文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1)経営成績の分析
当社は、平成27年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更したことに伴い、平成27年12月期第3四半期連結財務諸表を開示していないため、以下の記述においては、対前年同四半期増減については記載しておりません。
当第3四半期連結累計期間における当社の事業環境は、原油価格に緩やかな回復が見られたものの、原油・ガス等のエネルギー関連業界の設備投資は依然として停滞しており、LEWA社の業績が伸び悩みました。一方で、経済制裁解除に伴うイラン向け大型案件の受注や、旺盛な航空機需要を背景にした新規プログラムの獲得、既存プログラムの増産、本年4月の診療報酬改定を受けた国内透析装置の販売の回復など、各事業は堅調に推移しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、受注高92,643百万円、売上高91,794百万円、営業利益3,398百万円となりました。円高進行に伴う為替差損2,907百万円を計上したため、経常利益860百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益255百万円となりました。
長期化する原油価格の低迷や、政府による医療費抑制政策の推進など、当社を取り巻く事業環境は大きく変化してきています。このような状況の中、対処すべき課題を明確化し、経営の将来像を具体化するために、当連結会計年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「日機装2020」を策定しました。各事業分野で事業環境の変化に適切に対応していくための施策を推進し、足元の業績の回復を急ぐとともに、事業基盤の強化と収益力向上を通じて、最終年度である2020年12月期には、国際財務報告基準(IFRS)適用の前提で、売上高2,000億円、営業利益200億円を達成できる企業グループを目指してまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
工 業 部 門
工業部門は、ポンプ・システム製品、精密機器製品などを手掛けるインダストリアル事業、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った航空機部品などを手掛ける航空宇宙事業、新規事業化を推進中の紫外線LED事業で構成されています。
<インダストリアル事業>
原油価格は緩やかな回復を見せてはいますが、産油国やオイルメジャーの設備投資意欲は依然として低調に推移しました。LEWA社では、原油・ガス採掘など上流分野において顧客の投資判断の先延ばしや進行中の大型プロジェクトの遅延が発生し、業績に影響を与え始めています。一方、石油化学など下流分野の案件においては積極的な営業活動を展開したほか、アフターセールス案件の獲得に注力しています。
LNG用ポンプを手掛けるNikkiso Cryo社では、受注済み案件を着実に遂行したほか、Atlas Copco社からの事業譲り受けの効果もあり、アフターセールスが伸長しました。国内では、営業体制の強化を図っていますが、当第3四半期連結会計期間においては、半導体分野向け小型高速ポンプ・システム案件や、発電所向け案件が底堅く推移し、収益に貢献しました。この結果、インダストリアル事業の業績は、受注高41,567百万円、売上高41,567百万円となりました。
欧米によるイラン経済制裁の解除に伴い、LEWA社の原油・ガス向けポンプ・システム製品や、LNG用クライオジェニックポンプの引き合いが活発化してきています。当第3四半期連結会計期間においても、すでに複数の案件を受注しており、今後の大型案件の受注を確実にするとともに、その遂行に向け、生産体制の整備を進めてまいります。
また、中長期的な視点から、国内のポンプ・システム事業では、LEWA社など海外関係会社との協働により、主力のキャンドモータポンプをはじめとする各種ポンプの生産・販売体制の見直しを含めた抜本的な再編を急ぎ、事業競争力の強化と、収益性の向上とを目指してまいります。精密機器事業では、原子力発電所の再稼働や使用延長等の動きを注視しつつ、これら案件の早期受注と、遂行体制の整備を進めてまいります。
<航空宇宙事業>
当第3四半期連結会計期間には主要顧客のひとつである米国Spirit AeroSystems社から「Supplier Of The Year 2016」を受賞するなど、当社が手掛ける炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の航空機部品の品質と納期に関して、航空機業界内で高い評価を得ています。航空機需要の高まりを背景に当社への引き合いは引き続き旺盛であり、出荷数が過去最高となった「カスケード」をはじめ、ベトナム・ハノイ工場の「Jパネル」や「トルクボックス」など、各航空機部品の生産が順調に拡大しました。今後、受注が見込める大型の新規プログラムや、既存プログラムの増産要請などに的確に対応するため、東村山製作所内の新工場の生産立ち上げのほか、国内外の生産拠点の強化施策を急ぎ推進しています。
円高の進行による影響や東村山新工場立ち上げに伴う経費が発生したものの、各航空機部品の出荷が順調に拡大したことで、受注高11,663百万円、売上高11,662百万円となりました。
このほか、新規事業化を目指す紫外線LED事業においては、人材の確保、体制の整備を進める一方、当第3四半期連結会計期間には、当社製紫外線LEDを使用した水殺菌モジュールを実用化している米国AquiSense Technologies社を買収するなど、将来の有望なマーケットとして期待される空気や水の殺菌、樹脂硬化、医療用機器など多様な用途開発と最終製品化の早期実現を加速してまいります。
以上の結果、工業部門の業績は、受注高53,308百万円、売上高53,306百万円、セグメント利益3,027百万円となりました。
医 療 部 門
<メディカル事業>
国内では、本年4月の診療報酬の改定により、一部の医療機関で透析装置の買い替え需要が喚起され、主力の透析装置の販売において回復傾向が見えてきました。海外では、主力市場である中国において現地合弁会社の威高日機装(威海)透析機器有限公司を通じた透析装置の販売が伸長し、また、買い替え需要を取り込んだ欧州市場や、大型案件を獲得したタイやマレーシアなど東南アジア市場も順調に推移しました。今後、これらの旺盛な透析装置需要に対応するため生産能力の増強を視野に入れてまいります。
消耗品では、ダイアライザーが伸び悩んだものの、血液回路や粉末型透析用剤は順調に推移したほか、メンテナンスサービスも伸長しました。一方、主力市場である中国や欧州で苦戦しているCRRT(急性血液浄化療法)事業では、営業体制の強化と新型装置の開発、消耗品の内製化を急ぎ、事業競争力や収益性向上の施策を実行してまいります。
以上の結果、医療部門の業績は、受注高39,334百万円、売上高38,488百万円、セグメント利益3,164百万円となりました。
メディカル事業においては、国内の血液透析市場は、政府による医療費の抑制施策の推進や透析患者数の増加率の鈍化など、転換期を迎えており、中長期的には厳しい事業環境が続くものと見込まれています。透析治療の省力化や自動化など、透析医療機関の新たなニーズを的確に捉えた製品の開発や、事業体制の最適化を着実に遂行してまいります。また、足元で成長を続けている中国市場をはじめとした海外事業の拡大を通じて、持続的な成長を目指してまいります。併せて、現在の血液透析関連製品のみならず、人工膵臓「STG-55」、マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス「Acrosurg.」、潰瘍性大腸炎患者向けアフェレシス(血液浄化)製品「Immnopure」など新製品の立ち上げを急ぎ、メディカル事業の中期的な収益基盤の拡大を目指してまいります。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は162,196百万円となり、前連結会計年度末に比べて15,449百万円減少しました。借入金の返済や自己株式の取得に伴う現金及び預金の減少、並びに時価評価額の低下による投資有価証券の減少が主因です。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は102,145百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,358百万円減少しました。返済により借入金が減少したことが主因です。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は60,051百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,091百万円減少しました。配当金の支払いと株式の消却による利益剰余金の減少、及び円高基調により為替換算調整勘定が減少したことが主因です。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。
① 基本方針の概要
当社の支配形態は、企業価値の向上と株主共同の利益を確保するため、株式市場における自由かつ公正な取引を通じて構成される株主の意思に基づき決定されるものと考えます。
② 当社の取り組みの具体的内容
イ 当社は、平成32年12月期を最終年度とする中期経営計画「日機装2020」に基づき、各事業においてさまざまな施策を着実に実施し、また、コーポレート・ガバナンス体制をさらに充実させることにより、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に努めます。
ロ 短期的な利益や一部の株主の利益を優先する動きが生じる場合など、当社の企業価値と株主共同の利益が損なわれるおそれのある行為に対しては、当社は企業価値及び株主共同の利益の維持・向上の観点から、金融商品取引法など関係する法令に従い、当社株式の大量取得行為等についての是非を株主が適切に判断するために必要かつ十分な情報の開示を求めるとともに、その検討のために必要な時間の確保に努めます。また、仮に、当社取締役会が大量取得者等による当社株式の大量取得行為等が当社の企業価値・株主共同の利益に反すると判断する場合にはこれを防ぐべく、関係法令によって許容される合理的な対抗措置を講じます。
なお、大量取得者等に対する対抗措置に係る当社取締役会の判断が恣意的になることを防止するため、一般株主との利益相反が生ずるおそれのない、独立社外取締役を2名以上選任するよう努めます。
③ 当社の取り組みに対する取締役会の判断とその理由
当社取締役会は、前記②の取り組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、したがって当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,027百万円です。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績の著しい増減はありません。
(7)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。