第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、地域社会のなかで育てられた企業グループであると認識し、社会との深いつながりを大切に、株主、顧客、ビジネスパートナーとの共存共栄をモットーとして経営を進めております。市場ニーズに対し、的確に対応した商品を提供することを行動指針として、卓越した技術力でお客様の要望にお応えすることこそ、安定的な企業の発展を支える基盤であると考えて、堅実な経営活動を行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、変化の激しい事業環境や市場動向に迅速に対応し、売上高に大きく左右されることなく適正利益を生み出せる強靭な事業体質を目指しており、経営効率・財務基盤強化の観点から、各事業での経常利益と売上高経常利益率を重視しております。加えて、投下資本の運用効率・収益性を図る指標として総資産利益率(ROA)及び株主利益重視の観点から自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「Next Decade Plan2021」を策定し、事業目標、企業ビジョン、事業ビジョン、組織ビジョンを明確化したうえで、中長期的な経営に取り組んでまいります。この計画の全体基調は収益基盤の強化を指向するものであり、海外市場での事業展開及び事業基盤の強化、成熟事業分野における収益基盤の確立、新たな価値を創造する新規事業の立上げなどを示しております。

また、今後成長の望める海外市場を確保するため当社グループは引き続き、海外拠点の事業基盤の確立に努めるとともに、戦略的な経営資源の投入を行うなど、事業領域の拡張に取り組んでまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

今後の経済情勢としましては、国内の経済状況は経済政策等の各種政策の効果により、堅調な雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費の拡大や企業の設備投資の継続などを背景に景気は緩やかな改善が続くものと予測されます。しかしながら、海外では米国の政策動向や北朝鮮情勢などの地政学的リスクが継続し、依然として先行きの不透明な状況が続くと思われます。

このような状況の中、平成30年4月よりカンパニー制を導入し、各カンパニーの成長、経営人材の育成、事業執行機能への権限委譲による事業環境変化への対応力と顧客価値創造力の向上を目指します。また、当社グループの海外生産拠点及び国内工場の生産効率や品質の改善を行い生産性の向上に努め、計画利益の確保に努めてまいります。

 

       カンパニー名称は下記のとおりとしております。(平成30年4月1日より)

カンパニー名称

事業内容

キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー

( Kitagawa Material Technology Company )

金属素形材事業

キタガワ サン テック カンパニー

( Kitagawa Sun Tech Company )

産業機械事業

キタガワ グローバル ハンド カンパニー

( Kitagawa Global hand Company )

工作機器事業

 

 

次期の事業セグメントごとの主な戦略は次のとおりであります。

 

金属素形材事業(キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー)

平成30年の世界新車販売台数は、前年並みの水準で堅調に推移するものと予測されます。さらに、建設機械、農業機械は増加が見込まれ、特にエンジンについては平成30年度に適用開始となる新たな排ガス規制強化に向けた駆け込み需要と世界的な好況により増産となる見通しです。
 このような状況の中、当事業におきましては、国内外の生産拠点の生産効率や品質の向上を図り、コア領域である自動車トランスミッション部品を中心とした、高付加価値製品の受注に努め、競争力、収益力を強化してまいります。また、海外拠点であるメキシコ子会社の受注品目拡大やタイ子会社の収益確保の体制作りに努めてまいります。

 

産業機械事業(キタガワ サン テック カンパニー)

国内の建設関連業界においては、公共及び民間の建設投資は引き続き堅調に推移することが予想されています。防災・減災関連事業、オリンピック関連及びリニア新幹線関連工事に関する需要の増加、また設備の老朽化に伴う生産者の投資意欲が高まることが期待されています。一方、鉄筋工をはじめとする建設技能労働者の不足により慢性的な労務費の高騰や工期遅れが発生する懸念があります。
 このような状況の中、コンクリートプラント及び関連設備では、プラントの建替えや改造工事に対する投資意欲が高いため、納入物件のメンテナンスサービスと合わせて販売の強化に努めてまいります。荷役機械関連設備では、主力の中低層ビル向け小型クレーンと首都圏で需要が多い大型建築向け大型クレーンに加え、トラベラークレーンや荷役旋回装置の販売強化及び海外展開を模索してまいります。環境関連機器では、装置の機能向上と業界における認知度の向上に努めてまいります。自走式立体駐車場では、商業施設をはじめ、遊興施設などの需要が増加する見通しです。なお、産業機械事業の製品ラインナップは多岐にわたるため、今年度よりカンパニー組織内に、コンクリートプラントなどのカテゴリーごとの本部を設ける体制に移行します。これにより、より一層お客様のニーズに迅速かつ的確に応えることを実現し、お客様満足の向上に努めてまいります。

 

工作機器事業(キタガワ グローバル ハンド カンパニー)

平成30年度の工作機器市場は、米国の政策動向や北朝鮮情勢などの地政学的リスクはありますが、前年度に引き続き好調を維持するものと予測しております。内需では前期に引き続き堅調な状況を持続するものと見られます。外需においては、特に中国市場は「中国製造2025」などFA業界に対しての追い風もあり、工作機械受注についても高い水準で推移するものと予測しております。また、EMS(電子機器受託生産サービス)向けの業界についても比較的堅調に推移するものと予測しております。
 このような状況の中、当事業におきましては、市況の好調さからお客様のニーズも高まっており、それに伴う需要に対応すべく生産設備増強について検討をしてまいります。そして、カンパニー全体で品質管理体制の再構築を行い、品質を高めることで顧客満足度の向上を目指してまいります。また、商品開発をさらに加速させ、次期主力となる新商品の開発に傾注してまいります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済動向及び景気動向

当社グループは、売上高のほとんどが民需を主体とした販売によるものであり、国内景気の動向による業績への直接的な影響は避けられません。また、グローバル比率の増加により世界各地でのそれぞれの市場や地域における経済情勢の動向による不確実性も存在しています。

 

(2) 調達価格

当社グループは、金属素形材、工作機器、産業機械と多岐にわたる事業展開を行っているため、多種多様な原材料、部品などの調達を行うとともに、多くの取引先の協力を得ております。原材料の急激な価格上昇、需要逼迫などが生じた場合、コスト増加、工程遅れにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品の品質

当社グループは、ISO9001及びISO14001を取得するなど、品質管理及び環境管理を経営の最重要事項の一つとしております。製品の工程及び完成検査の強化など、製品の品質確保には出来る限りの対応を行っておりますが、製品の開発・製造などにおける品質上のリスクを全て将来にわたって完全に排除することは困難なものと認識しております。

クレーム、欠陥が発生した場合、社会的信用の低下、取引停止、損害賠償などを含め、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 海外進出

当社グループは、アジア、北中米、欧州などにおいて積極的な事業展開を図っております。これらの国、地域においては、予期しない法律または諸規則の変更、政府による政策発動、急激な経済の変化などの要因、宗教・文化の相違、商習慣に関する障害、特別な税金及び関税などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競合及び価格交渉

当社グループは、いずれの市場においても同業他社との激しい競合環境にあり、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況に置かれています。これは、当社グループの収益の維持に対する深刻な圧力となっており、特に市場が低迷した場合に顕著となると考えられます。当社グループは高付加価値製品の提供と効率化によるコスト競争力のアップにより対応していく方針ではありますが、販売価格の下落が進んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害

当社グループは、生産設備などの主要施設に関して、火災・地震等の災害に対する防止策、軽減策及び財務リスクを最小化すべく保険加入などの対策を行っています。しかし、大規模な地震、台風等の自然災害及び火災等の事故が発生し生産設備などが被害を受けた場合、生産・販売活動の中断による製品供給の停止、修復費用の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替相場

当社グループは、貿易取引において外貨建決済を行うことや、生産拠点のグローバル化を進めることによる外貨建債権の保有など、為替相場の変動によるリスクを有しております。これらの取引に対し、先物為替予約や外貨建見合債務の保有などによるヘッジ策を講じておりますが、為替相場の変動によるリスクが完全に回避される保証はなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国の経済は、企業収益や設備投資の持ち直し、雇用環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外では米国の政策動向や北朝鮮情勢などの地政学的リスクが依然として継続し、先行き不透明な状況で推移しました。
 このような状況の中、当社グループでは、品質の向上、生産効率の向上に継続して取り組み、国内及び海外の生産拠点の収益改善や生産設備増強など事業基盤の確立に向けグループを挙げて取り組んでまいりました。
 金属素形材事業関連では、主力である自動車トランスミッション部品及び建設・農業機械向け部品が堅調に推移しました。工作機器事業関連では、工作機械業界の受注拡大基調を受け、国内外ともに需要が増加し好調に推移しました。産業機械事業関連では、建設投資が引き続き好調に推移し、荷役機械関連設備が伸長しましたが、自走式立体駐車場の大型案件の工事件数が前期に比べて減少しました。
 その結果、当連結会計年度の売上高はグループ全体で、56,051百万円(前期比 1.1%増)、営業利益は 4,484百万円(前期比 5.4%増)となりました。また、経常利益は為替差損益が差益 79百万円に転じたことから、5,152百万円(前期比 19.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,492百万円(前期比 71.1%増)となりました。
 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

金属素形材事業

自動車関連業界につきましては、世界の新車販売台数(平成29年1月~12月)は、前年比 2.4%増の 9,531万台となり、8年連続で過去最高を更新しました。当事業におきましても、主力である自動車トランスミッション部品は国内外ともに生産が堅調に推移しました。また、建設・農業関連業界につきましては、国内市場では建設・農業機械ともに排ガス規制強化後の販売低迷から回復に転じました。欧米市場では、インフラやエネルギー関連などを中心に工事が増加し、建設機械や小型トラクタ、エンジンが総じて好調に推移しました。中国市場においても、建設機械や田植機、エンジンは大幅に需要増加となりました。

このような状況の中、既存顧客の海外展開への対応を含めた顧客の部品需要に対する当社シェアの拡大と当社の強みである素材と加工の一貫生産を活かした高付加価値製品の新規受注活動に注力してまいりました。また、原材料価格の上昇分の販売価格への転嫁の遅れから利益率は減少しておりますが、生産性の向上、不良の低減、歩留り改善による生産効率の改善や調達コストの削減により、収益性の改善を継続してまいりました。併せて国内では、生産拠点である福山工場に加工棟を新設、メキシコ子会社では、鋳造2次ラインを新設し量産開始の準備を進め、タイ子会社では、鋳造2次ラインを本格的に稼働させました。
 その結果、当事業の売上高は 26,699百万円(前期比 14.0%増)、セグメント利益(営業利益)は 1,805百万円(前期比 5.0%増)となりました。

 

工作機器事業

一般社団法人日本工作機械工業会の発表によりますと、平成29年度(平成29年4月~平成30年3月)の工作機械受注総額は 1兆7,803億円(前期比 38.1%増)となり、過去最高の受注総額となりました。内需は 6,879億円(前期比 29.4%増)、外需は 1兆923億円(前期比 44.2%増)となり、受注額は内外需ともに前期比で大幅に上回り、好調に推移しました。
 当事業におきましては、工作機械業界の活況を受け、国内、海外ともに受注状況は好調に推移しました。国内市場では、補助金などの政策効果もあり、工作機械メーカー向け、一般ユーザー向けともに好調に推移し、特に一般ユーザーからの受注が伸びました。中国市場では、EMS(電子機器受託生産サービス)向けの受注は12月に入り一服感が見られましたが、一般機械や自動車向けが好調に推移しました。また北米、欧州、インドなどの各市場も好調に推移したため、需要が増加しました。
 このような状況の中、工作機械業界全体での受注の高まりに対応するため、生産設備の追加導入や稼動改善、生産要員の確保及び主要部品の確保に努めました。また、商品開発体制を整備し、顧客個別商品(カスタマイズ商品)の受注から得られたニーズを基に商品開発へ取り組んでまいりました。昨年10月に開催されたメカトロテックジャパン2017、本年1月に開催された第2回ロボデックスロボット開発・活用展へ出展した商品の販売を拡大し、受注増加に努めてまいりました。
 その結果、当事業の売上高は 12,445百万円(前期比 17.5%増)、セグメント利益(営業利益)は 2,917百万円(前期比 47.7%増)となりました。

 

産業機械事業

国内の建設関連業界においては、首都圏を中心に平成29年度(平成29年4月~平成30年3月)公共及び民間の建設投資は 53兆円になる見通しであり、好調に推移しました。一方、国土交通省の建設労働需給調査によると、鉄筋工をはじめとする建設技能労働者が不足傾向となっており、慢性的な労務費の高騰や工期遅れなどが続きました。
 当事業におきましては、コンクリートプラント及び関連設備では、既存設備の建替え工事や改造工事、またメンテナンス関係の需要が堅調に推移しました。荷役機械関連設備では、首都圏を中心に大型建築向け大型クレーンに加えて集合住宅向け小型クレーンの需要が増加しました。環境関連機器では、造粒固化処理設備とバイオマスに注力してまいりました。自走式立体駐車場では、前期比では大型案件の工事件数は減少しました。
 このような状況の中、業務効率改善活動に取り組み、生産効率の向上、継続した経費削減を行うなど収益性の向上に努めてまいりました。    
 その結果、当事業の売上高は 16,906百万円(前期比 21.0%減)、セグメント利益(営業利益)は 2,508百万円(前期比 23.2%減)となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、7,558百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 5,014百万円及び減価償却費 3,083百万円の計上であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額 1,655百万円によるものであります。前期比では、主に、売上債権の減少により 1,931百万円の収入増となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、5,031百万円の支出となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出 5,218百万円であります。前期比では、主に、有形固定資産の取得による支出の増加により 1,726百万円の支出増となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,060百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、長期・短期借入金の純減少額 1,177百万円および配当金の支払額 569百万円であります。前期比では、主に、非支配株主からの払込による収入の減少により 314百万円の支出増となりました。

これらにより当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 450百万円増加し、9,977百万円となりました。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しており、前期比は、前連結会計年度の数値を変更後の区分方法に組替えて比較しております。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

金属素形材事業

26,754

+14.0

工作機器事業

12,527

+25.3

産業機械事業

16,681

△20.3

合計

55,963

+2.9

 

(注) 1 金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

金属素形材事業

26,757

+14.1

908

+6.8

工作機器事業

13,674

+24.8

3,304

+59.2

産業機械事業

20,944

+20.3

13,731

+41.7

合計

61,377

+18.5

17,944

+42.2

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

金属素形材事業

26,699

+14.0

工作機器事業

12,445

+17.5

産業機械事業

16,906

△21.0

合計

56,051

+1.1

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱クボタ

6,442

11.5

 

 前連結会計年度において総販売実績の100分の10以上の販売先はありませんでしたので、記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

本項に記載した予想、見通し、方針等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。また、見積りに関しては、過去の実績等の情報に基づいて判断しておりますが、不確実な要素も含んでおり、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

 ② 財政状態の分析

 a 資産

当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べて 3,549百万円増加し、71,648百万円となりました。

 b 負債

当連結会計年度末の負債は、仕入債務の増加などにより、前連結会計年度末に比べて 290百万円増加し、35,475百万円となりました。

 c 純資産

当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上があり、前連結会計年度末に比べて3,259百万円増加し、36,173百万円となりました。純資産から非支配株主持分を差し引いた自己資本は 34,834百万円となり、自己資本比率は 48.6%となりました。

 

 ③ 経営成績の分析

 a 売上高

当連結会計年度の売上高は、前期比 1.1%増の 56,051百万円となりました。

事業別では、金属素形材事業は既存顧客の海外展開への対応を含めた顧客の部品需要に対する当社シェアの拡大と当社の強みである素材と加工の一貫生産を活かした高付加価値製品の新規受注活動に注力したことにより、前期比 14.0%の増収となりました。工作機器事業は工作機械業界の活況を受け、国内、海外ともに受注状況は好調に推移したため、前期比 17.5%の増収となりました。産業機械事業はコンクリートプラント及び関連設備では、既存設備の建替え工事や改造工事、またメンテナンス関係の需要が堅調に推移しました。荷役機械関連設備では、首都圏を中心に大型建築向け大型クレーンに加えて集合住宅向け小型クレーンの需要が増加しましたが、自走式立体駐車場の大型案件の工事件数が前期より減少したことにより、前期比 21.0%の減収となりました。

 b 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前期比 5.4%増の 4,484百万円となりました。

事業別では、金属素形材事業は、生産性の向上、不良の低減、歩留り改善による生産効率の改善や調達コストの削減により、前期比 5.0%の増益となりました。工作機器事業は、工作機械業界全体の受注の高まりに対応するため、生産設備の追加導入や稼動改善に努めて生産性を向上させたことにより、前期比 47.7%の増益となりました。産業機械事業は自走式立体駐車場の大型案件の工事件数減少による売上高の減少により、前期比 23.2%の減益となりました。

 c 経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前期と比べ、為替差損益が差益 79百万円に転じたことにより、前期比 19.5%増の 5,152百万円となりました。

 d 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加により、前期比 71.1%増の 3,492百万円となりました。

 

 

 ④ キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 450百万円増加し、9,977百万円となりました。

 a 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、7,558百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 5,014百万円及び減価償却費 3,083百万円の計上であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額 1,655百万円によるものであります。 

 b 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、5,031百万円の支出となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出 5,218百万円によるものであります。

 c 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,060百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、長期・短期借入金の純減少額 1,177百万円及び配当金の支払額 569百万円であります。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

平成26年

平成27年

平成28年

平成29年

平成30年

 

3月期

3月期

3月期

3月期

3月期

自己資本比率(%)

40.8

 

41.9

 

45.8

 

46.6

 

48.6

 

時価ベースの自己資本比率(%)

28.0

 

35.2

 

30.3

 

30.6

 

35.4

 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

10.7

 

3.4

 

2.7

 

2.6

 

1.7

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

8.7

 

26.1

 

37.2

 

41.7

 

62.2

 

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループにおける資金需要の主なものは、製品製造のための原材料及び部品の購入のほか、製造費用、販売及び一般管理費の営業費用による運転資金、また、製造設備の増強、合理化及び更新を目的とした設備資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達となります。

当連結会計年度におきましては、金属素形材事業で設備投資を行いましたが、営業活動によるキャッシュ・フローの増加等により、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は 9,977百万円となり、前期末比 450百万円の増加となりました。

 

 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

今後の経済情勢としましては、国内の経済状況は経済政策等の各種政策の効果により、個人消費の拡大や企業の設備投資の継続などを背景に景気は緩やかな改善が続くものと予測されますが、海外では米国の政策動向や北朝鮮情勢などの地政学的リスクが継続し、依然として先行きの不透明な状況が続くと思われます。

こうした経営環境の中、生産効率、品質管理を高めるとともに、経費削減などのあらゆるコストダウンに努め、原材料費の価格動向を注視し、調達先の選定、適正価格の調達力の強化をはかることにより利益の確保を必達目標として事業を展開してまいります。各セグメントの具体的な取り組みは「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した活動を進めてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度は、産業用ロボット向けの汎用グリッパの販売を開始しました。ユーザー様からの反応も良く、好評を得ております。また、こちらの商品は弊社のイメージカラーを取り入れて、グッドデザイン賞も受賞できました。その他の開発状況としては、多品種少量生産に適したクイックチェンジグリッパや回転受渡しグリッパ、マシニングセンターの加工領域を拡大するスピンドル割出装置を引き続き進めております。これら開発品をメカトロテックジャパン2017や第2回ロボデックスロボット開発・活用展に出展しました。来場者の反応も良く早期に商品化を行い、翌連結会計年度から販売を開始します。

新事業分野では引き続き微小重力環境細胞培養装置「Zeromo」を研究者向けに販売しております。また、関係機関との共同研究を進めており、装置の有用性について論文投稿を行っております。さらに前連結会計年度より開発を進めておりました非接触濡れ性評価装置「Wettio」も順調に開発が進んでおり、ASTEC2018(先端表面技術展)へ出展しました。来場者の反応も良く、様々な業界の方からデモ試験の依頼が発生しております。このデモ試験を通じて翌連結会計年度からの「Wettio」の販売へ繋げて参ります。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は476百万円であり、セグメントの主な研究開発活動の内容は、次のとおりであります。なお、開発本部で行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用241百万円が含まれております。

 

金属素形材事業
 当連結会計年度は、前連結会計年度に引き続き耐熱鋳鉄分野において現在量産している耐熱鋳鉄から、さらに耐熱温度の向上を狙った材質の量産に向けた試作を行い、量産化へ進展しました。

また、短期間での試作を可能とするために3D樹脂プリンターを使ったトライアルを実施、型製作のためのノウハウを蓄積しました。

前連結会計年度から着手した高強度を有しながら被削性を向上させた鋳鉄の開発はテストピース評価に続いて実製品のサンプルを作成し、既存の被削性を向上させた鋳鉄製製品との比較評価を行い、製品での被削性、耐久評価で一定の成果を挙げることができました。
 また、前連結会計年度に導入した新たな鋳造シュミレーションソフトにおいて、自社ラインとの整合性を高め、引け巣解析の精度向上が実現できました。次年度は硬度や鋳造欠陥などの予測精度を上げる取り組みをして参ります。

当事業に係る研究開発費は38百万円であります。

 

工作機器事業

当連結会計年度は、旋盤用チャック関連では自動化に貢献するオートジョーチェンジャー(AJC)として面盤交換式とトップジョー交換式に加え、新たにジョーセット交換式の開発が進捗しました。また薄型部品の加工需要増に対応し、低歪みで部品を把持できる薄型DLチャックを開発しました。同じくカスタマイズチャックでは角型部品を引込ながら把持できる特殊チャックを開発しました。

NC円テーブル関連では更なる精度と耐久性の向上を図るため、構成要素部品の評価技術向上に取り組みました。またNC円テーブルの制御装置であるクインテの操作性を向上させるアクセサリー類の開発に取り組みました。

当事業に係る研究開発費は108百万円であります。

 

 

産業機械事業
 当連結会計年度は、NEDOの戦略的省エネルギー技術革新プログラムとして2017年度より「生コンクリートスラッジ水高度利用システムの開発」が採択され、広島地区生コン協同組合他2社と共に実証設備の設計・製作を行いました。翌連結会計年度も引き続き技術実証活動を継続します。

生コンプラント本体では主材をメッキ仕様とした標準プラントの開発に取り組みました。翌連結会計年度5月に当社甲山工場にて公開予定です。制御盤関係ではコンクリートの練りあがりを表示するスランプモニターを開発し市場投入しました。

環境分野ではバイオマス発電向け燃料製造装置の大型化に取り組み、設計を終了しました。翌連結会計年度は海外向け燃料製造プラントへ技術提案予定です。

建設機械関係ではクレーン向けに荷吊姿勢制御の開発に取り組みました。翌連結会計年度も荷吊姿勢制御の一環として荷振れ防止制御等の開発活動を継続します。

立駐事業関係では2.5t仕様の4層5段、5層6段式立体駐車場の大臣認定取得に向け構造確認を行いました。翌連結会計年度11月に大臣認定を取得予定です。

当事業に係る研究開発費は87百万円であります。