第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、以下の追加すべき事項が生じております。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(新型コロナウイルス感染症の影響について)

世界的に流行している新型コロナウイルス感染症による感染拡大に伴い、今後の経過によっては顧客の設備投資の変更、延期等の影響により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

 新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し長期化する中、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。航空宇宙事業は航空機メーカーの大幅な減産を受けて出荷調整を余儀なくされるなど、とりわけ事業環境が厳しく、売上収益の回復には時間を要する見通しです。インダストリアル事業は産業用ポンプ・システムの需要は概ね底堅く推移しているものの、世界的な原油安を受けて原油・ガス採掘関連の投資の延期や中止が発生するなど、上流分野では需要の回復が遅れています。一方、メディカル事業は医療機関の設備投資抑制などの逆風を受けながらも、主力の血液透析事業で消耗品の増収や各種コスト削減により利益を確保しています。加えて、深紫外線LED技術を活用したヘルスケア分野の販売が伸長するなど、メディカル事業が全社業績を下支えしています。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、受注高113,494百万円(前年同期比10.2%減)、売上収益111,698百万円(同7.8%減)、営業利益5,918百万円(同37.8%減)、税引前四半期利益5,476百万円(同34.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益4,253百万円(同8.3%減)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

工 業 部 門

 

 工業部門は、産業用ポンプ・コンプレッサー等を手掛けるインダストリアル事業、発電プラント向け水質調整装置・電子部品製造関連装置等を手掛ける精密機器事業、民間航空機向け炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形品等を手掛ける航空宇宙事業及び深紫外線LED事業で構成しています。

 

<インダストリアル事業>

 石油関連事業は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が続く中、原油の需要減少や価格低迷が続いており、原油・ガス採掘など上流分野の受注が低調に推移しました。一方、石油化学市場などの下流分野は更新需要が引き続き堅調に推移しており、医薬、衛生用品、食品製造向けなど新たな分野での引合いも増加しています。LEWA社は、主力の上流分野向け大型機器等の受注が大きく落ち込んでいますが、下流分野やアフターセールスに注力し収益の改善に努めるとともに、既受注案件の生産・出荷を進めたことにより増収増益となりました。

 産業ガス・LNG関連事業は、LNG関連施設における投資判断の延期や見直し等により受注高は減少しました。このような中、Cryogenic Industriesグループは、既受注案件の確実な遂行やコスト削減等の取り組みにより、前年並みの業績を確保しました。

 インダストリアル事業全体では、既受注案件の生産・出荷が進捗したものの、前期に事業の一部を売却した影響等により、前年同期比で減収減益となりました。

 石油関連事業は、上流分野では引き続き厳しい事業環境が続くことが見込まれますが、石油化学など下流分野やアフターセールスの営業強化に加え、食品や医薬など新たな分野での受注獲得に努めています。LNG関連事業は中長期的なLNG需要の増加を見据えた多くの開発案件が見込まれることから、宮崎のクライオジェニックポンプ試験設備の完工に向けた建設計画を確実に遂行することにより、受注獲得を目指します。なお、欧州や米国においては新型コロナウイルス感染症の拡大加速が懸念されるなど、予断を許さない状況が続いていますが、従業員の安全を最優先事項として感染防止に努めるとともに、お客様への製品・サービスの提供を継続することにより、収益確保に努めてまいります。

 

<航空宇宙事業>

 新型コロナウイルス感染症による移動制限の長期化に伴い航空機需要が減退しており、出荷が当第2四半期以降大きく減少したため、減収減益となりました。新規プロジェクト向けの受注など新たな動きはあるものの、事業全体では顧客在庫が過剰となり出荷調整が必要となるなど、当面厳しい状況が続くと予想されます。足元の事業環境の変化に応じ、コスト削減や生産効率化を行ないつつ、将来の需要回復を見据え、経営資源の効率化や研究開発の推進による事業体質の強化と、当社の強みを発揮できる新たな分野での展開を図っていきます。

 

 以上の結果、工業部門の受注高は65,509百万円(前年同期比18.0%減)、売上収益は65,255百万円(同13.5%減)、セグメント利益は3,690百万円(同54.1%減)となりました。

 

医 療 部 門

 

<メディカル事業>

 メディカル事業は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、国内外ともに医療機関の訪問制限が厳しく営業活動の制約を受けています。特に国内血液透析事業は、医療機関の設備投資抑制による買い替えサイクルの長期化などにより、装置販売は前年同期比で減少しました。一方、昨年から販売を開始した新型装置の評価は高く、他社品からの買い替え需要の取込みが進んでいます。また、当社血液透析装置との組み合わせで付加価値を提供できる血液回路や粉末型人工腎臓透析用剤などの消耗品の販売は出荷数量の増加や一部製品の価格改定により堅調に推移しました。海外市場は、欧州やアジアは透析装置の需要が減少しましたが、中国向け出荷が伸長しました。血液透析事業全体では消耗品の増販や販管費等の業務効率化によるコスト削減が寄与し、前年並みの業績を確保しました。

 CRRT(急性血液浄化療法)事業は、新型コロナウイルス感染症による急性腎障害対応へのニーズが当上半期に高まったことにより、主力の中国市場において装置・消耗品の販売が増加しました。増収に加え、所有資産の減損処理を実施した前期に比べて費用が大幅に減少したため、増益となりました。

 深紫外線LED技術を活用したヘルスケア分野の販売は当第3四半期も引き続き伸長しました。特に、空間除菌消臭装置「エアロピュア」は、各方面からの引合いが急増しており、安定供給に向けた増産体制の整備並びに製品ラインアップの拡充を進めることにより、さらなる拡販を図ってまいります。

 

 以上の結果、医療部門の受注高は47,984百万円(前年同期比3.4%増)、売上収益は46,442百万円(同1.6%増)、セグメント利益は4,977百万円(同181.6%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は270,318百万円となり、前連結会計年度末に比べて17,333百万円増加しました。現金及び現金同等物の増加が主な要因です。

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は185,496百万円となり、前連結会計年度末に比べて15,924百万円増加しました。借入金の増加が主な要因です。

 当第3四半期連結会計期間末の資本合計は84,822百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,409百万円増加しました。親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上による利益剰余金の増加が主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて10,692百万円増加し、30,996百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは+10,193百万円となりました。営業債権の回収による収入が主な要因です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△12,782百万円となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは+13,742百万円となりました。借入れによる収入が借入金の返済による支出を上回ったことが主な要因です。

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。

① 基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の向上と株主共同の利益を確保するため、株式市場における自由かつ公正な取引を通じて構成される株主の意思に基づき決定されるべきと考えています。なお、現在当社は買収防衛策を導入していません。

② 当社の取り組みの具体的内容

イ 当社は、2025年12月期を最終事業年度とする6ヵ年の中期経営計画「Nikkiso 2025」及び当社グループの企業統治に関する基本方針を掲げた「日機装グループのコーポレート・ガバナンス基本方針」の着実な遂行・実施により、中長期的な企業価値の向上及び株主共同の利益の維持・向上に努めます。

ロ 短期的な利益や一部の株主の利益を優先する動きが生じる場合など、当社の企業価値と株主共同の利益が損なわれるおそれのある行為に対しては、当社は企業価値及び株主共同の利益の維持・向上の観点から、金融商品取引法など関係する法令に従い、当社株式の大量取得行為等についての是非を株主が適切に判断するために必要かつ十分な情報の開示を求めるとともに、その検討のために必要な時間の確保に努めます。また、仮に、当社取締役会が大量取得者等による当社株式の大量取得行為等が当社の企業価値・株主共同の利益に反すると判断する場合にはこれを防ぐべく、関係法令によって許容される合理的な対抗措置を講じます。

 なお、大量取得者等に対する対抗措置に係る当社取締役会の判断が恣意的になることを防止するため、一般株主との利益相反が生ずるおそれのない、独立社外取締役を2名以上選任します。

③ 当社の取り組みに対する取締役会の判断とその理由

 当社取締役会は、前記②の取り組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、したがって当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,332百万円です。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。