文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループの前第1四半期連結累計期間の業績は、当社及び従前の決算日が3月末日であった子会社については、平成27年4月1日から同年6月30日までの損益を、12月末日決算の子会社については、平成27年1月1日から同年3月31日までの損益を連結していました。しかし、前連結会計年度において当社グループの連結決算日を3月31日から12月31日に変更したことにより、当第1四半期連結累計期間の業績は、当社及びグループ各社の平成28年1月1日から同年3月31日までの損益を連結しており、前年同期との比較においては、対象期間が異なっています。
以下、投資判断に資するために、当第1四半期連結累計期間の経営成績・財政状態に関する分析においては、平成27年1月1日から3月31日までの損益を連結した前年同一期間の業績数値を算出し、比較しています。なお、前年同一期間の業績数値は会計監査を受けていない参考数値です。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの事業環境は、インダストリアル事業においては、長引く原油価格の低迷により、LEWA社が主力市場としている原油・ガス分野向け製品の引き合い停滞や、受注済み案件の進行遅延が増加し、収益への影響が拡大しつつあります。航空宇宙事業においては、旺盛な航空機需要を背景とした引き合いが引き続き活発で、これらを着実に獲得すべく、積極的な営業活動と生産体制の強化に取り組みました。また、紫外線LEDの事業化に向けた具体的な取り組みを加速させました。メディカル事業においては、国内市場では、透析医療機関の投資意欲回復の遅れや、他社との競争激化など、依然として厳しい事業環境が継続しましたが、多機能透析装置への引き合いが増えるなど、一部で改善の兆しが見られました。また、海外市場では、中国や欧米向けの透析装置販売拡大への足固めを進めています。
当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、受注高32,343百万円(前年同一期間32,618百万円、同比0.8%減)、売上高30,858百万円(前年同一期間33,288百万円、同比7.3%減)、営業利益673百万円(前年同一期間2,006百万円、同比66.4%減)となりました。営業利益の減少に加え、為替変動に伴う営業外損失の大幅な拡大により、経常損失374百万円(前年同一期間は、経常利益2,020百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失356百万円(前年同一期間は、親会社に帰属する四半期純利益1,269百万円)となりました。
長期化する原油価格の低迷や、医療費の抑制に伴う国内医療機関の投資意欲の減退など、当社を取り巻く事業環境は大きな変化の中にあります。また、前連結会計年度に実施した決算期変更により、経営環境も大きく変化しました。このような中、当社グループの現状を再認識し、対処すべき課題を明確化するために当連結会計年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「日機装2020」を策定しました。各事業分野で卓越した技術力を駆使し、顧客が真に求める製品・サービスを提供していくとともに、変化の激しい事業環境に適切に対応していくための事業基盤の強化と収益力向上を通じて、最終年度である2020年12月期には国際財務会計基準(IFRS)適用の前提で、売上高2,000億円、営業利益200億円を達成できる企業グループを目指してまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
工 業 部 門
工業部門は、ポンプ・システム製品、粉体計測機器などを手掛けるインダストリアル事業と、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った航空機部品などを手掛ける航空宇宙事業、新規事業化を推進中の紫外線LED事業で構成されています。
<インダストリアル事業>
長期化する原油価格の低迷を受け、当第1四半期連結累計期間においては、原油・ガス分野を主力市場とするLEWA社で、石油化学分野の案件獲得やアフターセールスの拡販に注力する一方、投資判断の先延ばしや進行中のプロジェクトの停滞などにより、受注・売上・収益の減少傾向が鮮明となり、事業環境の厳しさが増しています。LNG用ポンプ市場では、プラント新設など大型案件は減少しましたが、既存プラントの更新案件やアフターセールス事業が伸長し、収益が改善しました。そのほか、原子力発電所の再稼働や電力小売自由化によって需要喚起された、発電所向け水質調整システムも堅調に推移しました。
しかし、いずれも原油・ガス分野の低迷を補完するには至らず、インダストリアル事業の業績は、受注高15,243百万円(前年同一期間15,127百万円、同比0.8%増)、売上高13,691百万円(前年同一期間15,678百万円、同比12.7%減)となりました。
ポンプ・システム事業では、原油・ガス市場の上流分野での市場縮小が進む中、LEWA社を中核拠点とした事業運営体制の最適化をさらに進め、LEWA社やGeveke社が持つ優れた技術力・製品群を活かした世界市場での事業拡大、LNG用ポンプ事業の主要拠点であるNikkiso Cryo社の陣容強化、共通顧客へのアフターセールス事業の推進などを通じ、業績の拡大に努めてまいります。国内市場では、ポンプ単品販売から高度なポンプ周辺機器・システム提供を主体としたソリューション営業への移行を図るため、営業・技術開発・生産の全面的な体制見直しに着手しました。
<航空宇宙事業>
世界的な民間航空機需要の高まりを背景に、航空機メーカー各社は、既存機種の増産や新型機開発を進めています。こうした中、当社の主力製品である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製ジェットエンジン逆噴射装置部品「カスケード」の出荷高が過去最高となったほか、エンジン部品「ファンケースライナー」や主翼部品「Jパネル」など、新製品の出荷高も伸長しました。その結果、航空宇宙事業の業績は、受注高3,916百万円(前年同一期間2,874百万円、同比36.2%増)、売上高3,906百万円(前年同一期間2,892百万円、同比35.0%増)となり、量産初期の品質、納期の問題改善のための経費増が一部継続したものの、順調に業績を伸ばしました。
民間航空機需要は引き続き旺盛であり、当社への引き合いも活発な状況が続いています。新たな生産拠点となる東村山新工場の着実な立ち上げや、ベトナム・ハノイ工場の体制増強など、増産に向けた対応を着実に実行してまいります。
このほか、新規事業化を目指す紫外線LED事業においては、本年4月に当社子会社である日機装技研㈱を紫外線LED事業の専業会社としました。将来の有望なマーケットとして期待される空気や水の殺菌、樹脂硬化、医療用機器など多様な用途開発と最終製品化を実現するための世界的な体制整備を急ぎ、新たな市場の形成を先導する役割を果たしてまいります。また、台湾プラスチックグループの中核である台塑石化股份有限公司との合弁会社を通じて、紫外線LED(チップ・モジュール)のみならず、これを使用した各種製品開発や生産体制の拡充を図ってまいります。
以上の結果、工業部門の業績は、受注高19,188百万円(前年同一期間18,042百万円、同比6.4%増)、売上高17,624百万円(前年同一期間18,612百万円、同比5.3%減)、セグメント利益402百万円(前年同一期間1,265百万円、同比68.2%減)となりました。
医 療 部 門
<メディカル事業>
国内市場では、医療費の抑制政策や透析患者数の増加率の鈍化などにより、透析医療機関の投資意欲の減退傾向が続いており、経営環境は従来に増して厳しくなってきています。このような中、国内市場では本年4月の診療報酬の改定を受けて、多機能な透析装置への需要が高まりつつありますが、当第1四半期連結累計期間中の本格的な業績回復には至りませんでした。消耗品については、ダイアライザーが伸び悩んだものの、血液回路や粉末型透析用剤の販売が堅調に推移しました。海外市場では、透析装置の販売体制の見直し・強化や、前期に市場投入した新製品の拡販など、事業拡大に向けた足固めを進めました。
医療部門の業績は、受注高13,154百万円(前年同一期間14,576百万円、同比9.8%減)、売上高13,234百万円(前年同一期間14,676百万円、同比9.8%減)、セグメント利益1,141百万円(前年同一期間1,669百万円、同比31.6%減)となりました。
メディカル事業においては、厳しい事業環境が続くものと見込んでいますが、当社グループは、透析治療の省力化や自動化など、透析医療機関の新たなニーズを的確に捉えた製品の開発や、事業体制の最適化などの施策を着実に遂行し、国内事業の業績回復を急ぎます。また、中国をはじめとした海外市場における透析事業の拡大や、人工膵臓などの急性期医療分野の新製品の早期立ち上げに注力し、メディカル事業の中期的な収益基盤強化策を同時に実行してまいります。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は171,555百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,090百万円減少しました。売掛債権の回収による受取手形及び売掛金の減少、並びに時価評価額の低下による投資有価証券の減少が主因です。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は103,689百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,814百万円減少しました。返済により借入金が減少したことが主因です。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は67,866百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,276百万円減少しました。前連結会計年度の配当金支払いと親会社株主に帰属する四半期純損失計上による利益剰余金の減少、及び円高基調により為替換算調整勘定が減少したことが主因です。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社の支配形態は、企業価値の向上と株主共同の利益を確保するため、株式市場における自由かつ公正な取引を通じて構成される株主の意思に基づき決定されるものとします。
② 当社の取り組みの具体的内容
イ 当社は、平成32年12月期を最終年度とする中期経営計画「日機装2020」に基づき、各事業においてさまざまな施策を着実に実施し、また、コーポレート・ガバナンス体制をさらに充実させることにより、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に努めます。
ロ 短期的な利益や一部の株主の利益を優先する動きが生じる場合など、当社の企業価値と株主共同の利益が損なわれるおそれのある行為に対しては、当社は企業価値及び株主共同の利益の維持・向上の観点から、金融商品取引法など関係する法令に従い、当社株式の大量取得行為等についての是非を株主が適切に判断するために必要かつ十分な情報の開示を求めるとともに、その検討のために必要な時間の確保に努めます。また、仮に、当社取締役会が大量取得者等による当社株式の大量取得行為等が当社の企業価値・株主共同の利益に反すると判断する場合にはこれを防ぐべく、関係法令によって許容される合理的な対抗措置を講じます。
なお、大量取得者等に対する対抗措置に係る当社取締役会の判断が恣意的になることを防止するため、一般株主との利益相反が生ずるおそれのない、独立社外取締役を2名以上選任するよう努めます。
③ 当社の取り組みに対する取締役会の判断とその理由
当社取締役会は、前記②の取り組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、したがって当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は426百万円であります。
(5)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績の著しい増減はありません。
(7)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。