左右後方・左前方に配置されたカメラによる人検知支援システムを装備しています。これらの映像は運転席の12.1インチ大画面タッチモニタで確認ができます。更に、車両左前方・後方の障害物を検知するクリアランスソナー、制動装置にABS(アンチロックブレーキシステム)、タイヤ空気圧モニタリングシステムを装備するなど、走行時の安全性向上にも配慮しています。その他の開発機では、吊上げ荷重50tと80tの従来機に対し、前述のサラウンドビューシステムや人検知支援システムなどを装備した「SL-500RfⅡ」、「SL-850RfⅡ」を開発しました。この2機種は、新開発のワイヤロープを採用し、補フックの最大吊上げ荷重を5tから5.6tに上げて、作業効率を更に向上させています。
輸出向けのラフテレーンクレーンでは、25t吊の「CR-250Rf」を開発しました。国内向けのMR-250Rfを基本機として、欧州の最新排出ガス規制であるEU StageVに対応した最新型エンジンを搭載しています。また、屋内などで揚程に制限がある荷役作業に有効なサーチャフック(ブーム先端部に追加する接続フック)も装備しています。本機種は、走行姿勢時にブーム先端を前下がりにするスラントブーム方式で、“CITYRANGE”の愛称で主に英国地域の市場に投入しています。
クローラクレーンにおいては、55t吊のテレスコブーム型クローラクレーン「CCH550T」を市場に導入致しました。コンセプトを最新の排出ガス規制への対応・輸送規制への対応・分解組付け性の向上とし、国内の基礎工事市場で好評を頂いております。
なお、今後も各シリーズのラインアップ拡充を図るべく、研究開発を進めてまいります。
中国で予定されている排出ガス規制の強化(GB4)に対応したモデルチェンジ機においては、キャビンや制御システム(APC)を日本国内と同等仕様とし、さらに操作性、整備性を高め、大幅なスペックアップを目指し鋭意開発を進めております。
欧州地域向け仕様として「HD308US-7」、「HD514MR-7」等の開発を行い、欧州地域の販路拡大に対応を行いました。
「HD820-7」において設定しましたサラウンドビューシステムは、機械後方、側方の3箇所に設置したカメラ画像を、後方270°の合成画像でモニター画面に表示させ、後方の近接視界を補助する安全装置です。さらに12tクラス、14tクラスへの展開を図り開発を進めました。
また、昨今のICT(情報通信技術)化に対応した3Dマシンコントロール機器を搭載した機械では、20tクラスに続き、14tクラスの開発を行いました。
ミニショベルでは、1.5t~8.0tクラスの後方小旋回型ミニショベル7機種同時にモデルチェンジを実施しました。欧州の排出ガス規制に対応させると同時に、低重心化を図り、安定感のある機械として完成しております。尚、本モデルは日本と欧州で同時に生産を開始し、市場導入を致しております。さらに、中国工場でも生産を開始し、中国向けに販売を行っている機種に関して、新たな排出ガス規制にも対応させてまいります。
建設工事用機械では、地下掘削土砂を高さ制限のある場所でも、クラムシェルバケットにて揚土作業が可能な「KE-1500Ⅲクラムシェル仕様機」を開発しました。
不整地運搬車の開発に関しては、ここ数年続いた排出ガス規制への対応が一段落し、次期モデルチェンジの構想検討を進めております。
万能吸引車MVシリーズの吸引装置を、不整地運搬車「IC75」に架装した、ホッパ容量4.5㎥の「IC75MV」を開発し、米国市場へ投入しました。
また、最新型シャシに架装したリヤダンプ式の路面清掃車「HS-800W」、及びリフトアップ式の「HS-800WL」を開発しました。
今後も、市場要求に積極的かつ迅速に対応してまいります。