第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考え、高性能、高品質の製品を開発し、国内外の顧客に供給することによって、豊かな社会作りに貢献するとともに、会社の限りない繁栄を実現することを経営の基本方針としております。

当社は建設機械メーカーとして長きに渡り、上記の経営方針に則り、これまで蓄積してきた技術と経験を活かしたモノづくりを行ってまいりました。

しかしながら近年、国内需要の伸び悩みや海外メーカーとの競争が一層激化しております。さらにグローバルサプライチェーンの混乱や鋼材を始めとする原材料の高騰による収益への影響に加え、米中の貿易摩擦やロシアのウクライナ侵攻により国際情勢も不安定さを増しており、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続いております。

このような環境下においても経営方針を守り、絶やすことなく付加価値の高い製品を製造・販売していくことが社会づくりの基盤たる建設機械メーカーとしての当社の責務と考えております。

さらに事業を磨き上げ、将来に向けさらなる飛躍を果たし、あらゆるステークホルダーから共感・支持を得られる企業であり続けられるよう、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

 

(2) 当社グループの経営環境

当社グループは、当社を中心に国内外にある子会社及び関連会社とともに、「建設用クレーン」、「油圧ショベル等」及び「その他の建設機械」の製造・販売を主要事業とする企業構造となっております。当社グループは構成単位ごとの独立性や採算性をもとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価を定期的に行っております。

当社グループの主要な市場は先進国・開発途上国を問わず、当社製品を必要とするあらゆる地域でありますが、「日本国内」、「中国」及び「その他海外諸地域」(東南アジア、ヨーロッパ、北米)を当社グループの主要な市場として捉えており、日本国内においては当社が、中国及びその他海外諸地域では当該地域の子会社が製造・販売活動を行っております。当該地域の製造・販売拠点を基礎として報告セグメントを決定しております。

現在の当社グループを取り巻く市場環境は、国内では緩やかな需要回復が継続し、欧米では、インフラ投資拡大などで需要が好調に推移いたしましたが、中国においては、これまで堅持してきたゼロコロナ政策から転換するも、厳しい販売環境が続いております。

 

(3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

① 中長期的な会社の経営戦略

国内における新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進み、建設機械の需要も堅調に推移するものと想定しております。海外においては、欧州・北米でのさらなる需要拡大が期待される一方、国内に次ぐ主力市場である中国においては、厳しい事業環境が今後も継続するものと見込んでおります。

足元では鋼材を始めとする原材料の高騰に加え、半導体不足等によるサプライチェーンの混乱、さらにロシアのウクライナ侵攻といった地政学的リスクなど不透明な事業環境が継続しております。

当社グループでは、厳しい事業環境下でも安定した収益をあげるため、また、さらなる成長を遂げることを目的に2023年3月期を初年度とする3ヶ年の新たな中期経営計画「中期経営計画2022-2024『スリムで骨太体質への変革』―次なる飛躍に向けた徹底的な変革の3年―」を策定し、「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」に取り組んでおります。

 

 

 

 

「中期経営計画2022-2024」のテーマ及び基本方針並びに数値計画については以下のとおりです。

 

●テーマ

『スリムで骨太体質への変革』次なる飛躍に向けた徹底的な変革の3年

 

●基本方針

収益性改善・強化

人員・設備・投資などのリソースをコア事業に集中させ、抜本的な改革を行い、収益性強化

財務体質の改善

在庫を中心とした運転資本を適正化し、資金効率を向上

将来の基盤構築

将来成長に向け、開発機種をコア事業に集中

 

 

●数値計画

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

売上高

64,100百万円

64,400百万円

66,400百万円

売上原価率

85.4%

83.7%

83.2%

営業利益

1,300百万円

2,500百万円

3,100百万円

営業利益率

2.0%

3.9%

4.7%

棚卸資産

31,000百万円

31,800百万円

32,700百万円

 

 

●2025年3月期までの改善施策効果

分類

改善金額

内容

営業施策

1,300百万円

・販売価格アップ

・販売台数の拡大

・国内販売拠点の統廃合

開発施策

820百万円

・既存製品の徹底的なコストダウン

・新製品群の市場投入

製造施策

580百万円

・生産コストの抜本的な見直し

・生産の平準化

人事施策

1,200百万円

・希望退職の募集

・外部出向

その他施策

940百万円

・各種固定費の削減

・アフターサービス事業の強化など

合計(注)

4,840百万円

 

 

 (注)上記の金額は2023年3月期に実施したものも含む当初計画値であります。

 

なお、当社は株式会社東京証券取引所の市場区分見直しに際し、プライム市場選択の届出を行い、2022年4月に同市場に移行いたしました。一方で2023年3月末時点において同市場の上場維持基準に設定された流通株式時価総額100億円を充たしておりません。中期経営計画で掲げている各施策を推進し、企業価値と株主還元の双方を高めることで早期に数値基準の達成ができるよう努めてまいります。

 

 

② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 

中期経営計画初年度である2023年3月期は、売上高はサプライチェーン混乱の影響を受け減収となりましたが、販売単価の見直しやアフターサービスの強化、既存製品の徹底的なコストダウン、2022年3月に実施した希望退職による人件費圧縮や各種経費の抑制等が奏功し損益面では大幅に回復し、4期ぶりの黒字化となりました。

また、「財務体質の改善」として掲げた運転資本の適正化により売掛金や在庫のコントロールを行い借入金の圧縮を進め、財務体質改善の一環として、2023年3月期に建設中断を決定した常陸那珂工場(仮称)を売却し特別利益を計上しました。

これらの結果として、中期経営計画1年目としては、売上高は当初の計画に及ばなかったものの、基本方針に掲げた収益性の改善が奏功し、売上原価率・営業利益率は当初計画した水準まで改善いたしました。

 

 

2023年3月期

(中期経営計画1年目)

2023年3月期

(1年目実績)

売上高

64,100百万円

57,530百万円

売上原価率

85.4%

84.2%

営業利益

1,300百万円

1,258百万円

営業利益率

2.0%

2.2%

棚卸資産

31,000百万円

31,583百万円

 

 

③ 2024年3月期の業績見通しについて

当社グループは、中期経営計画2年目となる2024年3月期の業績見通しについては、継続して中期経営計画で掲げた施策「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」に取り組んでまいりますが、主力製品における主要部品供給制限の可能性や為替差益剥落の可能性を考慮し、連結子会社KATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.における固定資産売却益を含め、以下の数値を見通しております。

引続き中期経営計画で掲げた施策を着実に実施し、当初計画数値に近づくよう収益の確保に努めてまいります。

 

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

2024年3月期

60,000百万円

1,200百万円

900百万円

2,000百万円

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「中期経営計画2022-2024」において、収益性改善・強化、財務体質の改善、将来の基盤構築 を基本方針としております。したがって、それを実現する経営指標として、売上高、売上原価率、営業利益、営業利益率、棚卸資産の残高を目標としております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(気候変動対応について)

当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念として創業以来、様々な製品の技術革新に長年取り組んでまいりました。昨今、世界規模で気候変動対策が叫ばれるなか、当社は本件の対応を重要な経営課題の1つと捉え、2020年に「エネルギー管理委員会」を設置し、生産拠点の使用エネルギーの把握と省エネルギー化に向けた取り組みを推進しております。また、2023年には取締役会の下に「サステナビリティ委員会」を新設し、会社全体で事業活動における脱炭素化、技術革新による持続可能な社会への貢献を目指した活動を進めております。

なお、当社は、2023年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同を表明いたしました。以下、TCFDの提言に基づき、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の4項目の概要について説明いたします。

 

 <ガバナンス>

 当社は、サステナビリティ活動のさらなる推進を目的として、2023年に取締役会の下に代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を新設いたしました。同委員会は、その下部組織である「環境分科会」「人事分科会」で気候変動を含むサステナビリティへの対応について、検討・協議・戦略立案・実行計画の策定・目標の設定したものを同委員会にて審議および進捗モニタリングを行い、取締役会に報告し、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行っております。

 

■ガバナンス体制図


 

■会議体の説明

会議体

役割

取締役会

サステナビリティ委員会より定期的に報告を受けるとともに管理・監督を行う。

サステナビリティ委員会

「環境分科会」「人事分科会」での検討・協議・戦略立案・実行計画の策定・目標作成したものを審議し、活動の進捗状況を取締役会へ報告をする。

環境分科会

ESG、TCFD、SDGs等の気候変動全般の指標及び目標の立案や課題解決に取り組み、その進捗をモニタリングし、サステナビリティ委員会へ報告をする。

人事分科会

ESG、SDGs等の人材戦略やダイバーシティといった人事関連の課題への対応や取り組み目標の立案ならびに目標に対する進捗モニタリングを行い、サステナビリティ委員会へ報告をする。

 

 

 <戦略>

 当社が中長期的に成長を遂げていくためには、気候変動対応が不可欠であるとの認識から、CO2削減に取り組んでまいります。また、当社ではTCFD提言に基づいたシナリオ分析により、2030年における各セクターの事業環境に対する変化とそれに伴う財務面での影響を予測いたしました。なお、シナリオ分析にあたっては、環境問題に関する積極的な政府政策が講じられる場合の1.5/2℃シナリオに加え、政府政策が消極的で、気候変動による物理的な影響が顕著になる4℃シナリオも含めた複数のシナリオを用いております。

 

■使用したシナリオの説明

分類

1.5/2℃シナリオ

4℃シナリオ

概要

21世紀末の平均気温が、産業革命以前と比較して1.5/2℃の上昇に抑制されるシナリオ。各国政府が現在公表している気候関連の公約が達成されるほか、より積極的な政策がとられることが想定されるため、社会的な変化(移行)による影響が大きい。

21世紀末の平均気温が、産業革命以前と比較して4℃上昇するシナリオ。気候変動が進行し、平均気温の上昇や異常気象の頻発化など、物理的な影響が大きい。

考察の対象

移行による影響

・Net-Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)

・Announced Pledges Scenario(APS)

・Stated Policy Scenario(STEPS)

物理的な

影響

・Representative Concentration Pathways(RCP2.6)

・Representative Concentration Pathways(RCP8.5)

 

 当社はシナリオ分析の結果として、1.5/2℃シナリオおよび4℃シナリオにおいて、それぞれ当社事業に重大な影響を及ぼすと考えられるリスクと機会を特定いたしました。まず、1.5/2℃シナリオにおいては、炭素税の導入による操業費の増加、鉄鋼・アルミをはじめとする原材料価格の高騰などが代表的なリスクであると考えており、当社は事業活動全体でその対策を進めております。具体的な事例としては、照明機器のLED化、エアコンの温度設定管理、コンプレッサーの出力調整、夜間及び休日の待機電力削減、ボイラーの稼働時間調節など省エネ設備の導入や管理面の強化により、エネルギー使用量とCO2排出量の削減に取り組んでおります。併せて、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減、製品価格の安定化を目的に各サプライヤーとのコミュニケーションを強化し、CSR調達を推進しております。

 一方、当社事業に関わる機会については、環境配慮型製品の需要が拡大することが想定されるため、当社では、引き続き環境に配慮した低燃費製品の開発・販売を進めてまいります。2023年にREGZAMシリーズの新機種として欧州や北米の排出ガス規制に対応した油圧ショベル「HD820-8」の販売を開始いたしました。また、ディーゼルエンジンでの走行、作業を電動モーターでアシストする「ハイブリッドラフター」の販売を2024年春に予定しております。

 4℃シナリオにおいては、異常災害の激甚化による事業活動の停止や労働環境の悪化といった生産面への低下を起因した収益性悪化をリスクとして考えております。これらのリスクに対し、当社は調達網の強化や高効率化を目指した設備投資などを対応策として講じる予定です。一方、機会については、各業界での労働環境の悪化によって、省人化、自動化への需要が高まることを想定しております。当社では2019年にJAXAとの共同研究を株式会社熊谷組とともに締結し、林業機械システムの自動化に向けた取り組みを進めており、今後も本件を含め自動化や遠隔操作技術の研究・開発を積極的に推進してまいります。[1]

[1] https://kato-works.co.jp/profile/news/pdf/20190130_jaxa.pdf

 

<リスク管理>

 当社では、気候変動に関連するリスクは事業活動に重大な影響を及ぼすと捉えており、常に全社でリスクの管理・監督ができる管理体制を整備しております。当社は取締役会に加え、すべての執行役員が出席する経営執行会議においても、事業で発生する恐れがあるリスクについての情報共有を行っております。

 また、各事業部門では、自部門が関与するリスクの特定・評価及び各リスクの詳細な発生確度や影響度合について、適宜必要に応じ経営会議体に付議し、議論を行っております。

 

 

<指標及び目標>

 気候変動の国際的な枠組みが強化されるなか、事業活動で排出されるCO2を削減することは、現在当社を含めた多くの企業が直面する重大な課題と認識しております。当社は、2018年度を基準年として、2030年度までに排出量(Scope1+2)を38%削減する目標を設定いたしました。これらの目標を達成するため、当社は事業活動におけるエネルギー利用のモニタリングを行っております。今後は太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーを導入するなど、カーボンニュートラル達成を目指してまいります。

■Scope1+2排出量(2018~)

 

2018年度(基準年)

2019年度

2020年度

2021年度

Scope1+2(t-CO2

7,615

7,326

6,606

6,803

2018年比削減率

-

▲3.8%

▲13.3%

▲10.7%

 

 


 

(注) 上記数値は、当社国内拠点の合計値であります。

 

(人的資本多様性)

 <戦略>

 当社における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針は以下のとおりであります。

 

 人材育成方針

 当社は、人こそが経営における最重要資源の一つであるという考えのもと、人材の育成とその活用について継続的に取り組んでまいります。当社では「創業以来のパイオニア精神を抱き新たなものを生み出し挑戦し続ける人材」、「社会の要求を的確に捉え機敏に対応し続ける人材」の育成を目指し、社員の個々の意見を尊重するとともに、その能力を伸ばしていく環境整備に努めてまいります。

 

 

 人材の登用状況

 人材の登用状況について、グローバルブランド「KATO」として多様な価値観や個性からこそ生み出される新たな技術、組織風土の醸成に大いに期待し、多彩な人材が活躍し続けられる環境整備に努めており、性別、国籍、人種、民族、宗教、社会的身分、障害の有無、性的指向を問わず人材の登用を行っております。

 2023年3月現在における当社管理職のうち20.2%が中途採用者であり、今後もスキル・経験等を総合的に判断し、積極的に中核ポストへの登用を行ってまいります。

 一方で、女性の管理職登用につきましては、建設機械業界という業種に加え、女性が活躍できる分野が長きに渡り限られていたこともあり管理職・次期管理職候補者の女性比率が相対的に低い状況にあります。当社では現在、設計や溶接等のこれまで就労機会が少なかった技術・技能枠での新卒採用、さらに就業環境の改善や出産・子育て支援制度の拡充など就業者数の拡大と離職率低減に繋がる施策を推進し、将来的に中核ポストを担う女性社員の増加に努めており、昨年度は新たに1名の女性管理職の登用と、2023年4月の新卒採用においては、新卒採用者全15名の内女性3名(20.0%)を採用しております。

 外国人につきましては、国内外の拠点にて就業できる当社グループの強みを活かし、人材の確保に努めております。新卒者の採用が多いため管理職登用には相応の時間を要すことから現段階においては特に採用と育成に注力しており、2023年4月の新卒採用者においては、新卒採用者全15名の内、新たに3名(20.0%)の外国人を採用しております。

 

 <指標及び目標>

 当社の現状として、同業他社と同様に他の業界に比べて、労働者に占める女性労働者の割合が低いことから、管理職に占める女性労働者の割合も低いものとなっております。上記に起因して男女の賃金においての差異も生じており、今後改善に向け、新卒中途問わず女性の採用強化にこれまで以上に努めるとともに、引き続き将来の担い手の育成に尽力してまいります。また、直近における賃金差異の改善に向けた取り組みとして、2020年7月より、過去に一般職として採用された社員を総合職に変更するとともに、職種及び給与基準の一律化を行いました。

 男性労働者の育児休業取得率につきましては、制度への社会的な理解増進に伴い徐々に取得率が向上しているものの、さらなる取得率向上を目指し、引き続き制度の案内等社内外への周知を徹底してまいります。その他、当社独自の仕事と子育てを両立させるための取り組みとして、有給休暇とは別にチャイルドケア休暇制度を設けており、小学校卒業までの子を養育する社員を対象にこどもの入学式、卒業式、運動会などの学校行事への参加やこどもの育児・看護のために使用できる休暇をこども1人につき最大25日付与しております。今後も男女問わず仕事と子育てを両立出来る環境の維持向上を目指し、各種取り組みを推進してまいります。また、当社グループでは上記「<戦略>」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標

実績(2023年3月31日時点)

管理職に占める女性労働者の割合

2030年度までに3%

0.9%

男性労働者の育児休業取得率

2030年度までに35%

30.0%

全労働者の男女の賃金の差異

2030年度までに75%

68.8%

 

 

(注) 上記数値は、当社単体の合計値であります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは下記に記すとおりです。

なお、文中に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済、市場環境等の変動について

当社グループが扱う建設機械等の需要は、インフラ整備等の公共投資や資源開発、不動産の建設等に使用されることが多いことから、景気循環の影響を受け易い状況にあります。国内市場はもとより、各国のインフラへの公共投資、民間設備投資やエネルギー価格、地域紛争の影響による経済安全保障、通貨変動等の要因が、当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。加えて、世界的規模で経済・市場環境が急激に悪化した場合も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、経営企画部門が中心となって業績及び「中期経営計画2022-2024」における各施策の進捗状況を管理し、会社全体のPDCAサイクルの迅速化を図り、対応することによって、これらリスクの低減に努めております。

 

(2)  資金調達等について

当社グループでは、資金調達の機動性ならびに安定性向上のため、金融機関との良好な関係を維持しつつ、銀行借入に加え社債発行などによる資金調達手段の多様化やコミットメントライン契約の締結を行っております。

シンジケートローン契約やコミットメントライン契約及びその他一部の借入金には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し、返済請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当社グループでは、定期的な説明会を開催するなど金融機関との良好な関係を維持しつつ、銀行借入に加え社債発行などによる資金調達手段の多様化に努めております。

 

(3) 為替レートの変動について

当社グループは、海外向け販売や海外からの資材調達を実施しているため、輸出入において為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、この変動リスクを回避するため、円建てによる輸出取引に加え、外貨建債権の為替予約取引を行うなど為替変動によるリスクを最小限に抑えるよう留意しております。

 

(4) 地政学リスクについて

当社グループは、海外販路の拡大を図るため中国、アジア、欧州、北米において生産・販売の事業活動を展開しております。ウィズコロナ下における経済活動の変動、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの世界的な地政学リスクの高まりなどによるエネルギー価格及び原材料価格の高騰などが今後長期にわたり継続した場合、または、その他の国や地域等で新たな紛争等が発生した場合、当社グループの販売及び部品調達計画に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当社グループは、中国、欧州、北米に有する海外子会社を通じ、政治・経済情勢や各種規制等の動向を定期的に収集し、地域毎の事業環境の変動や業績への影響を把握することで、事業に及ぼす影響を分析し、対応を行っております。

 

(5) 環境規制・気候変動等について

当社グループが取り扱う建設機械等は、製品及びその製造過程等においてCO2削減や排ガス、騒音、エネルギー規制等様々な環境規制の適用を受け、対応を求められております。今後、環境規制・気候変動への対応等が更に厳格化し、さらなる費用が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、各国の環境規制・気候変動への対応及び関連法規等を遵守するため、研究開発等に資金を投入し、必要な措置を講じているほか、サステナビリティ委員会を設け、対応を取りまとめております。

 

(6)自然災害・事故等について

日本を含め当社グループが事業展開を行っている国や地域において、自然災害等の発生や労働環境の違いによる労働争議等の発生、紛争・テロ、感染症の流行が発生し、大幅な需要の減少や、操業の中断などがあった場合、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、地震、火災、風水害等、自然災害の発生に対し、リスク管理体制のもと、一定の防災対策を講じております。また、海外子会社については適切な管理者の派遣を行うとともに、カントリーリスク分析及びモニタリングを実施するなど、各社の独立性を保ちながらリスクの低減に努めております。

 

(7)法的規制等について

当社グループは、国内外に事業を展開していることから、各国の法規制の適用を受けております。機械安全に係る保安事項はもとより、近年は環境保全のための排出ガス規制が年々強化される傾向にあります。そのため、法令の改正または新たな規制の制定等に対応するための費用が発生した場合、または、各国の政策による輸入制限、輸入禁止措置等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、事業展開に係る各国の法規制に関する情報収集を継続的に行い、早期に情報を把握し対策を実行することによりリスク軽減を図っております。

 

(8)設備投資について

当社グループで扱う建設機械等を製造するには、一定程度の広さの敷地や多くの設備等を必要とし、工場敷地、生産設備等に高額の設備投資を要する場合があります。事業環境の悪化等により収益性が事業計画の想定を下回り、新たに減損損失を計上する必要がある場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、経営企画部門が中心となって業績及び「中期経営計画2022-2024」における各施策の進捗状況を管理しており、設備資産については収益性の抜本的改革をするためコア事業に集中させることで、これらリスクの低減に努めております。

 

(9)原材料の調達及び生産について

当社グループの製品は、調達部品の比率が高く、原材料価格の高騰などによる原価高の発生や、部品や資材の仕入状況の悪化等が生産への影響、ひいては業績の悪化へとつながる可能性があります。

当社グループでは、社内における原価低減活動に加え、仕入先企業とのコミュニケーション強化を図り、最適価格の維持を図りつつ安定供給体制の維持に努めております。また、長期のリードタイムを要する調達部品、調達リスクの高い部品については特に在庫管理と生産計画管理の徹底を図っております。

 

(10)価格競争及び研究開発について

当社グループの製品・サービスが競合企業と比較して性能・品質・コスト面で十分な競争優位性を得られなかった場合は、売上の減少等により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品に、開発の遅れや市場ニーズとの不一致等が生じ、製品の競争力が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、経営企画部門が中心となって業績及び「中期経営計画2022-2024」における各施策の進捗状況を管理しており、開発施策については、既存製品の徹底的なコストダウン及び新製品群の積極的な市場投入に取り組み、更なる競争力のある製品の開発を進めております。

 

(11)債権管理について

当社グループが扱う建設機械等は、比較的高額な売買となり、債権の返済期間が長期になることがあります。その間取引先の財政状況が悪化するなどして予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加の引当計上が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、取引先の業態や資金状況に応じた与信管理を行うとともに、必要に応じて担保の提供を受けるなど、不良債権の発生防止に努めております。また、定期的に開催する債権審査会議では、一定の条件に該当する取引先について与信限度額の見直しを実施するほか、継続的なモニタリングを行っております。 

 

(12) 棚卸資産について

当社グループで扱う建設機械等は、一部の製品を除き需要予測にて見込生産をしております。予期せぬ需要の減少や製品販売価格の下落、在庫期間の長期化等により、棚卸資産の価値が低下し、評価損の計上を余儀なくされた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、需要予測精度を高めるための販売会議及び製造部門と販売部門の会議を開催し、棚卸資産の在庫管理について、短期・長期の需要予測を行い、その適正化に努めております。

 

 

(13) 製品の不具合等について

 当社グループでは、製品の欠陥による大規模リコールや市場対策措置の実施に伴う多額の措置費用、また大型の機械であるが故に製品事故が発生した場合、多額の賠償責任費用を負うリスクがあります。これらは当社グループの信用にも重大な影響を及ぼす可能性があり、また、その損害賠償額等が保険の保証額を超えた場合、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、品質マネージメントシステムを構築し品質を保証する仕組み・体制を整備しております。社内で定めた厳しい基準のもと、安全と品質の維持向上に努めております。また、市場品質情報を収集し、品質の改善に努めております。万が一の事故等に備え、製造物責任保険等で十分な保障額の付保を図ることで、費用や賠償責任の負担による財務状況への影響を最小限に抑えられるよう備えております。

 

(14) 情報セキュリティ・知的財産について

 当社グループは、事業活動において業務上必要な顧客情報や個人情報に接することがあり、営業上・技術上の機密情報を保有しております。万が一、情報漏洩や滅失等の事故が発生し、損害賠償責任を負ったり、当社グループの評判や信用の低下を招くこととなったりした場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの知的財産権が侵害され、製品・技術等の市場価値が低下した場合、または、当社グループが提供する製品・技術等が第三者の知的財産権に抵触し、訴訟が提起された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、情報の機密保持及び管理システムの安定稼働には細心の注意を払い、外部からの不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための適切な管理体制を講じております。

また、知的財産部門を設置し、知的財産権の適切な管理に努めるほか、製品の開発や製造、販売、その他の事業等において第三者の保有する知的財産権を侵害することのないよう、事前の調査や継続的な監視等の措置を講じております。

 

(15) コンプライアンスリスクについて

 当社グループは、役員及び従業員等が、事業活動にあたって各種法令や倫理基準並びに社内行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、グループ全体への徹底を図っております。しかし、万が一、役員及び従業員等による重大な不正、不祥事等が発生し、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、法令や倫理を遵守した企業活動を行うよう「コンプライアンス規程」を定め、定期的なコンプライアンス教育・研修等を通じてコンプライアンス上の問題発生を未然に防止するよう努めるほか、内部通報制度やコンプライアンスを推進するための内部統制委員会を設置し、コンプライアンス体制の強化を図っております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進み景気は持ち直しの動きがみられました。

一方、世界経済は、新型コロナウイルス感染症回復過程による需要急増やロシア・ウクライナ侵攻の長期化等によりインフレが進行、欧米を中心とした金融引き締め政策により為替市場は大幅に変動しました。

また、中国経済においては、ゼロコロナ政策を堅持していたものの急激に政策転換、転換後も需要低迷は続き先行き不透明な状況は継続しています。

このような状況下、当社は2022年度を新たな中期経営計画の初年度として、中期経営計画の基本方針として掲げた「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」に取り組んでおります。

当連結会計年度の経営成績は、サプライチェーン混乱の影響を受け売上高は575億3千万円(前年同期比90.5%)と、前期比60億1千8百万円の減収となりましたが、中計施策で掲げた収益性改善・強化の各施策が奏功し、外貨建て輸出製品の為替差益もあり営業利益12億5千8百万円前年同期は営業損失72億2千2百万円)、経常利益18億6千5百万円(前年同期は経常損失69億2千9百万円)、構造改革の一環として前年度に売却方針を決定した常陸那珂工場(仮称)の売却により、9億9千万円を特別利益に計上しました。          

親会社株主に帰属する当期純利益24億3百万円前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失95億7千5百万円)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
 (日本)

国内の建設用クレーンの売上高は、315億2千1百万円(前年同期比102.0%)とほぼ横ばいの推移となりました。ラフターの新機種投入効果もあり、中・大型クレーンが増加しました。海外売上高は、サプライチェーン混乱による供給制約の中、国内受注残を優先したため、前年度好調であったアジア向けが減少し、売上高は37億5百万円(前年同期比73.0%)となりました。

国内向け油圧ショベル等の売上高は、サプライチェーン混乱の影響を受け85億3千3百万円(前年同期比74.4%)となりました。海外向け油圧ショベル等は、欧米向けが堅調に推移する一方、その他の地域が伸び悩み、売上高は63億5百万円(前年同期比107.3%)となりました。

よって、日本の売上高は509億7千4百万円(前年同期比93.7%)、セグメント利益は18億4千5百万円(前年同期はセグメント損失23億3百万円)となりました。

 

 (中国)

中国は、市場低迷により、厳しい販売環境にて推移いたしました。

中国の売上高は29億6千8百万円(前年同期比49.4%)となり、セグメント損失は9億7千2百万円(前年同期はセグメント損失51億6千9百万円)となりました。

 

 (その他)

その他の地域におきましては、欧州などの需要は旺盛なものの、他地域が伸び悩み、売上高は55億7千2百万円(前年同期比95.7%)となり、セグメント利益は4千9百万円(前年同期はセグメント損失1億3千8百万円)となりました。

 

 

 財政状態については、次のとおりであります。

  (資産の状況)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末の1,026億4千5百万円に比べ38億4千6百万円減少し、987億9千9百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加13億8百万円破産更生債権等の増加2億9千6百万円と売掛金の減少12億3千8百万円、棚卸資産の減少4億8千7百万円、有形固定資産の減少20億5千3百万円によるものであります。

 

  (負債の状況)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末の584億円に比べ65億7百万円減少し、518億9千3百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の増加2億4千3百万円長期借入金の減少53億3千3百万円1年内長期借入金の増加34億3百万円短期借入金の減少32億5千8百万円によるものであります。

 

  (純資産の状況)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末の442億4千5百万円に比べ26億6千万円増加し、469億6百万円となりました。これは主として、利益剰余金の増加22億8千5百万円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は199億7千7百万円となり、前連結会計年度末と比べ13億8百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は、64億7千1百万円の増加となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益25億1百万円減価償却費15億7千6百万円貸倒引当金の増加3億3千9百万円売上債権の減少37億3千6百万円及び棚卸資産の減少7億3千万円の増加要因と固定資産売却益9億9千2百万円の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金は、13億6千9百万円の増加となりました。その主な要因は、有形固定資産の売却による収入14億5千3百万円の増加要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は、66億6百万円の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出44億5百万円短期借入金の純減少額12億4千4百万円社債の償還による支出5億2千4百万円割賦債務の返済による支出3億3百万円の減少要因によるものであります。

 

 

   キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2019年
3月期

2020年
3月期

2021年
3月期

2022年
3月期

2023年
3月期

自己資本比率(%)

45.8

43.5

43.6

42.0

46.2

時価ベースの自己資本比率(%)

24.4

11.0

11.7

8.9

12.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

39.5

17.2

4.2

5.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

4.2

10.2

32.9

20.4

 

(注)自己資本比率: 自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。

※2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、表記を省略しております。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

46,036

 3.6

中国

2,259

△62.2

その他

3,633

 37.3

合計

51,929

△2.2

 

(注)  1 金額は販売価格によっております。

   2 当連結会計年度において、中国セグメントにおいて生産実績に著しい変動がありました。これは主に市場低迷によるものであります。

 

b.受注実績

当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。

 

 c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

49,099

△5.5

中国

2,963

△50.6

その他

5,467

△2.2

合計

57,530

△9.5

 

(注)  1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当連結会計年度において、中国セグメントにおいて販売実績に著しい変動がありました。これは主に市場低迷によるものであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績等の分析

   当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。

 

   (売上高)

当連結会計年度の売上高は575億3千万円(前年同期比90.5%)となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。

     建設用クレーン

 国内売上高は315億2千1百万円(前年同期比102.0%)と微増で推移しました。35t・60tラフターの新機種投入効果もあり、大型ラフターが増加しました。海外売上高は、前年度好調であったアジア向けが減少し、36億6千9百万円(前年同期比58.5%)となりました。よって、建設用クレーンの売上高は351億9千万円(前年同期比94.7%)となりました。

 

    油圧ショベル等

 国内売上高は、公共工事・民間工事の回復から需要は堅調に推移し、85億3千3百万円(前年同期比74.4%)となりました。海外売上高は、中国において景気後退により減少したものの、北米・欧州での需要が増加したため、128億9千8百万円(前年同期比93.3%)となりました。よって、油圧ショベル等の売上高は214億3千1百万円(前年同期比84.7%)となりました。

 

その他

その他の売上高は9億8百万円(前年同期比82.8%)となりました。

 

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ24億6千5百万円増加し、91億円前年同期比137.2%)となりました。その主な要因は、サプライチェーン混乱の影響を受け、計画通りの製品生産が厳しい中で、販売価格の見直し、利益重視の販売戦略の徹底、アフター市場での部品販売の強化、これまで取り組んできた製品コストの削減などの施策効果が発現し、その結果、売上総利益率は5.4ポイント増加し、15.8%となりました。

 

(営業損益)

 当連結会計年度の営業損益は、売上高が減少するなか、販売費及び一般管理費の削減に努めたため、前連結会計年度と比較し84億8千1百万円増加し、営業利益12億5千8百万円前年同期は営業損失72億2千2百万円)となりました。

 

(経常損益)

 当連結会計年度の営業外収益は、受取配当金の増加、為替差益の増加、貸倒引当金戻入額及び製品保証引当金戻入額の増加により、2億5千7百万円増加し、12億6千9百万円前年同期比125.5%)となりました。営業外費用は、5千5百万円減少し、6億6千3百万円前年同期比92.3%)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ87億9千4百万円増加し、経常利益18億6千5百万円(前年同期は経常損失69億2千9百万円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 当連結会計年度の特別利益は、「構造改革によるキャッシュ・フロー改善」の施策の一環として常陸那珂工場(仮称)の売却による固定資産売却益により、前連結会計年度に比べ4億6千6百万円減少し、9億9千2百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ31億9千万円減少し、3億5千6百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は24億3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失95億7千5百万円)となりました。

 

  b.キャッシュ・フローの状況及び、資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資金需要は主に運転資金、設備投資資金、研究開発資金であります。

 運転資金のうち主なものは、製品製造のための原材料や販売用部品の仕入費用や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。当社グループは製造メーカーではありますが、外注先等による部品・半製品の製造のリードタイムを相当程度必要とするため、先行した部材の確保が必要です。また販売用部品の欠品を防ぐ必要性からも在庫負担が大きいという特徴があります。

 設備投資資金は主として、生産活動に必要な工場設備であり、研究開発資金は新製品の開発に係る費用及び開発部門の人件費であります。

 これらの資金需要につきまして、短期資金需要については、手元資金や営業活動により得られたキャッシュ・フロー及びコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。また、長期運転資金及び大規模な設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入や社債を基本としております。

 当連結会計年度末における有利子負債の残高は341億5千1百万円、現金及び現金同等物の残高は199億7千7百万円となり、よってネット有利子負債は141億7千3百万円(前年同期比65.7%)となりました。有利子負債が大きく減少している理由といたしましては、中期経営計画で掲げている運転資本の適正化により、売掛債権の回収や棚卸資産残高の適正化による営業キャッシュフローの増加によって、金融機関の借入返済を図ったことによります。

 なお、常陸那珂工場(仮称)の建設中止・売却方針により当面の新工場の建設等に係る設備投資資金の需要は終了しましたが、コア事業及び将来成長に向けた新製品の開発には積極的かつ集中的に資金を振り向けていきます。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは持続的な成長と企業価値の向上を実現するために2023年3月期を初年度とする「中期経営計画2022-2024『スリムで骨太体質への変革』―次なる飛躍に向けた徹底的な変革の3年―」を策定し、厳しい事業環境下においても、コスト構造を根本から見直し、強靭な利益体質へと生まれ変わるために、その進捗を計る経営指標として、売上高、売上原価率、営業利益、営業利益率、棚卸資産残高を定めております。中期経営計画最終年度の2024年度(2025年3月期)においては、売上高664億円、売上原価率83.2%、営業利益31億円、営業利益率4.7%、棚卸資産残高327億円を数値目標としております。

中期経営計画初年度の2022年度(2023年3月期)においては、売上高641億円、売上原価率85.4%、営業利益13億円、営業利益率2.0%、棚卸資産残高310億円を数値目標としておりました。当連結会計年度の実績値は以下となり、サプライチェーン混乱、中国市場低迷により売上高は未達となりましたが、売上原価率・営業利益額・営業利益率・棚卸資産残高はほぼ達成しております。

 

 

 

2022年3月

(前期実績)

2023年3月

(当期実績)

売上高    (百万円)

63,549

57,530

売上原価率   (%)

89.6

84.2

営業利益   (百万円)

△7,222

1,258

営業利益率   (%)

△11.4

2.2

棚卸資産残高 (百万円)

32,070

31,583

 

 

d.経営成績等に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

新型コロナウイルス感染症については、ワクチン接種の進展等により新規感染者数が減少傾向でありますが、世界各国の地域状況により、再度の感染拡大の恐れがあるとともに、ロシアのウクライナ侵攻により、世界経済の先行きの不透明感は一層高まっております。

また、それに伴い当社グループの製品においては、多くの部材や外注品、多種の油圧部品や電子・自動車部品を必要とする為、今後も加速するであろう世界的な部品調達難及び物流価格の高騰により売上高及び利益に影響を及ぼす要因があります。

主としては、

・仕入先企業からの部品や資材の調達難による生産の見合わせ

・国内及び海外工場の生産調整、生産停止による稼働率の低下

・取引先からの受注の減少、キャンセルによる製品販売台数の減少、滞留在庫の増加

・製品の需給バランスが崩れることによる製品販売価格の下落

・取引先の財政状態悪化、信用不安による貸倒リスクの増加

であります。

そのため中期経営計画で掲げる「収益性改善・強化」、「財務体質の改善」「将来の基盤構築」を継続的に進め、生産・販売・設計のIT環境の充実、組織変更などの事業体制の整備はもとより、品質保証部門や経営企画部門の整備による管理体制の強化を進め、常に市場動向及び業界動向に注視しつつ、社会及び顧客のニーズに合った製品開発とサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は主に開発本部において行われており、設計・ソフトウエア開発・試験検証などの部門が緊密に連携して研究開発に取り組んでおります。主な研究開発製品は、建設用クレーン、油圧ショベル、産業車両、クローラキャリアなどであり、国内外の最新排出ガス規制に適合した製品開発の他、カーボンニュートラルに向けた各種電動化や代替燃料の利用、自動運転や遠隔操作などの先進的研究開発活動も積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発費は総額1,665百万円であります。

研究開発活動は主として日本セグメントで行っており、次のとおりであります。

 

(1) 建設用クレーン

国内向けのラフテレーンクレーンでは、吊上げ荷重25tの「SR-250RfⅡ」を開発し今年度に市場投入いたしました。本機は、国内最新の排出ガス規制に適合した国産エンジンを搭載しています。巻上作業での使用比率が高い補巻ウインチには、多数ストランドの難自転性新型ワイヤロープを採用しており、吊上げ荷重も従来機の4.0tから4.5tに向上しています。ジブはEJIBで2段ジブ自動ロック装置を搭載しているため、空中に障害物があるような作業現場でもブームを伸長させてから振り出すことが可能です。走行関係では、KATO独自の安全装置であるKATO SAFETY VIEW SYSTEMを搭載しています。運転席には12.1インチ大画面タッチモニタを配置し、サラウンドビューシステムや人検知支援システム、車両直近の障害物を検知するクリアランスソナーやタイヤ空気圧モニタリングシステムなど、多くの安全装置を装備しています。また、ブレーキペダルから足を離しても制動を保持して坂道発進をサポートする坂道発進補助装置を標準で装備しています。

カーボンニュートラルへの取り組みとして、「ハイブリッドラフター」や各種電動化開発、代替燃料利用などについて研究開発を進めるとともに、自動運転・遠隔操作などの先進的研究開発活動も積極的に進めてまいります。

 

(2)ショベル・クローラキャリア

 中大型ショベルでは、機体質量20tクラスの「HD820-8」を開発し2023年度に市場投入いたします。本機は、国内や欧州の最新排出ガス規制に適合した最新型エンジンを搭載しています。従来機で実績のある油圧機器を更に最適化することで信頼性を確保しながら作業フィーリングを向上させ、低燃費化・低騒音化による環境負荷の軽減も図っています。

 ミニショベルでは、機体質量0.9tクラスの「HD09V5」を開発し2023年度に北米および欧州を中心に市場投入いたします。本機は、クロ-ラ幅可変機構を標準装備しており狭い現場に進入することができます。また、転倒時保護構造の強度試験に合格したロールバ-ROPSキャノピーをオプションとして設定しています。

中国排出ガス規制(GB4)に対応した機種では、ミニショベルはシリーズ化開発が完了、中大型ショベルは日本国内仕様に準じた大幅なスペックアップと競争力向上を図った機体質量20tクラスと50tクラスの2機種を開発し2023年度に中国向けに市場投入いたします。

 今後も最新の排出ガス規制に対応した機種の市場投入を順次進めるとともに、カーボンニュートラルへの取り組みとして、ミニショベルでは電動化開発を進めており、早期市場投入を目指して積極的に取り組んでまいります。

 クローラキャリアでは、積載重量7tの全旋回式クロ-ラキャリヤ「IC70R」を開発し2023年度に市場投入いたします。この機種は、徹底的な低重心化により高い安定性を有しています。そのため、旋回方向を選ばずにダンプ操作が可能で、そのまま走行もすることができることから使い勝手が良い製品になっています。旋回式のクローラキャリアは当社初の設定製品であり、今後ラインナップを拡充してまいります。その他の機種では、積載重量3.7t「IC37-5」を開発し2023年度に市場投入いたします。本機は、クラス初の電子制御コントロ-ルを搭載しているため、スム-ズな操作性を有しています。両機種は、国内、北米及び欧州における最新の排出ガス規制に適合したエンジンを搭載しているためグロ-バルな展開を進めてまいります。

 なお、クローラキャリアにつきましては、今後も重点開発製品群としてラインナップ拡充を図るとともに、カーボンニュートラル対応のための電動化や遠隔操作・自動運転化などの先進的研究開発活動も積極的に進めてまいります。

 

(3)その他製品

万能吸引車MVシリーズでは、高真空型の吸引ブロワを搭載した「MV-400SⅡ」を開発いたしました。汎用シャーシに作業装置を搭載する多仕様車につきましては、将来的な自動運転化などに向けた研究開発活動を進めてまいります。