第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和を背景に、企業収益の回復や雇用環境に改善が見られるなど緩やかな回復基調で推移いたしました。世界経済は、中国を始めとするアジア新興国経済の減速、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策に対する懸念、そして為替相場や株式市場が大きく変動する等により、依然として先行きの不透明な状況で推移しております。

当社の関連業界におきましては、IT関連等の海外向けの設備投資や農業機械が減少したものの、自動車、土木建設関連が堅調に推移しております。

このような状況の中、金属素形材事業関連では、前期にあった汎用エンジン部品の駆け込み特需の反動及び工作機器事業関連でのIT関連等の海外向け設備投資減少により、売上の減少がありましたが、産業機械事業関連の自走式立体駐車場の需要増加があり、全社の売上高は前期に比べ増加となりました。また、当社グループでは、品質の向上、生産効率の向上に努め、タイ、メキシコの海外生産拠点の収益改善や生産設備増強など事業基盤の確立に向けグループを挙げて取り組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高はグループ全体で、55,421百万円(前期比 5.1%増)となりましたが、利益率の高い工作機器事業関連の売上減少が大きく、営業利益は 4,255百万円(前期比 13.1%減)となりました。経常利益は為替差損が大幅に減少したことから 4,312百万円(前期比 9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益はタイ子会社の旧設備を減損したこと、好調なメキシコ子会社で税金費用の発生で税額が増加したこともあり、2,041百万円(前期比 22.5%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

金属素形材事業

世界の新車販売台数(平成28年1月~12月)は、前年比 4.6%増の 9,320万台となりました。その内、米国は、1,755万台(前期比 0.4%増)と微増ながら過去最高を更新し、また、最大の市場となっている中国では、2,802万台(前期比 13.7%増)に達し過去最高を更新しました。

当事業におきましては、中核である自動車トランスミッション部品はグローバルでの生産は堅調に推移していますが、国内生産の不透明感は続いております。国内の建設・農業機械部品は、前期にあった地域や馬力レンジによる排ガス規制強化に伴う汎用エンジン部品の駆け込み特需の反動などにより減少しております。北米では農業機械部品は市場の悪化や在庫抑制のため需要が減少、建設機械部品は建設需要により増加しております。欧州市場では景気底打ちや投資促進税制などにより建設・農業機械部品ともに増加、アジア市場ではタイの干ばつの影響などがありましたが、農業機械部品は順調に伸長しております。

このような状況の中、既存顧客のグローバル展開への対応を含めたインシェアの拡大と当社の強みを活かした高付加価値製品の新規受注活動に努めてまいりました。また、生産性の向上、不良の低減、歩留り改善による生産効率の改善や調達コストの削減により、収益性の改善に努めてまいりました。メキシコ子会社では、生産効率の改善が進み収益面でも順調に推移しており、また、鋳造2次ラインも本年9月頃にラインの試験運転を開始する予定です。一方、タイ子会社では、早期の業績回復に向けて鋳造2次ラインの量産稼動への対応等を進めております。

その結果、当事業の売上高は 23,425百万円(前期比 4.3%減)、セグメント利益(営業利益)は 1,720百万円(前期比 21.8%減)となりました。

 

 

工作機器事業

一般社団法人日本工作機械工業会の発表によりますと、平成28年度(平成28年4月~平成29年3月)の工作機械受注総額は、1兆2,893億円(前期比 7.8%減)と2年連続での前期比減少となり、低調に推移しました。内需は 5,315億円(前期比 8.2%減)、外需は 7,577億円(前期比 7.6%減)となりました。ただし、当第4四半期の推移に限っては、受注額は内需、外需ともに前年同月比で上回り、需要復調傾向がより鮮明になっております。

当事業におきましては、平成28年度期初から売上高は国内、海外ともに前期比で大幅に下回り、利益もこれに伴い低調な結果となりました。国内では補助金などの政策効果もあり、低水準ではありますが、底堅く推移しました。海外は中国のEMS(電子機器受託生産サービス)向け受注の不調により大幅な減収となりました。

このような状況の中、新たな商品開発体制を整備し、顧客個別商品(カスタマイズ商品)の受注から得られたニーズを基に商品開発へ取り組んでまいりました。この取り組みから生まれた新商品を昨年11月に開催された第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)へ出展、発表しております。発表した新商品の市場投入を順次開始し、受注拡大に努めてまいりました。

その結果、当事業の売上高は 9,842百万円(前期比 15.6%減)、セグメント利益(営業利益)は 1,826百万円(前期比 31.3%減)となりました。

 

産業機械事業

一般財団法人建設経済研究所による平成28年度建設投資見通しは、前期比 2.4%増の 52兆円となり、また、住宅着工戸数は前期比 5.4%増の 97万戸と見通しが上方修正されました。国内建設業界は、平成28年度補正予算成立を受け堅調に推移いたしました。一方、国土交通省による建設労働需給調査では、型枠工を中心に建設技術者不足の状態が続いております。

このような状況の中、コンクリートプラント及び関連設備では、沖縄県での設備が売上を伸ばしました。荷役機械関連設備では、首都圏での大型建築向け大型クレーンに加えて集合住宅向け小型クレーンの需要も増加しました。環境関連機器では、造粒固化処理設備、特機関連では、ウォータージェットの納入が増加しました。自走式立体駐車場では、遊興施設や商業施設併用型の大型物件が増加し、大きく売上を伸ばしました。また、業務効率改善活動に取り組み、継続した経費削減にも努めてまいりました。

その結果、当事業の売上高は 22,154百万円(前期比 33.6%増)、セグメント利益(営業利益)は 3,416百万円(前期比 33.0%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,627百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 3,517百万円及び減価償却費 3,082百万円の計上であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額 1,936百万円によるものであります。前期比では、主に、売上債権の増加により 259百万円の収入減となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,305百万円の支出となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出 3,268百万円によるものであります。前期比では、主に、その他(ソフトウェアの取得)による支出の増加により 95百万円の支出増となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,746百万円の支出となりました。これは、主に、長期・短期借入金の純減少額 1,452百万円によるものであります。前期比では、主に、長期借入金の純減少により 669百万円の支出減となりました。

これらにより当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 862百万円増加し、9,526百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

金属素形材事業

23,462

△4.5

工作機器事業

9,343

△18.6

産業機械事業

21,593

+26.8

合計

54,399

+2.5

 

(注) 1 金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

金属素形材事業

23,447

△4.0

850

+2.6

工作機器事業

9,968

△8.2

1,835

+7.4

産業機械事業

18,398

△14.8

9,933

△27.4

合計

51,814

△8.9

12,618

△22.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

金属素形材事業

23,425

△4.3

工作機器事業

9,842

△15.6

産業機械事業

22,154

+33.6

合計

55,421

+5.1

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱クボタ

5,458

10.4

 

当連結会計年度において総販売実績の100分の10以上の販売先はありませんでしたので、記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、地域社会のなかで育てられた企業グループであると認識し、社会との深いつながりを大切に、株主、顧客、ビジネスパートナーとの共存共栄をモットーとして経営を進めております。市場ニーズに対し、的確に対応した商品を提供することを行動指針として、卓越した技術力でお客様の要望にお応えすることこそ、安定的な企業の発展を支える基盤であると考えて、堅実な経営活動を行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、変化の激しい事業環境や市場動向に迅速に対応し、売上高に大きく左右されることなく適正利益を生み出せる強靭な事業体質を目指しており、経営効率・財務基盤強化の観点から、各事業での経常利益と売上高経常利益率を重視しております。加えて、投下資本の運用効率・収益性を図る指標として総資産利益率(ROA)及び株主利益重視の観点から自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「Next Decade Plan2021」を策定し、事業目標、企業ビジョン、事業ビジョン、組織ビジョンを明確化したうえで、中長期的な経営に取り組んでまいります。この計画の全体基調は収益基盤の強化を指向するものであり、海外市場での事業展開及び事業基盤の強化、成熟事業分野における収益基盤の確立、新たな価値を創造する新規事業の立上げなどを示しております。

また、今後成長の望める海外市場を確保するため当社グループは引き続き、海外拠点の事業基盤の確立に努めるとともに、戦略的な経営資源の投入を行うなど、事業領域の拡張に取り組んでまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社は、2018年3月に創業100周年を迎えます。この100年という歴史に学び、次の100年をどういった姿でスタートするのか、常に時代にあわせて挑戦を続けていくための中長期の取り組みを検討してまいります。

当社グループの直面する重点課題を「海外事業の基盤確立」、「働き方改革による生産性向上」、「開発体制の強化」、「人材開発、人材育成の推進」ととらえ、引き続き経営基盤の強化に取り組んでまいります。また、変化の激しい環境下で、様々な衝撃に耐え復元するしなやかさを持つとともに、環境変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続ける組織を「学習する組織」と呼び、変化する事業環境の中で、発展し成長を続けるためにも、自らを変える能力を備え、進化し続ける企業風土を築いてまいります。

海外事業においては、海外子会社のメキシコ、タイでは事業基盤の確立、中国では事業構造の見直し等、グローバル生産体制の構築についてグループを挙げて取り組んでまいります。また、安全、品質上において、基本的なルールを遵守、徹底することをグループ全体の取り組みとして定着させ、経営品質を高めるよう取り組んでまいります。

 

(5) 会社の支配に関する基本方針について

① 会社の支配に関する基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。

当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。

しかし、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主が買付の条件等について検討するための充分な時間や情報を提供しないもの等、株主共同の利益を毀損するものもありえます。

このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。

 

② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの内容の概要

ア 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、より多くの投資家の皆様に末永く継続して投資いただくため、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させる取組みとして、下記(ア)の経営理念を掲げ経営にあたっております。また、これと並行して、下記(イ)のとおり、コーポレートガバナンスの強化、充実に取り組んでおります。

(ア)当社グループの経営理念

当社グループは、企業価値の源泉として4つの価値観を定め、事業活動における全ての行動及び全ての判断の基準として用いています。

(ⅰ)お客様第一主義(お客様の喜びを我々の喜びとする)

(ⅱ)素直な心と勇気(素直な心を尊び勇気ある行動を敬う)

(ⅲ)社員満足(自律した活力あるリーダーを育成する)

(ⅳ)イノベーション(技術を誇り未知なる世界に挑戦する)

(イ)コーポレートガバナンスの整備

(ⅰ) 行動規範

当社では、コンプライアンスの基本として、取締役をはじめ従業員に対し、行動規範であるキタガワ企業行動憲章及びキタガワ自主行動基準を定め、これをグループ全体で遵守しています。

(ⅱ) 経営機構

取締役会規程を定め、月1回の定例取締役会の開催と、必要に応じた臨時取締役会の開催によって、相互の意思疎通を図るとともに、相互の業務執行を監督し、必要に応じ外部の専門家を起用して法令定款違反行為を未然に防止しています。また、当社は監査役会設置会社であり、取締役の職務執行については監査役会の定める監査の方針及び分担に従い、監査役の監査対象としております。

(ⅲ) 内部統制システム

キタガワグループ全体の企業活動の適正を確保する体制として、取締役会は、内部統制システムの基本的事項及び重要事項を決定し、その構築、維持、向上を推進すると共に、下部組織としてコンプライアンス委員会を設置して、コンプライアンスに関する個別の課題について協議、決定を行うとともにコンプライアンスプログラムの策定及び進捗状況の管理を行っています。

さらに、リスク管理委員会を組織し、全社のリスク管理を行っています。特に、内部統制には推進組織を設けて、規程、規則、標準等決められたことは厳しく守る風土作りを小まめに築き上げる活動を進めています。

以上当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることに役員・社員一丸となって取り組んでおり、これらの取り組みは、会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。

イ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させ、上記基本方針を実現するため、平成20年6月27日開催の第98期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得て、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(買収防衛策)を導入し、その後、平成26年6月24日開催の第104期定時株主総会の決議により更新(以下、「本プラン」 といいます。)しております。

本プランでは、当社株式に対し 20%以上の大規模買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。)を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。

大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、更には当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。

 

当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表することとします。

大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損することが明白と判断される場合を除き、対抗措置をとりません。ただし、大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、対抗措置をとることがあります。

このように、対抗措置をとる場合には、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。また、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間を設定し、当該期間中に当社株主総会を開催することとします。

従いまして、大規模買付行為は、株主検討期間を設けない場合は取締役会評価期間、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間のあわせた期間の経過後、開始されるものとします。

本プランは、平成26年6月24日開催の当社第104期定時株主総会において株主の皆様のご承認により継続しており、その有効期限は平成29年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時までとなっております。

ウ 具体的取組に対する当社取締役の判断及びその理由

当社取締役会は、本プランは、以下の理由により上記①の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。

(ア)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。

(イ)株主共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、当社株式に対する買付等がなされた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されたものです。

(ウ)株主意思を反映するものであること

本プランは、平成26年6月24日開催の当社第104期定時株主総会において、株主の皆様のご意思をご確認させていただきましたことから、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。

(エ)独立性の高い社外者の判断の重視

本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されております。

 

(オ)デッドハンド型またはスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期を1年としており、期差任期制を採用していないため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する防衛策)でもありません。なお、当社では取締役解任決議要件につきましても、特別決議を要件とするような決議要件の加重をしておりません。

本プランの詳細につきましてはインターネット上の当社ウェブサイト(http://www.kiw.co.jp/ir/pdf/2014-
04-kabusiki.pdf)に掲載しております。

 

(注)本プランの有効期限は、平成29年6月23日開催の第107期定時株主総会(以下、「本総会」といいます。)終結の時までとなっています。東京証券取引所において適時開示したとおり、平成29年5月12日開催の取締役会において、本総会終結の時をもって、本プランを更新せず廃止することを決議しました。詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成29年5月12日付IR情報「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の非更新(廃止)および定款の一部変更に関するお知らせ」をご参照ください。 

(http://kiw.co.jp/ir/item/201705012baishuboueisakuhaishi.pdf) 

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済動向及び景気動向

当社グループは、売上高のほとんどが民需を主体とした販売によるものであり、国内景気の動向による業績への直接的な影響は避けられません。また、グローバル比率の増加により世界各地でのそれぞれの市場や地域における経済情勢の動向による不確実性も存在しています。

 

(2) 調達価格

当社グループは、金属素形材、工作機器、産業機械と多岐にわたる事業展開を行っているため、多種多様な原材料、部品などの調達を行うとともに、多くの取引先の協力を得ております。原材料の急激な価格上昇、需要逼迫などが生じた場合、コスト増加、工程遅れにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品の品質

当社グループは、ISO9001及びISO14001を取得するなど、品質管理及び環境管理を経営の最重要事項の一つとしております。製品の工程及び完成検査の強化など、製品の品質確保には出来る限りの対応を行っておりますが、製品の開発・製造などにおける品質上のリスクを全て将来にわたって完全に排除することは困難なものと認識しております。

クレーム、欠陥が発生した場合、社会的信用の低下、取引停止、損害賠償などを含め、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 海外進出

当社グループは、アジア、北中米、欧州などにおいて積極的な事業展開を図っております。これらの国、地域においては、予期しない法律または諸規則の変更、政府による政策発動、急激な経済の変化などの要因、宗教・文化の相違、商習慣に関する障害、特別な税金及び関税などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競合及び価格交渉

当社グループは、いずれの市場においても同業他社との激しい競合環境にあり、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況に置かれています。これは、当社グループの収益の維持に対する深刻な圧力となっており、特に市場が低迷した場合に顕著となると考えられます。当社グループは高付加価値製品の提供と効率化によるコスト競争力のアップにより対応していく方針ではありますが、販売価格の下落が進んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害

当社グループは、生産設備などの主要施設に関して、火災・地震等の災害に対する防止策、軽減策及び財務リスクを最小化すべく保険加入などの対策を行っています。しかし、大規模な地震、台風等の自然災害及び火災等の事故が発生し生産設備などが被害を受けた場合、生産・販売活動の中断による製品供給の停止、修復費用の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替相場

当社グループは、貿易取引において外貨建決済を行うことや、生産拠点のグローバル化を進めることによる外貨建債権の保有など、為替相場の変動によるリスクを有しております。これらの取引に対し、先物為替予約や外貨建見合債務の保有などによるヘッジ策を講じておりますが、為替相場の変動によるリスクが完全に回避される保証はなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度は、開発本部では、工作機器事業に新たに投入する工場の自動化に貢献する産業用ロボット向けのグリッパの開発に取り組みました。

具体的には、汎用的な産業ロボットを使用して、主軸停止することなく旋盤へのワーク着脱が可能な回転受け渡しグリッパや、既存モデルに比べ軽量薄型の汎用エアグリッパ、迅速にジグを交換できるクイックチェンジグリッパとなります。これら新型グリッパは2016年11月に東京ビッグサイトで開催されましたJIMTOF2016(国際工作機械見本市)へ出展しました。

また前連結会計年度に引き続き、自社開発した技術を用いた高速NC円テーブルの研究開発に取り組んでおり、こちらもJIMTOF2016へ出展いたしました。

新事業分野では前連結会計年度より販売している微重力環境細胞培養装置「Zeromo」について、引き続き関係機関と共同研究を進めており、装置の有用性を発信しています。

更に、今年度は界面科学分野で使われている「濡れ性」に着目した装置を開発しました。この装置の特徴としては従来法では計測できなかった極めて濡れ性の高い材料を非接触で評価できる今までにない新しい評価方法となっています。この非接触濡れ性評価装置「Wettio」をASTEC2017(先端表面技術展)へ初出展したところ、各業界の研究者から大きな反響を得ています。 

当連結会計年度における研究開発費の総額は 494百万円であり、セグメントの主な研究開発活動の内容は、次のとおりであります。なお、開発本部で行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用 281百万円が含まれております。

 

金属素形材事業

当連結会計年度は、自動車の排気系耐熱鋳鋼製品の量産プロセス確立のために試作模型を製作し、品質確保に必要な製造条件をつかむための基礎実験を行いました。

また耐熱鋳鉄分野でも現在量産している耐熱鋳鉄からさらに耐熱温度の向上を狙った材質の基礎データ収集を行いました。翌連結会計年度は量産に向けた施策を実施します。

また、短期間での試作を可能とするために3Dプリンターを導入し、その応用のためのトライアルを実施、型製作のためのノウハウを蓄積しました。

新たに高強度を有しながら被削性を向上させた鋳鉄の開発に着手し、テストピース評価で一定の成果を挙げることが出来ました。翌連結会計年度ではこの高強度、快削性鋳鉄で製品を試作し製品での被削性に加え、耐久評価まで実施します。

水平造型での立体型方案の実用化による取り個数アップについては、量産試作用の金型設計を完了し、翌連結会計年度は量産試作を行って参ります。

当事業に係る研究開発費は 46百万円であります。

 

工作機器事業

当連結会計年度は、旋盤用チャック関連では、工場の自動化に貢献するジョー交換式オートジョーチェンジ(AJC)のシリーズとして面盤交換式ならびにトップジョー交換式の2機種を開発し、JIMTOF2016にて発表しました。同じくカスタマイズチャックにおいて弊社独自のジョー平行移動引き込み式のDLチャックにロングストロークのDLLを開発、またデフケース専用のPUDチャック、飛び越し把握の出来る旋回方のPUチャックを開発、展示しました。また工程集約に貢献するインデックスチャックのシリーズ化としてKMD260をラインナップいたしました。

NC円テーブル関連では、薄型NC円テーブルCK250のシリーズ展開、同様に油井管加工用として大口径貫通穴仕様のTPシリーズにTP430を追加しました。これらの制御装置であるクインテの機能追加によるバージョンアップを実施し、使い易さも向上させ、JIMTOF2016にて発表しました。

当事業に係る研究開発費は 107百万円であります。

 

 

産業機械事業

当連結会計年度は、NEDOの戦略的次世代バイオマスエネルギー技術開発事業として2013年度よりトヨタ自動車株式会社と共同で進めてきたバイオマス発電の燃料製造用機器の開発を終えました。翌連結会計年度も引き続きインドネシアでの燃料製造設備普及に向けてトヨタ自動車株式会社と連携して活動を継続します。また、秋にはNEDOの成果報告会が予定されています。

建設機械関係では小型クライミングクレーン向けに作業範囲規制装置の開発に取り組み搭載可能となりました。また、ジャイロ機構を利用した吊荷制御装置「ジャイロマスター」の開発を行いました。コンクリートプラント関係では主力制御盤のマイナーチェンジに取り組み市場投入しました。立駐事業関係では前連結会計年度から取り組んできた7層8段の大臣認定取得によって大型商業施設の立駐建設を行いました。翌連結会計年度5月に完成予定です。

当事業に係る研究開発費は 58百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項に記載した予想、見通し、方針等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。また、見積りに関しては、過去の実績等の情報に基づいて判断しておりますが、不確実な要素も含んでおり、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

 ① 資産

当連結会計年度末の総資産は、主に売上債権及び現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて 2,604百万円増加し、68,098百万円となりました。

 ② 負債

当連結会計年度末の負債は、借入金等の減少がありましたが、仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ 166百万円増加し、35,184百万円となりました。

 ③ 純資産

当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等により、2,437百万円増加し、32,913百万円となりました。純資産から非支配株主持分を差し引いた自己資本は 31,754百万円となり、自己資本比率は 46.6%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

 ① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前期比 5.1%増の 55,421百万円となりました。

事業別では、金属素形材事業は自動車部品のグローバル展開への対応を含めたインシェアの拡大と高付加価値製品の新規アイテムの受注活動を進めてまいりましたが、前期にあった汎用エンジン部品の駆け込み特需の反動があったことにより、前期比 4.3%の減収となりました。工作機器事業は商品開発体制を整備し、お客様の要望に応じた顧客個別商品(カスタマイズ商品)の受注から得られたニーズを基に商品開発を加速させてまいりましたが、IT関連等の海外向け設備投資の減少により、前期比 15.6%の減収となりました。産業機械事業は都市圏における再開発事業などの公共事業等が好調に推移し、自走式立体駐車場の遊興施設や商業施設向けの大型物件が増加したことにより、前期比 33.6%の増収となりました。

 ② 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前期比 13.1%減の 4,255百万円となりました。

事業別では、金属素形材事業は、タイ子会社での早期業績回復に向けて鋳造2次ラインの量産稼動への対応等を進めておりますが、汎用エンジン部品の駆け込み特需の反動等により、前期比 21.8%の減益となりました。工作機器事業は中国のEMS(電子機器受託生産サービス)向け受注の不調により、前期比 31.3%の減益となりました。産業機械事業は自走式立体駐車場による需要の増加、業務効率の改善活動による生産性向上により、前期比 33.0%の増益となりました。

 ③ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前期と比べ、為替差損が 832百万円減少したことにより、前期比 9.2%増の 4,312百万円となりました。

 ④ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、タイ子会社の旧設備を減損したこと、好調なメキシコ子会社で税金費用の発生で税額が増加したこともあり、前期比 22.5%減の 2,041百万円となりました。

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 862百万円増加し、9,526百万円となりました。

 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、5,627百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 3,517百万円及び減価償却費 3,082百万円の計上であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額 1,936百万円によるものであります。 

 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,305百万円の支出となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出 3,268百万円によるものであります。

 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,746百万円の支出となりました。これは、主に、長期・短期借入金の純減少額 1,452百万円によるものであります。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

平成25年

平成26年

平成27年

平成28年

平成29年

 

3月期

3月期

3月期

3月期

3月期

自己資本比率(%)

42.8

 

40.8

 

41.9

 

45.8

 

46.6

 

時価ベースの自己資本比率(%)

28.4

 

28.0

 

35.2

 

30.3

 

30.6

 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.2

 

10.7

 

3.4

 

2.7

 

2.6

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

28.6

 

8.7

 

26.1

 

37.2

 

41.7

 

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現状の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案すべく努力しておりますが、当社グループを取巻く経営環境として、中国を始めとするアジア新興国経済の減速、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策に対する懸念、そして為替相場や株式市場が大きく変動する等により、先行きの不透明な状況で推移しております。こうした経営環境の中、生産効率、品質管理を高めるとともに、経費削減などのあらゆるコストダウンに努め、原材料費の価格動向を注視し、調達先の選定、適正価格の調達力をはかることにより利益の確保を必達目標として事業を展開してまいります。加えて、消費地に対応した、メキシコ、タイ、中国の各現地工場の運営、生産の安定化にグループを挙げて取り組み、当社製品ブランドのグローバル展開を推進いたします。