文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考え、高性能、高品質の製品を開発し、国内外の顧客に供給することによって、豊かな社会作りに貢献するとともに、会社の限りない繁栄を実現することを経営の基本方針としております。
・経営理念
優秀な製品による社会への貢献
・経営の基本方針
① 当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考える。
② 当社に関係するすべての方々から信頼される会社となるため、コーポレートガバナンス、コンプライアンス体制を充実し、会社の持続的な成長と経営の健全性確保を図ることにより、更なる企業価値の向上に努めるものとする。
③ 技術優先のメーカーとして、信頼性の高い製品を世界に供給し続けるグローバルブランド「KATO」を、更に確固たるものにする。
(2) 当社グループの経営環境
当社グループは、当社を中心に国内外にある子会社及び関連会社とともに、「建設用クレーン」、「油圧ショベル等」及び「その他の建設機械」の製造・販売を主要事業とする企業構造となっております。当社グループは構成単位ごとの独立性や採算性をもとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価を定期的に行っております。
当社グループの主要な市場は先進国・開発途上国を問わず、当社製品を必要とするあらゆる地域でありますが、「日本国内」、「中国」及び「その他の海外諸地域」(東南アジア、ヨーロッパ、北米)を当社グループの主要な市場として捉えており、日本国内においては当社が、中国及びその他海外諸地域では当該地域の子会社が製造・販売活動を行っております。当該地域の製造・販売拠点を基礎として報告セグメントを決定しております。
現在の市場環境及び経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外の多くの地域において需要が減退しており、今後ワクチンの普及に伴い各地で経済活動の再開が見込まれるものの、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準まで需要が回復するかは未だ不透明な状況にあります。
(3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
① 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの将来の事業環境は、国内の建設機械の需要は大きな伸びは期待できないものの、海外は新興国の都市化など今後も一定の伸びが期待できます。建設機械導入時の選択肢は、新車購入のみならず、リース、レンタル、中古販売など多様化しております。建設現場の課題としては労働力不足、高齢化、技術伝承の遅れが挙げられます。技術の進展は著しく、自動化、IoT化が進められており、建設機械の安全性や生産性向上のニーズも高まりを見せております。社会に目を転じますと企業によるESG、SDGsへの評価の高まりが見られ、今後も時代のニーズは大きく変化していくものと考えられます。
当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念としてあらゆるイノベーションに取り組んでまいりましたが、この事業環境におきまして、さらに成長していくため、2019年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定し、総合建機メーカーを目指し、同計画の方針に沿って様々な取り組みを行ってまいりました。
② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるお客様の動向や、競合他社との競争激化など、当中期経営計画策定当時から事業環境は著しく変化しており、大きく方針の転換が迫られております。
このような状況の中、早期に業績改善を行い、将来に向けた再成長を実現させていくために「KATO Reborn Project」を立ち上げました。
本プロジェクトにおける重点テーマは以下のとおりです。
・製品ポートフォリオの見直しによる収益の最大化
・開発資源の集中による製品開発の加速
・グローバル戦略の見直し及びサプライチェーンの再構築
・抜本的なコスト構造の見直し
・アフターマーケットへの更なる注力
以上5つの重点テーマを軸に社外有識者を交え、喫緊の課題である早期の業績改善はもちろん、現状の当社が抱える課題と正面から向き合い、厳しい事業環境下にも動じない強固な経営基盤づくりを進めております。
一方、当社が取引金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びその他借入金契約の内、借入金残高135億4千4百万円は財務制限付条項が付されているものがあります。
当連結会計年度末において、以下の条項に抵触している状況にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
・借入金残高135億4千4百万円の内、15億円については、各事業年度末日における単体又は連結の損益計算書に記載される経常損益を損失としないこと
・借入金残高135億4千4百万円の内、108億9千4百万円については、各事業年度末日における連結の損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと
しかしながら、当連結会計年度における収益改善に向けた各施策や上記プロジェクト等について主要銀行の理解が得られ、建設的な協議が実施できているものと認識していることから、今後も主要銀行より継続的な支援を得られるものと考えており、現段階で当社グループにおいては継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。2022年3月期より同プロジェクトを起点とした各施策を着実に実施することで業績及び財務状況を改善し、財務制限条項の早期解除に努めてまいります。
③ 2022年3月期の業績見通しについて
2022年3月期の業績見通しにつきましては、現段階において業績予想の適正かつ合理的な算定をすることが困難であるため、未定としております。今後、上記プロジェクトにおいて予想、算定を進め2022年3月期第1四半期決算短信公表を目途に、業績予想を開示する予定です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは下記に記すとおりです。
なお、文中に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品は調達部品の比率が比較的高く、原材料価格の高騰などによる原価高の発生や、部品や資材の仕入状況の悪化等が生産への影響、業績の悪化へとつながる可能性があります。
当社グループでは、原価低減活動に仕入先企業とのコミュニケーション強化を加え推進することにより、最適な価格の維持を図りつつ安定供給体制の維持に努めております。また、大型の製品であるが故の特性でもある長期のリードタイムを要する調達部品、調達リスクの高い部品については特に在庫管理と生産計画管理の徹底を図っております。
当社グループの製品は、日本はもとより輸出先各国の様々な法令、規制等の適用を受けます。機械安全に係る保安事項はもとより、最近は特に環境保全のための排出ガス規制が年々強化される傾向にあります。またその他にも、各国の政策による輸入制限、輸入禁止措置等が発生する可能性もあり、これらが業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、それら法令、規制等の迅速な情報入手と対応の策定に関するリスク管理体制を構築しております。
当社グループの製品は、製品欠陥による大規模リコールや市場対策措置の実施に伴う多額の措置費用、また大型の機械であるが故に製品事故が発生した際の規模が大きく、多額の賠償責任費用を負うリスクが有るとともに当社グループの信用にも重大な影響を及ぼすリスクがあります。
当社は、製造物責任保険等で十分な保障額の付保を図っておりますが、保証額を超えた場合、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、販売、仕入れ等輸出入において為替レートの変動が業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社は、この変動リスクを回避するため、円建てによる輸出取引を基本とする、外貨建債権について為替予約取引を基本とする、輸出取引において回収した外貨で輸入取引の決済を相殺する、など為替変動によるリスクを最小限に止めるよう留意しております。
当社グループは、海外販路の拡大を図るため中国、アジア、欧州、北米において生産・販売の事業活動を展開しております。これら地域で、政治または経済の著しい変化や、労働環境の違いによる労働争議等の発生、紛争・テロ・自然災害の発生による影響が生じた場合は、需要の減少や、操業の中断などを引き起こし、当社グループの事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクを回避するために、海外子会社に対してその独立性を保ちつつも、当社より適切な管理者の派遣を行うとともに、定期的なカントリーリスク分析及びモニタリングを実施するなど一定の管理・統括を行うリスク管理を図っております。
地震、火災、風水害などによる災害、あるいは感染症の流行などによって直接あるいは間接的に被害を被った場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当社グループの製品は調達部品の比率が比較的高いことから、仕入先の事業活動に支障をきたす事態が発生した場合にも同様のリスクがあります。
当社グループでは、想定されるリスクに対して被害の最小化と早期の復旧を図る対策本部を設置する体制としております。
また、新型コロナウイルス感染症対策に関しては当社グループにおいては、全職場に於けるソーシャルディスタンスの確保、在宅勤務の推進、消毒手洗いの励行の徹底などを実施しておりますが、感染が拡大した場合には生産、販売に支障をきたすあるいは事業活動が一時的に停止するなどし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。また、国内外での感染状況の推移によっても、同様に影響を受けるリスクがあります。
当社グループでは、資金調達の機動性ならびに安定性向上のため、金融機関との良好な関係を維持しつつ、銀行借入に加え社債発行などによる資金調達手段の多様化やシンジケートローン契約、コミットメントライン契約等の締結を行っております。
シンジケートローン契約やコミットメントライン契約及びその他一部の借入金には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し、返済請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループが扱う建設機械等の販売は比較的高額の売買となるため、取引先の予期せぬ財政状況の悪化等による貸倒れ、追加的な引当計上の発生リスクがあり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、与信管理、債権管理などのモニタリング体制ならびに個別リスクに対する適切な見積り、対応策実施の強化により、信用リスクの高まりに対する業績への急激な影響を防いでおります。海外販売においては、売買リスクを回避するため信用状取引を基本としております。
当社グループには比較的大型の製品が多いため、原材料、部品及び完成品等棚卸資産の在庫管理においては長期の需要予測を行うことによってその適正化に努めています。しかしながら、予期せぬ需要の減少や販売価格の下落、在庫期間の長期化が生じ、評価損の計上を余儀なくされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 設備投資について
当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力向上を目指した群馬工場の拡充、坂東工場の新設を終え、現在常陸那珂工場が建設途上にあります。またホテル事業への参入など関連事業の拡充も注力しており、大規模な設備投資を継続的に実施しております。
今後、市況や事業環境の悪化、新型コロナウイルス感染症の影響などにより想定しているような業容拡大を図れない場合、減価償却費を主とした製造固定費の負担による利益率の低下等が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存設備や賃貸等不動産の稼働率の低下及び遊休化等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(11) 経済、市場環境等の変動について
当社グループは、景気循環の影響を強く受ける産業に属しております。国内市場はもとより、先進国、新興国それぞれのインフラヘの公共投資、民間設備投資や原油価格、通貨変動等の要因が当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。世界的規模で経済・市場環境が急激に悪化した場合も、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(12) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社が取引金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びその他借入金契約の内、借入金残高135億4千4百万円は財務制限条項が付されているものがあります。
当連結会計年度末において、以下の条項に抵触している状況にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
・135億4千4百万円の内、15億円については、各事業年度末日における単体又は連結の損益計算書に記載される経常損益を損失としないこと
・135億4千4百万円の内、108億9千4百万円については、各事業年度末日における連結の損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと
このような状況を解消するため、当連結会計年度において費用の抑制、在庫調整、足元の収益改善を行ってきました。また、早期の業績改善等を計画した「KATO Reborn Project」を立ち上げ、構造改革を進めてまいります。主要銀行とはこうした取り組み等について、建設的な協議を実施していることから、今後も継続的な支援が得られるものと考えております。
また、2022年3月期より「KATO Reborn Project」を早期に実行し、経営基盤の強化と収益性向上に伴う着実な企業価値拡大を実現させ、業績及び財務状況の改善により財務制限条項の解除に努めてまいります。
したがって、当社グループには、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受け、各自治体からの外出および営業自粛要請もあり、個人消費を含め経済活動全般が停滞いたしました。その結果、国内の建設機械の需要は減少しました。欧米では国内同様に需要が減少しました。中国では中国政府の景気刺激策もあり需要の増加が見られたものの、競合である現地メーカーとの販売競争は厳しさを増し、建設機械全体では厳しい状況が継続いたしました。
このような状況下、当社グループでは国内外における需要の減少に対応するため生産調整による在庫調整に加え、経費削減策を推進するなど業績改善に努めてまいりましたが、当連結会計年度の成績は厳しい結果となりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は585億1千9百万円(前年同期比75.1%)、営業損失28億1千万円(前年同期は営業損失2億8千2百万円)、経常損失19億2千1百万円(前年同期は経常損失4億4千4百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失57億3千8百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13億2千9百万円)となりました。売上高の減少による経常損失に加え、2020年7月に開業したホテルにつきましても新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け厳しい業績となり、減損損失7億4百万円を計上しました。
また、新型コロナウイルス感染症のワクチン普及等により2022年3月期第2四半期以降、国内需要の回復を見込んでおりますが、その可能性につきましては不透明さが拭えないことから繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額を29億4千1百万円計上しました。
なお、非連結子会社であった三陽電器株式会社は重要性が増したことにより当連結会計度より連結の範囲に含めております。
国内においては、公共投資は底堅く推移しておりますが、民間設備投資は新型コロナウイルス感染症拡大により顧客の投資意欲が減退した影響で需要は減少しました。海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の低迷により需要は減少しました。
日本の売上高は512億7千7百万円(前年同期比76.5%)となりました。セグメント損失は25億1千1百万円(前年同期はセグメント損失13億5百万円)となりました。
中国においては、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制し、また、中国政府の景気刺激策もあり需要は増加しました。しかしながら現地メーカーによる販売価格の引き下げに苦戦を強いられ売上高は減少しました。
中国の売上高は66億8千5百万円(前年同期比68.1%)となりました。セグメント利益は3億4千9百万円(前年同期比29.5%)となりました。
その他は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により欧州を中心に依然として厳しい状況が続いております。
その他の売上高は29億4千1百万円(前年同期比59.8%)となりました。セグメント損失は10億6千3百万円(前年同期はセグメント損失6億4千4百万円)となりました。
財政状態については、次のとおりであります。
(資産の状況)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末の1,253億9千3百万円に比べ95億7千1百万円減少し、1,158億2千2百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加36億8千1百万円と受取手形及び売掛金の減少64億7千万円、たな卸資産の減少44億7千7百万円、繰延税金資産の減少17億6千6百万円によるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末の698億2千4百万円に比べ54億9千6百万円減少し、643億2千7百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加48億2千8百万円、長期借入金の増加13億5千1百万円と1年内返済予定の長期借入金の減少24億5千8百万円、支払手形及び買掛金の減少28億8千8百万円、電子記録債務の減少59億6千2百万円によるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末の555億6千9百万円に比べ40億7千4百万円減少し、514億9千4百万円となりました。これは主として、利益剰余金の減少53億5千1百万円と為替換算調整勘定の増加12億3百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は146億1千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ35億1千3百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、27億9百万円の増加となりました。その主な要因は、減価償却費21億3千3百万円及び売上債権の減少76億5千5百万円、たな卸資産の減少48億2千4百万円の増加要因と、税金等調整前当期純損失25億1千7百万円、仕入債務の減少90億6千6百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、31億1百万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出29億3千5百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、29億8千6百万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金の純増額48億1百万円及び長期借入れによる収入74億8千2百万円の増加要因と、長期借入金の返済による支出86億2千万円及び社債の償還による支出5億2千4百万円、配当金の支払額1億7千8百万円の減少要因によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。
※2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、表記を省略しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響及び収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難でありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で市場動向が変化するものと仮定して、見積りを行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は585億1千9百万円(前年同期比75.1%)となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
建設用クレーン
国内においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顧客の投資意欲が減退した影響で、新車への買い替え需要が減少しました。国内建設用クレーンの売上高は303億2千万円(前年同期比71.1%)となりました。海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により各地域で需要は減少しました。海外建設用クレーンの売上高は44億5千3百万円(前年同期比86.5%)となりました。よって、建設用クレーンの売上高は347億7千3百万円(前年同期比72.7%)となりました。
油圧ショベル等
国内においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により建設用クレーンと同様に需要は減少しました。国内油圧ショベル等の売上高は106億8千2百万円(前年同期比87.2%)となりました。海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大を抑えた中国では、景気刺激策もあり需要は増加しました。しかしながら、現地メーカーによる販売価格の引き下げに苦戦を強いられ売上高は減少しました。欧州では新型コロナウイルス感染症拡大の影響で売上高は大幅に減少しました。海外油圧ショベル等の売上高は114億5千9百万円(前年同期比68.3%)となりました。よって、油圧ショベル等の売上高は221億4千2百万円(前年同期比76.3%)となりました。
その他
その他は国内のみで、売上高は16億4百万円(前年同期比152.6%)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ36億5千5百万円減少し、56億3千1百万円(前年同期比60.6%)となりました。また、売上総利益率は、主力である建設用クレーンの製品ミックスの影響により2.3ポイント減少し9.6%となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、売上高の減少に対して、人件費や新設工場稼働に伴う償却費等の固定費の負担維持により、前連結会計年度と比較し25億2千8百万円減少し、営業損失28億1千万円(前年同期は営業損失2億8千2百万円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、売上債権の減少による貸倒引当金戻入の増加により11億2千6百万円増加し、16億1千9百万円(前年同期比328.4%)となりました。営業外費用は、7千6百万円増加し、7億3千1百万円(前年同期比111.6%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ14億7千7百万円減少し、経常損失19億2千1百万円(前年同期は経常損失4億4千4百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ1億2千1百万円減少し、1億8百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ3億1千2百万円減少し、7億4百万円となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、新規開業したホテルの厳しい現況を踏まえ減損損失7億4百万円を計上した影響によるものであります。法人税等合計は、国内需要回復の不透明さが拭えないことから、繰延税金資産の一部を取り崩したことにより、前連結会計年度に比べ31億4千1百万円増加し、32億3千1百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は57億3千8百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13億2千9百万円)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。
長期運転資金及び設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。
短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及びコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は465億1千2百万円、現金及び現金同等物の残高は146億1千4百万円となり、よってネット有利子負債は318億9千7百万円(前年同期比98.9%)となりました。
当社グループは「中期経営計画2019-2021」を策定し、売上目標920億円、営業利益率5%、ROE5%を2022年3月期までの達成目標としております。当連結会計年度の当該指標に対する進捗状況は以下のとおりであります。
売上高
日本は、国内向け及び海外向けともに新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響により計画未達となりました。また、中国は現地メーカーによる販売価格の引き下げに苦戦を強いられたことにより計画未達となりました。
2021年3月期の営業利益率は△4.80%、ROE(自己資本利益率)は△10.92%となりました。これは、主として日本及び中国における売上高の減少及び工場新設の影響による減価償却費負担が大幅に増加したことと繰延税金資産の一部取り崩し、減損損失等の計上によるものです。
なお、このような状況の中、計画目標を大きく下回っていることもあり、事業環境に合わせた方針を策定し、早期に業績改善を行い、将来に向けた再成長を実現していくために、「KATO Reborn Project」を立ち上げました。「KATO Reborn Project」における業績予想、算定に関しては、現在作成中であります。
d.経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響及び収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難でありますが、以下の要因等で、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。
・取引先の財政状態悪化、信用不安による貸倒リスクの増加
・取引先からの受注の減少、キャンセルによる製品販売台数の減少、滞留在庫の増加
・製品の需給バランスが崩れることによる製品販売価格の下落
・仕入先企業からの部品や資材の調達難による生産の見合わせ
・国内及び海外工場の生産調整、生産停止による稼働率の低下
該当事項はありません。
当社グループは、建設用クレーン、油圧ショベル等及びその他の製品の新技術、新製品の開発と新規分野開拓のための研究に重点をおき、積極的に研究開発活動を推進しております。
研究開発活動の中心課題は、電子・制御工学ならびに新素材等の最先端技術の導入による製品の効率化、多機能化、環境保全及び安全性の向上であります。当連結会計年度における研究開発費は総額
研究開発活動は主として日本セグメントで行っており、次のとおりであります。
国内向けオールテレーンクレーンでは、130t吊の「KA-1300R」モデルチェンジ機を開発しました。従来機に対して、キャリヤ用エンジンを電子制御燃料噴射システムを採用したクリーンで低燃費・高出力の新型エンジンに換装しました。キャリヤキャブは外観デザインを刷新した他、取扱いが容易な仮眠用格納式ベッドやエンジンメンテナンス用ハッチを新たに装備しました。安全機能面では、クレーン作業時のアウトリガ反力を常時検出して、クレーン運転室内のディスプレイとキャリヤ部のアウトリガコントロールパネルに反力値を表示することができるシステムを装備しました。その他のキャリヤ装備品では、アウトリガ操作用ラジコンや走行時左後方確認カメラ、タイヤ空気圧モニタリングシステム等を標準またはオプションで設定しております。クレーン装置は、従来機継承の最長52mの6段フルパワーブームと最長26.6mのスーパーラフィングジブを装備しています。カウンタウエイトは最大24tで、キャリヤ部にカウンタウエイトを載せたままクレーン作業が行えるなど、多彩な組合せによる性能が設定されております。スペースに制限がありながら、高い能力を求められる荷役作業現場において威力を発揮するオールテレーンクレーンです。
国内向けラフテレーンクレーンの装備では、12.1インチ大画面タッチモニタを装備したサラウンドビューシステムや人検知支援システム、車両直近の障害物を検知するクリアランスソナーやタイヤ空気圧モニタリングシステム等の安全機能を順次搭載致しました。
輸出向けラフテレーンクレーンでは、30t吊の「SR-300LX」を開発しました。従来機に対して、国内向けラフテレーンクレーンと同様にLED式ヘッドライトを装備して夜間走行時の視認性を向上させています。クレーン装置は、最長30.5mのメインブームと最長13mのジブを装備し、油圧パイロット方式のジョイスティックレバーにより容易に操作が可能です。
ラチスブ-ム型クロ-ラクレ-ン新シリ-ズの開発における構想設計に着手しました。
性能の追究、輸送性、分解性などユ-ザ視線を念頭に置き、2024年から順次市場導入できるように検討しております。
なお、今後も各シリーズのラインアップ拡充を図るべく、研究開発を進めてまいります。
国内向けとして25tクラスの「HD1025-7」を開発しました。欧州排出ガス規制(StageⅤ)にも対応している最新型エンジンを搭載しております。あわせて、新型の油圧機器を採用し作業性能を向上させることで、低燃費、低騒音化による環境負荷の軽減を図っております。引続き欧州地域への販路拡大の対応も進めております。
各機種に展開を進めている「サラウンドビューシステム」は、14tクラス、23tクラスへの設定を完了致しました。
3tクラスの国内向け超小旋回機、海外機向けショ-トテ-ル機の開発を進めております。
後方小旋回機「V5シリ-ズ」のコンセプトである「低重心による安定度で1クラス上の仕事ができる車の実現」をターゲットとし、使い易いミニショベルを目指して開発を進めております。2021年の市場導入計画で開発を進めております。
1.9tクラスのミニショベルの開発を進めております。
特徴としては、クロ-ラ幅可変脚機構を標準装備し、狭い現場にも進入することができます。また、本機はキャノピ仕様とキャブ仕様を選択できるよう計画しております。
運転スペ-スを広く設計し、快適な作業性を提供致します。タ-ゲットは北欧諸国、中国、北米がメインとなります。2021年の市場導入計画で開発を進めております。
中国排出ガス規制(GB4)に対応したモデルチェンジ機は、グローバル対応の基本モデルとして位置付け、日本国内仕様に準じた大幅なスペックアップと競争力向上を目指し鋭意開発を進めております。
今後も最新の排出ガス規制に対応した機械の市場投入を順次進め、二酸化炭素(CO2)排出量削減のための取り組みとして、電動化にも積極的に取り組んでまいります。
万能吸引車MVシリーズでは、米国向けに不整地運搬車「IC75」に架装した「IC75MV」のホッパや洗浄用水タンクを設計変更し、4方弁を追加し吸引物の圧送を可能にした国内向け「IC75MV」を市場投入しました。
また、最新型シャシに架装した小型路面清掃車「HS-400W」に、ダンプトラックに回収物を載せ換え可能なリフトダンプ仕様車「HS-400WL」を開発しました。
クローラキャリアでは、7.5tおよび10t積載のクロ-ラキャリアの開発を進めております。
特徴としては、電子制御コントロ-ルシステムの採用でスム-ズな操作性と燃費改善を実現し、また低重心化、安定性向上を見直し安心感、安全性を追求しております。
3.7t積載のクロ-ラキャリアのモデルチェンジ開発も進めております。
クローラキャリアでは、国内、北米の排出ガス規制をクリアしているとともに、欧州排出ガス規制(StageⅤ)に対応したエンジンを搭載しグロ-バル展開を致します。
また、このクラスでは初の電子制御コントロ-ルを採用し、将来的にはIOT対応に繋げてまいります。
今後とも、市場要求に積極的かつ迅速に対応してまいります。