当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)におけるわが国の経済は、期間後半にかけて中国や新興国経済の減速、資源価格の下落、地政学的なリスクの高まり、株価や為替といった金融市場の動向の不安定などがみられ、全体としては、経済政策及び金融政策などを背景に企業の業績改善、設備投資や雇用の改善でみられた緩やかな回復基調にかげりがでてまいりました。世界経済は、米国経済は堅調に推移したものの、米国の政策金利見通しの見直し、中国、新興国経済の減速など、わが国の景気が下押しされるリスクや金融資本市場の変動の影響に留意する必要もあり、先行きの不透明感が払拭できない状況で推移しております。
当社の関連業界におきましては、自動車、農業機械、土木建設関連などが堅調に推移したものの、下半期はIT関連等の海外向けの設備投資が減少しております。
このような状況の中、当社グループでは自走式立体駐車場の大型物件の新設が減少したものの、自動車関連部品、工作機器、土木建設関連製品などが堅調に推移したこともあり、売上は前期に比べ横ばいとなりました。また、品質の向上、生産効率の向上に継続して取り組み、メキシコをはじめ海外生産拠点の収益改善や事業を軌道に乗せることに注力してまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高はグループ全体で、52,732百万円(前期比 0.2%減)、営業利益は 4,899百万円(前期比 34.0%増)となりました。一方、前期の経常利益では、為替差益を 1,486百万円計上しておりましたが、当連結会計年度では為替差損が 1,156百万円発生したことにより、経常利益は 3,948百万円(前期比 24.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 2,633百万円(前期比 14.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
金属素形材事業
平成27年(平成27年1月~12月)の世界新車販売台数は前年比 2.0%増の 8,900万台超となりました。中国市場は小型乗用車向けの減税措置が導入された効果もあり、前年比 5.3%増で 2,490万台に達し7年連続で世界トップを保持しました。米国市場は前年比 5.8%増の 1,744万台で過去最高となり、西欧市場は前年比 9.0%増の 1,481万台となりました。また、日本市場は一般社団法人日本自動車工業会の発表によりますと、平成27年度(平成27年4月~平成28年3月)の国内自動車生産台数は、918万台(前期比 4.2%減)となり、昨年4月の軽自動車税増税の反動により減少したと考えられております。
当事業におきましては、中核である自動車ミッション部品は海外向けを中心に堅調に推移しておりますが、国内生産の不透明感は続いております。建設・農業機械部品は、国・地域や馬力レンジによる排ガス規制前の駆け込み生産で上半期は好調に推移した反動が、下半期に一部の部品にでてまいりました。
このような状況の中、既存顧客のグローバル展開への対応を含めたインシェアの拡大と当社の強みを活かした新規アイテムの受注活動に努めてまいりました。また、受注変動に対応した生産体制の変更や不良率、歩留まりの改善による生産効率の改善や調達コストの削減に努めてまいりました。メキシコ子会社では、生産性を高め収益面でも順調に推移しております。一方、タイ子会社はタイの景気低迷の影響もあり低操業が続いておりますが、国内仕事量とのバランスを取りながら収益確保の体制作りに努めてまいりました。また、タイ子会社鋳造2次ラインの新設稼動に合わせ、受注活動を強化しています。
その結果、当事業の売上高は 24,486百万円(前期比 0.2%増)、セグメント利益(営業利益)は 2,199百万円(前期比 85.1%増)となりました。
工作機器事業
一般社団法人日本工作機械工業会の発表によりますと、平成27年度(平成27年4月~平成28年3月)の工作機械受注額は、1兆3,989億円(前期比 11.4%減)となり、3年ぶりに前年より減少しましたが、過去4番目の高水準となりました。内需は設備投資を後押しする政府補助金の政策効果もあり、5,792億円(前期比 9.9%増)と堅調に推移し、3年連続の増加となりましたが、外需は中国や新興国の減速の影響により、8,196億円(前期比 22.1%減)となりました。
当事業におきましては、平成27年度期初から上半期にかけて国内、海外ともに好調な受注を続けておりましたが、下半期に入り国内では工作機械メーカーからの受注はやや減少し、海外では、IT関連や欧米からの受注が減少しました。
このような状況の中、前期に引き続き「Customized by kitagawa」をテーマに、お客様の要望に応じた顧客個別商品(カスタマイズ商品)に積極的に取り組み、受注を伸ばすことができました。また、引合い、受注から納入までのプロセス改善を目指したソフトVEを実施し、業務の効率化を進め、安定した生産販売が行える体制を構築し、収益性の向上に努めてまいりました。
その結果、当事業の売上高は 11,664百万円(前期比 0.5%増)、セグメント利益(営業利益)は 2,657百万円(前期比 2.9%増)となりました。
国内の建設関連業界は、民間、公共ともに好調に推移してまいりました。都市圏におけるマンションやオリンピック向け開発事業、老朽インフラの改修や防災対策への公共事業が堅調に推移してまいりました。一方では技能者不足などにより工期遅れが継続しておりますが、昨年度に比べると落ち着きを見せてきております。
このような状況の中、コンクリートプラント及び関連設備では、改造工事及び全体設備更新工事が増加しました。荷役機械関連では、小型クレーン設備の更新と首都圏への大型クレーンの売上が増加しております。環境関連機器では、下半期にかけて伸び悩んでいたバイオマス関連や造粒ミキサの売上が増加しております。特機関連では、政府による補助金政策が後押しとなり、ライトマシニングが堅調に推移しました。自走式立体駐車場では、遊興施設の新規出店による駐車場の受注は大幅に伸びておりますが、前期比で大型物件の減少により売上は減少しました。また、生産性改善の取り組みとして、調達コストの削減、生産効率の改善を推進し、収益性の向上に努めてまいりました。
その結果、当事業の売上高は 16,581百万円(前期比 1.4%減)、セグメント利益(営業利益)は 2,568百万円(前期比 8.8%増)となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,887百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 4,094百万円及び減価償却費 3,159百万円の計上であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額 2,114百万円及び仕入債務の減少額 1,688百万円によるものであります。前期比では、主に、売上債権の減少により 607百万円の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,209百万円の支出となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出 3,275百万円によるものであります。前期比では、主に、有形固定資産の取得による支出の減少により 230百万円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,415百万円の支出となりました。これは、主に、長期・短期借入金の純減少額 1,804百万円によるものであります。前期比では、主に、長期借入金の純減少により 162百万円の収入から 2,415百万円の支出に転じました。
これらにより当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 154百万円増加し、8,663百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
金属素形材事業 | 24,578 | +0.1 |
工作機器事業 | 11,463 | △6.4 |
産業機械事業 | 17,032 | +0.2 |
合計 | 53,074 | △1.3 |
(注) 1 金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
金属素形材事業 | 24,428 | +0.4 | 828 | △6.5 |
工作機器事業 | 10,859 | △15.3 | 1,708 | △32.0 |
産業機械事業 | 21,588 | +20.1 | 13,688 | +57.7 |
合計 | 56,877 | +3.2 | 16,226 | +34.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
金属素形材事業 | 24,486 | +0.2 |
工作機器事業 | 11,664 | +0.5 |
産業機械事業 | 16,581 | △1.4 |
合計 | 52,732 | △0.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
㈱クボタ | ― | ― | 5,458 | 10.4 |
前連結会計年度において総販売実績の100分の10以上の販売先はありませんでしたので、記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、2018年に創業100周年を迎えます。この100年という歴史に学び、次の100年をどういった姿でスタートするのか、常に時代にあわせて挑戦を続けていくための中長期の取り組みを検討してまいります。
当社グループの直面する重点課題として、「海外事業の基盤確立」、「働き方改革による生産性向上」、「開発体制の強化」、「人材開発、人材育成の推進」ととらえ、引き続き経営基盤の強化に取り組んでまいります。
特に、海外事業においては、メキシコ、タイ、中国にある海外子会社の事業基盤の確立にグループを挙げて取り組んでまいります。また、安全、品質上において、基本的なルールを遵守、徹底することをグループ全体の取り組みとして定着させ、経営品質を高めるよう取り組んでまいります。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。
しかし、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主が買付の条件等について検討するための充分な時間や情報を提供しないもの等、株主共同の利益を毀損するものもありえます。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。
ア 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、より多くの投資家の皆様に末永く継続して投資いただくため、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させる取組みとして、下記(ア)の経営理念を掲げ経営にあたっております。また、これと並行して、下記(イ)のとおり、コーポレートガバナンスの強化、充実に取り組んでおります。
(ア)当社グループの経営理念
当社グループは、企業価値の源泉として4つの価値観を定め、事業活動における全ての行動及び全ての判断の基準として用いています。
(ⅰ)お客様第一主義(お客様の喜びを我々の喜びとする)
(ⅱ)素直な心と勇気(素直な心を尊び勇気ある行動を敬う)
(ⅲ)社員満足(自律した活力あるリーダーを育成する)
(ⅳ)イノベーション(技術を誇り未知なる世界に挑戦する)
(イ)コーポレートガバナンスの整備
(ⅰ) 行動規範
当社では、コンプライアンスの基本として、取締役をはじめ従業員に対し、行動規範としてキタガワ企業行動憲章及びキタガワ自主行動基準を定め、これをグループ全体で遵守しています。
(ⅱ) 経営機構
取締役会規程を定め、月1回の定例取締役会の開催と、必要に応じた臨時取締役会の開催によって、相互の意思疎通を図るとともに、相互の業務執行を監督し、必要に応じ外部の専門家を起用して法令定款違反行為を未然に防止しています。また、当社は監査役会設置会社であり、取締役の職務執行については監査役会の定める監査の方針及び分担に従い、監査役の監査対象としています。
(ⅲ) 内部統制システム
キタガワグループ全体の企業活動の適正を確保する体制として、取締役会は、内部統制システムの基本的事項及び重要事項を決定し、その構築、維持、向上を推進すると共に、下部組織としてコンプライアンス委員会を設置して、コンプライアンスに関する個別の課題について協議、決定を行うとともにコンプライアンスプログラムの策定及び進捗状況の管理を行っています。
さらに、リスク管理委員会を組織し、全社のリスク管理を行っています。特に、内部統制には推進組織を設けて、規程、規則、標準等決められたことは厳しく守る風土作りを小まめに築き上げる活動を進めています。
以上当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることに役員・社員一丸となって取り組んでおり、これらの取り組みは、会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させ、上記基本方針を実現するため、平成20年6月27日開催の第98期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得て、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(買収防衛策)を導入し、その後、平成26年6月24日開催の第104期定時株主総会の決議により更新(以下、「本プラン」 といいます。)しております。
本プランでは、当社株式に対し 20%以上の大規模買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。)を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。
大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、更には当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。
当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表することとします。
大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損することが明白と判断される場合を除き、対抗措置をとりません。ただし、大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、対抗措置をとることがあります。
このように、対抗措置をとる場合には、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。また、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間を設定し、当該期間中に当社株主総会を開催することとします。
従いまして、大規模買付行為は、株主検討期間を設けない場合は取締役会評価期間、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間のあわせた期間の経過後、開始されるものとします。
本プランは、平成26年6月24日開催の当社第104期定時株主総会において株主の皆様のご承認により継続しており、その有効期限は平成29年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時までとなっております。
ウ 具体的取組に対する当社取締役の判断及びその理由
当社取締役会は、本プランは、以下の理由により上記①の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。
(ア)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
本プランは、当社株式に対する買付等がなされた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されたものです。
本プランは、平成26年6月24日開催の当社第104期定時株主総会において、株主の皆様のご意思をご確認させていただきましたことから、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。
本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されております。
本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期を1年としており、期差任期制を採用していないため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する防衛策)でもありません。なお、当社では取締役解任決議要件につきましても、特別決議を要件とするような決議要件の加重をしておりません。
本プランの詳細につきましてはインターネット上の当社ウェブサイト(http://www. kiw.co.jp/ir/pdf/2014-04-kabusiki.pdf)に掲載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、売上高のほとんどが民需を主体とした販売によるものであり、国内景気の動向による業績への直接的な影響は避けられません。また、グローバル比率の増加により世界各地でのそれぞれの市場や地域における経済情勢の動向による不確実性も存在しています。
当社グループは、金属素形材、工作機器、産業機械と多岐にわたる事業展開を行っているため、多種多様な原材料、部品などの調達を行うとともに、多くの取引先の協力を得ております。原材料の急激な価格上昇、需要逼迫などが生じた場合、コスト増加、工程遅れにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ISO9001及びISO14001を取得するなど、品質管理及び環境管理を経営の最重要事項の一つとしております。製品の工程及び完成検査の強化など、製品の品質確保には出来る限りの対応を行っておりますが、製品の開発・製造などにおける品質上のリスクを全て将来にわたって完全に排除することは困難なものと認識しております。
クレーム、欠陥が発生した場合、社会的信用の低下、取引停止、損害賠償などを含め、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、アジア、北中米、欧州などにおいて積極的な事業展開を図っております。これらの国、地域においては、予期しない法律または諸規則の変更、政府による政策発動、急激な経済の変化などの要因、宗教・文化の相違、商習慣に関する障害、特別な税金及び関税などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、いずれの市場においても同業他社との激しい競合環境にあり、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況に置かれています。これは、当社グループの収益の維持に対する深刻な圧力となっており、特に市場が低迷した場合に顕著となると考えられます。当社グループは高付加価値製品の提供と効率化によるコスト競争力のアップにより対応していく方針ではありますが、販売価格の下落が進んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産設備などの主要施設に関して、火災・地震等の災害に対する防止策、軽減策及び財務リスクを最小化すべく保険加入などの対策を行っています。しかし、大規模な地震、台風等の自然災害及び火災等の事故が発生し生産設備などが被害を受けた場合、生産・販売活動の中断による製品供給の停止、修復費用の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、貿易取引において外貨建決済を行うことや、生産拠点のグローバル化を進めることによる外貨建債権の保有など、為替相場の変動によるリスクを有しております。これらの取引に対し、先物為替予約や外貨建見合債務の保有などによるヘッジ策を講じておりますが、為替相場の変動によるリスクが完全に回避される保証はなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度は、開発本部では、各事業分野に投入する新商品の研究・開発を行いました。
前連結会計年度より開発を進めておりました微小重力環境細胞培養装置(商品名Zeromo)を2015年10月に発売しました。引き続き関係機関とも協力して利用技術や関連機器の研究・開発に取り組んでいます。
また科学技術振興機構(JST)委託事業が2015年9月に完了しました。この委託事業で試作した土壌放射能濃度測定装置プロトタイプ機を用いて、測定精度や処理能力の高さを確認しました。開発成果が福島復興に貢献できるよう、実用機採用を関係機関に提案しております。
CFRP専用加工機(商品名カーボンプロ)を受注しました。軽量高強度ですが難削材であるCFRPを、高品質かつ安全に切削加工するために研究・開発を進めてきた装置です。CFRP加工分野で評価を頂ける様に努めております。
これら研究開発成果は工業所有権として権利化すると共に、商品開発の基盤となる要素技術の開発や習得にも取り組んでおります。今後も変化する市場から評価を頂ける商品の研究開発に取り組んで参ります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は 466百万円であり、セグメントの主な研究開発活動の内容は、次のとおりであります。なお、開発本部で行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用 249百万円が含まれております。
当連結会計年度は、自動車の排気系耐熱材料について前連結会計年度に引き続き研究を重ねた結果、独自の耐熱材料を開発し、その基本性能の確認を完了しました。翌連結会計年度はその新材料の量産プロセスの研究開発に着手します。
また将来に向けて開発、試作業務のスピードアップを実現するために生型を使った試作ラインの設置と、斬新な型を製作するための3Dプリンターの導入を検討しました。翌連結会計年度はこれらの試作ラインおよび3Dプリンターを導入し、より短期間での試作を可能にし、新しい製造技術の開発に役立てていきます。
内部に複雑な回路形状を有する鋳物の量産化について、製造技術の開発が完了し、翌連結会計年度は実際の量産ラインでの試作を開始します。水平型造型での立体型方案の実用化による取個数アップについては、量産技術の確立を完了し、翌連結会計年度はその量産適用の範囲を広げるとともに縦型でのダブルモールドによる取個数アップの技術開発に取組みます。
当事業に係る研究開発費は 40百万円であります。
当連結会計年度は、旋盤用チャック関連では、工場の自動化に貢献するジョー交換式オートジョーチェンジ(AJC)システムの開発を行いました。チャック・シリンダはもとより、ジョー交換用グリッパ、予備のジョーを格納するストッカを含むシステムを手がけました。
また当社独自の引き込み機能チャックの商品展開として、旋盤への取付関係および貫通穴径を当社標準チャックB200シリーズと同一にしたDLBシリーズを開発し、2015年10月にイタリア・ミラノ市で開催されたEMOショーへ出展しました。
NC円テーブル関連では、薄型NC円テーブルCKタイプのシリーズ展開を行い、同じくEMOショーへ出展しました。また減速機構にローラーギヤカムを採用したNC円テーブルでは、最大機種となるRK400を開発し、客先評価試験において性能が高く評価されました。
当事業に係る研究開発費は 103百万円であります。
当連結会計年度は、前連結会計年度に引き続き環境関連設備で今後増加が予測されるバイオマス発電の燃料製造用機器や、燃焼後の灰処理設備等、前後の行程の機器をターゲットとして開発を進め、5月に開催された2015NEW環境展および11月に開催された日本木工機械展に出展しました。補助金を利用したトヨタ自動車との共同研究開発では当連結会計年度よりインドネシアでの草本系ペレット製造実証試験を開始し、翌連結会計年度も継続予定です。また次世代燃料と言われるトレファイドペレット(半炭化ペレット)製造装置の開発に着手しました。
既存事業の製品に付きましても、繊維補強コンクリートのポリプロピレン安定供給装置の開発を行い市場投入したほか、建築用クライミングクレーン「ビルマン」100tmクラスの機種JCL105SKの開発や、立体駐車場分野では5層6段片側方杖ロングスパンの大臣認定を取得し、7層8段の大臣認定取得に取り組んでまいりました。
当事業に係る研究開発費は 73百万円であります。
本項に記載した予想、見通し、方針等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。また、見積りに関しては、過去の実績等の情報に基づいて判断しておりますが、不確実な要素も含んでおり、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度末の総資産は、主に売上債権及び退職給付に係る資産の減少により、前連結会計年度末に比べて 3,682百万円減少し、65,494百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、主に仕入債務及び借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ 4,802百万円減少し、35,018百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、退職給付に係る調整累計額の減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、1,119百万円増加し、30,476百万円となりました。純資産から非支配株主持分を差し引いた自己資本は 30,008百万円となり、自己資本比率は 45.8%となりました。
当連結会計年度の売上高は、前期比 0.2%減の 52,732百万円となりました。
事業別では、金属素形材事業は自動車部品のグローバル展開への対応を含めたインシェアの拡大と新規アイテムの受注活動の対応を進めたことにより、前期比 0.2%の増収となりました。工作機器事業は設備投資を後押しする政府補助金の政策効果、お客様の要望に応じた顧客個別商品(カスタマイズ商品)に積極的に取り組み、受注が伸び、前期比 0.5%の増収となりました。産業機械事業は都市圏における再開発事業などの公共事業が好調に推移しておりますが、自走式立体駐車場の大型物件減少により、前期比 1.4%の減収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、前期比 34.0%増の 4,899百万円となりました。
事業別では、金属素形材事業は生産効率の向上やコストの削減に努めたことにより、前期比 85.1%の増益となりました。工作機器事業はプロセス改善の実施、業務の効率化を進め収益性の向上に取り組み、前期比 2.9%の増益となりました。産業機械事業は東京オリンピック決定による需要の増加、収益性の改善に取り組み、前期比 8.8%の増益となりました。
当連結会計年度の経常利益は、円高による為替差損 1,156百万円の計上により、前期比 24.6%減の 3,948百万円となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少により、前期比 14.0%減の 2,633百万円となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 154百万円増加し、8,663百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,887百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 4,094百万円及び減価償却費 3,159百万円の計上であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額 2,114百万円及び仕入債務の減少額 1,688百万円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,209百万円の支出となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出 3,275百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,415百万円の支出となりました。これは、主に、長期・短期借入金の純減少額 1,804百万円によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | |||||
| 3月期 | 3月期 | 3月期 | 3月期 | 3月期 | |||||
自己資本比率(%) | 43.2 |
| 42.8 |
| 40.8 |
| 41.9 |
| 45.8 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) | 33.6 |
| 28.4 |
| 28.0 |
| 35.2 |
| 30.3 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.6 |
| 4.2 |
| 10.7 |
| 3.4 |
| 2.7 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 22.3 |
| 28.6 |
| 8.7 |
| 26.1 |
| 37.2 |
|
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社グループの経営陣は、現状の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案すべく努力しておりますが、当社グループを取巻く経営環境として、中国や新興国経済の減速、資源価格の下落、地政学的なリスクの高まり、株価や為替といった金融市場の動向の不安定などがみられ、先行きの不透明感が払拭できない状況で推移しております。こうした経営環境のなか、生産効率、品質管理を高めるとともに、経費削減などのあらゆるコストダウンに努め、原材料費の価格動向を注視し、調達先の選定、適正価格の調達力をはかることにより利益の確保を必達目標として事業を展開してまいります。加えて、消費地に対応した、メキシコ、タイ、中国の各現地工場の運営、生産の安定化にグループを挙げて取り組み、当社製品ブランドのグローバル展開を推進いたします。