第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社は、「人と時間」「人と環境」の分野で新しい価値を創造し、安心・快適で健全な社会の実現に貢献することを経営理念としております。

  この経営理念のもと、経営環境の変化に対応した最適なガバナンス体制を機軸に、既存事業の拡大に加え中長期・グローバルな視点での新しい事業・市場を創出して持続成長を実現することにより企業価値の最大化を図ります。また、事業活動を通じて確保した適正な利益を継続的に還元して、「顧客、取引先、株主、社員、地域社会」の全てのステークホールダーに信頼され評価される企業を目指してまいります。

  当社は、平成29年4月から平成32年3月までの3ヵ年の「第7次中期経営計画」を策定しております。
その概要は次のとおりであります。

 

[1]基本方針

  第7次中期経営計画では、「100年企業への2nd Stage -持続成長のための革新的価値創造-」を経営コンセプトとして掲げ、コンプライアンス重視やコーポレートガバナンスの更なる強化を基礎としながら、企業価値向上に向けて4つの重要課題に取り組んでまいります。

  ①「エリア別成長戦略」… 日本・北米・欧州・アジアの4極でそれぞれの成長戦略を推進

  ②「経営基盤強化」… 継続的なコスト削減活動や働き方改革による生産性向上等に基づく経営体質の強化

  ③「イノベーション創出」… 断トツのニッチトップを目指すとともに第6、7の柱を構築

 ④「ブランド価値向上」… 上記重要課題の取組みにより、アマノブランドの価値向上を推進

 

 第7次中期経営計画の目標は、「トリプル11」の達成といたします。

 ①営業利益率   11%以上

 ②ROE     11%以上

  ③売上高連単倍率 11%伸長

 

  この基本方針に基づく地域別の主な施策と課題は以下のとおりです。

 

1.日本市場

  日本市場は、国内グループ各社やグループ外の企業とも連携を強化し、全事業についてハード、ソフト、サービスに亘る総合ソリューション提案力の質と量の向上を図り、戦略的な「3in1活動」を推進し、既存顧客の深堀りや囲い込みによるストックビジネスの拡大につなげ、各事業で中長期における断トツのニッチトップを目指します。

 情報システムは、「長時間労働(過重労働)」撲滅、「生産性向上」を目的として政府主導で企業への指導が強化される中、「適正な労働時間の管理」に対する取り組みが注目されており、労働時間管理体制の整備・構築を目的とした就業管理システムへの潜在的需要が顕在化してきております。また、多様な働き方を目的とした労働基準法改正への動きなどを背景に、企業のシステムの更新需要やクラウド、スマートデバイスを利用したシステムへの需要拡大が見込まれます。

 このような市場環境下、中小市場向け人事労務管理パッケージソフトウェア「TimePro-NX」による就業・人事・給与のトータル提案を一層強化し、ハード・ソフト・サービス・クラウドまでの「ワンストップサービス」で顧客基盤の拡大を図ってまいります。また、中堅・大規模市場では、クレオ社との連携により就業・人事・給与・会計のソフトウェアとコンサルティング営業の強化による「HRソリューションベンダー」を目指した業容拡大に取り組んでまいります。

 パーキングシステムは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた不動産市況の活性化を背景に、駐車場関連市場が引続き拡大しております。また、駐車場運営上のコスト削減、場内の安全・安心の確保、環境への配慮、利用者の利便性の向上に加えて、Webを介した駐車場利用やキャッシュレス等の新たな運用に関するソリューション提案ニーズが高まってきております。

 

 このような市場環境下、システム機器の機能・操作性の向上を図りつつ、大手駐車場管理会社との連携を一層強化し、中小駐車場管理会社には駐車場データセンターを介した各種サービスなどを提供するとともに、予約ビジネスやシェアリングエコノミー等の市場変化に対応するべく「パーキングトータルソリューションベンダー」を目指してまいります。また、駐輪場やセキュリティゲート、有料道路などの施設に関する取り組みも強化拡充を継続し、事業の拡大を図ってまいります。

 環境システムは、国内では自動車関連企業を中心に企業の設備投資は底堅く、海外では中国経済の持ち直しの動
きが続き、米国をはじめとする海外での日系企業の設備投資は堅調に推移しております。

 このような市場環境下、国内では新製品投入による汎用機の台数拡大を図るとともに、景況感に左右されにくい製薬・食品・化粧品市場等の事業領域の拡大を図ってまいります。また、産業機器メーカーとの提携などによるエンジニアリング力の強化と周辺装置を含めたトータル販売に取り組み、「M2Mパーシャルソリューションベンダー」を目指してまいります。

 クリーンシステムは、企業の清掃コスト削減の動きが継続する一方、清掃作業員の高齢化や未経験者の増加が進む中、清掃機器の安全性・操作性の向上のみならず、ローコストで建物の美観維持に関わるニーズも高まっております。

 このような市場環境下、国内では、清掃ロボット(ロボット洗浄機・ロボット掃除機)市場の拡大や新型洗浄機によるファクトリー市場の拡大、保守契約やサプライ品の受注推進によるストックビジネスの拡大など、顧客基盤の強化を図ってまいります。また、清掃受託や美観維持も含めた総合提案を推進し、清掃ロボットを中心とした「ロボティクスソリューションベンダー」を目指してまいります。

 

2.北米市場

  北米においては、パーキングシステムは、アマノマクギャン社においてシステム機器の拡販や、ローエンド市場向け新システムの早期定着を図ります。情報システムは、アキュタイムシステムズ社の就業情報ターミナルの拡販、クラウドサービスの展開により、業容の拡大を図ります。クリーンシステムはアマノパイオニアエクリプス社の木材床研磨機器部門のさらなる業容拡大を図るとともに、新たなニッチ領域やチャネルの開拓を進めてまいります。環境システムは、一昨年設立したアマノメキシコ社において自動車関連企業を中心とした日系進出企業への汎用機の拡販を図ります。

 

3.欧州市場 

 欧州においては、情報システムは、ホロクオルツ社におけるワークフォース・マネジメント、アクセスコントロール事業等の推進による顧客基盤の更なる強化を図ります。パーキングシステムは、運営受託事業の展開による事業拡大を図ります。

 

4.アジア市場

 アジアにおいては、パーキングシステムは、運営受託事業のサービス強化と新たな地域への展開により、事業拡大を目指します。環境システムは、アジアグループ各社と日本との連携により、日系企業へのエンジニアリング力、販売・サービス体制を強化し、また、現地生産の拡大によるコスト競争力の向上を図ります。

 

 この他、対処すべき課題としては、以下の項目が掲げられます。

 

1.働き方改革の実践

  全社の生産性向上を図るために、体内時計を変え、仕事の優先順位を意識したスケジューリングを行うことで、従業員一人ひとりが生産性を高める取組みを継続して進めてまいります。自社で実践した取組みについては、「HRソリューションベンダー」として事例と成果を外部に発信するとともに、就業管理システム等の当社の商品力向上にも活かしてまいります。

 

 

2.イノベーションの創出

  各事業におけるNo.1領域を増やすことで「断トツのニッチトップ」を目指すとともに、新規事業として「第6、7の柱」の構築を行うために、自社の技術・ノウハウに拘らず、ベンチャー企業等との連携やM&Aによって社外の技術・ノウハウを取り込むといったオープンイノベーションの推進を図ってまいります。また、将来の市場トレンドを想定し、AIやIoT、ロボット、Web等を活用した先端的なビジネス展開を目指すため、現在の商品・サービスラインナップに必ずしも固執しない研究開発(イノベーションジレンマの打破)にも取り組んでまいります。

 

3.ブランド価値の更なる向上

  企業価値向上に向けて、マスメディアやソーシャルメディア等を活用して市場全体での当社認知度向上を図るとともに、事業毎のブランド戦略を強く推進し、グループ各社とのシナジー効果をこれまで以上に創出していくことで、当社ブランド力の更なる向上を図ってまいります。

 

[2]数値計画

  本計画の最終年度である平成32年3月期は売上高1,400億円以上、営業利益160億円以上の達成を目指してまいります。

  <数値計画>

(単位:百万円)

 

 平成30年3月期(実績)

平成31年3月期(修正)

平成32年3月期

 

金額

前年比

金額

前年比

金額

前年比

売上高

124,405

3.6%

130,000

4.5%

142,000

9.2%

営業利益

14,350

9.0%

15,000

4.5%

16,000

6.7%

営業利益率

11.5%

11.5%

11.3%

経常利益

15,060

9.1%

15,700

4.2%

16,400

4.5%

親会社株主に
帰属する
当期純利益

10,019

8.6%

9,800

△2.2%

10,800

10.2%

 

 

 

2 【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家に重要な影響を及ぼす可能性のあると想定される事項には、以下のものがあります。

  なお、当社グループは、現在及び将来における事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項については、可能な限りこれらを想定した中でリスク要因の排除、対応に注力し事業活動を行っております。

  また、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社が判断したものであります。

 

① 経営環境等の変化による収益への影響

  当社グループは、蓄積した独自技術とノウハウにより高品質な製品やサービス、ソリューションを顧客に提供し、各事業領域において日本をはじめ北米・欧州・アジア各地域で高い市場シェアを占め、グローバルな事業展開を行っております。

  当社グループの平成30年3月期における事業部門別売上高の構成比は、時間情報システム事業が73.3%、環境関連システム事業が26.7%の割合となっております。営業利益への貢献割合につきましては、配賦不能経費控除前で時間情報システム事業が71.5%、環境関連システム事業が28.5%となっております。また、直近5ヵ年間の加重平均値を用いた場合でも、時間情報システム事業は売上高で72.8%、営業利益で73.2%を占めております。

  将来のリスク要因としては、当社グループの業績において高い割合を有する時間情報システム事業について、需要構造の激変、新市場の創出等により市場拡大が見込まれると予測された場合、異業種からの参入または強力な競争相手の参入が予想されます。この場合、競争相手が当社を凌駕する革新的な製品やソリューションをもって参入してきたとき、当社グループの市場優位性が低下し、業績へ重大な影響を与えることがあります。

 

② 為替相場の変動

  当社グループは、グローバルな事業展開を進めており、海外に製造・販売拠点を保有しております。したがって、当社グループの業績は、海外での取引を円換算する際に、為替相場の変動により影響を受ける状況にあります。

 

③ 情報セキュリティ

  当社グループでは、システム・ソリューションの提案やASP・SaaSサービス、ホスティングサービス等のクラウドビジネスを展開する中で、顧客及び顧客からお預かりした個人情報等の機密情報を取扱っております。そのため、「情報セキュリティ管理規程」に基づく安全管理措置の強化・徹底を図り、具体的には、ハードディスクや外部媒体の暗号化による機密情報漏洩防止措置、定期的なe-learningによる社員教育等を実施しております。また、当社は平成26年2月にプライバシーマークの認証を取得し、業務委託先の監督や社内規定の遵守徹底を図る等、情報セキュリティへの取組みについては万全を期しておりますが、予期せぬ事態によりそれら機密情報や個人情報の紛失、漏洩が起きた場合には、信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害

  大規模地震や風水害等の自然災害発生時には、人的・物的被害を受ける可能性があります。当社グループでは、平時より災害時緊急連絡カードの常時携帯、緊急連絡網や安否確認システムの整備、ファイルサーバーの外部データセンター移設、また緊急事態発生時における災害対策本部設置体制の整備等、必要な措置を講じておりますが、販売拠点である営業所及び製造拠点である事業所の損壊や従業員の業務従事困難な状況の発生により、事業活動が一時的に継続できなくなる可能性があります。

 

⑤ 海外展開

  当社グループは、日本をはじめ北米・欧州・アジア各地域においてグローバルな事業展開を行っております。展開先の国・地域における独自の法令諸規則適用や政治変動による社会混乱、戦争・テロ発生等により、業務不能な状況となることも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末日における資産・負債の報告金額並びに当連結会計年度における収益・費用の報告金額に関する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。その詳細は第5[経理の状況]1[連結財務諸表等]「注記事項」「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

(2) 経営成績

  当連結会計年度におけるわが国経済は、海外は地政学リスクや欧米の政治・経済動向などに先行き不透明な状況がみられるものの、引続き堅調な米国経済に加え、中国経済の持ち直しの動きが続いており、国内では、好調な企業収益を背景に雇用環境や設備投資は底堅く、輸出が増加するなど、景気の回復基調は継続しているものと考えられます。

  このような経営環境下にあって、当社グループは、平成29年4月よりスタートした第7次中期経営計画において、「100年企業への2nd Stage -持続成長のための革新的価値創造-」を経営コンセプトに掲げ、日本、北米、欧州、アジア4極各々の成長を目指し、またコスト削減活動やアマノ流働き方改革等を通じて経営体質の強化にも努めてまいりました。

  この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は1,244億5百万円(前期比3.6%増)、営業利益143億50百万円(同9.0%増)、経常利益150億60百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益100億19百万円(同8.6%増)となり、増収増益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 時間情報システム事業

  時間情報システム事業の売上高は、912億68百万円で、前期比42億57百万円の増収(4.9%増)となりました。

  情報システムは、国内では政府が推進する「働き方改革」を背景に、長時間労働の是正、生産性の向上、多様な人材活用に向けた今後の企業の動向が注目されております。当社はこのような市場環境において、「HR(Human Resources)のアマノ」として就業・給与・人事の3in1に入室・セキュリティを加え、システムの所有から利用までのトータルソリューション提案活動の強化に取り組んでまいりました。当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、ハードウェアは90百万円減収(2.1%減)、ソフトウェアは12億22百万円増収(21.5%増)、メンテ・サプライは65百万円増収(1.6%増)となりました。ハードウェアの減収は、前期の大口受注の反動によるもので、ソフトウェアの増収は中小規模向け「TimePro-NX」、中堅・大規模向け「TimePro-VG」がともに好調に推移したことによるものです。クラウドサービスを展開するアマノビジネスソリューションズ社は引続き堅調に推移し増収となりました。海外の実績は、北米のアキュタイムシステムズ社、欧州のホロクオルツ社ともに増収となり、海外全体では8億2百万円増収(前期比8.5%増)となりました。以上の結果、当事業部門の売上高は267億59百万円(前期比7.9%増)となりました。

  時間管理機器は、標準機の恒常的な需要はあるものの、低価格化の動きが継続しております。一方で、国内では「働き方改革」の動きの中で導入のしやすさから一定のニーズが維持されております。当社はこのような市場環境において、使いやすさ向上と機能を強化したパソコン集計ソフト付タイムレコーダーの拡販に注力するとともに、ユーザークラブ(有償会員サービス)による顧客基盤の拡充に取り組んでまいりました。当期の国内実績は、前期に比べ、タイムレコーダーの販売台数増加により増収、全体では16百万円増収(前期比0.5%増)となりました。また、海外の実績は、欧州では横ばいも北米、アジアの減収により、海外全体では1億52百万円減収(前期比15.2%減)となりました。以上の結果、当事業部門の売上高は37億51百万円(前期比1.7%減)となりました。

  パーキングシステムは、国内では駐車場運営の効率化や管理コストの削減、駐車場利用者への利便性向上、場内の安全・安心の取り組みやインターネットとの連携等、駐車場経営に求められるニーズは益々多様化しております。当社はこのような市場環境において、大手駐車場管理会社との連携を一層強化するとともに、中小駐車場管理会社には駐車場データセンターを介した各種サービスの提供などに注力してまいりました。また、システム機器の機能・操作性の向上を図り、駐車場運営の効率化提案や駐車場利用者へのサービス向上提案の強化に加え、駐輪場、セキュリティゲートシステム、有料道路等の新市場拡大にも取り組んでまいりました。当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、駐車場機器は更新受注の増加、セキュリティゲートの受注拡大により2億10百万円増収(1.1%増)、メンテ・サプライは1億13百万円減収(1.2%減)となりました。アマノマネジメントサービス社による運営受託事業は順調に拡大し増収となり、受託車室数は前期末比46,000台増加(12.0%増)いたしました。海外の実績は、北米のアマノマクギャン社が減収となるも、アジアは韓国・香港・マレーシアの運営受託事業が順調に拡大し増収となり、海外全体では15億51百万円増収(前期比8.5%増)となりました。以上の結果、当事業部門の売上高は607億57百万円(前期比4.0%増)となりました。

 

② 環境関連システム事業

  環境関連システム事業の売上高は、331億36百万円で、前期比23百万円の増収(0.1%増)となりました。

  環境システムは、国内では設備投資が底堅く、海外では中国経済の持ち直しの動きもあり、事業環境は回復傾向で推移いたしました。当社はこのような市場環境において、国内では自動車関連企業を中心に汎用機の提案活動強化による需要取り込みに注力するとともに、製薬・食品・化粧品市場での受注拡大に取り組んでまいりました。海外では日系企業の投資動向を注視しながら、海外グループ会社との連携強化、エンジニアリング・販売・サービス体制強化、さらには現地調達の拡大によるコスト競争力の向上を進めてまいりました。当期の国内実績は、アマノ単体が前期に比べ、汎用機は3億93百万円増収(5.3%増)、大型システムは13億18百万円減収(19.6%減)、メンテ・サプライは3億86百万円増収(8.2%増)となりました。海外の実績は、メキシコが順調に推移し増収、アジアも中国経済の持ち直しに伴い回復を示し、海外全体では9億31百万円増収(前期比32.3%増)となりました。以上の結果、当事業部門の売上高は219億93百万円(前期比1.3%増)となりました。

  クリーンシステムは、企業の清掃コスト削減の動きが継続する一方、ビルメンテナンス業界における作業員の人手不足問題が顕在化しており、清掃作業の効率化と品質の向上を両立させる提案ニーズがさらに高まってきております。当社はこのような市場環境において、清掃ロボットによる新たな清掃手法と、安全性・操作性を向上した新自動床面洗浄機EGシリーズの拡販により、企業の抱える清掃の課題に対して提案活動を強化してまいりました。当期の国内実績は、アマノ単体が新製品の受注は堅調に推移したものの、前期に比べ、清掃機器全体は10百万円減収(0.5%減)、メンテ・サプライは88百万円減収(3.5%減)となりました。海外の実績は、北米は木材床研磨機器事業が堅調に推移したものの減収となり、海外全体では1億1百万円減収(前期比1.8%減)となりました。以上の結果、当事業部門の売上高は111億43百万円(前期比2.3%減)となりました。

 

 

 

 

 

(参考情報)

〔所在地別情報〕

 

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益又は営業損失(△)

 

平成29年
3月期

平成30年
3月期

増減

増減率
(%)

平成29年
3月期

平成30年
3月期

増減

増減率
(%)

日本

84,315

85,539

1,223

1.5

14,408

16,362

1,953

13.6

アジア

12,021

14,494

2,472

20.6

896

1,180

283

31.7

北米

18,858

18,085

△772

△4.1

852

△102

△955

欧州

7,383

8,432

1,048

14.2

490

695

205

41.9

122,579

126,552

3,973

3.2

16,648

18,136

1,487

8.9

消去
又は全社

△2,455

△2,146

△3,483

△3,785

連結

120,124

124,405

4,281

3.6

13,165

14,350

1,185

9.0

 

(注) 1.国又は地域の区分は、地理的近接度によっております。

2.本邦以外の区分に属する主な国又は地域

(1)アジア……………シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国、中国、フィリピン

(2)北米………………アメリカ、カナダ、メキシコ

(3)欧州………………フランス、ベルギー、スペイン

 

〔海外売上高〕

 

(単位:百万円)

 

海外売上高

連結売上高に占める
海外売上高の割合(%)

 

平成29年
3月期

平成30年
3月期

増減

増減率
(%)

平成29年
3月期

平成30年
3月期

増減

アジア

12,404

14,446

2,041

16.5

10.3

11.6

1.3

北米

17,141

16,469

△671

△3.9

14.3

13.2

△1.1

欧州

7,357

8,196

838

11.4

6.1

6.6

0.5

その他
の地域

1,184

1,673

488

41.2

1.0

1.4

0.4

38,088

40,785

2,696

7.1

31.7

32.8

1.1

連結売上高

120,124

124,405

 

 

 

 

 

 

(注) 1.国又は地域の区分は、地理的近接度によっております。

2.本邦以外の区分に属する主な国又は地域

(1)アジア……………シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国、中国、フィリピン

(2)北米………………アメリカ、カナダ

(3)欧州………………フランス、ベルギー、スペイン

(4)その他の地域……中南米

3.海外売上高は、当社及び連結子会社の本邦以外の国又は地域における売上高であります。

 

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

時間情報システム事業

33,637

△2.1

環境関連システム事業

18,023

△12.1

合計

51,661

△5.8

 

(注) 1 金額は、平均販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

製品は見込み生産でありますが、一部製品に付帯する部品等は受注に応じて生産しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

時間情報システム事業

91,268

+4.9

環境関連システム事業

33,136

+0.1

合計

124,405

+3.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 財政状態

(流動資産)

  流動資産の残高は939億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億64百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が55億84百万円、その他の流動資産が7億6百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(固定資産)

  固定資産の残高は515億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億93百万円の増加となりました。これは主に、無形固定資産が1億22百万円減少したものの、有形固定資産が2億91百万円、投資その他の資産が投資有価証券の増加等により11億24百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(流動負債)

  流動負債の残高は343億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億36百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が8億90百万円、その他の流動負債が未払費用の増加等により16億16百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(固定負債)

  固定負債の残高は54億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億91百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金が4億69百万円、リース債務が3億64百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(純資産)

  純資産の残高は1,056億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億13百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が52億32百万円、為替換算調整勘定の増加等によりその他の包括利益累計額が8億95百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

 

セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。

① 時間情報システム事業

時間情報システム事業のセグメント資産は、690億41百万円で、前連結会計年度に比べ64億25百万円の増加となりました。これは主に、情報・パーキングソフトウェアの開発・改良・改善、駐車場運営事業用設備の取得、工場改修、生産の合理化及び製品の信頼性向上のための設備投資によるものであります。

 

② 環境関連システム事業

環境関連システム事業のセグメント資産は、274億22百万円で、前連結会計年度に比べ1億47百万円の増加となりました。これは主に、生産の合理化及び製品の信頼性向上のための設備投資によるものであります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、402億31百万円と前連結会計年度末に比べ49億61百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、167億50百万円(前期に比べ30億15百万円の収入の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額41億41百万円等が計上されたものの、税金等調整前当期純利益152億80百万円、減価償却費50億63百万円等が計上されたことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、△65億円(前期に比べ18億15百万円の支出の増加)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入87億71百万円、有価証券の償還による収入21億50百万円等が計上されたものの、定期預金の預入による支出91億79百万円、有形固定資産の取得による支出31億7百万円、無形固定資産の取得による支出23億85百万円、有価証券の取得による支出20億円等が計上されたことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、△53億92百万円(前期に比べ8億64百万円の支出の減少)となりました。これは主に、セール・アンド・リースバックによる収入13億31百万円等が計上されたものの、配当金の支払額39億54百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出15億47百万円、自己株式の取得による支出8億32百万円等が計上されたことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

  当社グループは、配当等による株主還元を継続的に実施し、事業運営に必要な運転資金を確保したうえで、事業拡大・企業価値向上に向けたM&Aや成長投資に備えて内部留保を行っております。

  今後は、生産の効率化向上に向けた設備投資を継続的に実施するとともに、エリア別成長戦略に沿ったM&A、イノベーション創出に伴うベンチャー投資、先進分野に関する研究開発等を検討しております。これら必要な投資については、状況に応じて外部から資金調達を行う場合もありますが、原則として自己資金にて賄う考えであります。

  なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は273.2%と流動性は十分な水準にあります。

  

 

 キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。

 

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

67.6

69.8

69.5

71.8

72.3

時価ベースの自己資本比率(%)

66.5

83.7

99.4

122.6

150.1

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(%)

37.3

52.2

25.5

16.0

11.2

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

219.7

122.9

292.2

447.8

483.5

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(5) トリプル11の状況
① 営業利益率11%以上

当連結会計年度は、増収効果及び原価低減、販管費削減に伴う営業増益により、11.5%(前期比0.5Pt増)となりました。

② ROE11%以上

当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により、9.8%(前期比0.3Pt増)となりました。

③ 売上高連単倍率11%伸長

当連結会計年度は、国内グループ会社に加え、欧州及びアジアの伸長により、1.73倍(前期比2.4%増)となりました。

 

(6) 事業戦略展開

当社グループは、「100年企業への2nd Stage -持続成長のための革新的価値創造-」を経営コンセプトとして掲げ、「エリア別成長戦略」「経営基盤強化」「イノベーション創出」「ブランド価値向上」の4つの重要課題に取り組んでまいります。各事業ごとのアクションプランは以下のとおりです。

① 情報システム

・ML(Middle Low)市場 NX就業・給与提案強化

Web、ホスティング活用による提案拡大

・MH(Middle High)市場 VG+ZeeMセット販売強化

クレオ社との協業

ホスティング、クラウド仕様 提案拡大

・ターミナルビジネス強化

・北米 アキュタイムシステムズ社

クラウドサービス拡大、ターミナル提案強化

・欧州 ホロクオルツ社 顧客基盤強化

就業、アクセス、クラウドサービス提案強化

② 時間管理機器

・標準機市場 新規需要掘り起こし

オンラインショップ、ネット販売強化

・TimeP@CKシリーズ 拡販

運用提案拡充

・北米 販売チャネル再編、ネット販売展開

・欧州 販売網構築 ネット販売展開

③ パーキングシステム

・大手運営管理会社との連携強化

・中小運営管理会社

駐車場データセンター サービス拡充

・運営受託事業 トータル提案 拡大

・新市場 深耕

駐輪システム、セキュリティゲート、有料道路

・北米 新市場参入、システム販売強化

・欧州 販売体制強化、運営受託事業進出

・アジア 運営受託事業拡大

中国市場 需要取り込み強化

④ 環境システム

・国内発 グローバル案件 受注拡大

・汎用集塵機 需要取り込み強化

・周辺装置を含めたトータル販売拡大

粉体機器、脱臭

・製薬、食品、化粧品市場 深耕

・北米、中米

自動車関連企業への汎用機 拡販

新市場開拓

・アジア

エンジニアリング力、販売サービス体制 強化

中国、ベトナム市場の開拓

⑤ クリーンシステム

・清掃ロボット 需要拡大

・洗浄機EGシリーズ拡販

・トータルクリンリネス提案強化

ハード、ソフト、保守・サービスのトータルソリューション

・ファクトリー市場 深堀

・北米 事業基盤強化

木材床研磨機器市場 展開拡大

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、時間情報システム機器と環境関連システム機器に分け関係会社間で行っております。

時間情報システム機器については、当社及びアマノ シンシナティ Inc.、アマノ マクギャン Inc.、アキュタイム システムズ Inc.、ホロクオルツ S.A.及びアマノ コーリア Corp.の各会社間で北米地域、欧州地域、アジア・オセアニア地域におけるタイムレコーダー、就業情報・給与計算・人事情報システム、駐車場管理システムのソフト・ハードの相互供給体制と販売促進・保守体系を確立するため、国際バージョンの製品及び関連技術の共同開発を行っております。

環境関連システム機器については、集塵機、粉粒体空気輸送システム、排気ガス処理システム、脱臭システム等は、グループ各社の技術・市場情報をもとに当社が製品並びに技術開発を行っております。クリーンシステム機器は、当社とアマノ パイオニア エクリプス Corp.がグローバルプロジェクト体制で機器並びにケミカル用品の開発を行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は13億25百万円であります。

また、当連結会計年度のセグメント別の研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

① 時間情報システム事業

  情報システムについては、中小規模市場向け人事労務管理パッケージ「TimePro-NX」において、紙媒体による残業や休暇の届出などの電子化要望に対応し、「就業Web届出アドオン」を平成29年10月に市場投入いたしました。就業Web届出によるお客様の課題解決と業務改善を提案することで、販売拡大を図ってまいります。

 時間管理機器については、働き方に合わせて、勤怠管理の方法をクラウドサービスとパッケージソフトのどちらでも選択できる中小規模事業所及び小規模複数事業所向けに、新モデル「TimeP@CK-iC Ⅳ CL」を平成29年6月に市場投入いたしました。「TimeP@CK-iC Ⅳ CL」は、市場からの要望が多い勤怠管理クラウドサービスへの連携機能を新たに搭載しました。手のひらサイズながら、カラーLCDを搭載し、過去の出退勤時刻の確認や、音声ガイダンスの標準搭載、様々な通信への対応を行い、使い勝手を大幅に向上させております。

 パーキングシステムについては,駐車場データセンター「ParkingWeb」に、商業施設などで利用される様々なハウス(会員)カードに対応し、自動料金精算機で割引が行える機能を平成29年9月に、お客様のご要望に沿ったフォーマットによる帳票出力を可能とする機能を平成29年11月にそれぞれ市場投入いたしました。駐車場機器としては、新型カード販売機「GT-3890」を平成29年5月に市場投入いたしました。サーマルシステムにより券面印字の自由度を向上させ、定期券とプリペイドカードの同時販売を可能としております。また、カラータッチパネル付LCDの採用による高い視認性と音声ガイダンスにより利用者の操作性を向上させ、直感的操作が可能となりました。大型ショッピングモールや空港等に導入されている車番マッチングシステムにおいては、チケットレス運用を可能とするシステムを平成29年11月に市場投入いたしました。また、電子マネーカードによる入出場と決済が可能なチケットレス/キャッシュレスシステムについても対応を進めております。高速道路市場向けには、LAN接続のICカードリーダーを平成30年2月に市場投入いたしました。

当事業に係る研究開発費は9億31百万円であります。

 

② 環境関連システム事業

  環境システムについては、「省エネ&省スペース」という特徴を持つ汎用小型パルスジェット集塵機「PiF-15/30/45/60」のシリーズ拡大として、上位機種の汎用中型パルスジェット集塵機「PiF-75/120/150」を平成29年4月に市場投入するとともに、お客様の特注仕様に迅速にお応えできるよう準標準仕様を充実させ、対応工数を削減する仕組みを構築いたしました。一方、板金加工業界にて主流の工作機械であるレーザー加工機から発生する、微細軽量の粉塵を集塵する専用機種として「PiF-45LF」を市場投入いたしました。

  クリーンシステムについては、近年の労働力減少の傾向に対応して、既に市場投入しているロボット掃除機において、清掃タスクの完了率を向上させるための機能追加を実施いたしました。ロボット掃除機「RcDC」については、平成29年4月に自律走行制御に関する機能向上として「迂回機能」や「障害物回避リトライ機能」を追加し、平成29年11月には「エラーメール送信機能」をオプションとして追加いたしました。また、ロボット洗浄機「SE-500iX」においては、「障害物回避」と「自己位置認識の対応力強化」の機能追加を進めております。主力商品である自動床面洗浄機「EGシリーズ」においては、使い勝手をよりよくするために清水・汚水タンク周辺の部品を改善し、メンテナンス性の向上を実施いたしました。今後も継続して、製品の品質向上に努めてまいります。

当事業に係る研究開発費は3億94百万円であります。