文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における当社の事業環境は、原油価格低迷の長期化や急激な円高の進行など厳しい状況が続き、海外のエネルギー関連事業の停滞が鮮明になる一方、インダストリアル事業やメディカル事業の国内営業体制強化や航空宇宙事業の拡大によって、売上高、営業利益は前年に比べ増加しました。インダストリアル事業では、LEWA社が主力市場としている原油・ガス分野向け製品の引き合いの減少や、受注済みプロジェクトの進行遅延が続いているため、中小型案件の確実な取り込みや、アフターセールスの体制整備に努め、販売管理費等の圧縮にも注力しています。航空宇宙事業においては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製航空機部品のベトナム・ハノイ工場への引き合いが引き続き活発で、新規の受注が増加しました。金沢製作所で生産する「カスケード」も過去最高の出荷高となるなど、順調に事業が拡大しました。メディカル事業においては、国内市場向け透析装置の需要が回復傾向にあり、中国や欧州における透析事業も順調に推移しています。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、受注高61,311百万円、売上高61,954百万円、営業利益1,986百万円となり、前第2四半期連結累計期間に比べ増収増益となりました。
他方、急激な円高に伴う為替差損2,663百万円を計上したため、経常損失248百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失455百万円となりました。
長期化する原油価格の低迷や、政府による医療費抑制政策の推進など、当社を取り巻く事業環境は大きく変化してきています。このような状況の中、当社として対処すべき課題を明確化するために、当連結会計年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「日機装2020」を策定しました。各事業分野で事業環境の変化に適切に対応していくための具体的な施策を推進し、足元の業績の回復を急ぐとともに、事業基盤の強化と収益力向上を通じて、最終年度である2020年12月期には国際財務報告基準(IFRS)適用の前提で、売上高2,000億円、営業利益200億円を達成できる企業グループを目指してまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
なお、当社の前第2四半期連結累計期間の業績は、当社及び従前の決算日が3月末日であった子会社については、平成27年4月1日から同年9月30日までの損益を、12月末日決算の子会社については、平成27年1月1日から同年6月30日までの損益を連結していました。しかし、前連結会計年度において当社の連結決算日を3月31日から12月31日に変更したことにより、当第2四半期連結累計期間の業績は、当社及びグループ各社の平成28年1月1日から同年6月30日までの損益を連結しており、前年同期との比較においては、対象期間が異なっています。
工 業 部 門
工業部門は、ポンプ・システム製品、精密機器製品などを手掛けるインダストリアル事業、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った航空機部品などを手掛ける航空宇宙事業、新規事業化を推進中の紫外線LED事業で構成されています。
<インダストリアル事業>
原油価格の低迷が長期化する中、産油国やオイルメジャーの設備投資意欲が低下、投資判断の先延ばしや進行中の大型プロジェクトの遅延が発生しています。このような中、LEWA社では、中小型案件の受注に努めると同時に受注済み案件の消化や効率的な生産体制の構築を図り、前年並みの売上高を維持しました。LNG用ポンプを手掛けるNikkiso Cryo社では、引き続き生産能力の整備とAtlas Copco社から譲り受けたアフターセールスの伸長に注力し、また、受注済み案件の生産遂行に全力で取り組んでいます。国内の石油化学分野では、採算性を重視した受注活動の推進や、アジア向け案件の積極的な取り込みを行なったほか、原子力発電所の再稼働に向けたシビアアクシデント対応関連機器が好調に推移し、国内事業の採算性向上への取り組み効果が現れつつあります。
この結果、インダストリアル事業の業績は、受注高は前第2四半期連結累計期間に比べ減少し、27,269百万円、売上高はほぼ前年並みの、27,702百万円となりました。
イラン制裁解除に伴い、LEWA社の原油・ガス向けポンプ・システム製品や、LNG用クライオジェニックポンプの引き合いが活発化しており、受注拡大に備えた生産体制の整備を確実に実施してまいります。
また、中長期的な視点から、ポンプ・システム事業では、LEWA社など海外関連会社との協働により、主力のキャンドモータポンプをはじめとする各種ポンプの生産・販売体制の見直しを含めた抜本的な再編を急いでいます。一方、火力・原子力発電所向け水質調整システム、電子部品製造装置、粉粒体計測機器などの精密機器事業では、それぞれの製品がさらに高い市場シェアの獲得と安定した収益確保が期待できることから、経営の効率化を図るため、本年10月を目処に「精密機器事業本部」を新設する準備を開始しました。
<航空宇宙事業>
世界的な民間航空機需要の高まりを背景に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製航空機部品の品質と納期に関して業界内で高い評価を受ける当社への引き合いが活発化しており、金沢製作所の「カスケード」、ベトナム・ハノイ工場のその他航空機部品とも順調に生産が拡大しています。ハノイ工場において昨年から発生していた急速な増産体制立ち上げに伴う混乱も収束し、急激な円高の進行や、一部の航空機の減産調整があったものの、航空宇宙事業の業績は、受注高8,157百万円、売上高8,157百万円となり、前年に比べ大きく伸長しました。
長年にわたる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品の生産・供給実績と顧客からの高い評価が事業成長の原動力となって、今後、新たな製品を含む受注の拡大が見込まれており、生産拠点の強化、拡大が急務となっています。国内では、現在の金沢、静岡に加え、東村山製作所の一部を航空機部品製造工場に改装中で、今秋から出荷を開始します。また、ベトナム・ハノイ工場でも生産能力を倍増するための増設を計画しています。
このほか、新規事業化を目指す紫外線LED事業においては、人材の確保、体制の整備を進めました。将来の有望なマーケットとして期待される空気や水の殺菌、樹脂硬化、医療用機器など多様な用途開発と最終製品化を実現するため、紫外線LED(チップ・モジュール)のみならず、これを使用した各種製品開発や生産体制の世界的な整備を急ぎ、新たな市場の形成を先導する役割を果たしてまいります。
以上の結果、工業部門の業績は、受注高は前第2四半期連結累計期間に比べて減少し、35,473百万円となりましたが、売上高35,907百万円、セグメント利益1,719百万円となり、増収増益となりました。
医 療 部 門
<メディカル事業>
国内の血液透析市場は、政府による医療費の抑制施策の推進や透析患者数の増加率の鈍化など、転換期を迎えており、中長期的には厳しい事業環境が続くものと見込まれています。本年4月の診療報酬の改定によって、一部の医療機関に血液透析装置の更新の動きも見られ、主力の装置販売台数は回復傾向にあります。消耗品については、ダイアライザーが伸び悩んだものの、血液回路や粉末型透析用剤は順調に推移しました。
海外市場では、透析患者数の増加に伴い市場が拡大している中国で、現地合弁会社の威高日機装(威海)透析機器有限公司がメンテナンス拠点や研修施設の拡充に努め、市場シェア拡大のための基盤固めを進めています。欧州で新型機の拡販に努め、受注量を確実に増加させるなど、順調に推移しました。競合会社が攻勢を強めている海外CRRT事業は、新型装置の開発を急ぐとともに、主力市場の一つである中国の営業体制強化や新市場の開拓を進めています。
以上の結果、医療部門の業績は、受注高25,837百万円、売上高26,047百万円と、ほぼ横這い、セグメント利益は2,145百万円と、前第2四半期連結累計期間に比べ増益となりました。
メディカル事業においては、透析治療の省力化や自動化など、透析医療機関の新たなニーズを的確に捉えた製品の開発や、事業体制の最適化を着実に遂行し、また、中国をはじめとする海外透析事業の拡大を通じて、業績の早期回復を軌道に乗せてまいります。
また、本年4月、外科周術期において診療報酬が適用された人工膵臓「STG-55」や、本年5月に製造販売承認を得たマイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」などを手始めとして、急性期医療分野の新製品の立ち上がりが視野に入ってきました。収益化の早期実現に注力し、メディカル事業の中期的な収益基盤強化策を同時に実行してまいります。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は161,974百万円となり、前連結会計年度末に比べて15,671百万円減少しました。借入金の返済や自己株式の取得に伴う現金及び預金の減少、並びに時価評価額の低下による投資有価証券の減少が主因です。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は99,987百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,516百万円減少しました。返済により借入金が減少したことが主因です。
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は61,987百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,155百万円減少しました。前連結会計年度の配当金支払いと親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少、及び円高基調により為替換算調整勘定が減少したことが主因です。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は23,543百万円となり、前連結会計年度末より3,858百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失を計上した一方、法人税等の還付による収入及び減価償却費、為替差損等の非資金取引項目があったことにより、5,181百万円(対前年同四半期比1,649百万円収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△2,117百万円(対前年同四半期比899百万円支出減)となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは△5,518百万円(対前年同四半期比5,061百万円支出増)となりました。借入金の返済及び自己株式の取得による支出が主な要因です。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。
① 基本方針の概要
当社の支配形態は、企業価値の向上と株主共同の利益を確保するため、株式市場における自由かつ公正な取引を通じて構成される株主の意思に基づき決定されるべきものと考えます。
② 当社の取り組みの具体的内容
イ 当社は、平成32年12月期を最終年度とする中期経営計画「日機装2020」に基づき、各事業においてさまざまな施策を着実に実施し、また、コーポレート・ガバナンス体制をさらに充実させることにより、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に努めます。
ロ 短期的な利益や一部の株主の利益を優先する動きが生じる場合など、当社の企業価値と株主共同の利益が損なわれるおそれのある行為に対しては、当社は企業価値及び株主共同の利益の維持・向上の観点から、金融商品取引法など関係する法令に従い、当社株式の大量取得行為等についての是非を株主が適切に判断するために必要かつ十分な情報の開示を求めるとともに、その検討のために必要な時間の確保に努めます。また、仮に、当社取締役会が大量取得者等による当社株式の大量取得行為等が当社の企業価値・株主共同の利益に反すると判断する場合にはこれを防ぐべく、関係法令によって許容される合理的な対抗措置を講じます。
なお、大量取得者等に対する対抗措置に係る当社取締役会の判断が恣意的になることを防止するため、一般株主との利益相反が生ずるおそれのない、独立社外取締役を2名以上選任するよう努めます。
③ 当社の取り組みに対する取締役会の判断とその理由
当社取締役会は、前記②の取り組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、したがって当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は720百万円です。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績の著しい増減はありません。
(8)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。