第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、受注高 122,745百万円(前年同期24.0%増)、売上収益 115,437百万円(同18.8%増)、営業利益 6,308百万円(同26.9%増)、税引前四半期利益 6,175百万円(同43.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益 4,296百万円(同69.5%増)となりました。

 工業部門における事業環境は、世界情勢の変化により先行き不透明であるものの昨年末からの原油価格の上昇局面を迎え、石油業界の設備投資は緩やかに回復してきています。また、気候変動に関するパリ協定の発効を受け、天然ガスはクリーンエネルギーとして発電用途以外にも船舶等へ利用が広がっており、アジアを中心にLNG(液化天然ガス)市場の拡大を見込んでいます。こうした中、LEWA社、Cryogenic Industriesグループ(以下、CIグループ)の受注はともに伸長しており、来期以降の業績回復を見込んでいますが、当第3四半期連結累計期間の業績への寄与は限定的です。一方で、従来から当社グループで手掛けているクライオジェニックポンプ事業の好調がインダストリアル事業を牽引し、事業全体では増収増益となりました。その他、精密機器事業は、電子部品製造業界の好況を受け、引き続き受注は旺盛に推移しています。また、航空宇宙事業は受注・売上収益とも堅調に推移しています。

 医療部門における事業環境は、国内血液透析市場の成長が鈍化する中、サービス体制の拡充と効率化、消耗品の販売に注力、売上増加と経費削減に努める一方で、海外市場、特に中国市場は引き続き市場拡大が続いているため、重点戦略地域として、現地合弁パートナーである威海威高血液浄化製品有限公司との関係強化を図り、メンテナンス拠点の拡充など取り組みを進めています。こうした中、当第3四半期連結累計期間においては、国内、海外市場ともに血液透析装置販売が前年同期比で伸長しており、業績は底堅く推移しています。

 また、前年度に計上した所有資産の売却益などの一時利益がなくなったことにより前年同期比では営業利益を押し下げましたが、一過性要因を除くと全社費用は前年同期並みで推移しています。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

工 業 部 門

 

 工業部門は、産業用ポンプ・コンプレッサー等を手掛けるインダストリアル事業、発電プラント向け水質調整装置・電子部品製造関連装置等を手掛ける精密機器事業、民間航空機向け炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形品等を手掛ける航空宇宙事業、及び新規事業の深紫外線LED事業等で構成しています。

 

<インダストリアル事業>

 インダストリアル事業の受注高は58,634百万円(前年同期比47.6%増)、売上収益は53,337百万円(同35.8%増)となりました。

 原油価格の上昇に伴い、原油・ガス採掘など上流分野の設備投資再開の兆しが見え始め、事業環境は好転しつつあります。LEWA社では、上流分野を中心に受注は増加傾向にありますが、昨年までに受注し、当期に売上計上しているプロジェクトは価格競争により収益性が厳しく、前年同期比では減収減益となりました。しかしながら、受注残高は相応に積み上がっており、来期以降の業績回復を見込んでいます。LNGにおいても、原油価格の上昇に相まって市場は回復傾向にあり、従来、当社グループで手掛けているLNG受入基地やFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)で利用される大型のクライオジェニックポンプの引合いが活発になってきています。更には、CIグループで手掛けているLNG燃料船向けの燃料供給システムや小型LNGプラントも需要伸長が見込まれています。また、宮崎新工場にクライオジェニックポンプの性能試験設備の建設を決定しており、市場の更なる拡大と高度化するお客様の要求に対応する開発、生産能力を準備してまいります。当第3四半期連結累計期間は、クライオジェニックポンプ案件の好調がインダストリアル事業全体を牽引し、前年同期比では増収増益となりました。

 

<精密機器事業>

 精密機器事業の受注高は9,368百万円(前年同期比23.2%増)、売上収益は7,343百万円(同6.9%増)となりました。

 発電所向け案件は、原子力発電所の再稼働遅れによる停滞と火力発電所向けにおいても、電力各社の設備補修費削減が響き、業績は伸長しませんでした。一方、海外、特に東南アジア向けの水質調整装置の引合いは増加傾向にあり、受注獲得に向けた営業活動を進めています。また、車載向けなど用途拡大に伴い、電子部品製造業界の投資意欲は引き続き旺盛であり、新型温水ラミネーター装置の受注は大きく伸長しています。今後も需要増加が見込まれており、目下、生産供給体制の整備、強化を進めています。

 

<航空宇宙事業>

 航空宇宙事業の受注高は11,912百万円(前年同期比4.7%増)、売上収益は11,929百万円(同5.1%増)となりました。

 小型機を中心とした民間航空機需要は、東南アジアを中心に拡大傾向にあります。当社グループへの引き合いも順調に増加しており、2018年中の初出荷を目指す宮崎新工場、更にベトナム ハノイ第2工場も2018年11月に竣工しており、需要拡大に対応できる生産能力の増強を行なっています。

 当第3四半期連結累計期間においては、主力製品であるカスケードの需要が徐々に回復してきており、出荷数は前年同期比で伸長しました。また、翼部品を中心にベトナム ハノイ第1工場での生産品目の出荷も引き続き順調に進捗しており、前年同期比では増収基調で推移しています。また、同工場での一部部材の内製化による原価低減や、東村山工場において立ち上げが遅れていたエンジン部品製造の本格稼働により出荷が安定した結果、宮崎新工場に係る先行経費をカバーし、営業利益は前年同期並みに推移しています。

 今後、分散している生産拠点、生産体制の最適化を進めるとともに、宮崎新工場を研究開発拠点としても機能させることで、更なる品質向上、コスト削減を実現し、お客様の要求に高い水準で応えられる事業基盤の整備を進めてまいります。

 

 このほか、深紫外線LED事業においては、有力市場である水殺菌及び空気殺菌での製品開発、事業化に向けた取り組みを進めています。水殺菌分野においては、従来品の流水殺菌モジュールを改良開発し、水銀ランプ製品と同等以上の性能を発揮するとともにコスト削減を実現しました。これにより、利用用途が拡がり、様々な分野でのモジュール提供が可能となる見込みです。当社グループの持つ開発・技術力で高付加価値の深紫外線LED製品を創出し、収益基盤の一つとなるよう育ててまいります。

 

 以上の結果、工業部門の受注高は79,997百万円(前年同期比36.0%増)、売上収益は72,703百万円(同26.2%増)、セグメント利益は5,682百万円(同32.5%増)となりました。

 

医 療 部 門

 

<メディカル事業>

 国内の血液透析市場においては、透析患者数の伸びの鈍化や競争環境の過熱を受け、市場環境は依然厳しい状況にありますが、低迷した前年と比較すると、血液透析装置需要は当第2四半期以降回復してきており、買い替え需要で販売伸長した一昨年を上回る水準で推移しています。また、血液回路など消耗品全般の販売も伸長しています。海外市場においては、市場成長の著しい中国市場向けノックダウン部品販売が全体を牽引しており、アジア圏での販売も伸長しました。以上の結果、血液透析事業全体では前年同期比で増収増益となりました。

 事業再建途上のCRRT事業については、主力市場である中国において販売体制再編などの施策が奏功し装置及び消耗品販売が増加しており、前年同期比では売上収益は微増となりました。一方、開発体制の見直しなど事業再建に要する一時費用を除いた収支では黒字化を目指していますが、欧州他採算が厳しい拠点が営業利益を押下げる結果となりました。

 

 以上の結果、医療部門の受注高は42,747百万円(前年同期比6.3%増)、売上収益は42,734百万円(同7.9%増)、セグメント利益は3,233百万円(同25.3%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は252,120百万円となり、前連結会計年度末に比べて7,428百万円増加しました。たな卸資産が増加したことが主な要因です。

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は173,263百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,358百万円増加しました。その他の流動負債の増加が主な要因です。

 当第3四半期連結会計期間末の資本合計は78,857百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,069百万円増加しました。親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加が主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,553百万円減少し、32,541百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは+10,511百万円となりました。税引前四半期利益の計上が主な要因です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△8,438百万円となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは△3,136百万円となりました。借入金の返済による支出が借入れによる収入を上回ったこと及び配当金の支払いが主な要因です。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。

① 基本方針の内容

 当社の支配形態は、企業価値の向上と株主共同の利益を確保するため、株式市場における自由かつ公正な取引を通じて構成される株主の意思に基づき決定されるものとします。なお、現在当社は買収防衛策を導入していません。

② 当社の取り組みの具体的内容

 当社は、2020年12月期を最終事業年度とする5ヵ年の中期経営計画「日機装2020」及び当社グループの企業統治に関する基本方針を掲げた「日機装グループのコーポレート・ガバナンス基本方針」(2015年10月制定)の着実な遂行・実施により、中長期的な企業価値の向上及び株主共同の利益の維持・向上に努めます。

ロ 短期的な利益や一部の株主の利益を優先する動きが生じる場合など、当社の企業価値と株主共同の利益が損なわれるおそれのある行為に対しては、当社は企業価値及び株主共同の利益の維持・向上の観点から、金融商品取引法など関係する法令に従い、当社株式の大量取得行為等についての是非を株主が適切に判断するために必要かつ十分な情報の開示を求めるとともに、その検討のために必要な時間の確保に努めます。また、仮に、当社取締役会が大量取得者等による当社株式の大量取得行為等が当社の企業価値・株主共同の利益に反すると判断する場合にはこれを防ぐべく、関係法令によって許容される合理的な対抗措置を講じます。

 なお、大量取得者等に対する対抗措置に係る当社取締役会の判断が恣意的になることを防止するため、一般株主との利益相反が生ずるおそれのない、独立社外取締役を2名以上選任します。

③ 当社の取り組みに対する取締役会の判断とその理由

 当社取締役会は、前記②の取り組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、したがって当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,714百万円です。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、工業部門は前第3四半期連結会計期間に買収したCIグループの影響により、生産、受注及び販売の実績が前年同期比で増加しています。