文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における連結業績は、受注高 101,074百万円(前年同期比9.1%増)、売上高 98,318百万円(同7.1%増)、営業利益 1,167百万円(同65.7%減)、経常利益 826百万円(同3.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益 1,128百万円(同340.8%増)となりました。
工業部門では、海外子会社の収益改善が進み、インダストリアル事業は前年同期比で増益となりましたが、航空宇宙事業における出荷減等の影響によりセグメント利益は減少しました。
医療部門では、国内血液透析市場の停滞による血液透析関連事業の業績足踏みに加え、海外のCRRT事業の不振が続き、セグメント利益は減少しました。
その他、平成29年8月21日に株式取得が完了したCryogenic Industriesグループの株式取得に関連したアドバイザリー費用、宮崎新工場の立ち上げなど全社費用を計上したため、営業利益は前年同期に比べ減益となりました。
工 業 部 門
工業部門は、ポンプ・システム製品、精密機器製品などを手掛けるインダストリアル事業、炭素繊維強化樹脂を使った航空機部品などを手掛ける航空宇宙事業、新規事業化を推進中の深紫外線LED事業で構成されています。
<インダストリアル事業>
インダストリアル事業の受注高は48,918百万円(前年同期比17.7%増)、売上高は47,134百万円(同13.4%増)となりました。
原油価格の本格的な回復にはなお至っておらず、上流分野では成約に至る大型案件は限定的で競争環境も厳しさを増しています。上流分野の需要が足踏みする中、LEWA社は下流分野の案件やアフターセールス事業の拡大に注力し、また、経費圧縮を継続することで収益力を維持しつつ、市場の回復による本格的な業績の拡大に備えています。クライオジェニックポンプ事業では、液化石油ガス(LPG)設備向け案件の引合いが活況ですが、昨年より継続している品質不適合対策費用の追加費用を第2四半期に計上したことにより、結果として利益は前年同期並みに推移しました。
平成29年8月21日に株式取得が完了したCryogenic Industriesグループについては、当第3四半期より連結業績に反映しています。連結業績への影響は限定的ではありますが、のれん償却負担の影響により営業利益は減少しました。Cryogenic Industriesグループについても、原油価格の低迷による液化天然ガス(LNG)市場の落ち込みを受け、当初見込みと比較して当期の売上は低調となるも、LNG及び水素含む産業ガス案件の引合いは活発に動き始めており、来期以降の受注は増加が見込まれます。今後、本買収を通じて、成長が見込まれるLNGや次世代エネルギーとして期待される水素を含めた産業ガス製造装置事業への参入という事業領域の拡大にとどまらず、グループとして地域相互補完の関係を構築し、グローバル展開できる体制を整え、インダストリアル事業の中長期的な成長に向けた事業基盤の整備を図ってまいります。
<航空宇宙事業>
航空宇宙事業の受注高は11,378百万円(前年同期比2.4%減)、売上高は11,162百万円(同4.3%減)となりました。
新興国における旅客・貨物需要の増加や格安航空会社の成長等、民間航空機の需要は小型機を中心に堅調に推移しており、活発な引合い、商談が継続しています。今期は一部の航空機部品の価格改定や航空機メーカーでの生産調整に伴う出荷減等により、売上高が減少しました。また、東村山工場や宮崎新工場の立ち上げによる経費増等により、利益は前年同期を下回りました。しかしながら、カスケードの出荷増やハノイ第1工場における主翼部品等の出荷増を予定している来期以降は、売上高は増加に転ずるものと見込んでいます。
航空宇宙事業では、今後の業容拡大に対応するため、来年秋頃の生産・出荷開始を目指している宮崎新工場、建築工事がスタートしたハノイ第2工場を含めた生産体制の拡充により、世界的な航空機需要の高まりを着実に取り込む努力を続けてまいります。
このほか、深紫外線LED事業においては、当初より有力市場としていた水殺菌分野において、水産加工業に向けた中流量水殺菌装置を開発・納入したほか、上下水施設等に向けた大流量の水殺菌を可能とする高出力、長寿命のモジュール開発に注力し、引合いを獲得し始めました。
以上の結果、工業部門の受注高は60,408百万円(前年同期比13.3%増)、売上高は58,408百万円(同9.6%増)、セグメント利益は2,599百万円(同14.1%減)となりました。
医 療 部 門
<メディカル事業>
国内の血液透析市場では、医療経済環境の変化を受けて、透析装置やダイアライザーの販売が低調に推移していますが、海外市場では、透析医療が発展途上である中国での市場拡大や欧州での販売が伸長し、血液透析関連事業全体では売上高は増加、利益は前期並みとなりました。一方、CRRT事業では、中国市場での販売は堅調に推移しているものの欧州他では不振が続いているため、事業体制の本格的な再編に踏み切ることとし、本部機能の強化や地域毎の営業方針の見直し、新型装置の開発強化と消耗品戦略の整備に着手しました。
医療部門の受注高は40,665百万円(前年同期比3.4%増)、売上高は39,910百万円(同3.7%増)、セグメント利益は2,417百万円(同23.6%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は235,197百万円となり、前連結会計年度末に比べて59,740百万円増加しました。ACD社、Cosmodyne社、Cryoquip社及びCIS社を含めた計21社の買収に伴うのれんの計上、並びに借入れによる現金及び預金の増加などが主な要因です。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は165,425百万円となり、前連結会計年度末に比べて55,502百万円増加しました。借入金の増加が主な要因です。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は69,772百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,238百万円増加しました。主にユーロが前連結会計年度末比で円安となったことによる為替換算調整勘定の増加などが主な要因です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。
① 基本方針の内容
当社の支配形態は、企業価値の向上と株主共同の利益を確保するため、株式市場における自由かつ公正な取引を通じて構成される株主の意思に基づき決定されるものとします。
② 当社の取り組みの具体的内容
イ 当社は、平成32年(2020年)12月期を最終事業年度とする5ヵ年の中期経営計画「日機装2020」及び当社グループの企業統治に関する基本方針を掲げた「日機装グループのコーポレート・ガバナンス基本方針」(平成27年10月制定)の着実な遂行・実施により、中長期的な企業価値の向上及び株主共同の利益の維持・向上に努めます。
ロ 短期的な利益や一部の株主の利益を優先する動きが生じる場合など、当社の企業価値と株主共同の利益が損なわれるおそれのある行為に対しては、当社は企業価値及び株主共同の利益の維持・向上の観点から、金融商品取引法など関係する法令に従い、当社株式の大量取得行為等についての是非を株主が適切に判断するために必要かつ十分な情報の開示を求めるとともに、その検討のために必要な時間の確保に努めます。また、仮に、当社取締役会が大量取得者等による当社株式の大量取得行為等が当社の企業価値・株主共同の利益に反すると判断する場合にはこれを防ぐべく、関係法令によって許容される合理的な対抗措置を講じます。
なお、大量取得者等に対する対抗措置に係る当社取締役会の判断が恣意的になることを防止するため、一般株主との利益相反が生ずるおそれのない、独立社外取締役を2名以上選任します。
③ 当社の取り組みに対する取締役会の判断とその理由
当社取締役会は、前記②の取り組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,524百万円です。
(5) 従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループは従業員数が前連結会計年度末と比較して930名増加し、7,800名となりました。これは主に、工業部門において、Cryogenic Industriesグループ傘下の事業会社であったACD社、Cosmodyne社、Cryoquip社及びCIS社ほか各子会社17社を含めた計21社を連結子会社としたこと、及び当社の人事制度改正により有期雇用契約者の一部を正社員に転換したことによるものです。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績の著しい増減はありません。
(7) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び前連結会計年度末における主要な設備の計画に著しい変更はありません。